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資料1 松本圏域と松本市の感染者の推移(4月1日以降)
【資料2 新型コロナウイルス感染症の陽性者発生状況等について】[PDFファイル/156KB]
まず、新型コロナウイルスの感染状況からお知らせいたします。
本日は松本市において、新たに4人の陽性者が判明いたしました。情報については、すでに配布をしておりますプレスリリースのとおりですが、いずれもこれまで判明している陽性者の濃厚接触者ということになります。
お1人は30代男性、同居されている方の濃厚接触者。2人目は、30代男性。これは同居以外の方の濃厚接触者。3人目は40代男性。この方と4人目の10代未満の女性のお2人は、すでに複数の陽性者が判明している市内の教育施設の調査で判明した同居者の濃厚接触者ということです。重症度については軽症が3名、無症状者が1名となっております。
松本市内の直近1週間の新規陽性者は今週は40人ということになっており、その前の1週間が37人ということでしたので、レベル4のかなり高い水準が続いているというのが現状です。警戒が必要な状況が5月連休明けから今日まで続いております。
改めて、この4月から一昨日24日までのそれぞれ年齢別、症状別、感染経路別をまとめたグラフがこちらです。
資料3 新型コロナウイルス陽性者属性(年齢・症状・感染経路別)
年齢別では、20代以下の若者の比率は、37%ということで、3分の1あまりとなっております。また症状別では、無症状・軽症が94%。また感染経路別では、濃厚接触者が半数程度、また濃厚まではいかない程度の接触者が4分の1程度。感染経路不明が20%程度となっております。
資料4 新型コロナウイルス陽性者属性(4月と5月の比較)
これを4月の1カ月と5月に入ってからでそれぞれ比べてみますと、症状別の割合はほとんど変わっておりませんが、年齢別で見ると、この5月に入って以降、若い世代の比率が増えており、変異株に置き換わることによる、感染力の強化といったものの一つの表れと見てとることができます。また感染経路別では、感染経路不明者の比率が半分程度に減っており、クラスターが複数で発生している一方で、クラスターの関係者というところで感染は把握ができているということを表していると考えます。
こうした現状に鑑みまして、改めて、変異株の感染拡大を防ぐために、以下のようなことをご注意いただきたいと思っております。
資料5 変異株の感染拡大を防ぐために(変異株による最近の事例から)
いわゆる3密の中でも、換気が悪く狭い空間、密閉での感染の拡大が目立っています。具体的には、学校や職場の更衣室、あるいは職場の狭い控え室や会議室、さらには、学校の部室、また移動する際も、車内という場所での換気の不足や過密の状態、そして、そういう中でのマスクなしでの会話が感染しやすい状況、5月になってからの変異株に置き換わる中での現状です。
資料6 変異株の感染拡大を防ぐために(エアロゾルとは)
これは、いわゆるエアロゾル感染ということが指摘でき、エアロゾルというものは、通常の飛沫の大きさに比べて半分以下の小さな粒子で、飛沫から水分が蒸発したあとの浮遊する粒子ですが、この状態になりますと2メートルを超えてもさらに空気中に浮遊しているという状態になっています。ですので、今までの従来株においては感染をしていなかったような距離や空間において、同じ行動をとっていてもこのエアロゾル感染の恐れが非常に高まっているということを、市民の皆様には認識をしていただきたいと思います。そうした中で、どんな場面でも感染対策を忘れないで徹底をしていただきたいと思います。
資料7 変異株の感染拡大を防ぐために(どんな場面でも感染対策を忘れない)
空間に合った人数に制限をすること。そして窓を開け放つことや、車では外気をこまめに導入すること。そして基本的なマスクと手指消毒の徹底をしていただくということ。こうしたことが、5月になっての変異株に置き換わった中での感染状況から、市民の皆さんに取り組んでいただきたい防止策です。
ここまで感染状況と変異株における注意事項についてお話をさせていただきました。続きましてワクチンの接種に関してご報告申しあげます。
資料8 ワクチン接種予約 75歳以上の状況・65歳~74歳のスケジュール
これまで75歳以上の方のワクチンの接種は、土曜日、日曜日を3週間行い、接種が済んだ方の合計が2,861人です。その上で、75歳以上の方の現段階での予約状況を改めてご報告しますと、施設入所者の巡回接種、嘱託医の接種まで含めますと、3万1,046人に予約をしていただきました。これは、75歳以上の松本市の人口3万8,726人の80.1%にあたります。昨日現在で、75歳以上の方のおよそ80%に予約をしていただきました。
それを踏まえて来月の1日、6月1日から、65歳から74歳位の方々の予約をスタートさせていただきます。この予約にあたりましては、75歳以上の方々の予約を行ったときの混雑状況や、接種の受け皿の確保といった観点を踏まえ、こちらにお示ししたように、年齢を4区分に分けて、順番に予約を行わせていただきます。6月1日からスタートするのが73歳と74歳。そして8日からが70歳から72歳。次の週の15日からが66歳から69歳。22日からが65歳と、こういう4グループに分けて行います。方法については、75歳以上のときに行った、電話・コールセンターによる予約、これは時間は午前9時から午後5時まで。WEB・LINEについては24時間対応でということです。
この65歳以上の予約をスタートさせ、65歳以上の全高齢者に対するワクチン接種の見通しについて、改めて説明をさせていただきます。
資料9 高齢者に対するワクチン接種の見通し
