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わが国は、人口減少・超高齢社会に突入し、65歳以上人口は2040年頃にピークを迎え、75歳以上人口はその後も2064年まで増加し続けると予測されている。
高齢社会の定義となる「65歳=高齢者」は、1956年の国際連合の報告書が基と言われており、当時の日本人の平均寿命は65歳前後であった。しかし、60年後の現在は男女とも平均寿命は80歳を超え、15歳以上伸びており、「65歳=高齢者」の定義は現状にふさわしくないものとなっている。
今後も平均寿命は延伸傾向にあり、「人生100年時代」の到来が間近に控えている。
このような中、長野県の平均寿命や高齢者就業率は全国トップレベルであり、人生100年時代のモデルとなるべき立場にある。
そこで、長野市と松本市は、若手職員による合同のワーキンググループを立ち上げ、市民の皆さんがいつまでも元気で過ごすことができるよう、前向きな行動への変化を促すため、新しい高齢者の定義について協議を進めてきた。
「65歳=高齢者」という意識を捨て、65歳からが人生で最も輝く時期として、健康寿命日本一を目指し、健やかで充実した生活を送ることができるよう、次のことを共同で提言する。
なお、本提言は、社会保障制度などの高齢者施策を変更するものではなく、支えを必要とする方にはこれまで通り援助をしながら、65歳以上の市民がこれからも元気に活躍するという意識を持っていただくことを目的に発信するものである。
今後2市が連携し、長野県及び県内市町村に対し賛同を呼びかけるとともに、本提言の趣旨に基づいたさまざまな活動を積極的に推進する。
平成30年9月21日
長野市長 加藤 久雄
松本市長 菅谷 昭
平成29年1月、日本老年学会・日本老年医学会において、10~20年前と比較して、加齢に伴う身体機能の変化の出現が5~10年遅延しており、「若返り」現象がみられることから、高齢者の定義を従来の65歳以上から75歳以上とするとの提言があった。また、内閣府が平成30年2月に発表した高齢社会対策大綱においても「65歳以上を一律に「高齢者」とみる一般的な傾向が現実的なものでなくなりつつある」としている。