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市長記者会見 令和2年(2020)12月18日

更新日:2020年12月18日更新 印刷ページ表示

市長記者会見資料(令和2年12月18日)[PDFファイル/824KB]

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

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資料1 県内の感染者と松本圏域の感染者の推移(11月1日以降)の画像
資料1 県内の感染者と松本圏域の感染者の推移(11月1日以降)

資料2 都道府県別人口10万人当たり新規陽性者数(12月10日~12月16日)の画像
資料2 都道府県別人口10万人当たり新規陽性者数(12月10日~12月16日)

資料3 圏域ごと人口10万人当たり新規陽性者数(12月9日~12月15日)の画像
資料3 圏域ごと人口10万人当たり新規陽性者数(12月9日~12月15日)

【市長】
 私からは、3点報告させていただきます。
 まず、今日(12月18日)、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開きましたので、ご報告をさせていただきます。
感染状況でありますが、松本圏域では直近の一週間で7人、カウントの仕方によっては8人というものもあるようですが、感染者が確認されました。そして、現状において、長野県では、北信地域を中心に感染者が多数確認されている状況です。こうした中で、今回の対策本部会議を開くにあたっては、昨日(12月17日)、専門者会議の医療福祉部会を開かせていただきました。現状の感染をどう捉えるかといったこと、そして、今後の年末年始に向けての対応についてご意見をいただきました。現状については、クラスターは松本では発生していない、そして、散発的にではありますが、感染経路が不明な方も見受けられるということ。現状認識として、大規模クラスターの発生、あるいは、市中感染の発生は松本圏域では起きていないという判断です。その上に立って、松本圏域の感染状況は落ち着いているものの、長野県内では感染の拡大が続いているということを踏まえて、国が示す感染リスクが高まる「5つの行動」に注意し、「新しい生活様式」を実践しながら、より一層地域経済や日常生活を守る取り組みを進めるということが、当面の松本市の対応方針となります。圏域ごと人口10万人当たりの新規感染者数でありますが、松本は1.89という数字です。これは、感染者数の数だけで見ますと、圏域ごとの感染警戒レベルでは、レベル1という状況です。ただ、一週間前に比べて、直近一週間の感染者は少しずつではありますが、増えています。
 そうしたことも踏まえて、この年末年始に向けては飲食、帰省、そして初詣、成人式について、市民に向けた感染予防をしっかりと呼び掛けることが必要だと、専門者会議からも指摘がありました。この市民に対するメッセージということで、以下のようにまとめさせていただきました。

