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寿小学校の先生方は、1学期に、5年生で公開された単元内自由進度学習の授業を参観し、夏休みに、単元内自由進度学習を通して養われる力や、その価値について考える職員研修を行いました。このことで、自由進度学習の良さを感じ、部会以外の先生からも「自分のクラスでもやってみたい」「こんな子どもたちの姿を目指したい」という声が増えてきました。
2学期も、先進校への視察を計画し、11~12月にかけては、授業実践も行う予定です。
また、リーディングスクール事業で配置された先生を中心に、寿小の歴史や地域に関する資料を展示する「地域資料室」の整備が進められています。先日は、150周年記念を機に、6年3組が総合的な学習の時間に作成した「年表」を掲示しました。
学校全体で、「さあ、やってみよう」と、学ぶ雰囲気を高めています。
「探究的な学びには問いが大事だ」ということを職員研修で確認し、各教科で探究的な学びを構想することになりましたが、その時に大きな役割を果たしたのが「自主研修」でした。
「問いが大事だ」ということはわかったので、次は「どのように単元をデザインしていくか」を考えるために設けられた自主研修。夏休み中であるにもかかわらず「ぜひ参加したい」という職員が何人もいました。しかも、「ぜひ参加したいが、その日は都合が悪い…」という職員もいたことから、自主研修は2回の開催となりました。
このような経過を経て、各教科が選定した単元は下図のとおりです(※詳しい内容を確認したい方は「ダウンロードする」をクリックしてください。pdfがダウンロードできます)。
「生徒が学ぶ学校」を目指し、問いを大切に考えた授業が、ここから始められていきます。
丸ノ内中学校では、「忠恕の時間(総合的な学習の時間)」のカリキュラムに「1日忠恕」を位置づけ、生徒が学校内・外で自分たちのテーマに沿って、心ゆくまで探究的な学びに取り組むことができる機会を作っています。この日の活動に向けて、生徒たちは学びの計画を立て、準備を進めてきました。
当日の朝、リュックを背に校外へ出かけていく生徒、教室で活動の準備に取り組む生徒など、学校は学びの活気に包まれました。探究活動への生徒たちの期待感に満ちているようでした。
街中の井戸に注目し、現地で情報を集める(1年生)
「端切れ」を再利用し、魅力的な小物造りに挑戦する(3年生)
小学校を訪問し、6年生の協力を得て「運動と健康」についてのデータを集める(2年生)
街中にカフェを開き、市民のみなさんや外国人環境客との対話を楽しむ(3年生)
時間に縛られず、思い切り活動に取り組む中で、様々な「思いがけなさ」に出会った生徒たち。この経験をもとに、それぞれの学びを一層深めていきます。
1人ひとりが「学びノート」に記した「みんなでやってみたい!してみたい!」ことを、学年の友だちと共有し合った1年生。生活の中で見聞きしたことや、幼保園や地域、家庭での経験をもとに子どもたちから様々な「やってみたい!」が出されました。
先生は、その話し合いと1人ひとりが「学びノート」に描いた「やってみたい!」を大切に考え、「うんどうあそびグループ」「えんそくグループ」「やきいもグループ」など、9つのグループに分かれてそれぞれが活動の計画をすることを提案、グループごとの話し合いがスタートしました。
子どもたちは、自分たちで計画・実行することにワクワク!目がキラキラ!これからどんな風に活動が展開していくのか楽しみです。
1年生社会科の授業では、ヨーロッパ州について学んでいます。ある学級では、「なぜEUに入りたい国とEUから出たい国が存在するのだろう」を問いとして学びを進めています。この授業は、子どもに学びを委ねている点で、黒板の書き写し型のいわゆる「チョーク&トーク」の授業とは異なります。
社会科の先生は授業の冒頭に、EUに加盟する国がある一方でEUに加盟できない国があり、さらにEUから離脱した国があることを写真と動画を用いて示した後に、先ほどの問いを示しました。「それでは学習を進めてください」と言うや否や、子どもたちは各自の関心事を探究していきます。ある生徒は「軍事的なメリットがあると思う。もし困ったら助けてくれる」と加盟するメリットを予想しています。それぞれの予想の検証と疑問の解決に向けて、教科書を読み、外務省HPの資料を読み、あるいは教育用の動画コンテンツを視聴しています。
↑ 生徒自身が立てた問いの解決に向けて学習を進めています。
授業を終えた感想には、次のようなものがありました。「イギリスのEU離脱の理由は、宗教が関わっているのではないかと思った。確かにEUの加盟には、特定の宗教では加盟しづらいという理由もあるようだけど、もっと違う理由もあるみたい。次はこのことを調べてみたい」 「自分たちが調べたいことを自由に、それぞれのスピードで学ぶことができる。それがいい」
心を惹き付ける「難題」により、子どもたちの思考する力は一層深まっていきます。
開智小学校では、10月4日に「創立150周年記念式典」を催行します。この式典のメインに位置付けられているのが今年度、全校で取り組んでいる「探究の学び」の発表会です。「開智小学校の150歳の誕生日を、私たちの『学び』でお祝いしよう!」と子どもたちは晴れの舞台に向けて最終の準備を頑張っています。
