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市長記者会見資料(令和3年11月22日)[PDFファイル/1.84MB]
記者会見で使われた資料をまとめたものです。
再生時間38分30秒
資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(7月1日以降)
【市長】
まず新型コロナウイルスの関連ですが、今日発表分の新規陽性者はございません。これで34日連続新規陽性者ゼロという状態が続いており、これは、昨年市町村単位で新規陽性者を公表するようになってからでは、最もゼロの日数が長く続いている状況です。
資料2 松本市のワクチン接種状況
ワクチンの接種状況も、2回の接種を完了した方は20代でも75%を超え、全体で84.7%という状況です。昨日(11月21日)で1・2回目の接種について、大規模接種会場を設けてやるという形は一つの区切りを迎えております。ほぼ85%の方々に接種をしていただいたということです。
こうした状況の中で、引き続き、1回目・2回目の接種を受けていない方で、ワクチン接種を希望するという方々に対して、松本協立病院と松本市立病院で週にそれぞれ1回ずつ接種を行っていくということを申しました。この予約状況が、11月分はそれぞれ30人ずつ予約を受けましたが、かなり早い段階で予約が満杯になる状況です。12月以降も混雑が予想されます。
市立病院などで若干の上積みをしていただいて準備を進めていますが、(接種を)希望される方は、長野県が中信会場として松本合同庁舎で2週間に1回ないし1週間に1回の日程で行っています。これは12月も、1回当たり350人分ということで、12月10日、12月24・25日、それぞれまだ予約はかなり多くあるということですので、まだ1回目2回目を接種されていなくて新たに希望される方は、ファイザーとモデルナに分かれますが、松本市と長野県双方の接種の申し込みをしていただければと思います。
続きまして、12月議会に提出する予算ならびに議案の中で主なものを私から報告させていただきます。
資料3 上高地線復旧支援補助金の概要
まず、8月の大雨被害を受けた上高地線の橋りょうの復旧支援補助金についてです。この復旧にあたっては、被害を受けた橋りょうそのものの復旧支援事業と、上高地線が一部区間不通になったことを受け代行バスの運行を行うための事業、これを合わせますと、総事業費で1億9,584万円、松本市の予算計上を行っていくことにしております。このうち応急対応が必要な橋りょう復旧については1,705万円、代行バスの関連事業については2,069万円を12月補正に計上しています。
本格的な復旧工事は、年度をまたいで、来年度にかけて事業が行われることから債務負担行為を設定し、この部分は総額が2億4,640万円と見積もっております。このうち、アルピコ交通が1億円程度を負担するということになりましたので、この橋りょう復旧工事は松本市が1億4,640万円を負担するということで調整をしたところです。
なお、上高地線の復旧支援全体にかかる費用については、国や県からの補助金を受けるということを検討して協議中です。
資料4 子どもの医療費助成 18歳まで対象拡大
次に、議会への説明を受けてすでに新聞報道が行われていますが、子どもの医療費助成を15歳までから18歳までへ対象を拡大したいと考えております。
来年、令和4年度から、18歳までの対象拡大、高校生世代に対しても、医療費の軽減を行うということで、議会には12月の補正予算で来年4月から対象を拡大するのに必要な受給者証交付の費用、システムを改修する費用を、それぞれ予算ならびに債務負担行為として計上をさせていただいています。すでに県内19の市のうち、六つの市では、入院通院ともに18歳まで対象を拡大しているところです。
資料5 信州大学松本キャンパスに「緩和型地区計画」
三つ目は、12月議会に議案として提出をさせていただいている都市計画法に基づく地区計画の決定についてです。信州大学の松本キャンパスは、こちらの地図の真ん中に赤く塗ってある位置が本来広場であるわけですが、駐車スペースとして利用をされてきています。信州大学からは、この広場に車の駐車をしているという状況を解消し、立体駐車場をキャンパス内に設けたいという申し出を平成30年頃に受け、その後、担当者と国交省とも協議をして、どのような対応ができるか検討を進めてきたところです。
