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市長記者会見 令和3年(2021)8月24日

更新日:2021年8月24日更新 印刷ページ表示

市長記者会見資料(令和3年8月24日)[PDFファイル/2.54MB]

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

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資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(4月1日以降)の画像
資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(4月1日以降)

【市長】
 まず、新型コロナウイルスの感染状況からご報告させていただきます。本日、松本市で確認されました新型コロナウイルス新規陽性者は合わせて23人でございます。詳細はプレスリリースの通りでありますが、今回判明した陽性者の年齢は10歳未満から50代の方々です。そのうち、これまでに判明している陽性者と同居外での接触があり、濃厚接触者、あるいは接触者であった方が3人となっております。またこれまでに判明している陽性者と同居の濃厚接触者であった方は、8人となります。さらに、発症前2週間以内に県外滞在歴がある方は5人となっております。そして、これまでに判明している陽性者との接触や、県外滞在歴が確認されていない感染経路不明の方が、現時点では7人となっております。23人の方々は、いずれも重症度は軽症であります。なお、本日発表分には集団感染に関わる陽性者はございません。
 本日発表分を合わせて直近1週間の新規陽性者の数は191人にのぼっており、1日あたりの平均は27人です。その前の週と比べますと42%の増加となっております。

資料3 新型コロナウイルス感染者の状況の画像
資料3 新型コロナウイルス感染者の状況

 また改めて、7月28日から昨日(8月23日)までの第5波の新規陽性者の内訳を見ますと全部で397人にのぼっております。年代は、30代以下が69%、3分の2以上を占めております。また、感染経路を見ますと、濃厚接触者、あるいは接触者という松本市内における二次感染が、46%と半数近くにのぼっております。さらに療養場所につきまして、宿泊療養が全体の3分の2近く、62%を占めております。

資料4 コロナ病床の利用状況の画像
資料4 コロナ病床の利用状況

 昨日(8月23日)現在のコロナ病床の利用状況ですが、長野県全体で50%、そして松本圏域においては72%、市立病院においては病床使用率が86%と37床中32床が使用されている状況です。このように、松本市内における新規陽性者は1日平均30人近い状況がこの1週間続いております。現在のところ、振り分け受診は、当日、あるいは翌日で対応はできておりますが、病床の使用状況を見ても極めて厳しい状況になってきております。宿泊療養施設についても、かなり待機をしていただかなければいけないという方も出てきております。この1日30人に近い新規陽性者の数を、何とか抑制方向に持っていくということが喫緊(きっきん)の課題になっております。
 市民の皆さんに対しましては、感染予防のためのマスク着用などをより厳格に行っていただきたいという呼びかけを続けさせていただくとともに、できるだけリスクの高い行動を少なくすることに努めていただきたいと考えております。

資料5 松本市ワクチン接種 スケジュールの画像
資料5 松本市ワクチン接種 スケジュール

 そして、この感染状況を抑え込むためにも、ワクチン接種の促進、加速化が大きな課題でございます。年代順に進めてまいりましたワクチン接種でありますが、来月(9月)の2日からは30代の皆さまの予約を始めさせていただきます。また20代、そして10代後半の皆さんは、その2週間後、来月(9月)16日からの予約の開始を、さらには、中学生年齢の皆さんのうち、15歳、中学3年生の方は、今月(8月)29日から予約を開始させていただきます。そして、これまで年齢別とはまた別の枠づけをして、優先接種を進めてきたわけでありますが、優先接種について一部見直しを行いますので、ご報告させていただきます。

資料6 ワクチン 優先接種の実施状況の画像
資料6 ワクチン 優先接種の実施状況

 これまで、1番から5番までの職種に当たる方の優先接種を順番に行うということで公表をしてまいりました。このうち、一番上の障害者福祉施設に関係する皆さんにつきましては、ほぼご希望の方々には、予約、接種を済ませていただきました。そして現在は保育士の皆さん、さらには消防団員の皆さんの予約の受付、接種を行っている段階であります。その次に予定をしておりました、はり・灸・あんま・マッサージ等、そして理美容業の皆さんにつきましては、長野県の接種に空きがあるという状況の中で、松本市が実施する接種ではなく、長野県が運営主体の接種で行っていただくことになりました。そして、現在保育士、消防団員の方々にやっていただいているのですが、その次の段階で、新たに妊娠中の女性の皆さん、そして同居の家族の皆さんに、優先接種の枠で接種を行っていただくことにいたしました。

