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市長記者会見資料(令和3年10月28日)[PDFファイル/1.36MB]
記者会見で使われた資料をまとめたものです。
再生時間28分30秒
資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(7月1日以降)
【市長】
まず新型コロナウイルスの感染状況であります。一昨日(10月26日)から、直近1週間の新規陽性者がゼロという状態が3日続いております。一昨日は105日ぶりにゼロになったわけでございますが、ワクチン接種の促進、そして市民の皆さんの基礎的、基本的な感染防止措置の徹底の効果によるものと考えております。
資料2 松本市のワクチン接種状況
ワクチンの接種に関しましては、予約率で見ますと85%に達しました。10代、20代、30代の若い世代も70%を超えるという状況で、市民の皆さんのワクチン接種の重要性への理解のもとで着実に接種を進められていると考えております。2回接種を完了した12歳以上の全市民の割合は72%に達しており、11月20日をめどに、希望する方々の接種の完了を着実に進めてまいりたいと思っております。
資料3 上高地線 田川橋梁復旧工事がはじまります
資料4 上高地線田川橋梁の復旧工事の概要について
もう一点私からは、8月の大雨で被害を受けました上高地線の田川橋梁の復旧工事についてご報告を申しあげます。来月から復旧工事が着工いたします。今回の田川橋梁は大正9年に建設をされて、101年が経過している橋です。今回の大雨によって西側の橋脚、この写真で見ると左側でありますが、これが大きく傾いて線路がゆがみ、通行できない状態となっております。来月から始まる工事におきましては、このゆがんだ西側の橋脚を撤去して、新たに設置をします。そして橋桁の部分もゆがんでしまっておりますので、これを取り外して復旧をするということであります。スケジュールにつきましては、前回の会見でも触れたかと思いますが、11月から始めて来年の5月中には復旧工事を完了し、6月から全線運行の再開を見込んでおります。
なお、この写真の右側、東側の橋脚は、具体的な被害が生じていないわけでありますが、大雨で掘り崩されるのを防ぐような補強工事を来年の秋冬に行い、再来年の3月に東側の橋脚の補強工事も完了し、田川橋梁の全ての工事を終える予定でございます。
なお、上高地線松本駅から、西へ向かっている上高地線の今回被害を受けた田川橋梁からさらに西に、画面の左側でありますが、奈良井川の橋梁がございます。これも大正9年に建設をされており、今回被害には至っておりませんが、河床の洗堀が今回の大雨で見られました。今後、奈良井川橋梁につきましても補強のための工事を行う必要があるかどうか、関係機関と検討をしていくことになっております。
以上、私からコロナと上高地線の復旧工事についてご報告申しあげました。
【記者】
ワクチンの関係ですが、集団接種の関係はまだ2回目があるとはいえ、10月31日である程度ひと区切りで、11月20日までに2回目の接種を終えるとのことですが、スケジュール的にかなり順調にきたかなと思いますが、ワクチン接種のスケジュールを見て、市長としてどのような感想を持たれますか。
【市長】
これまでも申しあげてきましたが、国レベルでワクチンの輸入がしっかりと見込めて以降は、スピード感を持って進めてきたと基本的には考えております。アクセル、ブレーキという部分が、6月、7月に市民の皆さんに混乱を招いたこと、あるいは特に高齢者の皆さんの予約の在り方を試行錯誤する部分がございましたが、医師会、医療関係者の皆さん、そして保健所をはじめとする市役所の職員、また市民の皆さんのご理解という中で、当初めどとしていた市民の皆さんのおよそ80%の接種率を上回り、予約レベルで85%ということで、11月の半ばを目途に接種を進めていけております。松本市だけではありませんが、感染の抑え込みができているということも、ワクチン接種を国民、市民の理解を得ながら進めてきた一つの成果と考えております。
【記者】
予約率を見ると現状全体で85%とかなり高い数字かなと思いますが、若年層の部分は70%、75%というような数字もあります。この辺りはこの数字でいいのか、それとももう少し上げたいのか、12歳から19歳を見るとどのような判断をされますか。
【市長】
トータルで見れば十分ではないかと受け止めております。基本的には個人の選択のもとに、ワクチンの接種は判断をしていただくことでありますし、重症化リスクが高齢者ほど高く、若年層になれば低いという知見も明らかになっております。また人によって、副反応は一定程度強く出るというケースもございますので、そうしたものを一つ一つ判断した結果として、トータルとして85%、若い世代も70%を超えるということで全体として集団免疫を社会、地域が獲得できる状況になってきているのではないかと認識をしております。
