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市長記者会見 令和3年(2021)5月31日

更新日:2021年5月31日更新 印刷ページ表示

市長記者会見資料(令和3年5月31日)[PDFファイル/2.01MB]

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

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資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移の画像
資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(4月1日以降)

【市長】
 まず、新型コロナウイルスの新規陽性者についてですが、今日(5月31日)は、1人の新規陽性者が確認されています。この1人については、10代の女性で職業は会社員です。177例目になるわけですが、その前の176例目の濃厚接触者に当たる方で、この接触は同居以外ということで確認されています。この方と現時点で判明している濃厚接触者は6人で、重症度は、この方については軽症ということです。
 本日発表いたしますこの1人とは別に、調査上は明日(6月1日)発表予定になる方が1人おられます。この方については、すでに企業のホームページで陽性であることが報告されています。お勤めは飲食店の方でありますが、これまでの保健所の調査で、業務上においては、感染対策が徹底されていることが確認されていて、この飲食店の利用客については、接触者に当たらないという判断をしています。具体的な事例の内容については、明日改めて情報提供をさせていただきます。
 今日(5月31日)、1人が確認されたということで、直近1週間で見ますと、松本市の新規陽性者の数は23人ということになっています。その前の週は46人におよんでいました。この46という数は、人数だけでいきますと、レベル5になる人数が48人ですからそれに近づいた状況だったわけですが、直近1週間では、そこから半減をしたということで、ここへ来て、この第4波についても、明確に抑制傾向に入ってきたと見てよいのではないかと考えています。

資料3 新型コロナウイルス陽性者属性(年齢別)の画像
資料3 新型コロナウイルス陽性者属性(年齢別)

 改めて、今日は5月の末日ですが、4月と5月を比べてみますと、年齢別には、4月の状況というのは、各年齢、満遍なくということの割合でしたが、5月は、変異株に置き換わるという状況の中で、より若い20代以下の陽性者の占める割合が45%ということで、この1カ月間、松本市内においては、ほぼ半数近い新規陽性者が20代以下であったということが確認できます。

資料4 新型コロナウイルス陽性者属性(感染経路別)の画像
資料4 新型コロナウイルス陽性者属性(感染経路別)

 また、感染経路別で4月と5月を比べますと、感染経路不明の割合が、4月は30%を占めていましたが、5月は17%でした。全体の5分の1以下で、感染経路については、特定が相当程度できていたというのが、新規感染者については非常に人数が増えたわけですが、クラスターを一つ一つつぶしていくという、そうした検査・調査ということの中で、こうした形になっております。
 濃厚接触者と、濃厚までいかない接触者の割合の違い、あるいは県外滞在の方が、5月においてはほとんど確認されていないといったことにも、変異株に置き換わる中で、通常の感染防止策では感染しなかった、少し距離があっても感染するという状況が、5月は起きていたということが、確認できると思っています。減少傾向には入っていますが、まだ予断を許せる状況ではないというふうに考えていまして、引き続き、変異株に置き換わったことで、いわゆるエアロゾル感染というものへの注意、具体的には、狭い空間で換気が不足しないように、あるいは、そうした密閉の空間の中で密な状況をつくらない、そしてマスクなしの会話は行わないということについて、引き続き市民の皆さんには、厳重にしっかり取り組んでいただきたいと思っています。
 まず、コロナの関連についてご質問をお受けしたいと思います。

【記者】
 市長としての見解をお伺いしたいのですが、5月21日に公務員の方の感染があったのですが、国か県か市か分からないですが、市の職員の感染が分かった場合には、全員公表するのか、それとも本人の意向があるのか、市の職員の場合の対応はどのように考えていますか。

【市長】
 今は現状に起きていないものですから、公表するかどうか一律の基準というものは、ご質問を受けるまで私の中での整理はできていません。ケースバイケースかなと思います。

【記者】
 今日(5月31日)の庁議で、キャンセルの対応についてでてきたのですが、昨日までの時点でキャンセルが何人いて、どういう方に接種したのか、現状として分かればお願いします。

【市長】
 今日庁議で示したのは、先日(5月26日)の会見でお示ししたことと同じ内容であります。その後のキャンセル状況に応じた接種の状況については、健康づくり課長から説明をしてもらいます。