資料7 妊娠中の方への新型コロナワクチン接種の画像
資料7 妊娠中の方への新型コロナワクチン接種

 具体的には、松本市に住民登録がある妊娠中の方です。その中での順番は、22週以降の妊娠後期の方がまず第1に、続いて、妊娠前期の方、さらには、それらの方々と同居の世帯で暮らしておられる16歳から39歳までのご家族の方を対象とさせていただきます。接種にあたりましては、かかりつけの産科の主治医の方とご相談のうえ、電子申請より申し込みをしていただくということで、申請開始は今週(8月)の27日からでございます。

資料8 長野県の大規模接種(中信会場:松本合同庁舎)の画像
資料8 長野県の大規模接種(中信会場:松本合同庁舎)

 先ほど、長野県の接種の方に余裕があり、一部優先接種枠を移行したということをご説明させていただきましたが、さらに、こちらに列挙している飲食業、宿泊業、クリーニング業などの業種の皆さんは、長野県の大規模接種、中信の会場は、松本合同庁舎でございますが、10日間の接種日に18歳以上のこちらの業種の皆さんも接種を受けていただくことができます。かなり空きがあるということで、松本市としても改めて県の接種でありますが、今日ご紹介をさせていただき、ご利用できる方がご利用をしていただければと思っております。ただしこの予約の方法が、個人ではできなく、原則として団体および会社での申請ということで、それぞれ会社グループ単位での申請を、県の専用の予約システムから行っていただきたいと思っております。

資料9 ワクチン接種 キャンセル枠の一般募集の画像
資料9 ワクチン接種 キャンセル枠の一般募集

 ワクチンに関してもう1点、キャンセル枠につきまして、これまで、集団接種会場の職員をはじめ、限定してキャンセル枠の割りあてをさせていただきましたが、今後は松本市に住民登録のある、16歳以上の接種券をお持ちの方で、まだ1回も接種を行っていない方には、以下の方法で事前に登録をしていただいて、キャンセル枠の接種をあたっていただきたいと考えております。明後日(8月)26日から、まず2週間の期間につきまして、この登録を受け付けさせていただきます。基本的に先着順に登録をさせていただき、キャンセルが出るたびに、その日毎にご連絡をして、キャンセル枠を通じた一般の方の接種を進めていこうということでございます。2週間毎にそれを繰り返し、この登録の受付、そして接種を行っていただくということで、まず、ながの電子申請サービスに登録をしていただいて、接種会場はアルピコプラザ、または、北部、南部、西部というエリアでこの申請をしていただきます。キャンセルがこのエリアで出たことを受け、松本市の方から、この登録をしていただいた方に、接種会場と時間を電話で連絡させていただきます。そして電話に出ていただいた方には、指定された会場で、接種を受けていただくということであります。基本的にキャンセルが出るというのが、通常夕方から接種終了の時間間際になりますので、基本的に連絡をしてから30分程度で会場に来られる方が対象となるということをご承知おきいただければと思います。ここまで、新型コロナウイルスの新規陽性者の発生状況、そして、ワクチンの接種に関する新たな対応についてご報告をさせていただきました。まずここまででご質問をお受けいたします。

【記者】
 新型コロナウイルス感染症の陽性者発生状況の確認なのですが、668例目、669例目は市内の641例目の人が濃厚接触者ということですが、同居なのかということと関係性を言える範囲で教えていただけますか。

【保健予防課長】
 668例目は、641例目との同居の濃厚接触者となります。また669例目は641例目と同居外での接触があったということでご確認をいただければと思います。

【記者】
 若い世代が増えてきている中で、学生、小学生も特に増えてきていますが、この2人が始業式かどうかはまだ分からない状況ですが、小学校で感染が広がる可能性もある中で、学校の対応はどのように考えていらっしゃいますか。

