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市長記者会見 令和3年(2021)6月10日

更新日:2021年6月10日更新 印刷ページ表示

市長記者会見資料(令和3年6月10日)[PDFファイル/3.49MB]

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

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資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移の画像
資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(4月1日以降)

資料3 新型コロナウイルス陽性者属性の画像
資料3 新型コロナウイルス陽性者属性

【市長】
 まず新型コロナウイルスの新規陽性者の発表をいたします。本日新たに2人の陽性者が判明いたしました。情報はお配りしているリリースの通りですが、1人は50代の女性、職業は自営業、現時点で感染経路不明の方です。もう1人は20代女性、職業は会社員の方で、196例目の同居の濃厚接触者です。2人ともいずれも軽症であります。
 昨日の段階で情報提供をしていますが、松本市においては、直近1週間で飲食店2件に複数の陽性者が確認されております。1件目の店舗は、これまで従業員5名の陽性者が確認されています。このうち1人は松本市外の在住の方です。この店舗はこれまで従業員および利用者およそ30人に対して検査を実施して、この5名の陽性者以外は全員陰性が確認されています。
 2件目の店舗はこれまでに従業員3人、利用客1人の4名の陽性者が確認されています。こちらにつきましても、従業員及び利用者のおよそ20人に対して検査を実施して、4人の陽性者以外全員の陰性が確認されております。この2件の店舗はいずれも、陽性者と接触の可能性がある従業員及び利用客の把握ができております。今申しあげたように、PCR検査を実施するとともに、引き続き健康観察を行っています。この2つの店舗は、1人利用客の陽性者が出ていますが、基本的には従業員間での感染拡大が経路になったと考えています。従業員のマスクの着用や手指消毒、利用客の飲食時以外のマスクの着用や手指消毒などの感染予防策については実施されていたと捉えております。
 一方で感染が拡大した要因としては、狭い控え室でマスク無しでの会話があったことや、車で一緒に移動する機会が複数回あったことなどが要因として推定されております。こうした事例は、これまでも感染力の強い変異株に置き換わってくる中で、密な環境での感染リスクが高くなっているということが拡大の要因になったと考えられます。
 同様な状況は、他の職場やそれぞれの家庭の中でも起こりうる状況です。こうした感染状況も踏まえ、直近1週間の新規陽性者がこちらのグラフの右側になりますが、24人という数を数えております。これは、この2件の飲食店の従業員で感染が広がったことが主な影響です。ただ、こちらにつきましては接触者全員のPCR検査でこれ以上の広がりは今のところを見られないことを鑑みまして、松本市内の感染状況は今がピークで、今後減少傾向に入っていくのではないかと見ております。
 このようなことを改めて踏まえ、市民の皆さんには繰り返しになりますが空間の大きさに合わせた、利用人数の制限、換気の徹底、マスクの着用の徹底、こまめな消毒という基本的な感染対策の励行をお願いしたいと思います。
改めて年齢別で見ますと、10代、20代と非常に人数が多くなっておりますので、とりわけ若い世代、10代、20代の皆さんに、基本的な感染対策の徹底をお願いしたいと思っております。