【健康づくり課長】
 集団接種会場の他に、病院の接種も順次始まっています。詳細についてのキャンセルの数字は把握していませんが、キャンセルなどがあった場合は、その会場にいます従事者、医療従事者などに対応したということで、ワクチンを無駄にした事例は現在のところ発生していません。

【市長】
 全体で0ということ。また、集団接種の会場別は、今までは、要は市の運営でしたので確認できていたのでこれは後で調べればわかりますか。

【健康づくり課長】
 はい。

【市長】
 後で報告させていただきます。

【記者】
 今回のお1人の方が市内の176例目の濃厚接触者で、その方が自営業従業員の10代の女性ということですが、この濃厚接触の接触状況というのはどういう形だったのでしょうか。また、濃厚接触者6人の接触状況について教えてください。

【保健予防課長】
 今回の176例目の濃厚接触というのは、先ほどご説明をいたしましたが、同居外での接触ということでご理解をいただければと思います。濃厚接触者6人については、同居の方が3人、同居外の方が3人ということで、お願いしたいと思います。

【記者】
 明日(6月1日)公表される方に関しては、詳細は明日お聞きした方が良いのかもしれませんが、飲食店で、感染対策が業務上徹底されているので利用客は接触者に当たらないというのは、どういった状況を指すのでしょうか。

【市長】
 濃厚接触者の定義よりも幅広く接触したということ。さらに、これまで例えば学校やそうした施設で感染者が確認されたときは、より感染対策の取られている状況に応じて、どこまでを調査対象にすべきかということを、それぞれ保健所で判断をして行ってきています。今回の場合、濃厚接触者にはもちろん当たらない、さらには接触者という範囲の中にも入らないであろうと。それは、なぜならそれぐらいに、この飲食店、そして当該従事者がマスクの着用をはじめ、防止策をとられていたからということです。その上で何かそれ以上具体的な部分でお話することありますか。

【保健予防課長】
 現在調査中ですが、先ほど市長の方からお話ありましたとおり、業務上の中での感染対策が徹底されていたという点と、この方の接客状況などを鑑みまして、利用客の方は接触者に当たらないというふうに判断しています。

【記者】
 接触者に当たらない場合は、検査はしないということでしょうか。

【保健予防課長】
 はい、そのとおりです。

【記者】
 また明日詳細が発表されることにはなると思いますが、念のためお伺いしたいのですが、要するに利用客は接触者に当たらないということではありますが、店内の従業員間では、接触状況というのはいかがでしょうか。

【保健予防課長】
 本日施設の方の調査も進めておりまして、そのことについては、明日ご説明をしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【市長】
 コロナ関連は他にご質問いかがでしょうか。よろしければ次に移らせていただきます。
 女子野球タウンの認定ということで発表させていただきます。
 全日本女子野球連盟が、昨年の9月に全国の自治体に対して、「女子野球タウン」という、連盟がつくる認定制度への公募をスタートしました。それを受けて、長野県高校野球OB・OG連盟より、応募を検討して欲しいという要望をいただいて、これまで部内での検討を進め、3月に申請をさせていただいたところですが、このたび、この女子野球タウンへの認定ということが決まりました。
 高校の女子野球ということでいきますと、先月、今年8月の夏の甲子園の大会で、通常の男子の準決勝戦の前日に、高校女子の決勝戦を開催するということを、主催者が決定・発表をされたところですが、これまで、女子に対して門戸が狭められてきた野球というスポーツにおいても、そうした変化が生まれている中、松本市としても、連盟が進めている女子野球タウンという取り組みに、積極的に参加をしようということです。
 この狙いについては、昨年リニューアルいたしました松本市四賀球場を中心として、全国規模の大会を誘致すること。そうしたことを通じて、女子野球の普及や振興ということに当たるとともに、女子野球を通じて、広く、女性スポーツの推進や、ジェンダー平等の実現ということに取り組んでいきたいということが狙いです。

資料5 全日本女子野球連盟「女子野球タウン」認定の画像
資料5 全日本女子野球連盟「女子野球タウン」認定

資料6 女子野球の現状の画像
資料6 女子野球の現状

 こちらにありますように、すでにこの緑の五つの都市が、女子野球タウンということで認定をされていまして、新たに松本市をはじめ、北海道、滋賀県の二つの都市と合わせて三つの都市が、認定を受けたところです。松本市としては、先ほども申しあげましたが、もともと野球は日本でメジャーなスポーツである一方で、競技人口は、男子と女子では桁が二つ違うほど、基本的には男子のスポーツということで来たわけですが、近年は、男子の野球人口は、サッカーや他の競技に押される形で減っている一方で、絶対値は非常に少ないですが、女子の競技人口というものが、増えているところです。