今年、初めての「総合的な学習の時間」で六九、縄手、中町など「開智小の周りの地域」について探究してきた3年生は、地域の神社で出会った「お神輿」を自分たちも作り、地域を盛り上げたいと願いをもちました。子どもたちの願いを受けとめた開智の地域の皆さんが、法被(はっぴ)やたすきなどを、子どもたちのために集めてくれました。
↑ 発表に向けて準備を進める子どもたち
子どもたちが地域のたくさんの皆さんと共に作った学びが花開く「150周年式典」はもうすぐです。
夏休みが明け、中山小ではリーディング研修として「前期リフレクション」を行いました。
「クラス全体のめあてをつくり、そこを基にグループのめあてと個人のめあてを立てることを大切に実践してきたが、子どもたち対話しながら解決する姿が見られてよかった。」「休み時間にも修学旅行の内容をレクレーション係が自分から考える姿があった。班長会など、係ごとに集まって考える姿が見られた。」「総合だけでなく図工の時間にも夏祭りのプレゼントをつくった。図工の時間だけでなく、家でも工夫して持ってくるなど自分から考える姿があった。」など、子どもたちが自ら考え、自ら学習を作り出していく姿が共有されました。4月からの、子どもたちの願いを真ん中に置いた実践の着実な成果が確かめられました。
2学期で大切にしたいキーワードは、「経験をつむ」、「ねがいをもつ」、「自分が興味をもつこと」、「グループごとだと力を発揮できる」、「個人の経験を全体で共有する」、「自己選択」と据えられました。中山小学校は、職員全員が成果と課題を共有しながら、これからも歩み続けます。
2学期の授業改善に向け、今年度の重点教科である数学科と社会科の研究部会が開催されました。全校研究テーマ「表現力が育つ~すべての活動を通して~」を、日々の授業でより一層具現していくために、盛んに意見交換がなされました。
数学科授業研究部会では、現実社会のデータを教材として用いることの魅力と配慮点や、生徒が根拠をもとに表現し合いたくなる授業構想について話題になりました。社会科授業研究部会では、「生徒が探究したくなる単元を貫く問いの立ち上がりを、どう支援したらよいか」や「根拠をもって表現するためには、生徒が見方・考え方を自覚的に働かせていくことが欠かせない」などの意見が出されました。
どちらの部会も、先生方が明るく前向きな雰囲気のなかで、授業づくりについて語り合っていました。
↑ 活発に意見交換をする数学科研究部会の先生方
田川小学校では、「自己肯定感をもてる子」を目指す姿とし、また、「子どもの行為の意味を価値づける」ことを大切にしながら、「探究的な学び」への実現に向けて、月に1回の研修に取り組んでいます。
夏休み明け、1学期に取り組んできた生活科・総合的な学習の時間の学びを2学期へどうつなげていくか、さらに子どもの主体となる学びをどう深めていくか、「チュ―ニング」という対話を通した職員研修を行いました。
研修には、中信教育事務所から1名、風越ラーニングセンターから2名、丸ノ内中学校や開智小学校のコーディネーターの2名、計5名の先生方にも参加していただき、対話を通して、活発な話し合いとなりました。研修は、4つのグループに分かれ、各グループ内でファシリテーターが中心となり、提案者となる先生から、2学期への授業構想の提案を受け、同じグループの先生から様々な意見交流が行われました。提案者は自分の悩みを素直に相談したり、また、同じグループの先生は、自分の体験を通して、アドバイスをしたり、相談できる雰囲気が心地よい研修となりました。
研修を通して、「限られた時間だったけれど、見通しをもちながら会話ができとてもよかった。」「アイデアをもらい、明日からできるものがあったのでやってみたい」「こうやって他の先生方と意見交流することがとても楽しかった。アドバイスいただいたことを活かしていきたい」と感想があり、一人ひとりの先生方にとって、とても有意義な研修となりました。
7月の2・4学年での実践をとおして、自由進度学習に取りくむ子どもの実際の姿を職員で共有することができました。また実践後のふり返りから本校のテーマ「子どもの“学びデザイン力”を育てる」を実現するために、「学習環境」と「教師のかかわり」をブラッシュアップしていくことが見出されました。
K先生は算数科の自由進度学習で「子どもがワクワクして取り組みたくなる応用課題を設定したい」という願いを持っています。身の回りにある課題を、単元で学んだことを生かして、実物にふれながらが取り組めるよう、課題の設定や具体物の整備などの学習環境を進めています。このような学習環境づくりを大切にしながら、2学期も各学年で実践を進めていく予定です。
筑摩野中学校では、8月21日に聴き合う学級づくりを目指して職員研修を行い、研究主任から、スリンプルプログラム「筑輪タイム」の提案がありました。スリンプルプログラムは、週1回の短時間グループアプローチでソーシャルスキルトレーニングと構成的グループエンカウンターの要素をもった活動です。実際に、「アドジャン」を職員で行ってみました。4人グループでじゃんけんのように0~5本指を示して指の数を足し算し、その1桁の数字のお題について端的にメンバーは答えていきます。それを90秒行い、その後フリートーク(90秒)で話したお題について、語り合いました。短時間でしたが、50人近い職員集団がアットホームな雰囲気に包まれました。