資料4 高齢者ワクチン接種の画像
資料4 高齢者ワクチン接種

 次にワクチンの接種についてご報告いたします。まず65歳以上の高齢者の接種の予約スケジュールについて先にご報告したものから一部変更いたしましたのでお知らせします。
 上の表にありますように、当初65歳は単独で最後の日程に分離しておりましたが、65歳から69歳にカテゴライズをまとめました。既に73歳、74歳は、接種券の発送と予約の受け付けを始めておりますが、今後は70歳から72歳をこちらのスケジュールで、そして65歳から69歳をこちらのスケジュールで行います。65歳のスケジュールの前倒しは、この65歳の人数も含めて、接種の枠の確保が明らかになったことに基づく変更です。
 また集団接種、病院接種と合わせて行うことにしていた開業医の接種につきましては、予約を今月12日から、そして接種を21日からこちらの日程で行います。開業医の接種につきまして、松本市内の開業医の中で、大きく二つの予約の受付方法で行います。62カ所の開業医で実施するスケジュールに基づいて行っていただく接種は、松本市の予約システムの中にこちらで場所と日程を掲示して、市民全員から受け付けるという方法で行ってもらうものであります。これが全部で62カ所の開業医でございます。もう一つ、この市内の開業医の中で既にかかりつけ医とかかりつけの患者との関係になっておられる方々につきましては、それぞれの開業医とそれぞれの患者の間で個別に連絡を取って接種を行うという方式も医師会の医師の皆さんのご要望に踏まえて行うこととさせていただきました。二つの方式で開業による接種が行われますのでご理解をいただけたらと思います。

資料5 16~64歳の接種体制の画像
資料5 16~64歳の接種体制

資料6 基礎疾患を有する方についての画像
資料6 基礎疾患を有する方について

 今のところ多くの65歳以上の高齢者につきましては、7月の末から8月の初めにかけて接種を完了する予定であります。その後に予定をしております64歳以下の接種についてご説明いたします。松本市内で13万7,000人が該当しますが、まずこの13万7,000人の皆さんに、6月末目途に接種券を一斉に郵送させていただきます。その上でこれから、この現役世代の接種は大きく分けると3つのカテゴライズで行われることになります。予約から接種会場の設定とそうした実施主体となるものを松本市が行うもの、高齢者については基本的にこれが全てでしたが、これとは別に長野県が実施主体となって会場の設定や予約を行っていくものがこの64歳以下は出てまいります。また、既に新聞報道等でお伝えしておりますが、それぞれの職場単位の接種、さらには大学単位の接種も並行して今後行われることになります。ワクチンの種類については、松本市が主体となるものはファイザー、長野県が主体となるもの、そして職場単位大学単位で行われるものは、それぞれモデルナとなっております。
 こうした複数化、複線化していくことも踏まえ、今回接種券は13万7,000人の皆さんに一斉に郵送し、それぞれの方がこの3つの方式の中で選んで接種をしていただけるようにということでございます。我々が主体となって行います64歳以下の接種の具体的な予約スケジュールについては、現在調整中であります。詳細が固まり次第、市のホームページやLINEを通じてお知らせをいたします。また現在政府が新たに打ち出している、12歳から15歳の中学生の接種につきましても、今後調整の上で別途お知らせをさせていただきます。
さらにこの64歳以下のうち、基礎疾患を有する方につきましては、全体よりも優先する形で接種を進めることになっております。具体的にこの基礎疾患というのは、お手元にお配りしている、14項目で通院、入院をしている方、さらには肥満の方などが対象となります。現段階でどのような方が基礎疾患に当たるかというのは、私どもでは把握をしておりませんので、まず事前の調査として、16歳から64歳の全ての市民の皆さんにはがきを送付させていただきます。そして基礎疾患に当たる方につきましては、ながの電子申請サービスによるウェブ申請、あるいはコールセンターに対する電話申請で6月23日までに自己申請をしていただくことになります。自己申請いただいた方には優先してまず接種券を発送いたします。こちらのようなスケジュールで、基礎疾患を有する方の接種は、予約から始めさせていただく予定でございます。以上、高齢者、並びに64歳以下、基礎疾患を有する方も含めて、現段階での接種体制についてご報告申しあげました。それではまずここまででコロナワクチンの関連でご質問を受け付けます。

【記者】
 16歳から64歳までの方には6月中に接種券と基礎疾患の調査と1人当たり2通郵送で届くということでよろしいでしょうか。

【市長】
 まず順番としましては事前調査のはがきは6月16日ごろ発送をいたしますのでこちらが先であります。そこで基礎疾患に自分が該当するという方はそのはがきを送っていただければ、順次先行して接種券を発送していくということであります。その上で、申請がなかった方につきましての接種券は6月末を目途に発送をさせていただきます。今のご質問のように、はがきも全員にお届けしますし、接種券も段階に分かれますが全員にこの6月末までにはお届けするということです。

