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教育長の再任について

更新日:2024年3月6日更新 印刷ページ表示

令和6年松本市議会2月定例会において、伊佐治裕子教育長再任の人事案件が可決されました。
任期は令和6年4月1日から令和9年3月31日となります。

教育長所信表明(令和6年3月5日 議員協議会)

 本日は、このような機会をいただき誠にありがとうございます。

 教育長として任命を受けました令和3年4月を振り返りますと、GIGAスクール構想のスタートに、10年ぶりに改訂された新学習指導要領の全面実施が重なり、また、コロナ禍で様々な活動が制限されるなか、学校の根源的な意義が大きく問われていた時期でもありました。まさにこの3年間は、日本の学校教育が、数十年に一度ともいえるような大きな転換点に立たされていたように思います。

 

 そのような中、教育職出身ではない教育長として、力の及ばないことも多々あったかと存じますが、4人の教育委員をはじめ、市長ほか職員の皆さん、学校の先生方、そして市民の皆さんのご理解とご協力を得て、わずかな一歩かもしれませんが、学都松本のシンカに向けて歩みを進めてまいりました。

 そして、この間、至らない私を見守り、励ましてくださった、市議会議員の皆様のお力添えに、この場をお借りして感謝申しあげたいと思います。

 

 それでは、甚だ僭越ではありますが、教育長候補者としての所信の一端を、主に3つの視点から述べさせていただきます。

 

 まず、力を入れていきたいと考えていることは、子どもの権利条例を持つまちとして、子ども一人ひとりの尊厳を大切にし、子どもが、その子らしく健やかに成長し、可能性を伸ばしていくことのできる学校づくりです。

 

 私は年に3回、全校長を対象とした面談を行っておりますが、コロナ禍での最初の2年間は、どちらかというと、現場の苦しい状況や人事上の課題などの話題が多かったように思います。しかし先月、今年度3回目の面談をした際に、多くの校長たちから予想外の声を聴くことができました。

 それは、「先生方の子どもたちに向き合う姿勢や、学校全体の空気が変わってきた」というものです。特に「教師主導の一斉授業をなかなか抜け出せなかった50代の先生が、子どもたちを主体とする授業に挑戦したことで、子どもの姿が変わり、それを実感した先生自らも変わり始めている」というようなエピソードが複数聞かれました。

 図らずも、半数以上の校長からそのような報告を受けたことは、この3年間で何より嬉しく感じましたし、この校長たちが感じている実感は、まさに松本市の小中学校が、「個を大切にする学び」へと舵を切り始めた兆しではないかと受け止めております。

 

 その背景に思いを致しますと、やはり、令和4年2月に「子どもが主人公・学都松本のシンカ」を基本理念とする教育大綱を、市長と教育委員会の連携により策定したこと、また、中核市としてのメリットを生かすべく、令和4年4月に教育研修センターを設置し、現場のニーズに基づく研修計画を策定して、今年度から市独自の研修を本格始動したこと、また、あわせてリーディングスクール事業をスタートし、子どもを主人公とする教育実践を後押ししたこと、それらが徐々に成果となって表れてきたのではないかと感じております。

 

 そして、学校が変わり始めているその原動力は、やはり、「子どもを思う教職員自身の学びの力」に他ならないと思っております。今後は、このような先生方の学びを、さらに後押しして、やりがいを創出し、松本市の全ての学校を「子どもが毎日行きたくてたまらない!と思えるような、楽しくて魅力的で、柔らかい空気を持つ学校」にしていきたいと思っています。

 そして、そのことは、現在、最大の課題となっている、不登校児童生徒の増加に対する根本的な解決にもつながるものと捉えております。

 また、4月の開設に向けて、今議会で条例を提案しているインクルーシブセンターでの取組みも、それぞれの子どもの多様性が尊重されるインクルーシブな教育環境につながるものです。共生社会の実現に向けて、福祉や医療部門と一体となって取り組んでまいります。

 

 次に、2点目として、そのような学校の環境を整えていくうえで重要な鍵となる、教職員の負担軽減に向けた取組みをさらに進めたいと思います。

 

 これまでも、市費教員の大幅な増員をはじめ、スクールソーシャルワーカーや教育業務支援員の独自配置、保護者との連絡ツールの導入などを、多額の予算をお認めいただき進めてまいりましたが、今後は、中学部活動の地域移行や、教員が担わなくてもよい業務のアウトソーシング、ICTのさらなる活用など、あらゆるアプローチで学校環境の改善を図り、やりがいの創出と働き方改革とを両輪にして進めていきたいと考えております。

 もちろん、この問題は、義務標準法や給与特別措置法など、国や県の制度自体に課題をはらんでいる面も多々ありますが、現場に一番近い基礎自治体として、可能なことから、鋭意取り組んでいきたいと思います。

 

 最後に3点目です。

 明治初期、旧開智学校の建設費の7割が市民の寄付で賄われたというエピソードに代表されるように、私は、学都松本のシンカ「真の価値」は、近代教育の黎明期から連綿と続く、子どもの学びを大切に考える「松本の市民性」にあると思っております。

 それは、現在でも、町会や公民館活動、子どもの居場所づくり事業など、地域のあらゆる活動の中に息づいているように思います。そしてその背景には、公民館や福祉ひろば、図書館や博物館など、身近な場所で、自分自身も学び続けている市民が多いことが深く関係しているように感じております。

 今後も、市民がいつでも、自由に学び、必要な情報が得られ、語り合うことができる、そのような、常に自由で、開かれた「学び」が、地域社会の真ん中に置かれているまちづくりに向けて、微力ながら力を尽くしてまいりたいと思います。      

 

 以上でございます。

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