この「筑輪タイム」を月曜の思学(朝の時間)に全学級で1ヶ月計4回行っていきます。28日には1回目が行われ、生徒たちも、笑顔でメンバーの話に頷きながら話を聞いたり、話したりしていました。フリートークでは「なんで○○って答えたの?」など問い返していました。筑輪タイムで身につけたスキルや関係づくりが協働的な学びにもつながっていくと思います。2回目以降はメンバーを替えたり、お題を変えたりしながら進めていきます。
「学びに、遊びや体験を(第3次松本市教育振興基本計画)」につながる授業づくり研修の機会にしたいと願い、JFA小学校体育サポート研修会担当講師北野孝一先生を招き、実技と講義を交えた「体育の授業づくり」研修会を実施しました。最初にアイスブレイクを通して、仲間づくりや集団のルールづくりの大切さを、体験を通して学びました。続いて道具や教師の問いかけの工夫により、体育が「得意な子も苦手な子も、両方に学びとなる」いくつかのゲームを体験する中で、「がんばれ」「ナイス」などの言葉が自然に飛び交う「集団の和づくり」にもなることを実感しました。その後、講義で、実技で体験した「道具の工夫・環境設定の大切さ・問いかけの重要性」の意味について振り返りました。
教師の問いかけの工夫により、運動能力が異なる子どもたちであっても、全員にとって体育の時間が楽しくなり得ることを体験したので、この学びを、多様性を受容する授業づくりに生かしていきたいです。
波田中学校では、全ての子どもの自己肯定感を高める支援のあり方について共通理解を図り、学校でできる支援の一助となればと願い、信州大学教育学部准教授高橋史先生を招き、職員研修を実施しました。講演を通して、「不登校の発生要因(過去)と維持要因(現在)を理解すること・すべての子どもに対して『ストレスチェックと日々の声かけ』をする大切さ・安全な雰囲気づくりをコツコツと重ねていく重要性」等について研修を深めました。
演習を通して「好きな遊びを楽しんでいるときの気持ちは100点中何点をつけますか?」等の質問を例に、「楽しい」「うれしい」などの感情をあらわす言葉も、人それぞれとらえ方が違うことを体験しました。この研修での学びを、多様な生徒への対応にいかし、自己肯定感の醸成につなげていきたいと思います。
1学期は、自分で学習計画を立て自分のペースで進める、単元内自由進度学習「寿小マイプラン学習」が実践され、子どもたちの学習活動をさらに活発にしていきました。
授業学級の児童を対象に実施した事後アンケート調査では、「寿小マイプラン学習をまたやりたい」と90%の児童が回答しました。また、自由記述欄には、「わからないところをゆっくり考えて取り組めた」「自分でやる力が身につく。だから、大変でもまたやりたい」などの記述も見られ、主体性や自己調整力の高まりが、感じられました。
そこで、単元内自由進度学習部会では、夏休み初日の7月20日(木曜日)に、全校職員の研修を企画し、「寿小マイプラン学習」の実践における成果と課題を発表しました。そして、2学期は、「自律した学び手」の育成を目指した単元内自由進度学習の取り組みを、他学年でも進めていくことを全職員で共有しました。
1学期の取り組みを振り返る職員研修
「生徒が学ぶ学校」への転換を目指し、6月~7月にかけて授業公開をしてきた開成中学校。
夏休みには職員研修や自主研修でその成果と課題を共有しながら、8月~10月までの間で「考える」生徒が育つ授業をしていくことを確認しました。具体的には、各教科で「追究」できる単元を決め出して、「探究」のサイクルが回るように計画を立てます。今は、2学期に各教科1単元、探究のサイクルを回せそうな単元を選定していることころです。
とにかくまずは実践してみること。上手くいかないことが前提で、とにかく実践事例を積み上げ、教師の知見を積み上げていくことを大切にしたいと考えています。
2学期の終わりには、実践を通して生徒の変容や改善点等を共有し、さらに次の方向性を定めていきたいと思います。
丸ノ内中学校では、総合的な学習の時間「忠恕の時間」で、プロジェクト学習に取組んでいます。生徒の意識調査に基づいていくつかのプロジェクトテーマ(講座)が設けられ、生徒たちはクラスの枠を越えて、エントリーします。各プロジェクトの中で生徒たちはサブテーマ(課題)を決めだし、グループで探究を進めます。今年度は全学年がこの形で探究的な学習に取組みます。
2学期最初の「忠恕の時間」。各学年の生徒たちはそれぞれのステージでプロジェクトを進め、学校全体が活気に満ちた時間になりました。
↑1年生、2年生はプロジェクト学習のスタート。これからの探究に向け、見通しを持ちます。
↑ 一歩先行する3年生。「一日忠恕」に向け、それぞれの探究を進めます。
2学期最初の研究会です。先生方は子どもたちに、自ら考え動ける力をつけてほしいと考えています。
近隣の保育園参観等から、子どもの捉え方や環境構成について明善小の先生方が学び、子どもたちから出てくる「やってみたい!」「どうしてかな?」の問いについて一緒に考えたり、子どもに問い返したりすることを通して、子どもたちが思考力を働かせられるような授業を子どもと共に作ろうとしています。
2学期に子どもたちから、どんな「やってみたい!」が出てくるのか楽しみにしています。
社会科の授業を、驚きと発見のある時間にしたい!