資料4 ウィズコロナの年末年始に向けての画像
資料4 ウィズコロナの年末年始に向けて

 まず、改めて認識をしていただきたいのは、基本は3密回避、適切なマスクの着用、手や指のこまめな消毒です。その上で、やはり感染リスクが高まる飲食に特に注意が必要だということを、重ねてお伝えしたいと思います。飲酒は、気分の高揚や注意力の低下につながりますので、飲みすぎない、席をできるだけ移動しない、回し飲み、箸の共用を避けるといったことをお願いしたいと思います。また、会場の広さに合った適切な人数で行っていただくことや、時間は2時間以内をめどとしていただきたいと思います。飲食の際に飛沫が飛ばないようにということで、会話する際のアクリル板の設置、フェイスシールドやマスクの使用。そして、前提として、県の感染拡大予防のガイドラインを遵守している店舗を利用していただきたいと思います。
 年末年始に気を付けることということで、帰省、初詣、成人式の3つについて、気を付けることを列挙させていただきました。
 まず、帰省については、事前にご家族と十分な相談をしていただくこと。そして、感染拡大地域からの帰省や帰省先に高齢の方や基礎疾患のある方がいる場合は、慎重に判断をしていただきたいと思います。また、帰省した場合は、ご自宅でも、できるだけ距離をとることや適宜適切にマスクを着用することも心掛けていただきたいと思います。
 また、初詣については、密を避け、できるだけ分散して行うことを意識していただきたいと思います。体調管理を徹底すること。どうしても人との距離が近づく状況になりがちですので、マスクの着用や距離の確保、そして境内では飲食や食べ歩きは控えていただきたいと思います。
 そして、成人式ですが、松本市は来年1月10日に、式典時間を短縮して2部制で開催するということで準備をしてきました。今の段階では、予定通り開催したいと思っています。その際、新成人の皆さんには、新型コロナウイルスに関わるチェックシートというものを事前にお送りしていますので、そこに健康状況をしっかりと記入していただき、必ずお持ちいただくことをお願いしたいと思います。また、国が推奨する接触確認アプリ、COCOAを事前にインストールしていただくこと。そして、一般的な潜伏期間が5日から7日間とされていますので、直前の一週間については、とりわけ健康管理に留意し徹底していただきたいと思います。さらに、感染された方との接触があったというような危険性がある場合は、出席を見合わせていただきたいと思います。式典については、松本市公式チャンネルのYouTubeでライブ配信と録画配信をしますので、ご自身の体調などと照らし合わせて出席が難しい場合は、ご利用していただきたいと思います。また、専門者会議でも指摘があった部分ですが、成人式そのもののリスクは抑えられるという認識が、専門者会議でも示されました。一方で、帰省をした時の家族との会食や、式の後の懇親会は、やはりリスクが上昇する。どの程度リスクが上がるかということについては、専門家でも数量的なものを示せるわけではないということでしたが、できるだけリスクを低減するために、参加する人たちに対して感染防止措置、注意することを丁寧に説明する必要がある、伝える必要があるというご指摘をいただきました。大人数での飲食を伴う会食は、感染が発生しやすいということですので、私たちとしても、式典前後の会食、飲酒を伴う宴会については、できるだけ5人以上の会食は控えていただくことを呼び掛けさせていただきたいと思います。5人以上というのは、国が示す5つの場面の中で、「例えば」という形で言及されているものです。松本では、そうした人数に対する呼び掛けはしていませんが、新成人は東京をはじめ、感染が広がっている地域から来られるということ。そうしたことを踏まえて、成人式に対する呼び掛けとしては、式後の懇親会で5人以上の会食は控えていただければと呼び掛けさせていただきます。

資料5 年末年始の生活困窮者等の相談体制についての画像
資料5 年末年始の生活困窮者等の相談体制について

 もう一つ、今日(12月18日)の対策本部会議でも報告がありましたが、年末年始の生活困窮者の皆さんに対する相談体制についてご報告をいたします。生活保護課の窓口については29日から3日まで、通常の市役所は閉庁となっていますが、元日も含めて午前9時から午後5時まで相談窓口を開かせていただきます。また、市民相談課、生活就労支援センター「まいさぽ松本」についても、29日、30日の2日間は、就労相談や一時宿泊相談などに応じさせていただく体制をとったところです。
 新型コロナウイルス対策本部会議についての報告は以上です。

【資料6 2050ゼロカーボンシティを目指して】画像1

【資料6 2050ゼロカーボンシティを目指して】画像2
資料6 2050ゼロカーボンシティを目指して

 続いて2点目は、9月定例会で年内には行うと表明していました「気候非常事態宣言」及び「2050ゼロカーボンシティ」の表明について発表させていただきます。
 以下、この宣言文を読ませていただきます。
 「松本市気候非常事態宣言 ~2050ゼロカーボンシティを目指して~」
 近年、世界各地で記録的な高温や大雨、大規模な森林火災、干ばつなど、地球温暖化による異常気象が頻発しています。県内においても、令和元年東日本台風(台風第19号)による記録的な集中豪雨は、大規模な浸水など甚大な被害をもたらしました。これら異常気象は、今や気候危機と言われています。
 2015年、日本を含む国と地域が署名し採択された「パリ協定」では、世界的な平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5℃に抑えるよう努力することとしており、また、そのためには、二酸化炭素排出量を2050年に実質ゼロにすることが必要であるとされています。
 松本市は日照時間が長く、森林資源やそこから生まれる水資源、多くの温泉など、豊かな自然が存在します。わたしたちは、これらを活用した脱炭素社会を実現することにより、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」、持続的な社会を構築し、次世代に受け継ぐ責務を負っています。
 よって、松本市は、ここに気候非常事態を宣言するとともに、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロ(ゼロカーボンシティ)を目指すことを表明し、市民・事業者・行政が、危機意識を共有し連携して次の取り組みを行います。
 1.豊富な自然資源が生み出す再生可能エネルギーを最大限活用し、エネルギーの地産地消を進めます。2.3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進による、省資源、省エネルギーを徹底します。3.環境に配慮したクルマへの転換を図るとともに、公共交通の利用及び自転車の活用を推進します。4.市域の8割の面積を占める森林の整備や緑化を強化し、温室効果ガスの吸収源対策を推進します。5.気候危機に適応できる、レジリエント(強靱(きょうじん))な地域づくりに取り組みます。
 令和2年12月18日、松本市長、臥雲義尚。
 以上、気候非常事態宣言、2050ゼロカーボンシティ表明を発表させていただきました。
 今後については、来年度の上半期を目途に、次の温暖化対策基本計画の基本方針を作成し、来年度末までに温暖化対策実行計画、気候エネルギー行動計画を策定する予定です。