【記者】
田川橋梁の関係で、総工費についてと、市や国の負担についてはどのようになっていますか。
【市長】
今回11月から行うというのは田川橋梁の復旧そのものであります。まずそれが今回の一連の工事経費の柱になります。それ以外に、先ほど申しあげた、今後の安全性を確保するための来年度以降の田川や奈良井川の橋梁の補強工事もこれから検討していくということ、そして今行っておりますバスの代行運行の費用、さらには折り返し駅となります渚駅の施設や周辺の環境整備を行なった工事費用などがトータルで必要になると考えております。具体的な金額は現在精査中でありますので、まだここで申しあげる段階にございません。
そして、それぞれの費用負担の在り方ですが、出発点としてアルピコ交通で可能な費用分担を捻出していただき、その上に立ってそれ以外については行政が支援をしていくことが基本になります。行政の支援のうち、国、県、市、先ほど申しあげた、直接の復旧工事、さらには補強工事そして、バスの代行運行やそれにまつわる費用をどのような形で負担していくのかということは、今関係機関で協議をしているところであります。
【記者】
田川橋梁の復旧の関係ですが、仮にもし市が財政支援をしていくという場合は12月補正で対応することになるのでしょうか。
【市長】
それも含めて検討しております。
【記者】
図の中に国道19号の架道橋についても表記がありますが、こちらについては何らかの対応をする考えでしょうか。
【市長】
図上に位置を示させていただいたのは田川橋梁、そして奈良井川橋梁は文字通り川を渡る橋であります。その間に国道19号をまたぐ架道橋もあるということで、地図上にお示しをさせていただきました。現段階で直ちに19号の架道橋に何らかの施工をする必要はありません。また今事業化をされている19号の松本拡幅の当座の1.6キロにかかるものではございませんので、将来的に19号の拡幅がどのような方向に動いていくのか、それによっては念頭に置いておかなければいけないものという認識を持っております。19号の拡幅について、まずは1.6キロの白板と渚1丁目の間を中心とした区間の4車線化の共用開始をできるだけ早くということで国、県とともに進めているところであります。その先については現実的には塩尻との境までの4車線化を一気に事業化する状況にはございません。それぞれ交差点改良を重ねるような形で、19号の渋滞緩和には段階的に取り組んでいくことになると思いますので、繰り返しになりますが、19号の架道橋は直ちに今着手する、検討するという段階にはございません。
【記者】
23日に安曇野市で市長が交代になり、太田寛市長が就任されました。文化芸術中核都市を掲げているわけですが、臥雲市長としては太田市政のどのような部分に注目、あるいは期待をしていらっしゃいますか。
【市長】
太田新市長は長野県の副知事として、今の阿部知事のもとで総合的な行政経験を積んでこられた方であります。宮澤前市長時代にも松本市は安曇野市との間で、とりわけ観光を基本とした自転車の交通の在り方について連携強化を進めていこうということで事務レベルでも話をしてきたところです。これについては今松本市が自転車政策を前面に掲げて交通の在り方を見直そうとしております。太田新市長になっても、この部分についてはより強力に進めていければと考えております。
お隣の安曇野市と松本市は、ともに北アルプスを背景とした山岳リゾートを掲げていて、首都圏をはじめ全国の方から見れば、松本と安曇野は、エリアとして一体的に捉えていると思います。先ほど自転車のことを一つ具体例で挙げましたが、今後観光リゾート、さらには文化、芸術、アウトドアをはじめとしたスポーツなどの領域において、より一体的な協力関係を築いていけるように太田新市長とは機会を捉えて会談、協議をしていければと期待をしているところであります。また高等学校の教育環境ということでいけば、安曇野市から松本市に通われている高校生、あるいは逆に松本市から安曇野市の高校に通われている高校生もいらっしゃいます。この教育の問題についてもより議論を深め、一体的な在り方を模索できたらと考えております。
【記者】
今おっしゃった高校教育の関係というのは、高校再編についてですか。
【市長】
それも含めてということです。
【記者】
上高地線の話題に戻りますが、一連の工事経費は精査中ということでしたが、田川橋梁に関してはもう設計は終わっていると思いますが、田川橋梁の工事だけの金額も出ていないのでしょうか。
【公共交通課長】