【市長】
 相対的に年齢の高い方が重症化のリスクが高いと、新型コロナウイルスの特性はこれまでの知見で明らかになっているわけであり、お子さんが重症化することは非常にまれな状況ではありますけれども、もちろんゼロではないという中で、新規陽性者が若い世代や10歳未満のお子さんにも広がっていることでご家庭の中で非常に心配される状況になっているということには、気を配らなければいけないと考えております。長野県教育委員会の方からは、高校の段階で分散登校をしたり、他の都道府県の自治体の中には小中学校の夏休みを延長するという対応も出始めております。今日も教育長とこの問題については意見を交わしました。松本市内の小中学校においては、休業、あるいは、分散登校という昨年の4月、5月にとった措置は現段階ではとっておりません。その理由の一つとしましては、できるだけ子どもたちの学びの場の確保をすることの重要性、それと、感染リスクが具体的にどういう場で起きているか、高くなっているかということも、保健所やあるいは学校現場から報告を受けながら、実際に検討する必要があると考えております。もちろん、学校、教室においてのリスクもあるのですが、現状において松本市では、どちらかというと放課後の学童、保育の現場、児童センターなどそうしたところがどうしても手狭で感染リスクが高くなるということが現時点での感染状況から見てとれることでございます。ですので、教育長、そしてこども部長に対しましては、そうした学校現場と、放課後の状況の双方を一体のものとしてとらえて数日のうちに何らかの新たな措置が必要なのかどうか検討してほしいということを申しあげています。
 今日も朝の報道の中に、子どもの学校閉鎖、これはいわば子どものロックダウンだと、そして子どものロックダウンは大人のロックダウンとセットでなければ意味がないという専門家の発言が紹介されていました。子どもの感染リスクに、改めて今目を向けなければいけない状況の中で先ほどの学校現場と放課後の在り方、さらには、それ以外の部分、飲食店につきましては、松本圏域においてさらに明日から2週間、営業時間の短縮要請になりましたけれども、改めてそうした広い観点での対応も検討していかなければいけないと考えております。

【記者】
 冒頭の方で宿泊療養施設に入れずに待機されている方がいるとご発言がありましたが、松本市に具体的にはどれくらいいるか教えていただければお願いします。

【市長】
 現段階で公表できる数値、数字はございません。どうしても先ほど申しあげた振り分けや、そうした中で入居のタイミングが少し遅れるケースがあるということでご理解いただければと思っております。

【記者】
 今のところ例えばそれで急変するとかという問題は起こっていないのでしょうか。

【市長】
 現段階では起きておりません。そしてまた、この点は、先般も申しあげましたけれども、医療というと、基本的には病院となりますが、医療体制、療養体制と広く捉えたときに、この第5波においての宿泊療養施設の位置付け、重要性は、松本市においても非常に重要なポイントだと思っております。長野県に対して受け皿の拡充をお願いしてまいりましたけれども、中信地区にもう1カ所増設するという方針は固まったと報告を受けておりますので、できるだけ早く体制を整えるということが一つこの医療、療養体制の逼迫(ひっぱく)度合いの緩和につながるものだと思っております。

【記者】
 妊婦さんへの優先接種につきまして、予約が8月27日からで、接種は大体どれぐらいから開始を見込んでいらっしゃいますか。

【市長】
 予約をしていただいて、それから数日後ということでタイムラグをもって、接種の日取りを確認してということになると、報告を受けております。具体的なことを説明していただけますか。

【健康づくり課ワクチン担当課長】
 早急に受けていただくための枠を、急きょ確保させていただきまして、予約をした翌週くらいから接種ができるような形には整えております。

【記者】
 市内にどのくらい妊婦の方がいらっしゃいますか。また接種場所はアルピコプラザだけですか。

【健康づくり課ワクチン担当課長】
 人数につきましては、重症化しやすい妊娠後期の方ということで、22週以降の妊婦さんが600人くらいと確認させていただいております。本当は個別の医療機関というご希望もあるのかもしれませんが、接種会場は、今のところアルピコプラザの会場を予定しております。