 3つ目といたしまして、就職氷河期世代を対象とした、職員採用試験の結果についてご報告させていただきます。これは、松本市が就職氷河期世代を対象に正規職員の採用試験を実施したもので、最終的な合格者として8人採用させていただくことを決めました。8人は、いずれも女性です。受験資格は、満年齢で36歳から45歳、大学卒業程度の学力を有する方。そして直前の1年間で、正規の労働者として雇用されていない方を対象に募集を行いました。若干名の採用というところで募集させていただいたところ、66人の申し込みがあり、受験者数は58人。最終の合格者は、先ほど申しあげたように8人です。応募の66人のうちの3分の2にあたる44人が女性という状況で、最終的に合格者はすべて女性という結果になりました。この8人の皆さんの中には、これまでずっと非正規という立場で働いてこられた方もいる一方で、一度企業に就職した後、子育てのために第一線を退いて、一段落して再び社会に出て活躍したいということで応募をいただいた方も少なからずいらっしゃいました。おおむね40代からの新たなスタートということは、市役所の正規職員としては異例でありますが、一定の人生経験を経た女性の視点が男性優位とされる市役所の組織風土、そうしたことにも新しい風を吹き込んで、良い方向に動いていくことを期待しています。そして、松本市ではバブル経済の崩壊を受けて、平成5年から取り組んだ平成の行政改革というところもあって、中堅どころの30代後半から40代の職員層が薄くなっているという現状もあります。

資料7 行政職 年代別職員数の画像
資料7 行政職 年代別職員数

資料8 行政職 年代別男女比率(就職氷河期世代)の画像
資料8 行政職 年代別男女比率(就職氷河期世代)

 こちらのグラフは、5歳ごとの年齢刻みでまとめたグラフですが、特に36歳から45歳の層については、35歳以下に比べて女性の比率が非常に低くなっています。1年ごとに見ると、このように女性の比率が低いということもありまして、今回新たに8人の方に職員になっていただくことは、そうした状況の是正にもつながるものと考えています。ちなみに、氷河期世代に対する採用は、今年長野県でも行っていまして、今二次試験の段階だと伺っています。県内の市町村では、こうした試験を実施して採用するのは、松本市が初めてだと認識しています。
 以上、私から3点ご報告をさせていただきました。
 まず、新型コロナウイルスと対策本部の関係についてのご質問から受けさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【記者】
 成人式の件でお伺いさせてください。安曇野市や塩尻市においては、成人式を延期することを決断しています。そういった中で、松本市はさまざまな対策をとって開催すると、現状では決断しているわけですが、開催する判断の理由は何ですか。

【市長】
 基本的な説明は、今、させていただいたと思っています。現状の感染状況、そして年末年始に帰省が必要な方に注意して来ていただくというような状況。そうしたことも踏まえると、成人式についても、成人式そのもののリスクは限定的だということで、できるだけの対策をとって、リスクを低減して行うということが総合的には妥当ではないかと判断をしたところです。先ほども申しあげましたが、やはり一番は、成人式よりも、成人式を行った後の仲間同士での飲食、懇親の場というところの持ち方のリスクが高いことです。ですので、先ほど申しあげたような、大前提としての飲酒は、いろいろ冷静な行動を取りにくい状況にさせることについて、市民の皆さんと合わせてですが、重ねて呼び掛けさせていただき、その上で、仮に懇親の場を設ける場合でも少人数でということをお願いしたいと思っています。