本校では、探究的な学びを、総合的な学習のみならず教科学習においても進めるために授業改善を図っています。今年度着任した新卒の社会科の先生は、わくわくしながらつい解決したくなる問いを工夫することで探求的な学びを目指しています。先日の授業では「幕府はなぜ鎖国を行っていたのだろうか」を学習問題として生徒の声を引き出します。これからも「えー」「そうなんだ」と発見に満ち、感嘆する経験を味わってもらうために、問いの在り方を模索していきます。
夏休みの1日、開智小学校では2学期の探究の学びの充実をめざし、職員研修を行いました。
研修はコーディネーターの先生を中心に、若手の先生も発表者を務めるなど、先生方が主体的に企画しています
研修は「プロジェクト・チューニング」「思考ツール」「探究における知識・技能の力の見極め」「教科における探究的な学び」という充実した内容でしたが、これまでも、対話的な研修を重ねてきた開智小の先生方は、今回も和気あいあい、かつ積極的に協議されました。先生たち自身の主体的・協働的な学びに満ちた時間となりました。
「プロジェクト・チューニング」 総合的な学習の時間の構想をグループの先生方に相談。様々なアイディアを交換し、見通しを高めます。
「ワークショップで学ぶ『思考ツール』」 児童が探究的な学びを進める中で活用できる「思考ツール」(ベン図、統計処理など)をワークショップで実感的に学びます。
7月からスタートした2・4年生の算数科での単元内自由進度学習がそれぞれ単元の終盤にさしかかりました。どちらの学年でも、子どもが自分のペースで学習を進める中で、学びが深まったり、個で学びながら関わりあったりする姿が見られています。
2年生は100より大きい数を学んでいます。始業のチャイムの前から、子どもたちは自分の必要なものを机の上に用意して学び始めていました。Aさんは真っ先にタブレット端末を取りに行くと、オンラインのドリル教材を黙々と取り組んでいました。授業の後半になる頃にはタブレットを片付け、単元の学習計画表をじっと見つめました。これまでの学習で少し不安のあった部分を見つけると、プリントコーナーへ行ってその部分の問題を探し、再び黙々と鉛筆を走らせていました。問題を解き終え、振り返りの時間になる頃にちょうど丸つけを終えたAさんは「よしっ」と小さくうなずきました。タブレット端末とプリントでの学習を行き来して学ぶことで理解を深め、力の高まりを実感していました。
4年生は小数について自由進度で学んでいます。「廊下の長さは何kmでしょうか」という発展問題にチャレンジしたCさんは、巻き尺を手に一人で何度も廊下を行き来しながら長さを測っていました。自分で測った長さをこの単元で学習した考え方を使ってkmの単位に換算して答えを求めることができました。同じ課題に取り組んでいたDさんを見つけると、二人でノートを突き合わせて「やった!」とガッツポーズ。個の学びが重なって、学びの達成感や喜びが生まれた瞬間でした。
1学期末のある日、3年生の子どもたちは校内の「自然ふれあい広場(ビオトープ)」に様々な生き物が住みついてくれることを願い、グループ毎でめあてをもって広場へ入っていきました。「池の外のアヤメの花を広場へ移植したい」という目当てを持ったグループの子どもたちは、株がまっすぐに立たないという「思いがけなさ」に出会い、広場の中で地盤が強そうな場所を探したり、盛り上げた泥の中に植えようとしたりするなど、目の前の「問題」の解決に向けて知恵を振り絞っていました。
子どもたちの学びを見守る先生は、行動をためらっている様子の子どもに「どうやってやろうと思っているの?」と見通しを顕在化させる問いかけをするなど、子どもたちの問題解決を背後から支えていました。一人ひとりの子どもの願いを把握し、子どもに乗り越えさせたいこと、子どもに任せたいこと・任せられることを頭におきつつ、ゆったりと見守る先生の支援のもとで、子どもたちは思い切り学んでいきます。
3年生は7月5日、松本の魅力に関する各自が設定したテーマに合わせて、校外の関係各所でインタビューや現地調査を行いました。このうち、「中学生が考える住みやすい松本市」について探究してきた生徒2名が臥雲市長を訪問し、成果を発表しました。3年生へのアンケート結果をもとに、放課後や休日の学習スペースの整備や、公園の整備等について提案をしました。市長からの質問に的確に答えたり、メディア各社からの取材にも堂々と対応したりする姿がありました。全校研究テーマ「表現力が育つ」が具現化された生徒の姿でした。
さて、今回の市長訪問の新聞記事を目にした地元の公民館の方が、早速、学習スペースとしての公民館開放に動き出してくださいました。地域で、地域の方々と学び、そして「地域に貢献するとは何か」という問いをもって探究してきた生徒達にとって、地域の一員になって暮らしている実感を持った出来事になりました。
自分達が想定していなかった視点からの質問を市長から受ける生徒
市長への提案後、メディア各社の取材に対応する生徒
筑摩小学校では年度当初から準備を進めてきた自由進度学習について、4年生は算数科「小数」の単元でスタートしました。はじめのガイダンスでは「楽しみなことも心配なこともある」と話していた子どもたちでしたが、どの問題をどこで学ぶのか、自分で学習計画を立てて意欲的に学び始めています。
Aさんは廊下に並んだベンチで、小数を10倍したときに各位の数字がどう変わるかについて、プリントで学習していました。「これでいいのかな」「1つずれるってことだよね」と隣のBさんと言葉を交わしながら問題を解いていきました。時間が終わると「あー集中した!」と思わず声が出ました。自分のペースで学ぶことは自分の精一杯の力を出すことだと実感している姿でした。