その上で今回、キャンパス内に立体駐車場を建設できるような方策を、緩和型地区計画という方法をもって行うことを決定し、国土交通大臣の承認も受けたところです。
この地区計画とは、都市計画法に基づいて、その地区の課題や特徴を踏まえて目指すべき将来像を設定し、その実現に向けたまちづくりを進めていくために、地元、地主が計画を策定し、それを自治体が決定するというものです。この信州大学松本キャンパスの地区は、産業・研究・医療の拠点として、都市計画マスタープラン、あるいは立地適正化計画という市の上位計画において位置付けをしてきたところです。その上で、大学側の要望を踏まえ、立体駐車場をキャンパス内に作れるようにする方法を、緩和型地区計画というものの策定、決定というプロセスを通じて実現をしようというものです。
地区計画は現在、松本市内には39カ所あり、信州大学松本キャンパスは40カ所目ということになります。39カ所すべては、いわゆる用途地域ということで定められたそれぞれの土地利用のあり方を、地区計画によってより厳密にと言いますか、より狭い範囲で定めることでこれまでは行ってきました。そうした中で、用途地域の定めを超えて建てられる施設の対象を広げる地区計画のことを緩和型地区計画と称していますが、これは松本市内この40カ所目の地区計画で、初めての緩和型ということになります。長野県内においても、これまで例のないものということで、初めての対応となるところです。
今回、この立体型駐車場、単独の自動車倉庫を、この地区計画を定めることで、床面積の合計で2万平米を上限に自動車の車庫の立地、建設が可能となります。この地区計画では、左側の地図に、A地区からD地区まで、四つの地区、街区の単位で、それぞれ広場と構内通路を位置付け、あるいは文教地区としてふさわしい景観のけん制を図るといった内容を定めており、今度の立体駐車場を作るエリアは、地図の一番下側の赤い部分。ここではC地区としておりますが、ここに現在の大学や病院の駐車場を集約して、駐車台数の確保によって救急搬送時間の短縮などを図り、さらに、もともとの広場の機能を回復することによって、環境や防災性の向上を図るというものです。
資料6 史上初 松本城 天守ナイトツアー
次に松本城関連で公表させていただきます。来年の2月の金・土・日の週末に、松本城の天守を普段体験できない夜の登城、松本城天守ナイトツアーと銘打って実施させていただきたいと思っております。
期間は、来年の2月4日から27日の金・土・日、4週で合わせて12日間、午後6時から1時間程度行う予定です。1日定員40名とさせていただいて、事前に申し込みを募らせていただきます。観覧料は通常と同じ700円で、市民の皆さんはこの観覧料で、また、市内のホテルや旅館に宿泊をしていただいた方に対しては特別御城印とセットで販売させていただきます。松本城の庭園内をLEDランプで飾り、天守から眺めていただける、また天守6階では、江戸時代の暗さを体験していただいたり、市の職員がガイド役として松本城の歴史や情報を説明させていただきます。
また、クリスマス、バレンタインデーは、本丸庭園を夜間特別に無料で公開を予定しております。夜の登城は歴史上初めてと考えておりまして、ぜひ大勢の皆様に松本城の夜の魅力も堪能をしていただければと思っております。
資料7 レーザーマッピングやスポットライトの演出「松本城~氷晶きらめく水鏡」
これはもうすでにお伝えしていますが、来週、12月1日からレーザーマッピングを行います。午後6時から9時までの夜、松本城の天守、石垣などを色とりどりの光で浮かび上がらせ、それに合わせた音楽を流させていただいて、冬の夜の松本城を楽しんでいただける演出を予定しています。
明日(11月23日)午後6時から報道機関の皆さんに対してはプレ公開を予定しています。なお、12月1日の午後5時半からは、アオイヤマダさんを招いて点灯のパフォーマンスをやっていただくことになっております。
資料8 土曜午後に開催! 多事争論会 参加者募集中!