【記者】
 現時点では、15歳、16歳未満のいわゆる子供への接種のあり方について市長はどのようにお考えですか。

【市長】
 まだ正式に12歳から15歳についての方針は政府から示されてないという認識をしております。既に先行して行った自治体もございますが、学校にて集団でやったことに対する反発も出ております。それは強制性の問題、あるいは副反応への対応が十分かという懸念からであります。その点はまだ現段階で方針は決めておりませんし、そのような状況を十分に見極めて判断をしていきたいと思っております。

【記者】
 基礎疾患のある方は6月の末より早く接種券が届き7月上旬から予約できるということだと思いますが、基礎疾患のない64歳以下の方は、6月末に一旦接種券は届くがまだ予約はその先ということなのでしょうか。

【市長】
 先程3つのカテゴライズに分かれると申しあげました。松本市の部分につきましては、7月末から8月の初めにかけて65歳以上の高齢者の皆さんを優先してまず完了しようということでありますので、基礎疾患のない64歳以下の皆さんの予約はそれよりも後に接種を行っていくことに見合ったタイミングで、予約の受付を始めていこうと思っております。その具体的な日程は現在調整中です。一方で長野県、あるいは職場、大学での接種は、もう既に行おうとしているところや、7月中に行うところがある可能性もあります。そこについてはその接種券を利用して、64歳以下の方々でも接種をしていただけるようにということであります。

【記者】
 今回調査してみないと基礎疾患のある方がどれくらいいるか分からないと思いますが、大体その13万7,000人の中で、どの程度いると市では見込んでいるのでしょうか。

【健康づくり課ワクチン担当課長】
 今回、特別かかりつけ医の方からの証明などを求めておりませんので、ご本人の申告ということなので、こちらで見込みというのは非常に難しいところではあるのですが、大体2割くらいは来るのか。本当にご回答いただかなければ分からない部分ですが、1、2万人くらい行くのではないかということは見込んでおります。

【記者】
 13万7,000人に接種券を郵送するのは、大学とか職場の接種が始まるのに合わせたということだと思うのですがそのような理由でよろしいでしょうか。

【市長】
 はい。政府が最初に打ち出した方針から、かなりいろいろなルートで接種を広げております。
 そのように広がっていくと、接種券がないとそこにエントリーが出来ない仕組みになっているため、接種券を早い段階で手元にお持ちいただく必要性が非常に高まったということが理由であります。もう1点は、今後64歳以下の松本市の分の接種を始めていくときに、システム上こちらで接種券の番号毎に、ある期間はこの番号、ある期間はこの番号と、例えば年齢別で64歳以下を区切ることがシステム的に可能であると確認できましたので、全員に接種券を配り、その上で今後段階的な予約の受付ができるため、今回このような方法をとることにいたしました。

【記者】
 開業医62ヶ所で受けられ、それとは別にかかりつけ医でも接種ができる体制を作られたとのことですが、64歳以下は、今打ってもいいと思うのですが、かかりつけ医でやると接種券が届くと、この市の予約システム以外のかかりつけ医でやる人は64歳以下でも受けられる形、7月中に受けられる形になるのではないかと思うのですがそのあたりどうお考えでしょうか。

【市長】
 物理的には可能であります。一方でかかりつけ医にて予約システム以外でやる場合は、それぞれ医師と文字どおり一対一の関係でありますので、そこは医師会を通じてこの期間は高齢者の接種をという信義則で行っております。医師の皆さんもその意識でやっていらっしゃるため、基本的にその心配は要らないのではないかと思っております。

【記者】
この前議会のあいさつで、現在1万2,800人の接種と数字が出ましたが、もし最新の接種人数が分かれば教えてください。もう1つ、12日からもしキャンセルが出た場合、接種が始まると思いますが、キャンセルリストにどれぐらい応募がありましたか。