【記者】
 妊婦さんへのワクチン接種で、重症化するリスクが後期の方が特に高いということを受けての措置ということでよろしいでしょうか。

【健康づくり課ワクチン担当課長】
 千葉県でのいろいろな事例があることを受けまして、昨日付で厚労省の方から、コロナワクチンの接種の関係を含めた感染拡大の対応の通達がございました。それを受けての対応でもあります。

【記者】
 個別の事案はお聞きできないかもしれませんが、現時点で松本市において妊娠中の方がコロナに感染されて重症化したような事案が発生したことはありますか。

【健康づくり課ワクチン担当課長】
現時点で妊婦さんのコロナ陽性者ということでは確認をしておりますが、特に今のところ重症化している事案はございません。

【市長】
他にいかがでしょうか。感染状況と、ワクチン関連のご質問がよろしければ次に移らせていただきます。

資料10 2021セイジ・オザワ松本フェスティバル(全公演開催中止)の画像
資料10 2021セイジ・オザワ松本フェスティバル(全公演開催中止)

 続きまして、セイジ・オザワ松本フェスティバルにつきまして、8月28日、29日、さらには9月3日、4日、5日のオーケストラプログラムは、先週の記者会見で感染対策を新たに付加した上で開催をさせていただくと申しあげましたが、その後の長野県内、そして全国的に感染者数の高止まりの状況が続いていること、さらに明日(8月25日)から2週間、特別警戒2ということでの県からの警戒体制になり、9月5日までがその期間に入るということなど、さらには、医療体制も切迫する状況になったことを踏まえ、昨日財団の堀理事長、さらには小澤総監督の代理的な立場の小澤征良さんと開催の可否について協議をさせていただきました。そして開催をぎりぎりまで模索していた5つの公演につきましても開催を中止する、これによって全ての公演を中止すると決定いたしました。楽しみにしていただいたお客様はもちろん、開催に向けて準備を進めていただいた関係者の皆様には大変申し訳ございません。来年はどうかこのフェスティバルに関わる全ての人が、安心、安全な状況の中で、30周年を迎えるセイジ・オザワ松本フェスティバルを開催できることを心より祈っております。
 なお、チケットについては既に中止を決定したものも含めまして、全て払い戻しをさせていただくということで、ОMF公式ウェブサイトのチケット払い戻しのページをご確認いただきたいと思います。払い戻しの対応は9月10日からということでございます。

資料11 2021セイジ・オザワ松本フェスティバル(小澤総監督コメント)の画像
資料11 2021セイジ・オザワ松本フェスティバル(小澤総監督コメント)

小澤征爾総監督からも、「本当に残念です。心が張り裂けるようなつらい判断に悲しんでいます。来年、サイトウ・キネン・オーケストラの仲間たちと一緒に、みなさんにお会いできるのを心から楽しみにしています。」というコメントをいただきました。なお、セイジ・オザワ松本フェスティバルはこれで2年連続開催中止になったわけでありますが、小澤総監督と、SKO(サイトウ・キネン・オーケストラ)の皆さんは、来年の30周年のフェスティバルに何とかつなげていくために、演奏を全てやらないということではなく、何とかメンバーが小澤さんを囲んで集まって、1回でもいいので演奏して、それを記録して、何らかの形で大勢の皆様にお届けすることができないだろうかと考えております。そうしたことを受けまして、実行委員会としましても、無観客ではありますが、SKOのメンバーが演奏を行って、それを収録、配信ということを行う方向で調整をいたしております。

資料12 2021セイジ・オザワ松本フェスティバル(小澤総監督、シャルル・デュトワ氏)の画像
資料12 2021セイジ・オザワ松本フェスティバル(小澤総監督、シャルル・デュトワ氏)

 今回のBプログラムの指揮者であります、小澤総監督と親交の深いシャルル・デュトワさんにもこの話を打診したところ、征爾のためならということで、無観客であってもSKОと共演することを約束されたということであります。今回Bプログラムで予定をしていた、ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」をはじめ、数曲を演奏するということになれば、これは非常に音楽的にも意義のある機会になるのではないかと考えております。まだ、これをどこで、いつ、また具体的にどのような配信方法で行うかということについては、検討中という段階ではございますが、できるだけ早く詳細を詰め、一両日中には改めてどのような形で実施をするのかご報告したいと考えております。セイジ・オザワ松本フェスティバルの全公演の中止につきましての報告は以上であります。