最後に、今週土曜日、27日の午後3時から、アルプス公園の多事争論会を行います。土曜午後に開催をすることにさせていただきました。できるだけ幅広い世代の皆さんに参加していただけるような時間と場所で開催させていただきます。ぜひ、当日、大勢の方に来ていただいて、アルプス公園の問題について意見を交わさせていただければと思っております。
私からは以上です。
【記者】
上高地線についていくつかお伺いしたいのですが、今後も検討を続けるという国、県からの補助金というのは、今出ている約2億5,000万円のうちいくらかを補助として検討するということでしょうか。
【市長】
基本的にはそうではございません。直接的に橋りょうが被害を受けた部分を建て直す部分には、直接的に国の制度は今回当てはまらないという認識を受けて、松本市とアルピコ交通で負担するということが基本で、この2億4,640万円のうちの、先ほど申した1億円程度をアルピコ交通、残りを市の負担と考えております。
この国、県からの補助金については、より広い部分と言いますか、田川橋りょうは今回壊れていない部分も補強がこの後必要だったり、奈良井川橋りょうも、来年以降やはり補強が必要ではないかと考えており、こうした部分について国や県と負担の分担をできないか、それを利用できる補助金、制度がないかということで協議を続けています。
【記者】
もう1点、先ほどの議会運営委員会で、アルピコ交通が1億円の保険で賄うように説明ありましたが、アルピコ交通が1億円、その他の部分を市が担うという割合は、どういった理由で決めたのでしょうか。
【市長】
アルピコ交通がどこまで負担できるかということをもとに、それ以外を公的負担でということで、基本は考えたところです。そうした中で、1億円については保険金の支払いがあるということで、それは拠出をしていただいて、残りの1億4,640万円については公的負担、松本市負担でということで合意を得たところです。
【記者】
ある意味で、保険金ということは、アルピコ交通に実質的な負担はそれほどいかないかなとも思うのですが、それぐらいコロナの状況ですとか、それに伴うアルピコ交通の経営状況が厳しいものである、支援が必要であるという認識で決めたということですか。
【市長】
保険金による拠出をどう考えるかですが、保険金の掛け金をずっと続けていての保険金支払いということですので、当然ですが、一定の負担をアルピコ交通がリスク負担をしてきた結果だと考えております。
ちなみに、昨年の上田電鉄の例では保険への加入がなく、保険金がそもそも上田電鉄側ではなかったということでした。そうしたことも踏まえますと、保険金による拠出も、アルピコ交通としては、できる限りの負担をするという意思の表れと私達も受け止め、そしてそれ以外、今回の被災の問題、さらには、コロナ禍における経営状況、松本市とアルピコ交通は、路線バスの公設民営化に向けてもより連携を強め、松本市が地域公共交通への関与と責任を果たしていくという大きな文脈も踏まえ、総合的に判断をしたものです。
この件で他にございますか。どうぞ。
【記者】
田川橋りょうの事業に関しては、総事業費は2億4,640万円と補正の1,705万円を足したものでいいのでしょうか。さらにかかるものがあるのでしょうか。
【市長】
補正の1,705万円は、左側に応急対応ということで、橋脚基礎部分の補強工事としております。これも含めて考えていただいても結構ですし、本体の傾いた橋脚を、文字どおり修正し使える状況にする、その工事本体ということで言えばこの2億4,640万円、これがすべてです。
【記者】
応急対応も含めて2億6,000万ちょっとが事業費ですね。
【市長】
はい。そういうことです。
【記者】
医療費助成の件で、こういったことで、子育てしやすいまちづくりにつながるかなと思うのですが、市長として期待されていることを教えてください。
【市長】
子どもに対するさまざまな支援策は、今回の新たな総合計画においても、七つの分野のうちの1番目の分野に、「こども・若者・教育」という分野を位置付け、松本市としては、これまで以上に優先度の高い政策領域として力を入れていこうという部分です。
来年度予算編成にあたっても、結婚、出産、そして3歳未満、小学校に入る前の就学前、そして小学校・中学校、さらには高校生まで、それぞれの年齢の段階に応じた支援の拡充を今検討しています。そうした中で、高校生あるいは高校生を子どもに持つ家庭に対する支援という部分は、どうしても教育委員会の所管が市町村は、小中義務教育ということになっていることなどから、家計の負担が重いにもかかわらず、どうしても優先順位が低くなってきたという面が否めないと感じてまいりました。