【記者】
 こういった呼び掛けは、新成人に対してどういう形で届けることになるのでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげたように、すでにチェックシートの送付などは済んでいまして、しっかりと記入していただきたいということなどを、私たちとしてはホームページを中心にしっかり呼び掛けていきます。現状では、ご家族を通してというようなことになると思いますが、認識をしっかりと持っていただくよう、それ以外にも、できる限りのチャンネルを通じて呼び掛けてまいりたいと思います。

【記者】
 今の関連で、感染が広がっている地域からの来場も多いと思うのですが、その辺がどうしても心配になる方もいらっしゃるんじゃないかと。対策をとるにしろ、どうしても漏れてしまう部分もあると思うのですが、その辺はどのように捉えていますか。

【市長】
 現状、都道府県をまたいだ移動は、自粛が呼び掛けられるようなところまではまだ行っていません。仮にですが、4月、5月にあったような緊急事態宣言が出され、緊急事態宣言に基づいて、都道府県をまたいだ移動の規制や自粛、そうしたものが発出されれば、私としても今回の方針を見直さざるを得ないという状況になるという認識を持っています。ですので、現段階では、そこまでの移動制限は政府としても出していませんし、今の日常においても、県外から松本にいらっしゃる方は当然いるので、基本的にはその認識に基づいた対応をとっていきたいと思っています。

【記者】
 チェックシートをすでに配布しているということですが、会場にチェックシートを持っていって、熱が少し高い人がいたらお断りをするというような形になるのでしょうか。

【市長】
 体温が37.5度以上ある方は報告してくださいとあります。この一週間について、そして直前での体温チェックも行います。その状況によって、お控えくださいということはあるということで対応したいと思います。

【記者】
 先ほど、まだ政府が移動自粛を呼び掛けるような状況ではないということだったのですが、そういう状況になれば判断せざるを得ないと思います。そういうものは出ないけれども、年末年始に感染が拡大することはあり得なくはないと思うのですが、最終判断のリミットみたいなものは設けられていますか。

【市長】
 本当に感染が拡大すれば、ぎりぎりでも判断しなければいけない局面はゼロではないと思います。基本は12月25日、あるいは12月28日という、役所を含めて、社会が年末休みに入る直前というようなことは、次のめどとして考えています。

【記者】
 生活困窮者等の相談体制は新型コロナウイルス関連ですか。

【市長】
 基本は、新型コロナウイルス関連です。

【市長】
 今までは、こういった年末年始の相談体制というのは、設けていなかったということでしょうか。

【記者】
 過去の元旦に(相談・申請窓口を)開けていたか、開けていないかは、基本的にはないと思いますが、確認させます。

【記者】
 今回、特別にといいますか、新たに設けられるのは、新型コロナウイルスによって生活困窮に陥っている方が増えているという現状を踏まえてですか。

【市長】
 これは、議会でもご指摘がありましたが、生活保護、あるいは市民相談の数は非常に増えている。困窮者の方にとっては、年末年始も休みだからということではない、厳しい状況が想定されるということでの対応です。

【記者】
 「宿日直室までお越しください」となっているのですが、生活保護課や市民相談課、まいさぽ松本の方は、どこかで待機して、対応されるということですか。細かくて、すみません。

【市長】
 基本的には通常の窓口といいますか、通常の部屋にいますので、宿日直室に来ていただいたら担当者が来て、そちらにご案内してご相談を受けるということです。

【記者】
 成人式のチェックシートに絡めて、追加でお伺いしたいです。新成人がチェックシートを持参して、職員にただ渡すだけなら簡単だと思うのですが、中身をきちんと確認して、一件一件聞いて、個別に判断するとかなりの時間を要すると思います。その辺りで、職員を増員したり、来場の時間を早めるように呼び掛けたりということはするのでしょうか。

【市長】
 基本的には、何か文章を書くような形式ではなく、必要欄にチェックするということです。それを、自己申告で行っていただくということですので、膨大な時間をかけるようなものではありません。

【記者】
 やらないよりはやった方がいいですが、自己申告というと、必ずしもいろんなものがきちっと網にかかってきて、分けるものでもないということですか。

【市長】
 もちろん、成人の方だけではないですが、私たちが日々暮らしている中で非常に強い監視や強い統制をしない限りは、基本的にはこうした形で日常の生活を送っています。今回についても、松本市民として、そして成人になるという責任を持っていただく中で、私たちとしても、できる限りの対応をとってこうということです。
 他に、新型コロナウイルスの関連はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、それ以外のご質問をお願いできればと思います。