資料7 松本市における女子野球の普及活動の画像
資料7 松本市における女子野球の普及活動

 ただ現実に、中学、高校と競技を続けていこうということになりますと、なかなか現状では環境が整っていないということで、競技を諦めざるをえない。硬式の高校野球を続けることはなかなか困難。そうした状況の中で、今回、先ほど申しあげたように、夏の甲子園で決勝戦は行われることになりました。
 これまで松本市においては、先ほどの女子野球タウンの申請の要望を、長野県高校野球OB・OG連盟を中心に、3年ほど前から、野球教室や交流試合といったものを行ってまいりました。さらに、2年前に松本国際高校に、長野県では初めての女子硬式野球部が発足しているという状況です。

資料8 松本市「女子野球タウン」の取り組みの画像
資料8 松本市「女子野球タウン」の取り組み

 今回認定を受けたことで、今後松本市として取り組んでいく事業が、こちらに掲げさせていただいているものです。広く、女性スポーツの推進やジェンダー平等につながるような事業、選手やスポーツの研究者による講演会などのセミナーの開催、また、小中学生は、なかなかプレーを続ける場が男子と混じってということですから、女子野球チームというものもつくっていきたい。また、そうした小中学生が、全国レベルの選手や、国際高校の選手から指導を受けられるような、野球教室の開催を定例化していくこと。さらにはそうした世代の大会の開催や、代表クラスの合宿の誘致などに取り組んでいこうということです。
 今度の日曜日(6月6日)に、四賀球場におきまして、この認定の調印式を行います。当日は記念の植樹、さらには、高校生やその下の年代の女子選手に集まってもらって、練習を行うといったことを予定しています。

 令和2年国勢調査の結果(速報)ですが、すでに県で同時に発表されていますが、発表させていただきます。
 令和2年国勢調査の人口などの速報集計で、令和2年10月現在の松本市の人口は、24万1,337人ということで、5年前(平成27年)に比べて1,956人の減少ということになりました。国勢調査人口が減少となりますのは、松本市としては昭和15年以来ということで、戦後初めてということです。この国勢調査人口と同様に、住民登録人口というものがありますが、つまり住民票の置かれている数で見るということですが、それでいきますと、5年前から比べて1.5%の減少ということです。また、県内の19市の中では、今回、茅野市、塩尻市、東御市の三つの市が、5年前と比べて増加ということになっています。松本市は、増減率でいきますと、その次の4番目となり、減少率では最も少ない0.8%ということです。また、県内の10の地域で見ますと、松本市を含む松本地域は、0.9%の減少ということで、10の地域の中では、最も減少率が少ないという結果になっています。
 以上、国勢調査の速報結果についてご報告をいたしました。

【記者】
 今日(5月31日)発表があった、6月補正予算の関係でお願いします。
予算の中で、森林再生活用事業費というのがありまして、森林再生検討会議からの提言に対する具体的な取り組み、推進方法を検討する会を設置する費用がありますが、先週(5月24日)議会に対して、樹幹注入は本年度までで、来年度以降は行わないという方針が示されました。当初予算を可決するにあたっては、樹幹注入については、合理的な説明ができる予算執行という附帯決議がついていますが、市としては、こういう一つの結論を出したということだと思うのですが、改めて、本年度までは樹幹注入をして来年度以降はやらないということが、どのような合理的な説明ができるのでしょうか。