今回、すでに六つの市が先行して、18歳まで対象拡大をしていますが、長野県が子どもの医療費助成に関しては、市町村に対する助成の拡充の方向で検討を進めているという状況も踏まえ、来年の4月から高校生世代、高校生を持つ家庭の負担を少しでも軽減する措置として、今回この政策の実行という方針を決めたところです。来年4月からやるためには、システムの改修費などを12月補正で計上する必要があり、議会にもご理解をいただいたところです。
【記者】
信州大学松本キャンパスへの緩和型地区計画についてですが、これは本来信州大学に聞くべきことかもしれないのですが、立体駐車場はいつごろ、どのような規模のものを建設する予定なのでしょうか。
【市長】
すみません、時期は現段階で詳細に把握しておりません。規模は、平米で言うとこの2万平米以内ということですが、建物としては、4階建て、15メートル以内を想定していると報告を受けております。
【記者】
今回県内初、松本市内も初ということですが、こういった緩和型地区計画を今後も松本の都市づくりに当てはめていくお考えは市長にあるのでしょうか。
【市長】
今回の事案は、信州大学側のキャンパスの有効利用という観点からの申し出、相談があって、それを一体どういう方法で実現できるかという中で、国の助言もあり、こういう形で決着をみたところです。ですので、緩和型地区計画そのものを積極的に運営しようということを大方針として定めているわけではございませんが、これは私が就任以降、常に申しあげておりますが、都市計画、土地利用を、時代に即した在り方で、弾力的に運用をしていく必要がある。もちろんそれは秩序を必要以上に壊さないという大前提のもとですが、この弾力的、あるいは柔軟な都市計画の在り方、土地利用の在り方は進めていきたいと考えております。
この地区計画、あるいはその用途区域は市街化区域においてのルールづけですが、市街化調整区域についても、長野県内でこの市街化調整区域がある自治体は五つしかないという現状も踏まえ、より時代に即した、柔軟で弾力的な、土地利用、都市計画は、方向性として進めていきたいと考えています。
【記者】
その柔軟性、弾力性を求められるというのは、市街化調整区域のように杓子定規に決めるのではなく、より地域のニーズに即した形で行っていくのが時代にマッチしていると言いますか、そういう認識ですか。
【市長】
私はそう認識しております。また市街化調整区域を、区域指定を外すということまでやらなくても、市街化調整区域の中の運用の仕方は、もっともっと弾力化の余地があると考えておりますので、庁内においても、都市計画部門とは、そのことについての意見交換を重ねています。
【記者】
話題が変わるのですが、天守のナイトツアーについてですが、松本もかねて課題としていた冬の観光振興の振興策の一つという位置付けで考えていらっしゃるのでしょうか。
【市長】
はい、そうです。
【記者】
これは1回限りではなく今後も継続的に行っていきたいということでしょうか。
【市長】
今回、松本城については、先ほども触れさせていただきましたが、ナイトツアー、さらには、レーザーマッピングによる12月から2月にかけての光のイベント、やはりこの松本の冬は、改めてお城と山の魅力をしっかりと掘り起こし、活用していくことが不可欠だと思っております。お城について、冬の寒い夜にということで、一番、人がなかなか来る状況ではない一方で、これまでにはない魅力を冬場の夜に今回は、この光や音のイベント、さらには、通常では、午後5時で登城していただかないように、ルール付けしていますので、例外的に夜の登城を設けることで、それを目的に観光、宿泊に来ていただいたり、それをきっかけに、街中を楽しんでいただいたりということの、いわば呼び水にできればと思っております。ですので、まず2月にこうした形でスタートしてみて、その後どういう方法が適しているのかを検討し、継続発展させていきたいと思っています。
【記者】
信州大学のキャンパスの立体駐車場についてお伺いしたいのですけれども、駐車場の利用者は基本的に信州大学に用がある方というイメージなのか、それとも県外の方とかも、積極的に駐車していいものなのか、どういう目的のものなのでしょうか。
【市長】
キャンパス内にありますし、一般の人が普通に使う駐車場ではないと。学校関係者、あるいは大学に訪れた方々が利用するものということです。
【秘書広報室】
以上で市長定例会見を終わります。