【記者】
 昨日(12月17日)に発表のあった基本構想の素案についてお伺いします。市民会議を取りまとめた原案に沿って市長が最後のワンピースを加えるという形でキャッチフレーズの発表があり、「豊かさと幸せに挑み続ける三ガク都」というワーディングでした。このキャッチフレーズに込めた市長の思い、市民へのメッセージ、とりわけ「挑み続ける」という部分。例えば「歩み続ける」とか「進み続ける」という言葉もあったかと思うのですが、あえて「挑み続ける」という言葉を使ったのは、何に対して挑むのかということも含めて、お話をお伺いできればと思います。

【市長】
 今回21人のメンバーの方に半年あまり議論を重ねていただきました。「三ガク都」は、松本の中では前から使ってきた言葉でありますし、市民の皆さんにとっても、松本らしさ、松本の誇りを表す非常に象徴的な言葉だったと思います。それを中心に据えて、今回の基本構想が考えられてきました。一方で私は選挙の時から、市民一人一人が豊かさを追求できる、あるいは豊かさを実感できる松本にしていきたいということを申しあげてきた中で、今回、「三ガク都のアップデート」という言葉を最初に提起されました。少しずつ改善を重ねていく、更新を重ねていく、という意味だと思います。そうした中で、市民一人一人が豊かさを実感できる松本にする。豊かさという言葉は本来幅広く、経済的な豊かさももちろんですが、心の豊かさも含んでいるわけです。
 ニュアンスとしては、「豊か」というのはベースとなる暮らしや生活が「豊か」ということですが、それだけではなく、やはり幸福感、幸せも含まれます。お一人お一人にとって、どういうことが幸せかということは多岐にわたると思いますが、そうしたことを実感できる町を目標といいますか目指すところに置きたいなということで、「豊かさと幸せ」という言葉を使わせていただきました。その上で、今の「挑み続ける」というワーディングですが、私は2010年代よりも2020年代は、客観的な状況情勢としては厳しくなるだろうと認識しています。それは世界的にも、日本という国にとっても、あるいは地方都市にとっても、2020年代は客観的情勢がより厳しくなる。それは人口の問題、先ほどゼロカーボンシティと掲げさせていた気候変動や気候危機の問題、そして今私たちが向き合っている新型コロナウイルスのような問題。さまざまな状況は、放っておくと客観情勢としては今よりも厳しくなる。ですので、そこに対しては、あえて前に進んでいくんだという意思を持ちながらチャレンジをしていくことが、私は望ましいのではないかと。そういう気持ちを市民の皆さんと共有共感できれば、より厳しい状況の中でも市民一人一人が豊かさや幸せを実感できる状況につながっていくのではないかということで、「挑む」という言葉を使わせていただきました。また、市民会議の皆さんからの循環する五つの言葉がありますが、「みとめる」から始まった五つの言葉の五つ目に「いどむ」という言葉が使われていることもあり、そうしたことを総合的に考えたフレーズということであります。ただこれは、この後、市民の皆さんからさまざまなご意見を寄せていただくことになると思いますし、そうした過程を踏まえて、決めていければいいかなと思っています。

【記者】
 もう一点お聞きします。昨日(12月17日)に12月議会が閉会になりました。市長は閉会あいさつで、今年を振り返る中で、市議会との関係においては、情報発信の在り方に考え方の相違もあったというようなお話がありました。八十二銀行のビルの案件、あるいは事務事業の棚卸しの案件での議会の集約の結果などを見ても、情報発信の在り方に、私としても少し違いがあるのかなという感じは受けていました。市長としては具体的にどのような相違があると考えているのか。議会からは、例えば、何で自分たちよりも記者会見で先に発表するのだという意見や、あるいは、なぜその都度情報発信せずに事後報告みたいな形になるのだという意見もあります。そういった議会の声に対して、市長は歩み寄る考えはあるのでしょうか。