【記者】
 今回の中止にあたりまして、SKОのメンバーの松本入りは全くされないという認識でよろしいでしょうか。

【市長】
 最後に申しあげました、無観客での演奏の会場はまだ確定をしておりません。今、念頭に置かれているのは、東京、あるいは松本はまだ選択肢として残っている状況であります。

【記者】
 配信方法などはこれから決めるということですが、無観客で配信ということなのでオンラインを活用してという理解でよろしいでしょうか。

【市長】
 はい。どのメディアでどういう形というのを、今後詳細を詰めなくてはいけませんが、人を集めてどこかの会場でやるということではございませんので、広い意味でオンラインということかと思います。

【記者】
 Bプログラムの指揮者のシャルル・デュトワさんはもう来日されているのでしょうか。

【市長】
 当初の予定では、明後日(8月)26日に現地を発って、27日に日本に来るという予定でありました。先ほど申しあげましたように、無観客での演奏の日時が最終的にまだ固まっておりませんので、現段階では来日していないということ、いつ来日するかは最終的にまだ確認、確定してないということ、ただ、元々の予定が26日、27日ということを想定していましたので、26日、27日ぐらいには、先ほど申しあげた内容について確定をしなければいけないというのが関係者の認識であります。

【記者】
 シャルル・デュトワさんはいずれにしても無観客演奏のために来日されるということでよろしいですか。

【市長】
 その意思を伝えていただいて財団理事長、ないしは小澤征良さんサイドで確認をしたと報告を受けております。

【記者】
 小澤総監督を囲んで、集まってと言われておりましたが、SKОの演奏するところに小澤さんもいらっしゃって、それを記録するという意味ですか。

【市長】
 詳細についてはこれからというふうに認識をいただきたいですが、元々松本でBプログラムの公演をやる場合には、小澤総監督も松本に来て、何らかの形でSKОのメンバーと一緒にといいますか、SKОの奏でる演奏を何らかの形で聴くことが前提になっておりました。ですので、形を変えて、場合によっては場を変えて行うということになるかと思います。

【記者】
 先週の会見(8月17日)の時には一部を中止して、観客の方には抗原検査キットを送って来ていただくという方針で、抗原検査キットなどもう郵送された後だと思いますが、このタイミングでの全公演中止となったというところについてお伺いしたいです。

【市長】
 先週の会見でも申しあげましたが、ОMFは30年にわたって松本市民とともに、世界最高水準の音楽を堪能する非常に価値の高い音楽祭として継続して開催されてきました。これが2年連続開催できないという事態は、楽都松本のこれからを考えた時にも、あるいはSKОというオーケストラが、松本でこれからも末永く演奏会を開催していく将来に向かっても、何とか全面的な開催中止を避けたいということでぎりぎりまで感染状況の落ち着き、抑制が生まれないか、そしてクラシックコンサートというイベントの性格上、それ自体の感染拡大リスクは決して大きくないということで、市民の皆さんの理解を経て進められないかということで模索をしてきました。そして抗原検査の実施の手段を取らせていただいて何とかという思いはずっと持ち続けてまいりましたが、先ほど申しあげたような感染状況の高止まりが続き、さらなる特別警戒2の継続が決まり、まだ確定ではないと思いますが、まん延防止等重点措置の対象に長野県も入ってくる可能性も見えてきたという中で、先週末、さまざまな関係者の皆さんから直接私自身も状況を聞く場を設けさせていただきました。
 そのうちの一つに、「コンチェルト」というボランティアグループがございます。ОMFは、スタート以来、市民ボランティアが開催を支えてこれが一つ松本でやる意義でもありました。当初、200人弱のボランティアの方が参加をされて、コロナ禍であっても何とかコンサートの開催をということで準備を進めていただきました。先週までに5公演以外のものが中止となって、その段階で中止となった公演に登録をしていたボランティアの方々を除いて120人程度の体制でということでありましたが、さらに先週後半には、1日数人単位でボランティアを辞退したいという動きも起きました。このボランティア「コンチェルト」は6人の運営委員の方が中心になっておられるのですが、その6人の方々の中でも、このまま首都圏、関西圏から半分以上を占めるコンサートを開催することへのぜひについて意見が交わされて、昨日(8月23日)午前中に、代表の方からご意見として、今年1年は見送って欲しいと、改めて来年というご意見をいただきました。またその代表の方とは直接お話をさせていただきました。もちろん、市民全体の受け止めもあると思いますが、一番OMFに中心的に関わって支えている方からの声も、そうした状況だということで、私としてもやはり中止はやむを得ないと、避けられないなと思い、それを小澤征良さんサイドにも伝えて先ほどのような結論となりました。