同じ廊下の一角には巻き尺やはかりなどがそろえられた「算数コーナー」があります。もっと知りたいと願う問いに出会った子どもたちは、きっとここにある道具を使って学びを深めていくことでしょう。
筑摩野中学校では、7月18日、麻布教育研究所所長の村瀬公胤先生を招き、授業クリニックを行いました。3校時に社会、4校時に英語を共同参観授業とし、職員全員がどちらかの授業を参観しました。
放課後に授業懇談会、村瀬先生のご指導の時間をもちました。授業懇談会では、生徒と同じく、職員も4人組になり、具体的に生徒の名前と姿をあげて気になった理由を発表し、手だて(指導法)ではなく、授業から自分が学んだことを語り合いました。
村瀬先生のご指導では、協働的な学びは、グループで考え合うことで、その生徒が一所懸命説明しようとする瞬間が学びの瞬間であり、生徒の「なんで?」「だって、~」「でも、~」というつぶやきが大事であることが示唆されました。「考えた」・「学んだ」結果の交流ではなく、「考える」・「学ぶ」過程の共有を目指していきたいと思います。
教科書の単元がどうしたら協働的な学びになるか、子どもたちの学びが深まる問いを教科会などで検討し、考えていきます。
田川小学校では、今年度の研究で「子どもの行為の意味を考える」ことを大切にしています。
7月の授業研究会は、参観の先生方が授業で着目した子どもの姿をカメラに収め、それをもとに、その時の子どもの様子と、そこから想像される子どもの想いを語り合うという形で行われました。授業後、研究会に先立って、先生たちは撮影した写真を協働編集のスライドに貼り付け、コメントを追記します。
研究会では、まず、各グループで写真を見ながら、その子どもの学びを振り返り、その後それを全職員で共有していきます。写真を示しながら、豊かにその子の想いを想像し、その学びのいきさつを語る先生方。
子どもをしっかり見ることの大切さの実感や、子どもの見方(子ども観)が先生たちに共有されていく時間となりました。
寿小学校では、6月下旬から、5年生の算数「合同な図形」と社会「暖かい/寒い土地の暮らし」の単元で、自由進度学習を始めました。
子どもたちは、この時間を心待ちにワクワクしている様子で、チャイムと同時に、一斉に算数用の学習室や社会用の学習室、ホームルーム等、それぞれが選んだ「学びの場」へと向かいました。
Aさんは、教科書や、タブレット、様々な資料を広げるため「床」を選び、準備を整えると「よーし」と気合を入れて学習を始めました。しばらくしてAさんは、隣のBさんに静かに話しかけ、「これすごいよ!この屋根、なんでこんな形しているか分かる?」等、驚きや疑問を分かち合いながら学んでいきました。
終了のチャイムが鳴った時、「うわぁー、楽しかった」と誰に言うともなくつぶやいたAさん。心の声が自然に出てきてしまうほど、充実した時間となりました。
当初、初めて体験する学び方に戸惑いを見せていた子どもたちですが、自分のペースで、自分自身が進める学習の楽しさに気付くとともに、自分なりの学び方に自信を持ち始めたようです。
「教師が教える学校」から「生徒が学ぶ学校」への転換に挑戦している開成中学校。
知障学級の「理科」、物体の体積を求める授業の一場面です。先生は、体積を測定する必要感が生徒の中に生まれるよう工夫をこらしました。比較する素材は「一見しただけでは大小がわからない微妙な大きさ」であり、どうしても測定しなければなりません。
何度も何度も手に取って予想し、予想を確かめるため、メスシリンダーを使い、夢中になって測定する生徒たち。「あたま」「からだ」「こころ」すべてを動員して「生徒が学ぶ姿」がありました。
開成中学校では、すべての学級でこのような学びの実現を目指していきます。
「多様性を受容する学校」を目指している波田小学校。職員研修として、Aさんに関わった担任が「支援を通して学んだこと」について実践発表を行い、職員が各自、自身の指導を振り返りました。
例えば、日頃教師がついやってしまいがちな「板書しながらの指示・何かを配りながらの指示(表情、口元が見えない)、巡回しながらの指示(注意を向けることが難しい)」などは、不適切な支援だと知ることができました。
また、教科指導における支援の基本は「(1)視覚的支援 (2)語彙に関する支援 (3)話し方に関する支援 (4)活動場所の環境に関する支援」の4点であること、特に視覚的支援について、プール指導で実際に提示したカードを見ながら、視覚支援の大切さについて確認しました。
「Aさんに対してだけでなく、他の多くの子どもたちに対しても大切な支援」という実感を、全職員であらためて共有しました。
波田中学校では、「明日も学びに行きたくなる学校」具現のための「まなプロ」(学びの改革プロジェクト構想)を作成し、職員会で共有しました。プロジェクトは「(1)授業充実 (2)小中連携 (3)学びの場の見直し」の3つを柱に、「生徒の自己肯定感の醸成」を目指して取り組んでいきます。
柱の一つである「授業の充実」の取組として、研究主任の先生が自らが授業を公開しました(2年数学「どの電球を買いますか?(一次関数の導入)」)。4人が机を合わせ、対話しながら学習を進める「協働的な学び」による実践で、生徒たちは困ったり迷ったりした点について友と相談し合いながら、考えを深めていきました。
学期末には職員研修として、信州大学教育学部准教授 高橋史先生を講師として招き、「全ての子どもの自己肯定感を高める支援のあり方」について研修を深める予定です。
6月下旬、研究部会の先生方が学校近くの内田保育園の参観をしました。年長児がクラスの友だちとイメージを共有しながら、夢中になって遊ぶ姿が見られました。一人で描き進めるうちに友だちの描いたものと合体して互いにストーリーを発展させたり、もっとこうしたいという願いが生まれ試行錯誤したりする様子が垣間見られ、遊びの中に大いなる学びがあることを実感することができました。
