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松本市における生物多様性保全の取組み
生物多様性とは?
地球上の生きものたちは、長い年月をかけてさまざまな環境に適応して進化を続け、現在たくさんの種類の生きものたちがお互いにバランスを保って生きています。このようにたくさんの種類の生きものがいること、それらが複雑に関わりあって存在していることを「生物多様性」と呼びます。
市内のさまざまな環境
生物の多様性には「生態系」、「種」、「遺伝子」の3つのレベルがあると言われています。
- 「生態系の多様性」とは森、里、川など、さまざまなタイプの生態系があることです。
- 「種の多様性」とは鳥、魚、植物など、さまざまな種類の生きものがいることです。
- 「遺伝子の多様性」とは、同じ種のなかにもさまざまな遺伝子が存在し、形態や生態に違いがあることです。
私たちの生活は、食べもの、木材、繊維、薬品、文化、レクリエーションなど、あらゆる面で生物多様性に支えられています。豊かな生物多様性を守り、その恵みを次世代へ引き継いでいきましょう。
松本市の生物多様性
日本のほぼ中央に位置する本市は、3,000メートル級の高山や、そこから流れる水系の源流域を有し、草原・里山・湧水・農地・市街地などの多様な環境が存在します。立地条件や多様な地形・地質・気象などにより、本市は東西南北、さまざまな系統の生物が共存する場所であり、それらにより豊かな生態系が形成され、「生物多様性のホットスポット」とも評されます。
松本市の希少生物
食草ワレモコウにとまるゴマシジミ
松本市(奈川地区)に生息するゴマシジミ(本州中部亜種)は、市の天然記念物に指定されており、平成28年3月には環境省から絶滅危惧種の中でも特に絶滅の恐れが高い「国内希少野生動植物種」(現在175種)に指定されました。松本市には、この他にも絶滅の恐れがある生き物がたくさんいます。
本市の取り組みについて
松本市生物多様性地域戦略「生きものあふれる松本プラン」の策定
生物多様性の特性や、おかれた現状は地域ごとにさまざまです。松本市の生物多様性に関わる問題や課題に対応し、地域固有の財産として守り、活かしていくために、松本市生物多様性地域戦略を策定しました。
※概要版は両面印刷(短辺を綴じる)で冊子になります
策定の経過
平成25年7月 環境審議会に生物多様性地域戦略策定専門部会を設置
平成26年7月 生物多様性地域戦略の策定について環境審議会に諮問
平成26年7月 環境審議会に生物多様性地域戦略策定委員会を設置
平成27年3月 環境審議会から生物多様性地域戦略について答申
平成28年2月 生物多様性シンポジウム開催
平成28年3月 松本市生物多様性地域戦略策定
5年間(平成28年度~令和2年度)の取組みのまとめ
モニタリング指標の見直し
策定から5年が経過し、モニタリング指標の短期目標年度を迎えたことから、令和7年度を目標年度とする新たなモニタリング指標を設定しました。
松本市生物多様性地域戦略モニタリング指標(~R7年)[PDFファイル/93KB]
市民参加型環境調査の実施
身近な環境の動植物を調査することにより、市民の皆さまの足元の環境への意識を高めてもらうことを目的として、平成27年度から実施しています。
- 令和5年度
市民ツバメ調査(令和5年度)
実施期間 令和5年4月~8月 - 令和4年度
市民セミ調査(令和4年度)
実施期間 令和4年6月~9月 - 令和3年度
市民ホタル調査(令和3年度)
実施期間 令和3年6月~8月 - 令和2年度
市民カエル調査(令和2年度)
実施期間 令和2年6月~9月 - 令和元年度
市民トンボ調査
実施期間 令和元年6月~9月 - 平成30年度
市民ツバメ調査
実施期間 平成30年4月~8月 - 平成29年度
市民セミ調査[PDFファイル/282KB] - 平成28年度
市民ホタル調査[PDFファイル/987KB] - 平成27年度
市民カエル調査[PDFファイル/942KB]
環境学習の充実
自然とふれあう機会が少なくなった子供たちと、その保護者を中心に、自然とふれあいながら生物多様性について学ぶ場を提供しています。
生物多様性モニタリング調査を実施します