【記者】
 小澤総監督とサイトウ・キネン・オーケストラを来年の30周年に何とかつなげていくためにとおっしゃっていましたが、改めて配信をすることでどのようなメッセージを届けたいと思っていますか、また2年連続の中止になって客離れなども心配されてのことなのでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげたように、まだ最終的にどのような形でやるかが確定していませんので、それが確定した上で、そのことによってどこまで、どういうことが実現できるかということは申しあげられるかなと思います。その上で、現段階で申しあげられることとしては、サイトウ・キネンという形でスタートをした時から、小澤征爾さんという存在が、いわば、唯一無二の存在としていらっしゃったから、このセイジ・オザワ松本フェスティバルは特別なフェスティバルであり得たのだと思います。正直申しあげて、ここ数年、小澤征爾さんが直接的にマエストロとして指揮を取ることができない状態が続いておりました。そして、これは先ほどご紹介したコンセルトボランティアの皆さんの中にも、果たしてこの先、セイジ・オザワ松本フェスティバルは続いていくのだろうか、そういう危惧さえ持っているという声もありました。実際私自身も、何もせずセイジ・オザワ松本フェスティバルがかつてのような輝きを持ち続けることができるだろうかという危惧は就任当初から持っておりました。
 そこで何とか小澤さんの存在を引き継いでいくための一つの方策として、SKО財団という形で小澤さんをこれまで支えてきた人達が、小澤さんのスピリッツをこれからも松本で引き継いでいくという形をとることになりました。そして、そのもとで行われる事実上初めてのフェスティバルでもあったのが今回であります。いわば、小澤さんが自分たちの仲間と、改めてこれまで30年の歴史やつながりを確認し合い、そしてそれをどんな形でも次につなげていくのだということが、コロナ禍においてでも何とか開催ができないかという、小澤さんをはじめとしたSKОメンバーの気持ちでもあり、またそれを受け止める実行委員長の私としての気持ちでもありました。それをさらに通常のコンサートという形でできない中で、十分ではなくとも何らかの方法がないだろうかと今検討しております。果たしてどこまでの意味を持てるかどうかというのは、現段階ではこれ以上のことを申しあげることはできないかなと思っております。

【記者】
 数日後に控えた中での中止ということで、その実行委員会の財務状況、キャンセル料等も発生するかと思いますが、そのあたりの影響の見通しはいかがでしょうか。

【市長】
 具体的な金額についてはまだ精査はできておりません。これからであります。もちろん、数カ月前に早々に中止をする場合と、ぎりぎりまで可能性を模索して、結果的に開催できない場合、どちらが金銭的な意味での支出が大きいかということになれば当然後者になるわけであります。ただしそれがトータルとして、そしてこれから長い目で見たときに、どちらがプラスだったのかということについては、もう少し自分自身も、あるいは市民の皆様にも今後のありようということも踏まえて考えていただくような、またいただけるような説明や、環境を作っていかなければいけないと思っております。