【市長】
 6月補正予算とは直接関係ないと思いますが。

【記者】
 そうですね。

【市長】
 まず、改めて3月に専門者会議の提言を受けて、松本市として決定をしたことというのは大きく三つです。
 1点目は、薬剤散布及び森林への新たな樹幹注入は実施をしない。新たなというのは、四賀については昨年の段階で2年間、そして里山辺においては、一昨年の段階から3年間ということは予定をしておりましたので、その先のという意味でありますが、この薬剤散布及び、森林への新たな樹幹注入は実施しない。
 2点目は、今後は、いわばライフラインに沿った地域の危険木の処理、伐倒駆除。これを推進する、重点を置き注力していくということです。
 3点目は、これが補正予算の内容になりますが、森林の再生や利活用に、専門者会議の提言を踏まえて取り組んでいくために、その具体的な施策を検討していく。そのために、専門家による新たな枠組みを作って、この中・長期的な取り組みを行っていくということです。
 この3点が、専門者会議の検討を受けて、松本市の方針であり、取り組んでいくことです。その上で、昨年度の段階で、専門者会議の提言を受ける前に決定して、今年2月の議会で当初予算に計上した、令和3年度の樹幹注入、これについての方針といいますか、現段階での姿勢として、先の建設環境委員協議会では、松枯れ被害の短期的な対策として実施することとして準備を進めるという方針を示させていただきました。これは四賀地区については、薬剤散布を中止する代わりに、どういうことを行うかということで、対策協議会を中心に地元と協議を重ねた上で出した方針ということで、そのように、この委員協議会でも申しあげました。
 一方で、専門者会議からは提言を受ける際に、樹幹注入については、森林維持の観点では有効性は認められないと、再考して欲しいという言葉もいただいてきました。そうした経緯を踏まえて、先の委員協議会では、準備を進めていくという方針を了承していただいたというのが経過であります。ですから、基本的には、地元との合意のもとに計画をしている令和3年度の樹幹注入については、実施をするための準備を進めてまいります。
 実際の注入の時期というのは11月から12月。予算を執行するための契約関係などを考えますと、9月ぐらいが、注入のための契約行為とかを考えた時のタイミングになりますが、その前に、里山辺、四賀の皆さんには、改めて今回の樹幹注入を、予算を計上して執行して、実施することを報告し、説明をし、専門者会議からはこういう意見も出ていますがよろしいでしょうかということの意向を確認する必要はあると思います。それは、先ほど申しあげたような日程より前に、里山辺、四賀の両地区で説明会という形を設けて、そして今、実施するための準備を進め、そのことに議会での了承もいただいていますので、その上で、そうした形をとって、今年度限りの樹幹注入について、最終的に実施をすることの確認を取るという手続きを踏もうと思っております。

【記者】
 提言内容では、有効性が認められないという中身なのですが、市としては、従来の3年計画であったり、あるいはその四賀の住民の皆さんとの約束を優先したという理解でよろしいでしょうか。

【市長】
 有効性は認められないということの意味については、専門者会議の皆さんがおっしゃっている意味は、私としての受け止めは、「森林という広大な面積の松枯れを防止する、進行をしっかり止めるというような意味での有効性は認められない」ということで、提言をいただいたと思います。かなり限定的な狭いエリアで、そして樹幹注入というのは、1回注入しますと6年から7年程度、松枯れの進行を遅らせる一定の効果は少なくともこれまでは認められるとされてきましたので、そうしたことまで全くゼロだということを言っている意味ではないと、私としては受け止めています。
 ただ、森林という広大なエリアの松枯れを防ぐことを松本全体で考えていったときに、あるいは、四賀でも全体を考えて、これから将来的なものを考えたときには、森林維持の観点では有効性が認められない。ですから私としても、最低限、今回お約束した部分だけは行って、その先以降は松枯れ対策としての実施は行わないと整理をさせていただきました。百点満点ではもちろんないです。ある意味、緊急避難的に今年度限りということでご理解をいただけるのか、先ほど申しあげたように、改めて地元には説明をさせていただきますので、里山辺や四賀の皆さんが、どういうふうに受け止められるかということは考えていきたいと思っています。

【記者】
 今の市長の発言とも少し関連するかもしれませんが、ちょうど1年前に、空中散布の代替策として、樹幹注入へ方針転換をされたわけですが、今回のその提言の内容とは少し矛盾する部分がありますが、結果論的になると思いますが、1年前の状況判断は正しかったとお考えでしょうか。