【市長】
 この半年で、それぞれが近づいた部分はもちろんあると思っています。その上で、今このように、週に一回は必ず記者会見をさせていただいています。そして、何か市民の皆さんにお伝えすべきことがあれば臨時の会見もするという情報発信をしています。
 市長として市民の皆さんに適宜適切なタイミングでものを伝えるということを考えて、今こうした記者会見を行っています。記者会見は時間の制限などを基本的には行わずに、長ければ一時間以上、皆さんと質疑応答をさせていただいています。私はこれが非常に必要なことだと思って行っています。前の市政では、直接私が見聞きしたわけではありませんが、伝え聞くところでは、二週間に一回、しかもあまり質疑応答も実際には交わされないスタイルだったとお聞きしています。それとの見合いと言いますか、一方で議会との意思疎通は、記者会見はあまりやらない代わりにというと違うかもしれませんが、非常に頻繁にされていたということがあったと認識をしています。そうした前の流儀、やり方と今のやり方には、市長としてのやり方の違いがあります。その違いは良い悪いではないと私は思っています。そうなると今度は、今までの議会への情報の発信や共有のやり方の齟齬(そご)というのは、どうしても最初は出るのだろうと思っています。この半年から8カ月、まだ齟齬はお互いにあるということなのだろうと思っています。先ほど二つの例として、事務事業の見直しと八十二銀行営業部ビル用地の問題を指摘されました。まず事務事業の見直しで言いますと、これは実はタイミング的には、議会の方が少し早かったわけです。12月10日の午前中、議会に対しては委員協議会で報告をし、午後に記者会見という形でありました。八十二銀行の問題は、ご承知のように、住民監査請求、情報公開請求が市民団体そしてメディアから出たので、まずはこの内容を私として精査をする。途中経過を中途半端に出すことのできない問題だなというふうに考えました。内容を精査して、どのタイミングでどういうふうに公表するか。これはもしかすると、定例記者会見で(議会の前に)質問を受けたかもしれません。そうしたらその場で私はどういうふうに答えるか、答えなければいけない場面もあるなと思いながらいました。しかし定例記者会見では質問が出ませんでした。しかしそういう意味で言うと、いつ聞かれるかもわからない状況もありました。一方で議会の日程というのは、もちろん臨時的に開けるときもありますが、一定の通告をして、いつ開こうというような形が慣行としてあります。ある意味、機動的に市民の皆さんにお伝えするということについて、会見という方法の方が適している場合もあると思います。今回の八十二銀行の場合は、特に私はセンシティブな問題だと思っていました。八十二銀行サイドとの話をしっかり行った上でないと公表はできませんでしたし、そうしたタイミングの中で、ああいう形が望ましいと判断をさせていただきました。基本的にはケースバイケースだと思います。これもある程度私が把握した範囲ですが、前の体制のもとでは、限りなくまず議会にあらゆる情報を先行して伝えると。記者発表は、あくまでそれよりも後にという整理だったように見受けられます。私は全てをそういうふうにやる必要はないと思っています。松枯れの問題であれば、議決をして予算案の承認を受けているものの方針点変更ということで、それについてのご批判を受けました。その事例と今回の八十二銀行の事例は、中身といいますか種類が違う話だと基本的には考えています。

【記者】
 先ほど市長がおっしゃられたように、これは良し悪しという問題ではないかもしれません。考え方の違いという部分があるかもしれませんが、議会への情報の出し方、議会との意思疎通のやりとりについて、前の市政の下では、まず議会にあらゆる情報を先行して出すというのがやり方だったとすれば、臥雲市政の下では、議会への情報発信の在り方は、どのようなものがベストだと市長は考えていらっしゃいますか。

【市長】
 議会に事前にお話しなければいけないことはお話する。その必要がないと考えるものは、そうではないという整理だと思います。今は記者の皆さんとの向き合う場ですので、ここでの逆質問もあれですが、常に議会が先行することの方が望ましいでしょうか。皆さんにとって望ましいかどうかよりも、メディアという仕事をしていて、市民の皆さんとの媒介の仕事をされていて、今の時代に、議会が常に先行することが望ましいかと。私は記者の仕事をしていましたので、そうではないのではないかという認識のもとに、今のような対応をとらせていただいています。こうしたことを繰り返していく中で、現実的に言えば、折り合いはついていくのかなと私は思っています。

【記者】
 ゼロカーボンシティと気候非常事態宣言に絡めて伺います。具体的に今日(12月18日)の宣言文に盛り込まれているうちの1番と5番について。再生可能エネルギーの最大限活用と強靱(きょうじん)な地域づくり。これに関して、何か具体的なものや進め方など、イメージされているものがあれば教えてください。