【健康づくり課ワクチン担当課長】
接種の話につきまして、6月8日現在で1回目の接種を終えられた方が、1万4,989人になります。65歳以上の対象者で割り返した時に、6月8日の現在の数値だと21.4%という結果になっております。それからキャンセルのシステムに関しまして、ただいま調整中で実際まだ稼動しておりませんので、個別の実施は後回しになるかもしれませんが集団の対応をするために、現在早急にその辺は対応しております。

【記者】
開業医につきまして、この62ヶ所以外の一対一でやられる開業医はどれくらいの数があるのでしょうか。

【市長】
34ヶ所です。

【記者】
現状で市長は8月8日が接種の完了見込みとされていますが、今回個別接種が始まる、また集団接種会場も増やすなどで、1日当たり最大打てる人も増えると思うのですが、現状、市長としては65歳以上の接種をどのように見込んでいらっしゃいますか。

【市長】
当初8月8日まで枠を設けておりますので、現状で8月8日の日曜日まで予約が入っている医療機関がございます。例えば、今後それよりも前の日程に空きが出て、空いているところに、移っていただけるようなことが起きると、それが前倒しになってくるということはございます。また7月末の31日が土曜日で、8月1日が日曜日で、土日の接種は1つのセットとして考えていますので、私が7月末から8月初めにかけてという表現は、8月1日とか、あるいは7日、8日に一部の方が残るということがあり得るという前提でお話をしております。そこはあまり大きな問題ではないのかということで7月を目途にほぼ見通しが立っているという認識でございます。

【記者】
個別接種が始まると、恐らく一気に接種が増えるかと思うのですが、今現在集団接種で予約をしている方も近くで接種をしたいと個別接種に切り替えることは可能でしょうか。

【市長】
今までも個別接種に限らず、予約したものをキャンセルして別の空いている日に変更することはシステム的に可能ですのでこれからもあると思います。

コロナ関連、ワクチン関連のご質問がよろしければ、次に移らせていただきます。

資料7 信州まつもと空港の運用時間延長の画像
資料7 信州まつもと空港の運用時間延長

【市長】
 次に信州まつもと空港の運用時間の延長についてご報告します。既に県の方から発表がございますが、現状で8時半から17時までの運行時間を、夕方2時間延長して19時までということで県の方で方針を決定し、今度の17日に開会される6月県議会にこの条例の改正案を提出する運びとなっております。これが議会で可決されると、8月27日からFDAが、現在1往復の神戸線を2往復に拡充して運行する予定です。この神戸便の複便化が実現いたしますと、朝と夕方にそれぞれ往復ができるということで、神戸線の利用、神戸空港は関西において国際線のハブ化が進む国際空港と、国内線については神戸空港というすみ分けが進んでいる現状を考えると、関西圏からの一層のアクセスの向上が見込まれるところであります。
 現在、昨年来の新型コロナウイルス感染の影響で札幌、福岡とともに、神戸線の就航は多大な影響が出ています。神戸線につきましても、2020年は前年比、30数パーセントという搭乗率にとどまっているところであります。そうした中でFDAの鈴木与平代表取締役が、アフターコロナをにらんで、神戸線の復便化に強い意欲を示され、それに空港管理者である長野県が答え、また松本市としても地元自治体として、地元の今井、神林の皆さんにご理解、ご協力を得るということを進めて、実現の運びに近づいているところでございます。
 アフターコロナを見据えたときには、これまで東京を介してさまざまな交通の動きがありましたが、FDAが掲げるローカルtoローカル、松本から札幌、松本から関西、松本から福岡という移動は、これからこれまで以上に活発になる、また活発になるように、さまざまな環境整備に取り組んでいく必要があると考えております。
 地元の皆様には空港が活性化することで地域が活性化すると受け止めていただけるように、騒音対策にしっかりと取り組むとともに、この地元の農業、あるいはスポーツ、そうした部分での振興にも取り組んでまいりたいと思っております。

