ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > ようこそ市長室へ > 市長記者会見 > 令和3年度 > 市長臨時記者会見 令和3年(2021)4月16日

本文

市長臨時記者会見 令和3年(2021)4月16日

更新日:2021年4月16日更新 印刷ページ表示

市長記者会見資料(令和3年4月16日)[PDFファイル/3.91MB]

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

スマートフォン等対応動画版

再生時間1時間9分46秒

テキスト版

資料1 松本市のスーパーシティ構想の画像
資料1 松本市のスーパーシティ構想

【市長】
 今日(4月16日)午後、内閣府に、スーパーシティ構想に関します応募申請を行いましたことをご報告させていただきます。
 このスーパーシティ構想は、「世界に先駆けるスーパーシティ松本~市民と地球の命を守る~」という表題で提出したものです。
 昨年の夏に、この国家戦略特区の応募期限が、当初の昨年の秋から延長されたことを受けまして、松本市としてチャレンジすることを決めて、取り組んできたものであります。宮之本副市長を担当の副市長に選任をし、そして、市役所内の7人の職員をプロジェクトチームのメンバーに選んで、半年あまり、この構想の策定作業に取り組んでもらいました。また、京都大学の川上浩司教授、信州大学の茅野恒秀准教授、さらには、59の連携事業者の皆さんの協力を得て、策定した構想です。
 医療・介護のデータ活用、そして、山場と街場の再生可能エネルギーの積極導入の2つを柱とする松本の構想は、この地域の強みとポテンシャルを踏まえた、市民一人一人の豊かさと幸せ、そして、日本の未来社会につながる構想だと考えています。これをぜひ実現したいと思っております。構想の詳細については、宮之本副市長から説明をしてもらいます。

【副市長】
 今回の構想にあたって、私はアーキテクトというポジションで、スーパーシティ構想の司令塔の役割を果たしております。先ほど市長からお話がありましたけれども、本日がスーパーシティ構想の締切日でした。今から約15分前に、152ページの提案書を内閣府に対して提出しました。まずは約20回にわたる、市民との対話会及び、パブリックコメントでいただいた市民の皆さんのご意見、及び、松本市のスーパーシティ構想に対して、一緒に取り組んでいこうと手を挙げて、一緒に提案書を作っていただいた59の連携事業者の皆さんに、お礼を申しあげたいと思っております。
 まず最初に、全国で約1,700ある基礎自治体の中で、おそらく今日、内閣府に対して申請を行った団体が30程あると思います。なぜかくも狭き門に、その自治体が、挑むのかということを少しお話いたします。それは国家戦略特区の位置付けにありまして、戦略特区の基本方針なのですが、この中に、国家戦略特区制度の目的というのが書かれてあります。「規制制度改革によって、岩盤規制の突破口を開き、民間の能力が十分に発揮できる、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備し、経済成長につなげることを目的としている」と書いてあります。特区に選ばれると、特区における企業が設備投資をしたり、特区内でビジネスを創業したり、あるいは土地の譲渡をしたりした場合に、税制面の優遇措置が受けられるのです。例えば、日本全国、他の地域では、税率5%のところが、特区では4%と。このように、産業振興、企業誘致、地域の稼ぐ力を応援したい、と思っている自治体は、この特区に指定を求めて応募しているという次第です。松本市もその一つです。今回その152ページの提案書を書き上げてみて、おそらく、内閣府及び国家戦略特区ワーキンググループの審査員の先生方は、この三つに基づいて評価されるのではないかというふうに考えています。
 一つは、各自治体からの提案が、市民目線に基づいていること。二つ目が、データ連携。どのようなデータを用いて、どのようなサービスを、市民に対して提供するのか。三つ目が、規制緩和項目。
 その三つに基づいて、審査されるものだというふうに考えております。
 では松本市が今回提出した152ページの提案書を、今日は9枚にエッセンスをまとめましたので、それについてご説明します。

資料2「世界に先駆けるスーパーシティ松本 ~市民と地球のいのちを守る~」1枚目の画像
資料2「世界に先駆けるスーパーシティ松本 ~市民と地球のいのちを守る~」1枚目

資料2「世界に先駆けるスーパーシティ松本 ~市民と地球のいのちを守る~」2枚目の画像
資料2「世界に先駆けるスーパーシティ松本 ~市民と地球のいのちを守る~」2枚目

 これが152ページの提案書の1枚目で、これが2枚目です。全く同じものです。
 これが概要の全体像を書いたものですが、まず先ほど申しました、市民目線という意味で言うと、今松本市は、今年からの10年間を見据えた総合計画というものを作っています。その中で、過去数年間、市民との対話を継続的に行っていく中で、松本市の地域課題が、どういうところにあるのかというものを、研究してきました。
 その結果、長野県で最も広いですから、地域が広いことによる医療サービスの偏り、独居高齢者の増加、魅力ある産業振興、脱炭素化、こういうことが、地域の課題として考えられると、これを今回の特区申請によって解決していこうというのが、今回の構想の全体像です。
 では二点目の、どういうデータを用いて、どういうサービスを市民に提供していくのかということですが、利用するデータは下に書かれているようなデータです。