【市長】
 まず骨子として、今日(12月18日)5項目を掲げさせていただきました。その上で、どういう目標項目をしっかりと立てて、温室効果ガスの排出量をどうするか、エネルギー消費量をどうするか、再生可能エネルギーの生産量をどうするか、また森林の面積をどのようにしていくか。それらを定めるのが、松本市温暖化対策実行計画、気候エネルギー行動計画でありまして、来年度末までには策定をしようということです。その中で、1番目の再生可能エネルギーにつきましては、今回のスーパーシティ構想の検討の中身の中でも、現在調整しているところです。日照時間が非常に長いという意味での太陽光、奈川地区ですでに始まっている小水力発電所、さらには安曇地区の資源として有力な地熱。松本市はこうしたものを幅広く、しかも潜在的なエネルギー源として豊かに持っています。こうしたものを組み合わせて、再生可能エネルギーだけで賄える状況を、今のデジタル化といった波と併せて生み出していきたいと思っています。

【記者】
 再生エネルギーだけで賄える状況というのは、例えば、ある地域は再生エネルギーだけで電気をまわしてくといったイメージでしょうか。

【市長】
 現状は、安曇・奈川地区を賄えるぐらいのものは、すでに作り上げられています。もちろん電気というのは、通常の電力と実際には交わって一つの受け皿の中でのことなので、形式的な電力量という意味でありますが、そういうことが進んでいます。将来的には、限りなく松本市全体で再生可能エネルギーを賄えるようなところを目指していくということです。

【記者】
 先ほど情報発信の在り方について市長から言及がありました。基本的には、行政は透明性を確保することが望ましい姿だと思っており、情報発信することは歓迎すべきことだと感じています。松枯れに対しては予算を受けていると。一方で八十二銀行の事案については中身が違うということで記者発表をしたのだとおっしゃいましたが。

【市長】
 それだけではありません。先ほど言ったように、事態が流動化する側面もあったという要素と両方です。

【記者】
 先ほどおっしゃった中身が違うというのは、そういう背景が八十二銀行の事案にはあったということですか。

【市長】
 1,300万円はすでに公社に予算を支出していますが、議会の直接的な議決を経ての予算支出はしていません。平成25~26年ぐらいから長い年月をかけて、この街並みをどうするかという話は進められてきました。この前もご説明しましたが、平成30年に博物館の土地を取得ではなく賃貸に切り換えた時に、委員会で、(博物館土地取得が八十二銀行松本営業部移転先確保と)一体的だというようなやりとりが議会との間で少しありました。それから2年以上経っても、基本的にこの問題は議会で取り上げられたことがありませんでした。長いスパンで見れば取り上げられてないわけじゃありませんが、松枯れ対策のように、今年度予算で議決されたものを変えるということとは、質的にも違うという認識を私は持っていたということです。

【記者】
 公金は一定程度入っているが議決を得たものではないということが、一つ大きな判断の分かれ目だったということでしょうか。

【市長】
 それと、この2年議会で審議をされていないということですので、議会に対して緊急性があるという認識はそれほどないだろうと思ったということです。

【記者】
 情報発信を積極的にやるということと、それとは別に議会に丁寧に説明をして徹底的な論戦を繰り広げるというのは、市民が望んでいることだと思います。市長自身、昨日(12月17日)の段階で、八十二銀行松本営業部のビルの敷地取得については後日改めて議会に説明するとおっしゃっています。市長は今後どう考えて説明しようとしているのか。議会の説明はいつ頃を考えていらっしゃるのか。

【市長】
 最初のご質問で、議論を交わすことについて。例えば国会で言えば、政府の決めた方針に対して、これはおかしいじゃないか、こうすべきじゃないかということで、議論が交わされます。先ほど申しあげたように、これまでの松本市役所と松本市議会は、そうなる前に、事前に「こういうふうにやろうと思います」ということを伝えていることが非常に多かったわけです。ですので、その前に記者会見とか、あるいは私の発言で物事を表明すると、このルートがないではないかというのが、今の基本的な議会の皆さんの受け止めだと思います。このルートがもちろん必要なこともありますが、やりすぎていらない部分もたくさんあるのではないかと思っています。これは特別なことだと私はあまり思っていないのですが、特別でしょうか。私はそれを限定的にすることが特別だとは思っていません。先ほどのもう一つの質問については、議会とこちらの担当者レベルの調整では、1月の後半には行うという方向で進められていると認識をしています。