オーケストラコンサートプログラム

OMFプログラム

小澤総監督コメント
資料8 2021セイジ・オザワ 松本フェスティバル

資料9 一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団(SKO財団)の画像
資料9 一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団(SKO財団)

 もう1点は、セイジ・オザワ松本フェスティバルに関してご報告させていただきます。先日も主な日程や指揮者などについてご報告をいたしましたが、最終的に決まったプログラムについてお知らせいたします。赤字で示したところが新たに決まった部分でございまして、オーケストラコンサートA、Bプログラムの演目がそれぞれこちらにお示ししたように決まっております。また開演初日にオープニングコンサートということで、あがたの森文化会館でSKОの主なメンバーによるプログラムが設定され、開演日が1日前倒して21日となりました。これによって通算の期間も8月21日から9月6日までの17日間と決まりました。
 小澤総監督からコメントをいただいていますように、世界中大変な時期ではありますが、これを乗り越えるには音楽が必要です。そしてここにサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーが集まり、松本で2年ぶりに再会することを楽しみにしています、ということであります。小澤さん自身も松本に来てこのフェスティバルの開催を支えることになっております。
 まだ新型コロナウイルスの収束という状況には至っていない中で、不透明なところもありますが、8月の下旬から9月の初め、クラシック音楽公演における感染予防ガイドラインに沿った公演運営を行います。具体的には出演者やスタッフ全員のPCR検査や、それぞれのホールで感染対策をし、さらに今後の感染状況を見ながら鋭意検討をして、万全を期して開催に至りたいと思っております。
 先日もご報告申しあげましたが、恒例となっていた各種のパーティー、あるいはワインサービス、合同演奏会は中止とさせていただきます。
 SKОあるいはОMFに関してひとつ発表をさせていただきます。総監督である小澤征爾さんの健康状態、そして高齢であるという状況の中で、SKОを中心とした質の高い音楽祭を今後未来に向けて継続して開催していくにはどうしたらいいか、ということを昨年市長就任等と合わせて実行委員長に就任し、ОMFの実行委員長という立場からこの点について関係者と話し合い検討を続けてまいりました。小澤総監督ご本人は体調の問題でお話できませんでしたが、昨年の11月に小澤総監督が信頼する仲間の方々と話し合いをして、以下のような体制を築いていくと確認いたしました。それが、SKО(サイトウ・キネン・オーケストラ)財団の設立をするということです。この財団は、小澤征爾の理念を継承する音楽家を、随時公演目的に合わせて組織して公演し、また小澤征爾の理念を継承するべく、若手音楽家を育成することなどを目的とします。
 今年の2月にこの財団を手続き的には設立し、小澤さんが財団メンバーとともに、「小澤征爾の理念を継承する音楽家を随時公演目的に合わせて組織し公演すること」に沿って、今回の2021セイジ・オザワ松本フェスティバルを開催するということです。財団のメンバーにつきまして、名誉理事長として小澤征爾さん、現在のセイジ・オザワ松本フェスティバル総監督、そして財団の代表理事として志賀佳子(しが よしこ)さん。この方は、SKО設立当初よりパーソナルマネージャーをお務めになり、小澤征爾さんと同じ桐朋学園大学の第1期生です。またそれ以外の理事として猶井正幸(なおい まさゆき)さん、また評議員として、堀傳(ほり ただし)さん、川本嘉子(かわもと よしこ)さんです。いずれの方も長く小澤さんとともにこのSKОのメンバーとして活動を続けてこられた方です。その評議員のお一人で小澤征爾さんの長女でエッセイストの小澤征良(おざわ せいら)さんが全体としてのオーケストラの代表という立場になられ、小澤総監督との意思疎通を図りながら、財団の顔になっていくということです。その他に、SKОアドバイザリー委員、あるいは育成委員を、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーの中から、小澤征爾さんご自身が選んで注入をしていただいております。
 この財団設立に至る経過も含めて、小澤征爾さんからメッセージが寄せられておりますので読みあげさせていただきます。