 ウエラブル端末、母子健康手帳、カルテ・お薬手帳、学校健診、支援・介護、行政、電力スマートメーターforPHR(電子生涯健康手帳)andCN(カーボンニュートラル)です。一つずつ説明します。
 ウエラブル端末というのは、腕時計型のウエラブル端末などがありますが、これによって、心拍数、睡眠時間、睡眠の深さ、というような情報を得ることができます。これらの情報を、利用者の同意を得た上で、データ連携基盤に流通させていきます。
 母子健康手帳は予防接種の情報などです。
 カルテ・お薬手帳は、病歴、薬歴情報です。
 学校健診情報は、現在松本市においては、市立の中学校で、中学3年生のときに、小学校1年生から中学3年生までの9年間の紙でできた学校健診票を、電子データ化しています。現在、約6割の保護者から、この電子データ化に同意をいただいています。これをさらに進めることで、ビッグデータにしていきたいと考えています。
 支援・介護情報は、介護施設さんがお持ちになっている情報です。
 行政は、後でご説明しますが、小水力発電をやろうと考えています。そうなると、河川の水量の情報であるとか、地理の情報、こういうものがデータとして載ってきます。
 電力スマートメーターは、電力計は、少し前まで円盤型の回るものでしたが、今は、電力スマートメーターに順次切り替わっています。これは、通信機能を持っています。100%カーボンニュートラルで、再生可能エネルギーの電源を、大幅に取り込もうと考えているのですが、電気はご存知のように、発電量と消費量が一致してないといけません。そのためには、消費量を正確に把握する必要があり、そのための情報を、この電力スマートメーター、カーボンニュートラルの面で取っていこうと。もう一つ、この電力スマートメーターを、健康情報の把握のためにも使っていこうと。どういうことかと申しますと、配電盤に電力センサーを入れると、いつ冷蔵庫を開けた、いつ掃除機をかけた、などがわかります。そのような情報を使うことによって、生活行動の情報を、データ連携基盤に載せると。こういう情報を、データ連携基盤で流通させることによって、上に書かれたような、PHR、医療福祉健康分野においては、生涯健康手帳の電子データ化、医療ビッグデータの活用、出かける医療機器による地域医療の高度化、避難所運営の効率化を行っています。後ほど詳しくご説明します。
 脱炭素、ゼロカーボン、カーボンニュートラルの分野においては、再生可能エネルギーの導入の促進と、環境省「ゼロカーボンパーク」第1号認定の乗鞍高原、異周波数エリア間の電力融通、これは50ヘルツ・60ヘルツ問題です。地域エネルギー事業会社による包括運営、仮想発電所の導入と、大きく九つの取り組みをしていくことを考えております。
 最後に、規制緩和ですけども、これも後で詳しくご説明しますが、医療法、医師法、薬機法、及びFIT法などの規制緩和を求めていきたいということで、今回提案書に記載しました。
 ファイナンスのところですが、今回特区に採択されると、関係府省庁の集中的な支援が受けられます。松本市は、このデータ連携基盤の年間保守費用など、防災分野については松本市のコストでやっていこうと。その他のすべての分野については、民間事業者、最終的にはエンドユーザーが負担することになりますが、そのようなモデルを現時点で考えております。ただ、この点については、まだ関係者と深く議論したわけではありませんので、あくまでも現時点での原則ということでご理解いただければと思います。

資料3 先端的サービス 出かける医療機器による地域医療の高度化の画像
資料3 先端的サービス 出かける医療機器による地域医療の高度化

 こちらが、PHR健康分野における、今回の提案の目玉の一つです。
 出かける医療機器による地域医療の高度化
 第1段階、車両を用いないオンライン診療・服薬指導
 第2段階、車両を用いたオンライン診療・服薬指導
 第3段階、移動する診療所
 とありますが、わかりやすく説明するため、3段階にしてお話します。
 松本市の人口分布図の青いところが、一般診療所の所在地です。比較していただくと分かるように、医療機関というのは、人口分布に比べると偏在していて、郊外・山間部からどうやって病院に通うのか。独居高齢者も増加している状況の中で、すべての市民に医療を提供する、誰も取り残さないためにどうすべきかと考えました。市民の皆さんからも意見をいただきました。連携事業者の方からも意見をいただきました。そして考えたのがこのアイデアなのですが、今松本市には、郊外に市立診療所が6カ所あります。中には、1週間に1時間しか開いていないところもあります。診療所ですから、医療機器は似たようなものが置いてあるわけです。
 一方、ドクターヘリやドクターカーということで、救急医療においては、一定程度の診療行為を行うことができています。そうであるならば、医療機器の軽量化によって、車両自体を診療所にすることで、出かける医療機器、近づく医療機器、というものを提供できないかと考えたのが、この出かける医療機器による、地域医療の高度化の話です。松本市の特徴というのは、松本市内には、医師が879人いらっしゃって、人口10万人当たりの医師の数が全国平均の1.5倍という、医療資源に恵まれているところです。
 そしてもう1つ、今年の1月から2月の第3波の時に全国的に注目された、松本モデルがあります。この松本モデルについてお話します。