【市長】
 私としては、1年前の段階で、すでに意見交換は、今回の専門者会議の皆さんとも、全ての皆さんとではありませんが、少しさせていただいていました。そのため、樹幹注入の限界というものは、当時も認識をしていたつもりです。そして、いわば緊急避難的にこの限られた地域においてとるべき対策として行わさせていただくことが、昨年の段階でも、私としては念頭にありましたし、そのことは十分尽くされなかったかもしれませんが、説明をしてきたつもりです。あくまでこれは暫定措置ということで、次のステージには、今回お示しした先ほどの3点で進んでいくということですので、私としては、そういう段階を踏んで、空中散布政策を中止して方針転換を図る、その過渡期的な位置付けというふうにしていましたので、基本的にはそうした想定に基づいて進めていると思っています。
 ただ、この樹幹注入というものを、もし本当に地元の方々も、もう必要ないとおっしゃるのであれば、それをごり押しする必要もないと考えています。

【記者】
 樹幹注入に関連してですが、ちょうど1年前に空中散布を中止、凍結した時に、代替案として暫定的に樹幹注入を行ったという際に、専門者会議に現在もいる人からも、意見交換をした時に、樹幹注入の限界を認識していたというお話でしたが、専門者会議のメンバーの人たちから、例えば今回の提言にあるような趣旨の意見というのは、方針を転換するときにはなかったのでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげたように、今回の樹幹注入というものの大まかな意味や効果ということへの認識はそうしたことからありました。
 当初から専門者会議の皆さんは、樹幹注入ということで、どこまでそれを松枯れ対策として行うことに効果や意味があるのかということについては、疑問視をされるということは一部からはありました。今回最終的に、取りまとめでああいう表現で、この提言をよりはっきりした形でいただきましたし、私としては、この方向転換をする過渡期として、地元の皆さんに一応の納得をしていただいた、その上での策だと思っていますが、専門者の方の立場で言えば、本来、筋論として、そうしたものはやらないで済むなら、やらないで済むことの方が望ましいし、できないのかという、そういうご指摘だと思います。

【記者】
 当時から疑問視する意見があったにもかかわらず、進めた理由がよくわからなかったのですが。

【市長】
 疑問視というのは、つまり今回もそうですが、森林を大きく全体を維持し、松枯れを止めるということは、それは難しいことでしょうと。私としては、限られた一部の松枯れの進行を、今まで7年にわたって空中散布を行い、そして、空中散布の効果もそうですが、人体への影響ということも指摘をされる中でやめる。その前の市政がずっと続けてきた7年、お約束してきたことをやめるにあたって、段階的にと先ほど言葉を使わせていただきましたが、いわば、一気にやめる前にできることとして、私としては、全く意味がないことではないのではないかということを感じておりまして、そして地元の皆さんにもそうした事を伝えていただく中での、昨年の合意ということでございます。専門家の方々が取る立場と、それと政治的に、最終的な判断を大きくする場合、例として適切かどうかわかりませんが、コロナ対策で疫学的な観点からの判断と、社会や経済への全体的な影響の中での判断ということで、一定の乖離(かいり)というものは、起きない方が好ましいとも思いますが、今回もそういう状況だと私は捉えています。

【記者】
 今日(5月31日)長野県庁で、博物館の建設に関する告発をしたという内容で記者会見があったのですが、市長の受け止めをお聞きしたいです。

【市長】
 先々週(5月11日)に、今回刑事告発をしたグループの皆さんから、直接私に対しての申し入れがありました。菅谷昭前市長と坪田明男前副市長を、背任罪で告発をすると。それは、博物館の建設工事について、10年間の賃貸借契約が満了したあと、この博物館は撤去しなければならなくなるのであれば、それは市民に損害を与えるということが主で、告発をされたと認識をしています。
 これについては、警察において、厳正な捜査、手続きが行われるものと認識しています。松本市としては、博物館の建設は継続していく方針に変わりはないということは、先ほど申しあげた申し入れのときにも、このグループの皆さんにもお伝えしました。それは、要は10年後に博物館を撤去しなければならなくなる事態というものを、私たちが想定をしていないということからです。これは八十二銀行側とも、この10年の賃貸借契約以降の土地利用について、認識を共有していると思っています。具体的には、議会や記者会見でもこれまで説明をしてきましたが、八十二銀行の松本営業ビルの敷地の取得に伴って、松本市と八十二銀行側で締結した覚書というものがあります。この覚書の第3項というのは、松本市が、松本営業ビルの移転先として、深志支店周辺用地の取得に、全面協力するという内容が含まれていました。これについて昨年の12月に、八十二銀行側と凍結をするということで合意をし、そしてこれについては今月、書面で、この第3項については白紙にするということで、確認をしているところであります。同時に、第3項以外の部分については、引き続き協力をしていく。具体的には、松本市のまちづくりには協力していくということが、八十二銀行側とは意思確認ができています。我々としては、今回の告発の前提となっている、10年の借地期間の満了をもって撤去しなければならなくなるということの事態を、先ほど申しあげたように想定をしていないということであります。
 ただ一方で、これは昨年12月に、八十二銀行の松本営業部ビルの敷地取得を凍結する際にも申しあげましたが、それまでの行政手続きや市民への説明責任という観点で問題があったということは、私も申しあげていました。ですから、今後こうした、坪田前副市長を中心に行われてきた一連の経過というものが、どのように明らかになっていくかということについては、注視をしていきたいと思います。