65歳以上の高齢者は松本市でおよそ7万人いらっしゃいます。当初、この7万人のうち、どの程度の方が接種を希望されるかということの目安として、70%というものを掲げておりました。これは世界的な接種の状況などから、政府が一つの目安と示していたものでもあるわけですが、この70%を目安としますと、接種人数が4万9,000人ということになり、この4万9,000人あまりの接種の数は、すでに公表しておりました集団接種、病院接種、そして高齢者施設の巡回接種、さらに、新たに行うことにしました個別の医療機関、診療所、クリニックでの接種。これで4万9,500人分を確保したということで進めてまいりましたが、先ほど申しあげたように、75歳以上の予約をすでに済ませた方が80%に上っている現状を鑑みますと、これでは足りないということが想定されるようになりました。
そこで接種率を80%と想定しますと、7万人のうちの5万6,000人が希望をされる。この5万6,000人にまだ7,000人分ほど足りませんでしたので、新たに集団接種を3会場設けて、この65歳以上の接種に対応することといたしました。3カ所については、市役所の大会議室、さらには合同庁舎、もう1カ所については今最終調整中ですが、合わせて3カ所で集団接種を、行う追加をさせていただきます。
そして、仮にこの80%をさらに超えるような接種率になるということになりますと、これにさらに上乗せする必要が出てくるわけですので、その場合の接種会場、さらには問診や打ち手の確保ということについても、引き続き検討をしてまいりたいと思っております。
次に、ワクチン接種のキャンセルが出た場合の対応につきましてご説明申しあげます。
資料10 ワクチン接種のキャンセル対応
これまでキャンセルが出た場合は接種会場、これは集団接種がこれまで行われてきましたので、集団接種で事務にあたっている市の職員を優先的に接種してまいりました。これまでに合わせて19人接種会場の事務従事者が接種を済ませております。今後、集団接種に加えて病院接種、さらには、個別、診療所、クリニックでの接種が始まりますと、キャンセル分がかなりの数出るということが予想されます。松本市としては、以下の優先順位で行っていく方針です。
一つは今申しあげた接種会場の事務従事者、それに次ぐ方々として、介護保険事業者、高齢者施設の関係者という中で、すでに入所施設については、巡回接種、嘱託医接種で行うことが決まっておりますので、それ以外の通所施設等の高齢者施設の方々を、第2優先順位ということにさせていただきます。そして、その次に想定をする方々は、障害者施設の関係の方々、さらには、保育園、幼稚園の保育士の方々、そして小学校、中学校の教員の方々、この方々はいずれも松本市在住者に限らせていただきますが、その次の優先順位としてキャンセル対応にあたっていこうと考えております。
集団接種会場についてはすべての方々が対象になりますが、接種会場の事務従事者については、接種会場が集団接種の会場ですので、病院診療所のキャンセルは対象にはなりません。で、この2、3にあたる方々の申し込み、そしてどういう手順で接種を行っていただくかということについては、まず、施設、園、学校という単位で松本市からお知らせをさせていただきます。こうした内容をお知らせさせていただいて、その施設、学校で希望される方々については、個人で、専用サイトで、この集団接種で言えば最大7カ所。病院、診療所は、それぞれ相当の数に上るわけですが、会場を選択していただいて申請を行っていただきます。その受けた申請を受けた順から、接種会場ごとに、いわば候補者リストということで作成をさせていただいて、実際に当日キャンセルが出た、これは大体はっきりするのが夕方ぐらいになるわけですが、その状況に応じてリストの順番でそれぞれの会場、病院、診療所から電話でリストの順番に連絡をさせていただきます。そして、都合のついた方から来ていただくという方法をとらせていただきます。
資料11 高齢者施設等のPCR検査
コロナ関連でもう1点、先ほど新規陽性者が若い世代が5月は増えていたということを申しあげましたが、一方で施設における感染も確認されておりまして、改めて高齢者施設におけるPCR検査に対して松本市が10分の9の費用を助成するとしてきました事業を、引き続き行っていきたいと思っております。
内容については、一部、県の方法と整合をとる形で変更させていただきました。補助の対象回数というのは、1人2回までとしておりましたが、繰り返し行っていただくことをできるだけ奨励したいという意味合いで制限を無くして、対象期間中、複数回実施をしていただければ、補助率10分の9、1回の場合は、補助率3分の2以内ということで線を引かせていただきました。
上限額についても、それぞれ2万3,000円、これはほぼ満額、一番費用のかかる検査の10分の9にあたる金額ですが、2万3,000円、そして1回の場合は上限1万5,000円ということです。検査を行うにあたって、それぞれの施設が補助を受ける前にまず検査費用全額を支払うということが負担になっているというご指摘がありましたので、業者が対応可能であれば受領委任払いということで、10分の9の部分については、松本市から検査会社に支払う方法としてとらせていただきます。
以上、コロナ関連で私からご報告をさせていただきました。まずコロナ関連でのご質問をお受けしたいと思います。
【記者】
今日の感染者の件なのですが、161例目と162例目は、市内教育施設の感染者で、別で判明した方の濃厚接触者ということで、この教育施設の感染者ではないという理解で正しいでしょうか。
【保健所長】
本日のお二方に関してはあくまで同居内での感染ということになりますので、施設内の感染とは別と考えております。
【記者】
今日は4件、昨日4件ということで、今日病院の方に聞きましたら、入院者、月曜日が27人で今日19人まで減ったと。市長として、集団感染の可能性があるのは3件あったかと思うのですが、今、感染者が減ってきているとか、そういう状況でまだ水準は高いですが、市長として少し落ち着きを取り戻してきたかというような感覚はあるかどうかという見解はいかがですか。
【市長】