また、ダイナミックな活動を行うに当たり、活動場所であるホールの机やいすの配置、道具や材料が安全に扱えるような配慮、遊びの満足感を得られるような受容的な声がけ等、一人ひとりの遊びが充実したものになるよう環境調整されている様子について、参観された先生は、小学校でも参考になることが多いと感じられていました。
「総合的な学習の時間」では、各学級が決めたテーマに沿って学びを深めています。
3年生のある学級では、かき氷シロップと水まんじゅう作りに挑戦しました。「りんご(をもう少し細かく)切ったほうがいいんじゃない?」「これでいいんだって」「いや、やってみようよ!」などと声を掛け合いながら調理に励んでいました。
この学級は、校区を流れる田川の水質を調査してきた2年生の時の学びが発展し、田川の水を活用した料理ができないかという発想を抱いています。
今回は水道水を利用しましたが、田川の原水を活用するための清浄化方法が課題です。調理を行うメンバー以外にも、浄水について調べるメンバーもおり、飲料水を扱う会社に浄水のシステムについて質問してみたいという願いをもっています。
今後、この学びはどのように展開していくのか楽しみです。
丸ノ内中学校では、全校を挙げて探究的な学びを進めるにあたり、先生自身が「題材を決める、問いを立てる、協働追究をする、効果的にまとめる…」といった「探究のプロセス」を体験することを大切に考え研修を進めています。研修が先生方自身によって企画され、いろんな先生方がその都度、交代で講師を務める等、ボトムアップ型で実施されているのも丸ノ内中の研修の特色です。
7月5日には、生徒が調べたデータを統計処理するうえで必須となる「ヒストグラム」について、数学の先生を講師として先生方が学び合いました。「生徒に説明する」という目的を超えて、「中央値、平均値、最頻値の違いは?」「グラフをどう読めばいい?」など、先生方が「材」の魅力を感じながら探究的に学ぶ、大盛り上がりの研修会となりました。
学校全体で取り組んでいる「探求の学び」のある日の一コマです。
田植えを終えた5年生は、1学期の終わりまでの6時間を使ってお米のために自分は何ができるかを考えました。
「ぼくはイネの病気のことを調べたいです。なぜならば、(イネを観察したとき)イモチ病があって、何とかしないとおいしいお米にならないと思うからです」など、自分がこれまで目の当たりにした事実を足場としながら、子どもたちはおいしいお米がたくさん収穫できることを願い、そのために自分が取組んでいきたいことを語っていきました。
こうして、「生き物」「水の管理」「病気」「調理」「観察」の5つのグループができ、6時間でどのような取組みを進めるかを計画しました。
教室には、理科の「植物の発芽と成長」で観察用にまかれた種子が置かれていました。インゲン豆を使うことが多いこの学習ですが、イネも育てられていました。子供たちのイネへのおもいが、このようなところからもうかがえます。
清水中学校では研究テーマ「表現力が育つ~すべての活動を通して~」の具現に向け、職員研修をシンカさせています。
職員会の中に、互いに語り合う「トークタイム」を新たに設定しました。6月14日のトークタイムは、前の週に実施された授業公開週間の振り返りを行いました。
「単元導入時の子どもの姿から、単元を通してどのような支援をしたらよいか」「根拠をもって説明する場の設定はどうしたらよいか」など、子どもを主人公とした授業づくりについて活発な意見交換がなされました。
「探究の学び」に全校で挑戦している開智小学校。6年2組の子どもたちは、「旧開智学校」を題材に、自分たちで立てた「問い」についてチームで調べた内容を1年生に伝える会を企画しました。前日の授業では、「楽しく」「よくわかる」発表をめざして最後のリハーサルを行いました。
授業の終わり、「一番しっかり伝えたいのは『クイズ問題』。ゆっくりわかりやすく話したい。」「『受け』をねらいすぎず、1年生が『うんうん』となるように話したい。」と願いを語る子どもたち。相手意識を高め、大切にしたい目当てをあらたにする姿がありました。
そして迎えた発表会当日。6年生の思いが伝わり、1年生は、とても集中し興味津々で参加していました。
「自分で考え、工夫する学びの楽しさ」が、こうして先輩から1年生に受け継がれていきます。
筑摩野中学校では、5月以降、全校で4人グループによる協働的な学びづくりにチャレンジしています。
6月9日、3年生の英語の授業では、英語で書かれたヒントカードをグループの皆で解読し「犯人」を考える活動を通して、現在完了形の3つの用法を実感的に学びました。自ら考え、かかわりあう必要感により、豊かに対話・協働しながら学ぶ生徒たちの姿がありました。
他の授業でも、個で取り組む、隣の生徒に尋ねる等、グループの中で自然に学ぶ姿が生まれています。
先生たちは、この学習スタイルの成果と課題を日常的に話し合い、より深い学びを目指して模索しています。
6月9日、田川小学校の地域の大切な財である「田川」に出向き、実際に材と向き合い、どのような探究ができそうか考えあう校内研修を実施しました。
川に詳しい地域の専門家の方にも参加していただき、人の材にも触れる研修となりました。
まずは教職員が実物と実際に関わることを通して「探究の学び」を体験します。
そして、「こんな探究ができそう…」と、田川で先生方が考えた「探究の学びの可能性」をまとめ、共有しました。
このような研修を重ねていくことで、先生方自身の探究のサイクルを積み上げていきます。
6月上旬に、「単元内自由進度学習」を既に実践している県内の小学校へ視察に行ってきました。