【記者】
 多くの市民の方が、60億の値段が無駄になるのではないかという不安を抱えていると思うのですが、そのあたりについては、市長はどういうふうに受け止めてらっしゃいますか。

【市長】
 多くの市民が無駄になると思っておられるという質問の前提には、同意をいたしません。一部の市民の方は、そういうふうに思っておられるかもしれませんが、その上で、私自身も先ほど申しあげたように、博物館の一連の経過には、問題があったというようなこと、あるいは選挙においても、そのことを見直すべきところがあれば見直したいということを申しあげてきました。昨年の秋の段階で、博物館の建設の中で、1階部分というのは、松本市の中心市街地の中心に建てる建物でございますし、にぎわいを、またこれから三の丸の総合整備をしていくという観点からも、従来の計画では不十分だと認識を持っています。この1階部分については、より三の丸の好立地にあるという観点から、改めて活用の仕方ということを検討する市民会議を、というような枠組みを、今回の6月議会にも関連の予算を提案しています。そうした場で検討して、一部の市民の皆さんにあるそうした懸念も何とか払拭をして、それから三の丸エリア全体のビジョンづくりも今年度行います。松本城周辺を、三の丸エリアを、世界水準の歴史観光エリアにしていく。その一角を担うものとしてふさわしい博物館づくりを進めていきたいと思っています。

【記者】
 今、市長が言及された覚書というのは2016年のものですか。

【市長】
 はい。

【記者】
 その第3項を白紙にしたというのは、今月中ということで5月に八十二銀行と協議されたということでしょうか。

【市長】
 最終的に5月にそうした文書の取り交わしを行いました。

【記者】
 10年後、この土地の契約は一旦終わると思うのですが、そこで、その土地を市としては再契約をするのか、違う方法で取得ということを目指すのかというようなお話はあったのでしょうか。

【市長】
 まず八十二銀行側との覚書の取り扱いについては、第3項について白紙とするということ。そして、第3項以外の事項については、今後もここに定める事項を履行することを確認して、そしてその趣旨に沿って、松本城を中心としたまちづくりを進めることとすると。これが今回、文書で取り交わした内容の全てでございます。ですから、そうした今ご質問にあるような細かいことについて今回取り交わしをしたわけではありません。先日の申し入れを受けたときにも、私からご説明いたしましたが、全ての選択肢があると思っています。賃貸借契約の延長も、あるいはこの譲渡を受けるということも、あるいは土地交換方式ということも。10年後、引き続き博物館用地として松本市が使用するための方策というものは、松本城を中心としたまちづくりを一緒に進めていこうという意思を確認をしている八十二銀行側と、今後、検討調整を進めていくということです。

【記者】
 八十二銀行さんは、基本的にその覚書の項目で、松本市のまちづくりに協力するという姿勢だということなので、市にとって博物館を撤去するというようなことは、おそらく、八十二銀行の目指す、協力すると言っているまちづくりということとも合わないので、そういうことにはならないのではないかという認識でしょうか。

【市長】
 ならないと考えています。

【記者】
 その、八十二銀行との協議というのは現段階では始まっていないということでしょうか。

【市長】
 具体的なことは、まだこれからです。

【記者】
 今の博物館の1階部分の活用方法についてですが、にぎわい創出の観点からということなので、具体的にはこれから市民会議の中で検討されていくと思うのですが、例えば、飲食店を入れるなど、いわゆる商業目的に置換のような形にするということも考えられるのでしょうか。