先ほども申しあげましたが、直近1週間が40人という新規陽性者。その前週が37人ということで、やはり高い水準で新規感染者が確認されていると。非常にまだまだ警戒が必要な状況だというのが基本的な認識です。また今ご指摘がありました、市立病院のコロナ病床の入院されている方の数についても、今日が19人ということでしたが、その数日前から20人から27、8人というような水準が続いていて、これは改善したというよりは、やはり全体の病床数の半数以上ぐらいは占める状況が続いていると。決して予断を許さない状況であるという認識を持っております。
一方で、先ほど申しあげましたように、感染経路不明、つまり市中感染的な広がりという状況は、今のところ、この幅広い検査、調査をやる中で、広がりの状況は相当程度把握できているということも言えると考えており、クラスターが複数発生している、クラスターがそれ以上感染経路不明で広がっていかないようにするということが、今、非常に大事な状況にあるということ。それが先ほど申しあげましたエアロゾル感染という形で、この状況であれば自分は感染しないだろうという状況の中で感染をしていて、しかもそれは必ずしも症状として明確に出ていない。結果としてそのことでさらに感染を広げていって、広げた先が今度は、例えば、高齢の方だったり基礎疾患を持つ方だったりということになる恐れがあるという点が非常に注意すべき点だと思っております。そういうことに広がっていく、そしてとりわけ高齢者の施設でそうしたことが広がりますと、病床の確保というところにもはね返ってきますので、何とか今ぎりぎりのところで感染の拡大を踏みとどまっていると。これ以上広げないようにするために市民の皆さんに改めての感染防止の徹底を呼びかけさせていただきたいと思っておりますし、この動向を注意深く見守っていかなければいけないと思っております。
【記者】
ワクチンの接種の関係で1点、後で事務方で結構ですが、73歳、74歳とか4区分の大まかな人数と、あとWEBの予約時間、6月5日例えばWEBだと何時からというのを教えてもらえればと思います。
【市長】
WEBについては、前回のような時間差を基本的にとらないということで対応しようと思っておりますので、これはだからスタートは午前0時からという認識ですか。
【健康づくり課長】
スタートの時間は午前9時からスタートで、WEBについては時間差をつけて午後1時からで、そこから24時間対応ということです。
【市長】
初日だけは時間差をつけて、2日目以降は24時間で回していくということです。失礼しました。それぞれの年齢区分の人数については後程お伝えさせていただきます。
【記者】
ワクチンですが、80%の方が受けられるという仮定であると、予定が7月末と伺ったのですが、そこへの影響はありそうでしょうか。
【市長】
今、全国的に7月末、松本市も7月末ということを目標に掲げていますが、これまで7月末をどう実現するかの接種体制の固めまではいっていませんでした。今回、この80%であればということでこの3カ所までは確保ができる見通しが立って、5万6,500人の数という体制が一応整ったということですが、5万6,500人の日程的な期限は今、8月8日と置いております。ですので、7月末というところから1週間程度、現状で言いますとずれ込みそうというところです。
その上で申しあげますと、これまでの経験の中ですでに集団接種の、例えば1会場でこの時間やったときに何人接種できるかということが、少しずつ変化しております。当初、例えばですが、100人できると見込んでいたところが150できるというような、それは、問診をする医師の方と、実際に接種をする、看護師やそういう接種をする方、当初これをすべて一対一でコンビを組んでやろうということでセッティングしてきましたが、これを問診の方は1人に、打ち手を2人というようなことを現場で十分できるということで、一部そうした方式がとられています。それを広げていこうということが、現段階でのこの5万6,500人の中にも含まれています。こうしたやりながら、いわば効率が上がっていくと言いますか、そういう部分がまだ余地があると思っておりますので、現段階で、先ほど申しあげたように、1週間程度8月にずれ込むという見通しが、場合によってはまたこれが少し前倒しということも可能性としてはあり得ると思いますし、一方で、これが想定が80%が85%ということになっていけば、その分だけ確保もしなければいけませんし、その場合はまたどういう確保の仕方が日程的にもできるかということが出てくると思っています。
ですので、現段階で申しあげられることが、この80%想定として体制がほぼ固まり、それの日程、現段階での日程では、8月8日というのを一つのめどに、2回接種を完了するということです。
【記者】
65から74歳の方の予約スケジュールですが、4区分で日にちを分けていて、対象者それぞれの枠が確保されているということでよろしいでしょうか。
【市長】
先ほど申しあげましたように、80%を前提として、80%の枠は確保されていますので、この順序、順番に73歳、74歳でまず予約をしていただければ、そこは万が一100になっても、その年齢層のところはしわ寄せが当然出てこないわけです。後ろにいったときに、もし全体が増えていったときには、確保を現在進行形で、例えば先ほどの85%にいくような動きになってきたときには、最後の65歳の方のところで、十分確保ができるような状態を作っていかないといけないということです。
ですので、これが先ほどの80%を一つの基本にしていますが、75歳以上の方ほど65歳からの方が希望しないで、比較的この73、74歳の方々も、72歳の方々も接種率が少し抑えられていきますと、65歳の方まで、今の確保できたもので十分賄えるということで、接種率の増減によって、最後の、ここで言いますと65歳の方のほうにいったときに、この段階でもし接種率が増えていた場合はそれに合わせた対応を新たに私たちがとっていないといけないということです。
【記者】
予約時に基本的には以前みたいに対象者に対して枠が少ないということはなく、基本的にはちゃんと確保されているので、慌てないようにということですか。
【市長】
そうですね。5万6,000人の方々の分は確保が出来ておりますのでこの順番に年齢の上の方から少し刻みをつけて予約をしていただくということです。