【記者】
 そうは言っても、行政サイドと議会がぎくしゃくすることは、市民にとってもあまり好ましい状況ではないと思います。最近の議会との関係を見ると、少し溝が深まったかなというような感覚も受けますが、市長はどのようにお考えですか。

【市長】
 論戦という言葉は、普通に国会でも使われます。ですので、今の状態が望ましいことではないとあまり思っていないというのが、私の基本認識としてあります。政府と与党であれば、官邸と幹事長の間で「事前の話がないじゃないか」ということがよくありますが、二元代表制の行政と議会では、議会側に与党的な方も当然いらっしゃるし、野党的な方もいらっしゃる。そういう方々と、先ほどの方針に対して良いとか悪いとかいうことで論戦が交わされるというのが、基本的な枠組みとしては、今の制度が想定しているものだと思います。もちろんそれぞれの行政と議会の歴史があり、自治体ごとに違ったりすることは当然あっていいことですし、実際異なると思います。そういう意味での慣習といいますか、前の体制を私が見直しているところでありますので、当面ぎくしゃくするということだと思います。もちろんこれでにっちもさっちも何も動かなくなるようなことになって、市民の皆さんに非常に大きな影響が出るということになれば、優先的に何とかしなければいけない問題ですが、現状は、前の体制の時のやり方と、これから私や議会の皆さんが模索するやり方の過渡期ということかなと思っています。

【記者】
 市長は先ほどこの半年で近づいた部分もあると思うとおっしゃいました。近づいた部分というのは具体的にどういうことで、それはどうしてそうなってきたのでしょうか。

【市長】
 そうした指摘をいろいろ受けましたので、「どうして」という部分で言えば、あまりこれが開きすぎると、いずれ先ほど申しあげたような動かない状況になって、市民の皆さんに非常に大きな影響を及ぼすようなことになります。それは避けなければいけませんので、この部分はいいだろうと言いますか、線の引き方を少し変えている部分も自分としてはあると思っています。すべて記者会見ファーストだということでやっているつもりはありません。議会の皆さんファーストというやり方も自分としては意識をしてやっているつもりです。

【記者】
 質問が全く変わります。阿部守一知事が、県の護国神社の崇敬者会の会長を辞任されました。これについては憲法の政教分離の観点から批判も上がっていました。その結果、辞められたということです。説明する機会は近く設けるということですが、具体的な内容は知事自身の口からはまだ説明がないです。臥雲市長は、足下の自治体でもありますし、阿部知事が崇敬者会の会長を辞任されたことをどのように受け止めていらっしゃいますか。

【市長】
 阿部知事が適切に判断をされたのだと思います。私からそれ以上コメントすることはありません。

【記者】
 政府が小学校の35人学級を段階的に進めていくということです。松本市として何か新たに対応しなければいけないものにどんなものがあるのか、もう把握されていますか。

【市長】
 すみません。それによって必然的に影響を受けるものはどういうことか、それはこれから整理させていただきます。今回、かなりの年月が経ってようやく、1教室当たりの生徒の数を40人から35人に少なくして対応しようということになったことは、非常に漸進的ではありますが、前に進める政策決定だと受け止めています。もともと教育にかける予算が、OECD(経済協力開発機構)諸国の平均的なものと比べても非常に少ないという状況が長く続いていて、子どもの教育にもっと社会全体がシフトする必要は、ますます少子化が進む中で大きいと思っています。まずはこれによって予算の配分がわずかではあっても大きくなり、それを通じて子どもたち一人一人の個性や特徴に応じたきめ細かな教育をしていかなければいけないのだという意識付けが、政府や自治体や市民の皆さんに少しつながってくると思います。私もずっと申しあげてきましたが、今、松本市内では小学校の児童生徒数のばらつきが大きく、35人学級にしなくても1クラス当たりの人数がもっと少なくなっているところも少なくありません。松本市は、今度はそうした特色をしっかりと打ち出して、子どもたちが1教室当たりある程度の少ない人数で学べることの優位性を生かし、広めて、教育内容の充実多様化につなげていきたいと思っています。

【広報課長】
 以上で市長定例記者会見を終わります。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理したうえで作成しています。

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