【市長】
 今回のメンバーの中には、そうしたにぎわいをつくっていこうということにつながるようなメンバーの方、それと当然ですが、博物館は使用にあたっては何にでも使える、何にも制約なく使えるということはありませんので、そうした従来の博物館の利用に精通した方の、両方のメンバーで構成をしようと思っていますし、この1階も含めた博物館の検討に当たった方ということにも入っていただこうと思っています。その上で、ご質問にあるようなどういう施設だとか、どういう使い方をするかというのは、これから検討していただくことになりますが、すでに2階、3階の展示のあり方は固まっていますので、にぎわいと、博物館という本来の趣旨との融合、バランスという観点もしっかり取り入れて、全体として市民に愛される、そしてにぎわいを見出せるような、そうした拠点となれるような博物館の内容を、1階部分について検討していただくというのが現時点での考え方です。

【記者】
 民間活力を導入するというような考え方はありますか。

【市長】
 民間活力を導入するというのは、従来も例えば、飲食スペース、何か売店的なものを入れるというのが、もともとの計画でもありました。民間活力とは何を指すのかということでしょうか。

【記者】
 今、市長がおっしゃったようなことです。

【市長】
 つまり、そういう選択肢は広く持てばいいのではないかなと思っています。

【記者】
 先週(5月26日)の会見のお薬手帳の関係ですが、先週の会見で、考え方について市長からお話があって、会見終了後の夕方、夜に改めてリリースという形で、使用停止、回収という案内がきたのですが、そういった形になった理由を教えていただきたいです。

【市長】
 事務方と私も含めて、総合的にどのようにこれを取り扱うのがいいのかということの詰めも、質問を受けて答弁をしながら、不十分なところもあったなというふうに考えました。最終的に、何となく場合分けするようなやりとりよりも、これを使わないということで統一した方がいいのではないかという判断に、全体としてなったということです。

【記者】
 使いたい人は使う、使いたくない人は回収するというやり方が分かりづらいから統一するという意味でしょうか。

【市長】
 それもあります。本来あれは一体何のために使うものだろうと。その担当部や課の中にも、要は手元に置いていただいて、認識をしていただければ、それで十分なものかなと。そうであれば、それは本来、お薬手帳として提示するということではないという意味で、使わないということでしょうということ。もともと積極的に使いたいという方がどこにいらっしゃるのかということにも立ち返ったときに、あのような整理にさせていただきました。

【記者】
 もう1点だけ確認で、先ほどから出ている博物館の件ですが、八十二銀行さんと、今月というタイミングで覚書の内容について更新する作業があったということですが、凍結を表明されてから時間が経っていますが、なぜ今月そういう作業になったのでしょうか。

【市長】
 まず2月の議会だったと思いますが、文書で取り交わしたかというご指摘がありましたが、その段階では文書で取り交わしていませんでした。我々としては、第3項だけの話の意思確認でしたので、松本城を中心としたまちづくりを進めるという部分については、昨年の12月の段階で、双方で確認をさせていただきましたので、文書という形はどこまで必要かというのがあって、そうなったわけでありますが、2月の議会でそういう指摘を受けて、私の答弁としても、それではということでお答えをしました。年度末というのもあり4月まではかかって、事務レベルでは4月中に内容を確認しました。その上で、八十二銀行側の最高意思決定といいますか、それが終わって返事をいただいたのが、5月に入ってからということになります。

【記者】
 文書で取り交わす形が必要だということで、今までの覚書というのは、あくまで公的な文書ではなかったが、今回はきちんとした形になったということでしょうか。

【市長】
 いえ、覚書も情報公開の対象にするような、松本市の公的な文書だという認識ですし、その覚書に基づいた、覚書のこの内容をこう変えますということですから、この文書の位置付けは一緒です。

【記者】
 今回も、分類としては覚書でしょうか。

【市長】
 覚書のさらに見直しなので、そういうことです。

【記者】
 国勢調査の関係で、端的でよいですが人口が減少した要因と、あと世帯数が増加し、市内でマンションの建設ラッシュが進んでいますが、それらを含め、市長はどのように人口動態を見ますか。