【記者】
 ОMFが中止になったこともあり、多事争論会なども予定されていますが、市内で他に連動して何か中止になるものはありますか。

【市長】
 現段階で決定をしているものはございません。さまざまなイベントといった場合に、例えば松本市の直接の管轄ではありませんが、Jリーグの松本山雅は現在有観客で行われております。あるいは、松本周辺においてクラシックを初めとした音楽コンサートは現段階でも開催をされている事例がございます。今回のОMFにつきましては、もちろん感染リスクの問題は土台にはございますが、よりフェスティバルが他の社会状況に与える影響、また特にこれは小澤さんサイドといいますか、SKО関係者サイドの皆さんがお気持ちとして持っておられたことで一番心配なのは、フェスティバルを開催することにより松本市民と長い間築いてきた信頼関係や絆のようなものに傷がつくと、そのようなことが起きてしまったのでは、フェスティバルを開催する意味がないどころか、非常に大きなマイナスになってしまうということを危惧されておりました。ですので、他のイベントの問題につきましては、もちろん今、子どもや若者に感染が広がっている中での、学校をはじめ教育現場のありようということも考えていけない中で、これも将来的には、改めて今、止めるべきものが何かあるかどうか、そのことについては早急な検討をしてもらっているところであります。

【記者】
 プレスリリースで全公演開催中止と記載されているのは、ОMFの中止とはまた違うということでしょうか。

【市長】
 ОMFのFの部分はフェスティバルということで、我々がこの夏に予定していた、有観客での公演は全公演中止ということであります。先ほど申しあげた、今最終検討しているものが、ОMFに関わる形のものではありますので、それについてフェスティバルの中に、基本的には含まれていないという前提で全公演中止という表現をさせていただいております。

【記者】
 直前になって中止を決断された最大の理由は総合的にということでしたが、一番は市民の方、あるいはボランティアに携わる方の気持ちの面で、やはり開催すべきではないという判断が一番大きかったという認識でしょうか。

【市長】
 これは、もっと大きく捉えますとやはり全体として今私たちが迎えなければいけない最優先の課題が、急増している新規陽性者の数に何とか歯止めをかけ、抑制傾向に持っていき、そして医療機関、療養体制の逼迫(ひっぱく)を回避して、今急速に急ピッチで進めているワクチン接種をもう1段、2段の接種状況の広がりを生むことで、何とかこの数週間のうちに第5波の状況を落ち着かせることが今、社会にとって、松本市にとっての最優先課題であるということに鑑みたときに、他にも種々イベントはありますが、改めてОMFについて中止の決断をする必要があったということであります。

 他によろしいでしょうか。それではもう1件、私からご報告をさせていただきます。

資料11 松本マラソン2021のコース被災状況(マラソンルート)の画像
資料11 松本マラソン2021のコース被災状況(マラソンルート)

 10月3日に予定をしておりました松本マラソンについてであります。今月(8月)12日から続きました大雨による災害により、松本マラソンのコースとして予定をしていました奈良井川の今村橋周辺がコースとして使用することが事実上できないということが明らかになりました。その結果として、この大会の中止を決定させていただきました。先週末から、工事を行う長野県の松本建設事務所、そして奈良井川の河川事務所から、被災状況並びに今後の復旧の見通しについて聞き取りをさせていただき、その上で昨夜、松本マラソンの実行委員会の役員会を開催いたしまして、被災の状況、復旧の見通しを説明して中止するということの方向性を確認しました。そして今日午前中に実行委員会を持ち回りで開いて、正式に開催の中止を決定したところでございます。

資料12 松本マラソン2021のコース被災状況(被災場所)の画像
資料12 松本マラソン2021のコース被災状況(被災場所)