 サイトウ・キネン・オーケストラは何より大切にしてきた宝です。今年で30年になるなんて信じられないです。松本のフェスティバルも本当に僕にとって大事です。サイトウ・キネン・オーケストラとフェスティバルの先のことはしばらく考え続けてきたことで、去年からみんなと話すようになって、これからはSKОの皆さんが中心になって、SKОの活動、特に松本のフェスティバルを引っ張っていってもらいたいと考えるようになりました。そのために、指揮者やプログラムについてのアイデア、意見を聞くために、オーケストラのメンバーの中から、SKОアドバイザリー委員を指名しました。ウィーン・フィルのように、音楽家が主体的に指揮者やプログラム決定に関わる組織をイメージしました。同時に教育プログラムについて相談するために、育成委員も指名しました。それから松本市の臥雲市長とも相談して専門家の意見も聞いて、サイトウ・キネン・オーケストラのための財団をつくって未来を強化することにしました。このことは必ず松本フェスティバルの未来の強化にもつながると信じています。大変な世界になりましたが、この夏松本で、2年ぶりにサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーと再会することを心待ちにしています。
 以上、マエストロ小澤征爾総監督のもとでこの30年にわたって続けてきていますОMFという音楽祭でありますが、小澤さんのスピリッツをサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーが引き継ぎながら、更に発展をさせていくための取り組みについてご報告をさせていただきました。私からは以上です。

【記者】
 財団の方は、市長や市は関わるのでしょうか。それともあくまでもSKОの財団になるのでしょうか。

【市長】
 はい。おっしゃる通りでこれはあくまで、名誉理事長が小澤征爾さん、代表理事が志賀佳子さん、そしてオーケストラ代表が小澤征良さんとこのメンバーでの財団です。松本市が資金面、あるいは人事の面で関わることはございません。

【記者】
 教育文化センターを改修して科学館を整備する計画について、基本計画案まで出来上がっているものを、1回中断して見直す形になっていると思いますが、市長の意図がどこにあるのかの考えと、開館時期も含めたスケジュールの見通しもあればお願いします。

【市長】
 皆さんご存知かどうか分かりませんが、私が昨年就任以降、基本計画案はいわばパビリオンのようなものや会議室を折衷した案でした。この手のものが今後財政制約もある中で時間が経過すると陳腐化する可能性もあります。折衷案的なもので果たしてこれは持続可能な形であるのかということを十分精査する必要があると考えました。子どもの理科や科学の学びのスペースとしていることが基本であることは変わらないにしても、最先端の知見が常にアップデートできるようにしていくにはどうしたらいいだろうか、あるいはこれから10年、20年で、どのような分野が子どもの学びの場として、なおかつ、松本市という行政体、あるいは自治体として提供できる資金的な制約も考えたときにできるのだろうかということを練り直す必要があると考えました。松本市はさまざまな公共事業を進めています。その中で、この施設が優先順位として高いというふうには位置付けておりません。つきましてしっかりと時間をかけて練り直すことを担当部署には指示しております。一つの目途としては、今年度いっぱいかけて構想を練り直して欲しいと申しあげています。