【記者】
先ほど、WEB予約は午後1時からになるという話だったのですが、LINE予約も同じですか。
【市長】
同じです。
【記者】
これも4区分の初日がそういった対応になるということですか。
【市長】
はい。そういうことです。
【記者】
先ほど80%というお話ありましたが、ちょうど接種率の見込みが75歳以上80%ということなのですが、これが多いか少ないかは少しあれなのですが、残り7,000人ほどおそらくまだ予約していない人がいるということになるのかと思います。その人への働きかけとかは今後どうしていくのか、忘れている人もいるでしょうし、できない人もいるかと思うのですが、引き続き働きかけをどのようにしていくとかはありますか。
【市長】
75歳以上の方に特別これから何かをやるということは考えておりませんが、引き続き、こうした会見やメディアを通じて接種の情報は発信させていただきますし、75歳以上の方々の予約の受け付けをシャットダウンするということではありませんので、当初自重しようと思っていた方が希望されれば受けられるような枠、トータルとしてこの65歳より上の方すべての方々の枠としての5万6,000を確保できておりますので、ご希望される方があればしていただければと思います。
一方で、100%ということは性格上ないと思っておりますので、今かなりご希望される方は予約をしていただけている。また、まだ動きも少しずつでありますが、まだ現在進行形で続いております。そうしたことを見守っていくということです。
【記者】
年齢が高い方から優先順位をつけているというのは、どういったところからでしょうか。
【市長】
究極的に合理的な理由までいかないかもしれませんが、75歳で区分をしたことも、65歳から74歳の区分も、年齢が上の方からというのは、相対的には重症化リスクが高いということを考慮した結果です。
【記者】
個別医療機関、クリニックとかの接種ですが、これはまだ始まっていない。
【市長】
始まっておりません。今のところ、6月下旬が接種のスタートになる方向で調整を進めているところです。現段階で80カ所程度の個別クリニックが参加を表明していただいているということですが、6月下旬が個別クリニックの接種のスタートになります。ですので、この部分の予約の受け付けも、それが固まり次第、ホームページ上に公開をして予約を受け付けていくということになります。
【記者】
受け付けがどれくらいになるかというのはまだこれからですね。
【市長】
そうです。個別クリニックの予約について始められるめどはどうですか。
【健康福祉部長】
予約のめどについては、6月第2回の70歳から72歳の方の予約開始のタイミングでいけるように今準備をしているところです。まだ正式には決定とは申しあげられないですが、そこをめどに今準備を進めているということです。
【記者】
1回目の予約のときに6,000人分くらいしかなかったときに混乱もあったのですが、今回、ワクチンの供給の体制としては、7万人分が2回打てるのが7月末までに来るというのはもう見通しは立っているということでよろしいですか。
【記者】
この件について改めて市長の見解をお伺いしたいのですが、ある意味で、政府で7月中という期限を一方的に決めて、それで自治体に課しているという表現もできるかと思うのが、そういうやり方、進め方自体に対しては、市長としてはどういうお考えをお持ちですか。
【市長】
私は、そうした発言をもとにこの目安ができたことは一つ歯車を回すことにはつながったのかなと感じております。なかなか、やはりこの医療機関が、あるいはその医師会の皆さんがこう見合いになってしまっていると思うことも若干あった中で、ここまでには何とか実現しようという旗、7月末というのを明確にしました。7月末が本当にデッドラインなのかというと、私はそうでないと受け止めをしながら、でもこの7月末というのは、自分たちが努力する、取り組みをする、そして、それに医療機関をはじめ皆様方に協力してもらう一つのてこには間違いなくなったと思いますし、今もそのことが明示をされた以上は、そこに向けて努力をやはりしていきたいなと思います。
ただ、これが他の市町村の方がどういう状況にあるか若干わからないですが、それぞれの事情は非常に医療機関の状況であったり、全く違う体制があると思いますので、そのことを市民の皆さんにも、しっかり説明をして理解をしていただければ、今回政府はこのような形で掲げたことの意味は、私はプラスの方が大きかったのかなと思います。
【記者】
市長がおっしゃった歯車を回すという意味において、先般議会でも報告がありましたが、ワクチン接種担当係を新たにつくるというようなこともあるかと思うのですが、そのとき議会からも指摘があったのですが、現場の職員の負担が相当増しているのではないかというような懸念の声が上がっております。
市としても超過勤務が増えているという実態があるということを議会に報告がありまして、中には体調を崩してる職員がいるやに聞いておりますが、政府の掲げる7月末という発言が現場にしわ寄せがいったということはないのでしょうか。
【市長】
全くないとは言えないと思います。それは政府が掲げたことが直接的というよりも、先ほど申しあげたように、そのことを一つのてことして松本市としてこのワクチン接種に何よりも取り組もう、そしてそれは市民の皆さんにとっても最優先の課題だという認識が広まりましたので、当然これは昨年の給付金の支給も、ある意味臨時的で全庁的な取り組みでしたが、今回は、事務的なものにとどまらず実際現場で作業に当たるということも含めますと極めて有事の対応ということにこのワクチン接種はなっております。