 改めて被災状況についてご説明をさせていただきますけれども、今回のマラソンコースの30キロメートル過ぎの、奈良井川の右岸を走ってそして今村橋を渡って、スカイパークの方へ向かっていくという部分の被災であります。被災場所の一つが今村橋でございまして、今回の大雨によってこの今村橋の左岸の橋台の基礎部分が洗堀され不安定な状態になりました。現在今村橋は既存のこの橋の横に、新しい橋を建設している最中でしたが、マラソンコースとして予定をしていたこの既存の橋についてこの橋台の基礎部分が洗堀されました。現在この既存の橋は、車両、歩行者とも、通行止めということになっております。現状におきましては、こちら映っていない横側に新しい橋があり、この新しい橋は、コンクリートの打ちっ放しになっているような状況で、工事の進捗度合いとしては70%ほどでございますけれども、緊急の歩行者の通路として1メートルから2メートルぐらいの通路を今確保して、歩行者と自転車がこの新しい橋の真ん中を通行するという形を現状ではとっております。この後、新しい橋の建設は年内を目途に進めていくということで、短期的には今この被災した今村橋の応急措置をして9月の半ば以降、歩行者、自転車につきましては、通行可能になるという見通しであります。しかしこれが開催予定の10月3日の段階では、車両を通す、あるいは安全にランナーが走るということの見通しは極めて困難ということであります。
 そしてもう1カ所、この橋のコース上でいくと少し手前になりますが、奈良井川右岸の部分につきまして、この写真のように1部分につきましては堤防のセンターラインを超えて、3分の2程度が欠落している状況であります。こちらにつきましては、川と反対側の1車線程度は9月いっぱいで盛り土を行うなどして通行可能な状況を目指すということでありますが、今後、再び増水などが起きますと、その工期も延びる可能性があり、現時点では仮復旧をしても車両の通行はできない、またランナーがまとまって走ることは、極めて困難であろうという説明を、長野県松本建設事務所から受けたところでございます。

資料13 松本マラソン2021の開催中止についての画像
資料13 松本マラソン2021の開催中止について

 こうしたことから、今回、今村橋あるいはこの堤防道路を通る公認コースで実施するのは、安全、安心な環境で大会を開催することにおいて、極めて困難な状況であるということ、そしてコースの変更ということは、イコール、日本陸上競技連盟の公認コースではなくなるということであり、さらには、今後、関係機関との調整も時間的に非常に難しいということから、今回中止の決定をさせていただきました。今後、早急に松本マラソンの公式ホームページ及びSNSなどで、中止の発表をするとともに、RUNNETを通じて申し込みをいただいておられる方にはメールの配信で、また振替郵便で申し込みをいただいている方には、はがきでお知らせをさせていただきます。そして申し込みをいただいた方には、参加賞などの贈呈とあわせて参加料の一部を返金させていただきます。以上、松本マラソンの開催中止について申しあげました。

【記者】
 マラソンの中止の理由につきまして、今おっしゃったように大雨の影響が理由で、先ほどのОMFのように、コロナの感染は関係ないという認識でよろしいでしょうか。

【市長】
 松本マラソンについても慎重な検討を求める申し入れも受けましたので、関係ないと言い切ると答え方としては正確でないかなと思います。私としては、マラソンは10月3日の開催ということでしたのでまだ40日ほどございます。もし、今ご報告させていただいたような、今回の大雨による被災がなく、通常通りのコースで開催ができるということであれば、まだ開催の可能性は十分あると思います。それは新型コロナウイルス感染の落ち着きの可能性は1カ月先にはワクチン接種の加速化、浸透によって一定程度出てくる、あるいは、療養体制の受け皿という面でも、宿泊療養施設の確保などによって通常の社会生活や経済活動とのバランスを何とか取れる状況があり得ると思っておりましたので、現時点でこの中止の判断をしたのは大雨による被災が理由であります。

【記者】
 松本マラソンも昨年コロナで中止になりましたので、2年連続の中止ということになりますが、このことの市長の受け止めをお聞かせください。

【市長】
 松本マラソンは、本来であれば今回が開催から5年目になるマラソンであります。それが、本来の第2回が台風で、そして第4回が、昨年新型コロナで、そして今年大雨被災ということで、現段階で2回しか開催ができていないのが現実でございます。今回コースの魅力を高めようということでの新コースの検討も行って、大会の開催を目指したわけですけれども、結果的に中止とせざるを得なくなり、そしてコース上での被災でしたので来年の開催に向けて、改めて検討すべきことは、いずれにしましても先ほど申しあげた新橋ができますと、わずかではありますが距離が変わるものですから、仮に今回、通常通り開催をしたとしても、部分的なコースの手直しが必要だったわけであります。それも含めて今回の結果を受けた早急な松本マラソンの在り方の検討が必要だと思っております。

【秘書広報室】
 以上で市長定例会見を終わります。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

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