【記者】
 パビリオンのようなものと会議室の折衷というのはこれまで出てきた基本計画がそのようだったのでしょうか。

【市長】
 私はそう感じておりました。

【記者】
 あくまでも科学館というくくりで整備する方針は変わらないですか。

【市長】
 科学館という響きがパビリオン的なものを何か引きずっているなと思います。果たしてこれが正しいことなのかということも含め練り直しを指示しております。

【記者】
 これまで専門家の方が関わって科学と宇宙という大きなくくりで、計画案と構想が練られてきていると思いますが、ベースから練り直すイメージですか。

【市長】
 引き継ぐものもあるでしょうし、先ほど申しあげたようにこのままではいけないなと思うもの出てくると思っております。

【記者】
 SKОの財団につきまして、この財団の設立は、市からの提案ではなく、総監督の意思が一番根本にあるのでしょうか。

【市長】
 はい。昨年の11月に東京を訪れて、出来れば小澤総監督ご本人も交えてお話をさせていただきたいということを、夏頃からお願いを申しあげていました。そして実際にセッティングされてお会いしたタイミングは11月でありました。趣旨はこれから未来にかけてのОMFのあり方をぜひ、共に考えさせていただけませんかということをお話に行くことで段取りをしていました。11月に私が小澤さんご本人以外の、志賀さんや猶井さん、あるいは小澤征良さん、オンラインの方もいらっしゃいましたが、現場に来られている方もいてその方々と話をした際に、オーケストラ、SKО側からこういう考え方でこの先のことを考えていきたいのですがいかがでしょうかというご提案がありました。私としては、小澤征爾さんのスピリットを松本でしっかりと引き継ぎながら、音楽祭を継続、発展していくということが市民の願いでもあり、またこれまでSKF、ОMFを続けてきたことの願いでもあると思っておりましたので、その方向でぜひ進めていただきたいと申しあげました。具体的な事務的な準備や、コロナの状況もありましたので、発表のタイミングは今日に至りましたが、基本的には小澤総監督、また主だったメンバーの方々の意向であります。

【記者】
 財団の事務局は東京ですか。

【市長】
 そうです。

【記者】
 財団とОMF実行委員会との関係はどのようになりますか。

【市長】
 小澤征爾総監督という存在が、このフェスティバルの企画、開催を、実行委員会では理事会からお願いをして企画、開催していただいています。その部分を小澤総監督とともに、あるいは小澤総監督に代わって担っていただくのが、SKО財団のメンバーです。SKОアドバイザリー委員の13人の方たちが、小澤さんから最終的にプログラムを決定するにあたって、指揮者や演目についての、アイデア、意見を出して決めていくことになります。今回の指揮者、あるいは演目の決定もそのような方式で行われています。

【記者】
 今年のОMFもこの方式で作られたのですか。

【市長】
 そうです。

【記者】
 アドバイザリー委員の方は、この指名されたSKОメンバーということでオーケストラの演奏者の方ですか。

【市長】
 全員現役の演奏者です。

【記者】
 小澤総監督の総監督という立場には変わりはありませんか。

【市長】
 現時点ではそうです。

【記者】
 アドバイザリー委員は、固定のものなのでしょうか。それともその年の公演によって、変わってくるものなのでしょうか。

【市長】
 今回小澤さんがSKОのメンバーの奏者の中からアドバイザリー委員を選ばれましたが、今後追加などの可能性はあると思いますが、1回1回入れ替わることではありません。

【記者】
 サイトウ・キネン・オーケストラ財団というのはОMFに特化した、他の活動はしない財団という理解でよろしいですか。

【市長】
 それは特化したものではないという理解であります。当面、ОMFが何よりも最優先のものだと思いますが、財団の目的で小澤さんの理念を継承する音楽家を随時公演目的に合わせて組織し公演されます。その公演がОMFに全て限定されていることではありません。

【記者】
 健康状態、高齢であるという現状を踏まえて、市長が持ちかけて財団結成に至ったという流れでありますね。

【市長】
 先ほど申しあげたように具体的な方法は私の方からというよりは、小澤さんサイドから財団をという提案であります。私の方からは、将来に向けての在り方を共に考えてもらえませんかと申しあげ、そこで具体的な話になりました。

【記者】
 そうするとこれまでの総監督主導の指揮者選びや演目選びがオーケストラ団員による合議制に変わるということでしょうか。

【市長】
 基本はそれで結構です。

【記者】
 こういったらなんですが、ポスト小澤さんをにらんだ対応と考えていいのでしょうか。

【市長】
 小澤さんご本人の意識としてもそのことがあり、小澤さんが今まで一緒になってきた仲間や、我々としても未来永劫、小澤さんのスピリッツを松本にしっかりと根付かせるためにはそのような意識をもって取り組む必要があるのではないかというご指摘のようなことであります。