そこには、自分のペースで学習に取り組み、とことん課題に向き合っている子どもの姿がありました。
また、実際の教室環境や準備された教材を目の当たりにすることで、寿小での実践のイメージを掴むことができました。
視察後、重点研究会の議論の中心は、子どもが自立的に学びを進める「単元構想」と「学習材・環境づくり」についてでした。
現在、「単元内自由進度学習」の実践を目前に、子ども一人一人の学びの姿を予想しながら、単元全体を見通して学習の流れを考え、ていねいに教材開発に取り組んでいるところです。
開成中学校は6,7月の研修として、グループで授業を見合っています。
それに先立ち、「1年生の社会科の例」を通してポイントを全員で共有しました。
この授業で子どもたちは、自分で課題を設定し、情報を収集して整理し、分析や考察を行って、自己課題に対する解答をまとめるというレポートを作成しました。
生徒の振り返りからは「達成感」「自分で考えながら」「関連させる」「伝わるように」という今後の支援のポイントになるキーワードも出てきました。ここに、探究的な学びの一端があり、生徒自身が達成感や充実感を感じられることが分かります。
また、情報を取捨選択したり根拠をもとに考察したりすることの難しさを感じてもいます。さらに、相手意識をもって自分の考えや意見を表現することに難しさを感じてもいます。
こうした事例を共有した上で、授業実践を繰り返す。その中で子どもも教師も変わっていく、それを見合うことで広がっていく。
開成中はそんな2カ月間をスタートさせています。
波田小学校では、子ども理解を深め、子どもたちが「明日も来たい」と思える学校になることを願っています。特に相談室が、その子にとっての教室となり「今日はこういうふうにやっていこう」と自分でカリキュラムをつくることができるような場になればと考えています。
ある日の相談室の様子です。子どもたちは中庭の一角にさつまいも畑をつくり、さつまいもの観察と水やりをしました。子どもたちは「クラスのみんなに食べてもらいたんだ。大きくなれ」と言いながら笑顔で活動しています。
さつまいもの観察・世話が終わると相談室に入り、一人ひとりが国語のプリント学習を行いました。
1枚終わると担当の先生と相談し、わかったところ、不十分なところを確かめながら、自分のペースで「できた!」を積み上げます。
波田中学校には、波田小学校に通うほとんどの卒業生が入学してきます。また、あかり教室(松本市中間教室)も中学校のすぐ近くにあります。
そこで、これまで以上に波田小学校・あかり教室との連携を深めていくことが大切だと考えています。その一環として、波田中学校の相談室に通う生徒とあかり教室に通う児童・生徒が一緒にりんご滴摘果作業を行いました。
このような活動を通して、これまで以上にあかり教室との交流を深めていきたいと思っています。
5月に行われた研究部会では、1年生が幼保園時代にかいた『あそびのーと』と入学してから今までにかいた『まなびノート』を見て部会の先生方が自由に語り合いました。「この子の絵には友だちがいっぱい出てくるね。」「きっと竹馬に乗れるようになったんだね。」「保育園のころは絵が中心だった子が、1年生になったら文字ばっかりになっている。一生懸命書こうとしてる感じがするね。」「この日は絵の感じがいつもとちがう。何かあったのかな。」など2冊のノートを見て子どもたちのあそびや学びに思いを馳せ、目の前の子どもたちのありのままの姿を捉え共有しようとする先生方の姿がありました。
外国で過ごしてきた生徒にとっては、文章を読むこと自体が学びの障壁になります。まして漢字となると文意をつかむことは容易ではありません。国語科の先生は、「授業を通じて自分の思いを表現してほしい」という願いから、漢字にルビを振った自作の教材を作成することで、多様な生徒が安心して学ぶことのできる環境を整えていました。
先生がルビを振れなかった際には、やさしく教える子どものかかわりがありました。
探究的な学びにおいて、生徒が結論を導く根拠として、数学で学習する統計的処理を用いることが期待されます。統計的処理の有効な手段の一つとして、中学2年で学習する「箱ひげ図」を活用し結論を導くことが予想されます。丸ノ内中では、生徒が探究的な学びの中で根拠として活用できるように、通常2年の3学期の単元である「箱ひげ図」を1学期に学習するようにしました。
今回は職員研修として、数学科の職員が、実際授業で使用した教材を用いながら、「箱ひげ図」とはどんなもので、どのように活用することが有効なのか、職員へ研修を実施しました。生徒が根拠を活かした学びをするためには更に職員の支援・指導のスキルアップが求められると考えたからです。「探究的な学び」が教科の学習と結びつく体験を職員が実感する研修会となりました。
5月24日に各学級の年間指導計画を全職員で共有しました。特に「中山っ子の時間」(生活科、総合的な学習の時間)の部分については、担任の葛藤や困り感について語り合いました。担任の思いだけで「こうしよう」とはせず、子どもを中心に据えようとするからこそ、葛藤や困り感が生まれてきます。
そして、各学年の「中山っ子の時間」の活動が少しずつスタートをしてきました。5年生の子どもたちは数回のミーティングを行い、今年の米作りについての見通しを持って活動がスタートしました。
6月5日からの1週間、研究テーマである「表現力が育つ」授業をすべての教科で公開しました。校内の先生方はいくつかの参観グループに分かれ、互いの授業を参観し合い、授業づくりについて語り合いました。
また、校外からも20名近くの先生方が来校し、子どもたちが主体的に学ぶ授業を参観しました。
先生方が互いに学び合う薫りが広がっていました。