【市長】
 やはり少子化の進行、若者離れというものが、松本市の人口といいますか、状況にも影を落としているということが、はっきり数字にも表れていると思います。ですから、現実を直視して、こうした減少傾向に拍車がかからないようにしていくということが、非常に重要だと思っています。これについては、今、策定作業を進め、また議会にも提案させていただきます。2030年度に向けた総合計画、あるいはこれから5年間の第11次基本計画という中でも、自然増と社会増、そうした両方を通じて世代間のバランスのとれた状態にしていく。私たちはこれを「人口の定常化」と呼んで、取り組んでいきたいと思っていますが、このことが、これからの松本市において、中長期的な取り組みの柱にしていかなければいけないと思います。その上で、今ご指摘ありましたように、マンションが駅前周辺で建設をされ、そしてかなり人気があるといいますか、建設需要というものは旺盛だと伺っています。またその中で、これも金融機関の方々などの話として、松本市内あるいは松本市周辺の方々の購入にとどまらず、首都圏初め県外からの方々の購入という動きも、非常に大きなものになっていると伺っています。もちろん、まだまだこのコロナ禍においても、再び都心回帰だという指摘も出ているわけですが、これから若い世代、働き盛りの世代に対して、雇用、結婚、子育て、教育、住宅といった総合的な観点から、松本市として、住み続けたいまち、選ばれるまちということになっていくように、全庁挙げて取り組んでまいりたいと思います。

【記者】
 6月補正にも入っている、オリンピック・パラリンピックの事前キャンプのことですが、松本市では、フランスのパラリンピックのサイクリングと、ドミニカ共和国が合宿する予定だと聞いているのですが、今、多くの自治体で、事前合宿を新型コロナウイルスの影響で断念するところが多いと認識しています。松本市の場合は、現状ではこのまま進めていくということですが、どのような対策をするのでしょうか。

【市長】
 これまでもご説明をしてきましたが、オリンピックにとどまらず、松本市においては、スポーツ、あるいは文化芸術など、コロナ禍においても、できるだけイベントや活動、取り組みというものを、感染防止策をきちんと取って、市民の皆さんの理解を得た上で進めていこうというのを、基本方針として掲げさせていただいて、ここまできたと思っています。ですから、このオリンピック・パラリンピックについても、まだ最終的に流動的な要素は、ゼロではありませんが、IOC(国際オリンピック委員会)、JOC(日本オリンピック委員会)、あるいは政府は開催の方向で準備を進めています。松本市としても、ドミニカ共和国とフランスの競技団体に確認を取らせていただいて、開催されるのであれば、事前合宿を予定どおり松本で行いたいという意向が伝えられました。ですから、国として取る対策、そこに加えてこの地元としてどういうことが、プラスアルファで必要になるかということは、今後、これが開催、そして実際に来ていただくということになれば、市民の皆さんの安心・安全という観点から、万全な状況になるように、具体的な対策を詰めていかなければいけないというふうに思っています。
一方で、あくまでもこれは開催されるということ、そして、ドミニカ共和国、フランスの選手団が、松本で合宿をする意向を持っているということ前提ですので、それに変化があれば、予算は計上したが執行しないというケースはあると考えます。

【記者】
 細かいことですが、この1,190万円というのはどういう費用になるのでしょうか。

【市長】
 基本的にはこちらにおける宿泊費などですが、具体的な費目については、改めて事務方から、後で報告させていただきます。

【記者】
 国が、6月中旬に64歳以下の接種券を配布すると呼びかけていたと思うのですが、松本市は、国が打ち出した方針に沿った形でのワクチン接種を進めることが、現時点では可能なのでしょうか。

【市長】
 国がどういう方針を打ち出したかということが、報道ベースだと、あまり明確なカチッとしたものを打ち出したという認識はまだ持っていません。
 7月いっぱいまでに、まずは65歳以上の高齢者の接種を完了するということがあって、松本市の場合、8月8日までは現時点ではかかるということですが、まずは、65歳以上の高齢者の接種に全力をあげています。
 64歳以下の、一般の我々も含めた年代の接種については、それが完了をしてからの話ですから、どのタイミングで接種券を配布するのか、また範囲を区切るのか区切らないのか。接種券の配布というのは、今度の予約のあり方にも直結するものですし、高齢者の倍程度の人数がこの後想定されますので、日程的に6月の半ばがどうだということは、まだはっきりしないアナウンスだなと思って受け止めています。

【秘書広報室】
 以上で市長定例会見を終わります。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。このページのトップに戻る

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