しかも、まだ現役世代の接種は全くこれから先にございますので、かなり長丁場のことになります。保健所が、4月からスタートをしてワクチンの手前の感染拡大の抑止あるいは検査といったことも、当然、保健師の皆さんにやっていただいていますし、そこにワクチン接種が並行して進んでいると。この状況は、非常に多くの業務量が重なっていると思っております。一つ目安として申しあげますと、健康福祉部の健康づくり課については、主にこの、ワクチン接種にあたってもらっておりますが、4月の時間外勤務は1,400時間、トータルでは上っておりまして、昨年度が500時間程度でしたので、900時間あまりトータルでは増えております。そのうちの800時間ほどは、ワクチン接種に関する部分ということです。
5月連休明け以降、新たにこのワクチン接種の体制づくりを拡充、あるいは交代する部分は交代していただいて進めていくという体制ですが、この先を考えたときには、より広く市役所内で関与してもらえる体制を作っていかなければいけないと思っております。ただ、どうしても保健師という専門性を持った方々にやってもらわなければいけない領域がかなりの部分を占めますので、よりきめ細かく、勤務実態には注意を払って進めていきたいと思っております。
【記者】
この先長期的な話になりますが、ワクチン接種の対象者が高齢者以外にも広がっていくということで、今回4月から進めてみて、反省点ですとか、こういったところは今後、ポイントになる点はありますか。
【市長】
まず予約については、反省点はこれまでも申しあげてきましたが、確保された枠に対して予約していただく方の人数というものの対応関係を、しっかりしていないやり方は一番ベースの部分でうまくいかないということでありまして、今回、本来その方式にいってしまったのは、なかなか供給量のめどが立たない中でスタートが遅れるというような中でアクシデンタルに起きてしまった部分もありますが、これは基本として一番押さえなければいけないことだと思っております。
もう一つは、インターネットと電話の組み合わせであり、あるいはその比率ということ。これがかなり今の日本社会の状況では、インターネットと、スマホの使用率が年齢層によって大きく違います。今後は、64歳以下になってくると、インターネットにアクセスできないという方の比率は基本、どんどんどんどん小さくなっていくと思いますので、その部分についてのコストや時間は効率が上がっていくと思います。またそれに合わせた予約方法を構築しなければいけないと思っております。
もう1点のポイントの、実際の接種をどこでどういう方々にしていただくかということ、大きく分ければ、大規模な集団接種と、松本の場合は一定規模の病院がかなりありますので、病院での接種と、それと個別の診療所クリニックの接種ということですが、これも高齢者の方と64歳以下の現役世代に移ってきますと、移動の問題などは非常に少なくなってくると思います。
一方で、今度は仕事をしながらということで、平日の日中時間帯はなかなか難しいというようなケースも出てきます。そうなりますと、相対的には大規模接種会場の比率を上げていく、シフトをしていくということと、これもまだ議論は全くこれからですが、日時を事前に設定をして、この日に来てくださいというようなお知らせをする。それに対して都合のつかない方はキャンセル、それに対する意思表示をしていただいて、また別の日をというようなことが可能なのかどうかということ。これもインターネットを通じた双方向の連絡体制ができるかできないかということにも左右される問題だと思っていまして、予約の在り方、接種の場所、そうしたことは、今回、高齢者接種をやって、得られた教訓をそのままということでは必ずしも無くて、今度は、年齢層に応じたライフスタイルとか通信環境といったことにまた合わせて考えていく必要があると思います。
それと、人口ボリュームが何倍にもなりますので、先ほど申しあげたように、通常の医療者以外の方々の接種への協力体制を築いていかなければいけないと思っております。
【記者】
73歳とか、65歳とか細かく年齢区分をしたわけですが、これは前回75歳以上で予約を開始した際に、なかなか予約が取れなかったということの教訓を得ての対応ということですか。
【市長】
全てではありませんが、要因の一つです。そのほかにも、今回、新たに個別クリニック、診療所の接種枠が今後出てきますので、それに対しての予約の在り方、接種の在り方との整合性の高い低いといったことも含めて総合的に判断した結果です。
【市長】
コロナ関連、他にいかがでしょうか。
それではコロナ以外について私から何点かご報告をさせていただきます。
資料12 信州・まつもと大歌舞伎の感染対策について
【資料13 第7回 信州・まつもと大歌舞伎の感染対策について】[PDFファイル/159KB]
まず、来月の後半に予定しています、信州・まつもと大歌舞伎の感染対策についてのご説明をさせていただきます。
夏祭浪花鑑という演目で、6月17日から22日まで6日間、7公演を予定しているわけですが、先ほど申しあげたような警戒が続く感染状況の中で開催するには、より徹底した感染対策が必要ということで、準備を進めているところです。
具体的には、通常の感染対策に加えまして、大きく三つの対策を取ることにしております。
会場内の主ホールについては15分ごとに完全に換気ができる、完全に空気が入れ替わるという方法を実施するということ。また、出演者、市民のサポーター、スタッフなど、関係する人達に対してはPCR検査のキットを配布して、開催の1週間ほど前の6月上旬にそれぞれPCR検査を実施していただきます。そしてそこで陽性の反応ということになれば、会場内への入場、参加は禁止とさせていただきます。
また会場内にCO2モニターというものを設置して、これは大規模なスタジアムや、そうしたところで今使われているものでもありますが、基準値を超えるようなCO2が観測されたときには、そこには人が非常に密集しているということを表すものとして、そこにあたる空間への入場を制限するなどの措置をとれる体制をとらせていただきます。検温、手指消毒の徹底やマスクをしない方の入場の禁止。また、館内の飲食、公演中の発声の禁止。そうしたことを徹底するとともに、連絡先はすべて主催者側が把握をして、感染などが起こったときのクラスター対策の確認ができるようにいたします。また、例年実施しています、関連する伝統芸能の公演や、登城行列、松本城市民ふれあい座、まなび事業といったものは中止とさせていただきます。