生物多様性の保全の具体的な指標とするため、地域戦略のモデル地区の中から5カ所選定し、平成29年度から毎年度1カ所ずつモニタリング調査を実施しています。
過去の調査結果と比較することで、取組みの効果を明確にし、より効果的な生物多様性の保全に役立てることを目的としています。
【令和5年度】 2回目のアルプス公園でオオムラサキを中心としたチョウ類の調査を行いました。
【令和4年度】 2回目の奈川地区のゴマシジミ調査をしました。
【令和3年度】 梓川の梓川橋上流で植物相調査を行いました。
川とともにある生きもののくらし 梓川橋上流 [PDFファイル/2.24MB]
【令和2年度】 島内地区の車屋せぎ・崖下せぎで水生生物相及び特定外来生物(植物)の調査を行いました。
人のくらしと生き物が共存する水路:車屋せぎ・崖下せぎ[PDFファイル/1.43MB]
【令和元年度】 乗鞍一の瀬園地で植物相の調査を行いました。この調査には、「令和元年度長野県地域発元気づくり支援金」を活用しました。
高原に残された花園 一の瀬園地[PDFファイル/1.99MB]
【平成30年度】 アルプス公園でオオムラサキを中心としたチョウ類の調査を行いました。この調査には、「平成30年度長野県地域発元気づくり支援金」を活用しました。
【平成29年度】 長野県の保護回復計画策定に合わせて奈川地区のゴマシジミを調査しました。この調査には、「平成29年度長野県地域発元気づくり支援金」を活用しました。
生物多様性の周知啓発
生物多様性についての理解を深めてもらうため、市民参加型生物調査や環境学習会、生物多様性モニタリング調査の企画展示などを行っています。
山と自然博物館 生物多様性パネル展示(ゴマシジミ)
期間 令和5年3月1日から
場所 山と自然博物館 2階ホール
過去の開催実績
第8回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 令和6年4月27日から5月24日 |
第7回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 令和5年4月29日から6月11日 |
第6回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 令和4年4月23日から6月12日 |
第5回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 令和3年4月24日から6月6日 |
第4回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 令和2年5月19日から6月7日 |
第3回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 平成31年4月26日から5月26日 |
第2回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 平成30年4月28日から5月24日 |
第1回生物多様性企画展(生物多様性の本箱展)期間 平成29年4月29日から6月11日 |
山と自然博物館 生物多様性パネル展期間 令和2年2月21日から3月4日 |
八十二銀行ウインドーギャラリー 生物多様性パネル展期間 平成31年4月2日から4月12日 |
イオンモール生物多様性パネル展期間 平成31年2月18日から3月3日 |
生物多様性パネル展期間 平成30年11月1日から19日 |
外部リンク
生物多様性について、もっと学びたい方はこちらをご覧ください。
- 生物多様性自治体ネットワーク<外部リンク>
- 生物多様性 Biodiversity<外部リンク>
環境省ホームページ
- 生物多様性センター<外部リンク>
環境省生物多様性センターホームページ
- 長野県の生物多様性<外部リンク>
長野県ホームページ - 国連生物多様性の10年日本委員会<外部リンク>
国連生物多様性の10年日本委員会(Undb-J)ホームページ - Satoyamaイニシアティブ推進ネットワーク<外部リンク>
Satoyamaイニシアティブ推進ネットワークホームページ - にじゅうまるプロジェクト<外部リンク>
市民団体・企業・自治体などが、自分たちのできることで愛知ターゲットへの貢献を宣言(にじゅまる宣言)し、登録していく取組みです。