田川橋梁につきましては、ある程度設計が進んできているという状況ではございますが、協議の中で構造が少し変更になったり、まだ設計がまとまっていない状況だと聞いております。ですので、まだ金額ははっきりしておりませんし、業者さんを決めるのも来月以降なので、今の段階では金額については述べられない状況かと思います。
【記者】
奈良井川橋梁を検討することに関しては来年度以降ということでよろしいでしょうか。
【市長】
少なくとも直ちに着手する段階ではございません。また運行に当面支障があるとは考えておりませんので、将来を見据えたときに、この補強工事が必要になる可能性があるのだろうという認識です。どのように取り組むかは、やはり費用負担の問題なども絡みますので、国や県とその必要性、緊急性そして費用の問題をこれから検討、協議をしていきたいという認識を持っています。
【記者】
コロナの関連で、イベントの制限についてお伺いしたいのですが、ワクチンの接種が進んで感染状況が落ち着いているということで、来月に長野県なり、各事業者、団体で入場者数の制限などの再検討が始まると思いますが、松本でもりんご音楽祭や松本山雅の試合がありますが、市長としては今の状況下での11月以降のイベント開催について、制限の在り方はどうお考えでしょうか。
【市長】
一連の報道を見ますと、政府としても11月からイベントの1万人の上限も外すという方向で進んでいます。現段階では、松本で開催し、松本市が何か判断をしなければいけないレベルのイベントで、そもそも現段階での基準を上回ることを気にしないといけないイベントはないという認識であります。ですので、これから政府が進めていこうとする段階的な緩和に沿った対応を松本市としてもしていくことが基本であります。
その上で、今回りんご音楽祭で主催者側が示した感染対策をはじめ、今後政府も具体的な検討を進めているワクチンの接種証明書や、検査の陰性証明書をパッケージとして、イベント、飲食、宿泊の規制と緩和の在り方の基本にワクチン接種証明書と、検査の陰性証明書のパッケージを据えて、今後まだ感染は一定程度流行する可能性がある、あるいはしたとしても、できるだけ社会生活や経済活動を止めない仕組み作りを政府は進めております。それを早急に形にしてほしいというのが自治体の立場では望むところであります。
その際、今マイナンバーカードの活用が俎上(そじょう)にのぼっております。松本市の現在のマイナンバーカードの取得率は40%程度であります。将来的には、マイナンバーカードの活用の幅が段階的にどんどん広がっていく予定ですが、今の段階では利用の用途が十分でないので、取得率が伸び悩んでいる部分があるかと思います。ぜひ市民の皆さんには、コロナにおけるパッケージ政策の展開も見据えて、いまだ取得をされてない方にはできるだけ早い取得を呼びかけたいと思います。恐らく、年末から年明けにかけて政府の政策が固まってくると一斉に全国で申請が集中する事態も予想されます。そうすると、申請から取得までの期間が非常にかかってしまうということの公算が高いため、我々としては、社会のデジタル化、行政のデジタル化を他の都市に先駆けて進めていこうという中で、マイナンバーカードの取得についても、ぜひ積極的な申請をお願いしたいと思っております。
【記者】
感染状況が落ち着いてきた中で、防災ターミナルのPCR検査センターとか、受診相談センター、予約センターなど諸々機能はあると思いますが、その辺は第6波を見据えて維持していくのでしょうか。それともある程度規模を縮小していくのでしょうか。
【市長】
直ちに閉じるというところまでは具体的に検討はしておりません。去年のことを考えましても、これから年末、年明けにかけて、季節要因、そして高齢者の方のワクチン接種の効果が薄れるタイミングに入り、3回目の接種の手前ぐらいのタイミングがこの年末から訪れますので、そこの段階では体制をとっている必要があると思います。ですので、基本は継続をしていきますが、人数とか時間に対して適当な縮小を行うべきだというふうに現場から声が上がれば、それにしっかりと対応したいと思っております。
医療体制あるいは療養体制という意味でいけば、県が中信地区2カ所目の宿泊療養施設を9月に設けて、現段階ではほとんど稼働しなくて済む状況にはなっておりますが、いわばこれは安心の装置という意味合いが大きいと思っております。今後、社会生活、経済活動を自由化していくときに、仮に感染が一定程度広がっても受け皿に余裕があるのであれば、ブレーキをまだかけなくてもいいという、ウィズコロナの政策展開にとっては欠かせないさまざまな施設とか、検査体制でありますので、しっかりそこを見据えて、費用の問題もございますが、検討していきたいと思います。
【秘書広報室】
以上で市長定例会見を終わります。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。