長野県が定めるイベントの感染警戒レベル別の対応に照らしますと、警戒レベル4、あるいはさらに5となったときに、イベントの実施方法とされていますのが、人数上限は5,000人。そして大声での歓声や声援などが無いことを前提としうるイベント、ここには伝統芸術としての歌舞伎も含まれるわけですが、そうした場合は使用率100%以内ということが一つ基準としては示されております。そうしたことの上に立って先ほど申しあげたような、徹底した感染対策を取ることによって、開催ができるように準備を進めてまいりたいと思っております。
ちなみに、現時点で予約も含めてチケットの販売状況は全体の96%程度に上っているということです。
資料14 学びの継続訓練
【資料15 松本市立丸ノ内中学校で「学びの継続訓練」を実施します】[PDFファイル/104KB]
続きまして、いわゆるリモートでの学び、あるいはリモートでの学校との連絡ということをしっかり取れるような状況を作るということで、松本市内の公立の小中学校では初めてとなる朝会をウェブ会議システムで行うという訓練を、明後日、丸ノ内中学校で行います。
これは、生徒は自宅にいて、学校の担任の先生は教室にいて、それをオンラインで結んで、丸ノ内中学校は全部で3学年8クラスありますが、8クラス同時に朝会を実施するというものです。GIGAスクール構想に基づいてすべての生徒にタブレット端末が配備されているわけですが、このタブレット端末を自宅へ持ち帰ってもらって、そしてWeb会議システムで朝会を先生と生徒の間で行うということです。自宅にインターネット接続回線が無いご家庭もありますので、そのご家庭にはWi-Fiモバイルルーターを学校側から貸し出して、この訓練にすべての生徒に参加をしてもらうということです。
今、学校が臨時休業をするという状態では、現段階でありません。しかし、中長期的に見たときには備えが必要ですし、そうした場合、今回は朝会の開催ですが、通常の授業といったようなものも継続していかなければいけないということは想定が必要ですので、そこに向けた取り組みです。また、今回初めて丸の内中学校で行うということですが、この訓練の結果をもとに、他の中学校でも、どういうことができるか検討をしていくということです。
資料16 Town Sneaker×HELLO CYCLNG
最後に、これは議会でもご要望がございましたが、バスのタウンスニーカーと自転車のシェアサイクルをより、いわゆるシームレスに利用をしていただこう。またそれを促すための対応として、それぞれ別々にあります、1日乗り放題の乗車券並びにカードについて、2割引という形でセット販売をさせていただくということのお知らせです。通常1500円のところを、1,200円で購入をいただけるということで、より遠くまで行くことができる、あるいは、バス待ちの時間のロスも減らせるといったことが目的です。お求めはアルピコプラザ1階のバスターミナルのチケットカウンターです。
本来であれば、これが一つのカードになって、近い将来、バス、自転車、あるいは鉄道といった交通手段が、どれも快適に使えるようにするということを松本市としては目指しているわけですが、それの第一歩と私たちとしては受け止めております。
以上、3点ご報告させていただきました。
【記者】
歌舞伎の開催について伺いたいのですが、先ほどの市長のお話の確認で、例えば県の警戒レベルがレベル5に松本圏域が引き上げられた場合も、先ほどおっしゃったような指針にのっとっていれば開催できるという認識でよろしいでしょうか。
【市長】
先ほど申しあげたように、長野県のイベントの実施方法には、4と5との間に線は引いてないわけですが、今後その感染状況がより厳しくなってくる、医療機関のひっ迫状況が起きてくるということが、開催の直前に起こるということになりますと、そこは注視した慎重な判断が求められる場面もありうると思っております。これは実行委員会での開催形式をとっており、会長は商工会議所の井上会頭ですが、そうした状況にならないことを何とか、これから感染防止策を取りながら進めていきたいわけですが、やはり、引き続き警戒は必要だと思っておりますし、状況の推移を見定めていかなければいけないと思っておりますし、その結果として、最終的には実行委員会で判断をしなければいけないと思っています。
【記者】
この間に例えば成人式の中止であるとか、あるいは5月の初めには、屋外で予定されていたイベントにもかかわらず、松本城砲術演武は市の主催事業だと思うのですが、中止になっています。今のお話だと、先ほどの発表があった歌舞伎の関連でも開催を見送る行事があるということですが、そういった県の指針に照らすとここに載っているような行事もガイドラインの上では開催ができるのではないかと見えるのですが、その辺りで市民の方からもガイドラインがある中でやるものとやらないものがあるということで、線引きであったり基準がなかなかよくわからないという声もあるのですがその辺りはどうお考えでしょうか。
【市長】
できるだけ統一的で、納得感のある線引きが、イベントの開催においても、またさまざまなコロナに関する実施や規制においても、必要だということは認識をしております。
一方で、個別の状況の変化や、イベントの性格や、そうしたことの中で個々に判断をしていくということも、現実にはこれまでにも、これは松本だけでございませんが、行ってきていると思いますし、主催の団体のありようも一致している部分もあれば差異もあるという中で、今ご指摘のように、結果として一定の違う対応は、一定の範囲内には私はあると思っておりますが、起きているということも現実だと思います。
そうしたご指摘もしっかりと受け止めて、歌舞伎だけではなく、今後、まだまだワクチン接種と並行してコロナとの向き合いは続いていきますので、安心安全と日常生活のバランスをどうしっかりとっていくのかということを、留意して取り組んでまいりたいと思います。
【記者】