開智小学校では、「150周年記念式典(10月4日)」での学年ごとの「探究的な学び」の発表に向けて学校全体で研修を深めようと取り組んでいます。同じパイオニアスクールとして「探究的な学び」を研究している丸ノ内中学校の探究コーディネーターから、軽井沢風越学園で行われている「プロジェクトチューニング」の説明を受け、職員で実践しました(6月6日)。
「進行役」「タイムキーパー」を決めて、「参加者全員が進行役のつもりで自分ごととして考える。否定的な意見は避け、建設的な意見を述べる」ことに留意し、考えを述べ合いました。約30分間の「チューニング」の実践は、先生たち自身の協働的な学びが実現した、有意義な研究会となりました。
5月17日の校内研修で、自由進度学習を実践している県外の学校の授業動画を視聴しました。冒頭のミニレッスンから、各自の計画を確認し、個別の学習に取り組む様子等を見て、実践に向けての一歩を踏み出しました。
5月17日(水曜日)5校時に、社会科の授業が公開されました。賑やかで、和気あいあいとした空気で始まった授業の中で、生徒の皆さんは安心して、自身の考えを発表していました。
一気にクラス全体が集中モードになる瞬間や、テーマの本質に迫るキーワードをジャムボードに書き込む生徒の姿等、見どころ盛り沢山の50分は、『自らの学びに舵を取る生徒の育成』を目指す開成丸が、力強く出港した瞬間でした。
5月22日の「探究」研究部会の一コマ。
子どもたちの学習カードをもとに、前時からの意識のつながりや、興味の在処など、
意見を交換しあい、「こどもの理解」を深めました。
こうした中から「学びの種」をみつけ、子どもたちが自分からどんどん学んでいく授業を構想します。
授業づくりは「先生の探究」そのものです。
玄関に掲げている「あいことば」
奈須先生との研修会
4月20日(木曜日)には、上智大学総合人間科学部教育学科教授の奈須正裕先生に授業参観をしていただき、子どもの主体性をはぐくむための研修を実施しました。
6月には、個別最適の学びと協働的な学びを一体的に実現するため、「単元内自由進度学習」の先進校へ視察に行き、6月下旬からは、本校でも実践していく予定です。
より一層の対話を基盤とした授業づくりを目指して、5月8日(月曜日)から、全学級で教室での4人1組のグループ座席での授業がスタートしました。
「学習問題を出したとき、生徒が素直に反応しやすくなった」「個別学習にしたときの集中度が高まった」等の声が上がっています。
波田小学校では、集団に入りにくい児童の気持ちに寄り添い、その子の「今」に適した学びの継続を考えていくために、「子ども理解研修」に取り組んでいます。年度当初に、吃音のある児童・難聴の児童の理解と支援について、5月には、読み書きに困難さがある児童の理解と支援について研修会を実施しました。
昨年、働き方改革の取組みにより日課変更を実施し、生み出した放課後時間で、先生方が職員室で「授業の様子や子どもの姿」について語り合う機会が増えています。
波田中学校では、「中1ギャップ」解消に向けた取組みを、今年度波田小学校と連携を図りながら進めています。
中学校紹介コーナーの作成
今年度は、小学校の6年生教室棟に設置した「波田中学校紹介コーナー」の掲示を定期的に更新し、生徒の手により中学校生活の様子を発信。6年生が中学校をより身近に感じ、不安を解消し、楽しみを抱いてもらうことを願っています。
入学してから1ヶ月余りが経ちました。少しずつ学校の様子がわかり生活が広がってきた1年生に、2年生が明善小学校のきまりや生活の中で気をつけることなどについて伝えました。
10グループに分かれ、どうしたら1年生に分かりやすく伝えられるかを仲間と考え発表準備を進めてきた様子がうかがえました。1年生からたくさんの質問も飛び出し、それに一生懸命答える2年生の姿が頼もしく感じました。
日常の国語の授業の一コマ。小グループでホワイトボードを囲み気がついたことを気軽に語り合う生徒たち。
お互いの違いに寛容で、安心して学ぶことのできる関係性は、多様な子どもたちが同じ教室で学習を進めていく基盤です。
鎌田中学校では、安心して自分の思いや考えなどを表現できる学級や学年集団にしていきたいと考えています。
開智小学校では本年迎える創立150周年を「探究の学びの年」としようと児童・先生が歩みを踏み出しました。
取組のスタートに当たって、「探究の学び」について、すべての先生が学ぶ研修を実施しました。
県教育委員会学びの改革支援課の鈴木指導主事より「探究の学びとは」「学びに係る子ども観」「探究で育む資質能力」「単元づくりの基本」等について学びました。
熱心に話し合う先生方。講義の後、先生方から質問が相次ぐ等、前向きな雰囲気に満ちた研修会になりました。
昨年度より「探究の学び」への取組を始めた丸ノ内中学校。今年は軽井沢風越学園と連携しつつ、「探究の学び」の全校展開を図ります。
4月14日の第1回職員研修の様子。探究コーディネーターの上條先生が「探究の学び」の意義と具体的なイメージを、昨年度の3学年の実践の記録を中心に先生方に説明しました。先生方は温かく前向きな雰囲気で聞き入ります。後日、生徒にも「探究オリエンテーション」として同様のプレゼンテーションを行い、学びのイメージの共有を図りました。
4月後半のこの日、生活科、総合的な学習の時間の立ち上げについて意見交換を行いました。子どもの興味関心に乗っかるか、教師主導で始めるか。
導き出された結論は、「いずれのスタートであっても、体験を通して子どもたちの中に問いが生まれているかが大切ではないか」でした。
いよいよ各学級で子どもの問いを真ん中に据えた活動が始動します。
表現力についてのガイダンスを開催し、生徒と教師がイメージを共有しました。
ガイダンスの後日に開催された生徒総会では、判断の根拠を添えて表現する姿が見られました。