【記者】
 総監督退任の意向は全くないですか。

【市長】
 それはないです。

【記者】
 そうしますと少し細かいですが、サイトウ・キネン財団とは何ですか。

【国際音楽祭推進課長】
 サイトウ・キネン財団は、セイジ・オザワ松本フェスティバルの主催者であり、日本国内から西洋音楽を世界に広めるということを目的に作られておりますので、主催者の立場というふうにお考えいただければと思います。

【記者】
 実行委員会とは何が違うのでしょうか。

【国際音楽祭推進課長】
 実行委員会はサイトウ・キネン財団の下にある実行組織とお考えください。

【市長】
 ちなみに、財団の理事長の体制についてもう少しご説明ください。

【国際音楽祭推進課長】
 今モニターの方に移っております評議員の右上、堀傳さんが財団理事長についております。また実行委員長には臥雲市長に就任をいただいています。

【記者】
 サイトウ・キネン財団は演目や指揮者には関わらないのでしょうか。

【国際音楽祭推進課長】
 主催者側として、小澤総監督、それから政策業務委託という形で選んでくださいとお願いする立場にあります。

【記者】
 アルプス公園の整備についてお伺いします。先日、地元の有志の方から計画の説明をするようにと要望があり、副市長も対応されていましたが、市長としては、計画を練り直して再び提案するお考えがあるのか、その場合は、進め方、スケジュールをどのようにお考えですか。

【市長】
 6月の議会において担当の委員会には、現段階の状況を報告させていただくことになっています。利用者アンケートを行ったり、安全への配慮について先の議会でご指摘があったことを踏まえたご報告をさせていただこうと思います。そうした準備を進めながら、アルプス公園の敷地を含んでいる一番の地元の法光寺町会をはじめ、周辺の町会に対して、地元の皆さんへの説明会も今後検討しています。そうした段階を踏まえ、できれば9月の議会に、改めてこうした計画でありますと予算を提出できるよう準備を進めております。

【記者】
 地元への説明を踏まえて、計画を練り直していくこともあり得るのでしょうか。

【市長】
 基本はこのようにやりたいとご報告、ご説明申しあげると思いますが、地元のご意見もあると思います。またキャンプの在り方は非常に今大きく変わっていて、グランピングという言葉や、あるいは女子キャンプ、ソロキャンプなど本当にいろいろな形に多様化しております。これはかなり年代ギャップもあると思いますのでしっかり丁寧に説明させていただき、地元以外の市民の皆さんも広く関心を持っておられると思いますので、そうした方々の意見にも耳を傾けて進めていきたいと思っております。

【記者】
 計画の具体的な内容自体も、2月の時点から中身が変わるのでしょうか。

【市長】
 基本はこの前のご指摘に対する補強をして提案をしようと思っています。

【記者】
 6月定例会の開会日に病院の建設について、これまでの検討の骨子を最終日に議会に報告するとのことですが、報告というのは追加議案のイメージなのかどのような形で議会に出す予定でしょうか。

【市長】
 議案で出すということではありません。我々がまとめた案をこれまでの専門者会議、そして病院内のプロジェクトチームの案を踏まえて、庁内調整会議ということで市長部局と病院側で11回にわたりディスカッションを重ねてきました。おおむね案の一致点を見いだせてきたので、それを議会の場でご説明させていただくことを最終日で予定しています。その上で、来月の9日に地元西部地区での説明会、そして13日には広く市民の皆さんに参加していただけるように多事争論会において議会にお示しする内容を説明させていただき、ご意見もいただく場を設けさせていただきます。その上で8月中には、松本市としての最終的な案はこうですということを議会に示させていただきます。

【秘書広報室】
 以上で市長定例会見を終わります。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。このページのトップに戻る

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