今回の歌舞伎の感染対策は、先ほど市長がおっしゃったように踏み込んだ対策だと思うのですが、こういったのはもしうまくいけばOMFとかにも応用していく可能性があるのかどうかは。
【市長】
OMFはOMFですでに検討はされていると思います。ちょっと詳細は今の段階で把握をしておりませんが、少なくとも市民の皆さんにとっても、あるいは演奏者やさまざまな形で参加をしていただく方にとっても安心安全の納得感のあることは、より追い求めていかなければいけないと思いますので、今回の事例なども参考に、検討してまいりたいと思っております。
【記者】
発表事項からは離れるのですが、松本城を世界遺産にする取り組みについてお伺いします。松本は松本城と犬山城、松江城、彦根城、姫路城の国宝5城で、近世城郭群の登録を目指しており、文化庁が3月に国内の暫定リストの見直しを打ち出したということで、ある意味チャンスが訪れていると思います。リスト入りするにあたってはその機運の醸成だったり、あるいは関係する自治体へのとの足並みをそろえるという部分が必要で、その意味においては市長のリーダーシップが必要かと思うのですが、改めて登録に向けた市長の決意と、具体的にこんなアクションを起こしたいというものが、お考えがありましたらお願いします。
【市長】
松本城を中心としたエリアを世界水準の歴史観光エリアにするのだということは私も公約に掲げたことでありますし、その一つの手段としてこの世界遺産登録ということもあるのだというのが私の認識です。過去20年、実行委員会を作って市民も一定程度参加する形での取り組みがございました。ただ、現実にはまだ、いわゆる世界遺産登録の一歩手前の、国内の対象リストに載る機会がこの20年無かった、特に、一度立候補したときにそこに乗らなかった以降は、そもそもそういう作業そのものが文化庁で行われなかったということです。ですので、その間は、ほぼ活動自体も何を目標にしてやっていいのかわからないという状況だったと思います。それがようやく、国内のリストに載っている数が少なくなり、あるいは、すでにもうそこからまた退場するようなところも出てきたりする中で、今回文化庁の動きが行われるわけです。
私にとっては、世界遺産を目指すのであれば、このタイミングを逃したら、もうしばらくチャンスは巡ってこないと思っておりますので、この1年から2年が正念場だとこの前の実行委員会でも申しあげました。
やらなければいけないことは三つあると思っておりまして、一つは従来から進めてきたことではありますが、国宝5城という近世城郭の歴史を世界遺産としてアピールするための、研究調査をさらに深掘りをして、登録に向けた動きにしっかりと後押しになるようなものにしなければいけないという点が1点。
2点目は地元の機運を高めるということ。市民の皆さんにとって、非常に世界遺産の必要性を感じている方と、それほど世界遺産にこだわる必要があるのかという方と、当然いらっしゃると思いますし、そもそも、松本城が単独で世界遺産を目指していると思ってる方もいらっしゃると思いますし、この国宝5城というものがどれだけ私たちにしっかりと根づいて浸透しているかというとまだまだのところもございますので、この国宝5城、そしてその中の松本城が、どういう歴史的価値を持つのかということを、市民の皆さんと共有をして、これから、文化庁の動きが本格化するとされている今年の秋から来年の春、夏にかけてできるだけ集中的に関連のイベントや取り組みをすることで、気運を高めるということを努力していきたいと思います。
三つ目は、この5城の関係する5つの自治体が足並みをそろえるということが必要です。もうすでに世界遺産になっている姫路市の姫路城、あるいはすでに国内の暫定リストには入っている彦根市の彦根城。他の3都市に比べると5城という枠組みで暫定リスト入りをそこまで求めるかということについては、必ずしも同じ気持ちでないところがあると思います。姫路市の市長とは、昨年、お話をさせていただいて以降、大きな意味では認識を持っていただいていると思っておりますが、今度松江市にもいずれ私も足を運ぶなどして、姫路、松江への両市とも5城という枠組みでぜひ世界遺産をという気持ちを共有し、そして、3市の枠組みに5市の枠組みまで拡大をする形で、先ほど申しあげた、文化庁の取り組みが本格化するタイミングにしっかりとした協力体制を示せるように努力をしていきたいと思っております。
【記者】
足を運びたいというのは彦根市ではなく松江市ですか。
【市長】
失礼しました。彦根市です。申し訳ありません。
【記者】
これは、機会が許せば年度内にもというお考えは。
【市長】
やる以上は先ほど申しあげた重要な期間までにはいろいろな取り組みをしなければいけないと思っていますので、その一環として考えていきたいと思います。
【記者】
今日の発表事項とは異なるのですが、昨日団体の方が市役所を訪れて、生活保護受給者のお薬手帳の件で懇談という形を職員と持たれたと思うのですが、団体の主張としては専用の手帳を作るのが差別にあたるということで改正を求められておりましたが、市長の受け止めとしてはどうでしょうか。
【市長】
共産党の方から申し入れもありました。そして庁内で担当課を中心に検討をいたしました。結論から言いますと、特別な手帳を作成したことに、生活保護を受けられている方を差別する意図は無かったわけですが、しかしやはり配慮に欠けた部分があり、不快な思いをされた方が存在したということは、重く受け止めなければいけないと思っております。ですので、すでにこれは3月に医療機関へ受診歴のある受給者に1,200冊郵送をしておりますが、今後、生活保護を受けている方に、通常のケースワーカーの方が、訪問をするというのが、3カ月に1度ぐらいの期間で行われます。その際、改めてお一人お一人に、この手帳に関するご意見をお伺いして、こういうものはいらないという方のものは、回収をさせていただきます。ですので、これは手元にあってもいいよという方は使っていただきますし、不快な思いをされた方の手帳は回収をさせていただくということで対応していこうと思います。
少し経緯等を説明させていただきますと、こちらがお薬手帳でございます。生活保護受給者の皆さんに対しては、生活保護法の条文で、医師がどうしても先発医薬品を使わなければならないという状況以外では、ジェネリック医薬品、後発医薬品を使用するという規定をまずされております。
ですので、通常は生活保護を受けている方が、自分が病気になって病院に診察に行こうと思われた場合は、まず、市役所の担当窓口に連絡をいただいて、こういう病院で受けられますということでご紹介をさせていただきます。生活保護法指定医療機関ということを、ご紹介をさせていただいて、そこに行って受診をしていただきます。そういうことで紹介をさせていただいた医療機関には松本市の担当課から医療機関に連絡を入れますので、そこに行っていただければ、治療費を負担せずにそこで診療を受けられ、その上で処方箋を受け取って、薬局で薬を同じように無料で入手をするというこれがルートとしてあるわけです。
その上で今回、担当課が改めてこのお薬手帳を作成して配布をした目的ですが、基本はまず、先ほど申しあげた生活保護法の規定で、生活保護を受ける方には医師がこれは先発薬品でなければいけないよと言わない限りは、ジェネリック医薬品を使用するということに規定されておりますので、薬局あるいは薬剤師サイドの方からは、よりわかりやすい方法になると、受け付けて薬剤を提供するまでのいろいろなものがスムーズにいくというご要望も受けておりました。そういう中で、では、お薬手帳を独自に作成して、そしてそれを示していただければより薬の処方を受けるのにスムーズにいくということ。さらには、これは一般のお薬手帳、われわれが通常薬を処方してもらうときに使っているわけですが、一つこれを作ればできるだけかかりつけの薬局が複数にまたがらないように、意識ができるだけそこを使おうということに、後押しになって、そのことが重複処方を少なくしたり、自分自身の健康管理にもつながるということがございます。そうしたことをもろもろ考えて、今回生活保護課で、こうしたものを作ろうということになって配布をさせていただきました。
ただ、ご覧いただいてわかりますように、ここに後発医薬品希望と書かれております。例えばですが私が職を失って生活保護を受給する立場になったときに、医者にかかって薬を処方をしてもらうというときに、心情としてはできるだけあまり目立たないように、できればという気持ちになると、私自身はそう思います。ですので、このいろいろな表示の仕方で生活保護を受給しているということを、基本的にはその薬局の方はもちろん皆さん認識をしているのですが、よりそのことを強めるようなものを作る必要が本当にあったのかということ。そしてまたそれが、この中身、表示ということで適切にあったのかということについては、今回、問題を受けて、私も説明を受け、先ほど申しあげたように、是正すべきところがあるのではないかと感じました。
ですので、先ほど申しあげたような対応をとらせていただいて、不快な思いをされた方には、お詫びを申しあげたいと思っております。
【記者】
今のお話で、薬剤師会から要望があってとおっしゃっていましたが、具体的にはいつでしょうか。
【市長】
「薬剤師会からの要望」とは申しあげていないつもりです。薬剤師とか薬局の方の中には、そうしたわかりやすい状況があった方が対応しやすいという声は寄せられていたということを申しあげました。何か正式に団体としてというようなことではございません。
【記者】
そうした声が市に寄せられていたということですか。
【市長】
担当課はそういう認識を持っているということの報告を受けました。
【記者】
今の件なのですが、市民団体の方々は廃止を求めていらっしゃったと思いますが、そこまでの対応は、今のところは考えていないということですか。
【市長】
はい。今のところ、担当課に共産党の関係の方が、申し入れに来られた以外に個別にこのことでのご意見を寄せられていることは、今のところはないということです。ですので、対応として、一部にそういう方がいらっしゃるということはあるでしょうから、なおかつこれは配らせていただいても、別に使わなければ何か不都合が本当に生じるというものではありませんので、それでも手元に置くことももうまかりならんという方もいらっしゃるとすれば、回収をさせていただくということです。
【記者】
生活保護を受けていらっしゃる方は負い目を感じている方もいると思います。お薬手帳を今、生でYouTubeで配信されている中で、市長がそのものを見せるというのは、いかがかと思うのですけれど、その辺りはどうですか。
【市長】
両論あると思います。今回私たちが何をしたのか。そのことを、それも情報として出さないという方法と、どういうことが問題になったのかということを共有していただく。私は後者の方が、私たち自身が正すべきことは何なのか。そしてこれからどういうことを進めていくのかという観点に立ったときには、取るべき方法だと思いました。
【記者】
今、手帳に関して是正すべきところもあったというお話は具体的に言うと、作ったこと自体ですか、その表示の仕方という部分ですか。
【市長】
これは金額の問題もあったと思いますが、担当課レベルで少しでもジェネリック医薬品の活用を進めていこうという思いから作ったものだと私としては認識をしております。今日も実は、もし、これはもう全く仮定の問題で、先ほど申しあげたようにもうこれは回収して、これ以上発行しないわけですが、もし発行するとすればどういうものだったら、不快な思いをさせないものになっただろうかということを担当課の職員に尋ねました。先ほど一つの例として指摘した表紙の部分もそうです。あるいは中身でこういう部分はどうだろうということもお話をしました。あるいは、限りなく中身をわれわれが薬を処方するときにその薬局からもらうものと近いものにしたらどうだろうか。それだったら、問題はないのではないだろうか。そうすると今度は、それだったら作る必要があるのだろうかという話をさせていただきました。ですので、基本的には、今後改めて作るということは、現時点では私自身は必要性を感じておりません。
【秘書広報室】
以上で市長定例会見を終わります。