資料4 第3波時、医療崩壊を防ぐ仕組みとして衆議院でも注目された「松本モデル」とはの画像
資料4 第3波時、医療崩壊を防ぐ仕組みとして衆議院でも注目された「松本モデル」とは?

選択と集中の松本モデル(松本医療圏:松本市、塩尻市、安曇野市など3市5村)とあります。まさに昨日(4月15日)も、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会で、諸外国に比べて感染者数の少ない日本で、なぜ医療の逼迫(ひっぱく)が起きるのか、病院間の連携はどうなっているのか、議論されています。おそらくまたこの松本モデルが注目を浴びると思います。
 松本モデルというのは、もともとは、救急医療や災害時医療時の取り組みでした。過去15年間、災害が起きたときは、例えば、山形村の方は松本市立病院で受ける、などの役割分担を議論し続けてきました。そのような枠組みがあったものですから、新型コロナ患者を受け入れるときに、重症患者は、信州大学医学部附属病院がご担当いただいて、子どもと妊婦は、県立こども病院が受け入れてもらって、軽症患者はここで受け入れてもらって、あえてコロナ以外の患者だけを見るという病院も設定すると。
 第3波の時に、松本モデルが全国的に話題になった理由の一つは、設立母体が違うんです。二つの国立病院、一つの県立病院、一つの市立病院、民間病院、これらの、ある意味利害が必ずしも一致してない医療機関が一堂に会して、役割分担を協議する営みを15年間続けてきたので、これが機能しているわけです。
 さらに、すでに何回か記者会見でもお話申しあげていますが、こういう取り組みの一環として、今から5年ほど前の平成28年には、松本版PHR報告書というものが作られています。これは、松本市医師会、松本市歯科医師会、松本薬剤師会、松本市地域包括ケア協議会、信州大学附属病院、相澤病院など、20人のメンバーが1年以上かけて策定したものです。このような、病院間・医療機関の横の連携というものが、すでに松本市にあるので、先ほど申しあげたPHRに関しても、松本であれば、それが実行できる土壌があるのではないかと。このPHRというものは、厚生労働省も一定の営みをしています。ただ、あくまで環境を整えるところまでです。私どもは、ビッグデータにならないと意味がないと思っています。今回の提案書の中にも、「令和12年(2030年)に、松本市民のPHR登録率を60%にします」というふうに書きました。そうすることによって、初めてビッグデータになり、それが意味を持つと考えるからです。

資料5 100%カーボンニュートラルな自立分散型まちづくり 全体像の画像
資料5 100%カーボンニュートラルな自立分散型まちづくり 全体像

 次に、カーボンニュートラル、脱炭素、ゼロカーボンの分野のことについてお話します。
 大きく三つあります。再生可能エネルギーの導入促進、異周波数エリアからの電力融通、仮想発電所の導入です。これは規制緩和項目にも関係しますので少し丁寧にご説明します。送電線に空容量がなく、再エネ電気が流せないとありますが、これは今、日本中で起きている問題です。太陽光であるとか、小水力であるとか、既存の電力系統に電気を流そうとすると、大手電力会社さんから、空き容量はないと言われます。空き容量は、事故の時のためにとってあるものだと言われるのです。そのような地域は多く、松本もその一つです。そうであるならば、事故が起きないときだけ、再生可能エネルギーのために空き容量を使わせてもらえないか、というのがこの提案です。これが「配電系統へのN-1電制による接続」という言葉になるのですが、簡単に言ってしまうと今私が申しあげたようなことです。再エネ電源というものは、日本全国において、これからどんどんどんどん増えていきます。ただ、今はその空容量の解釈の問題によって、接続できません。その制度を緩和してもらえないかというのがこの提案です。
 環境省主導によるモデルづくり、国立公園からの脱炭素ドミノの話しをします。
 今年(2021年)の3月23日に、環境省が、脱炭素を進めるゼロカーボンパークの第1号に松本市の乗鞍高原を選定しました。3月は、16日と19日の2回に分けて、臥雲松本市長と小泉環境大臣の対談がありました。そのあと翌週の22日月曜日に、「のりくら高原ミライズ」という、乗鞍高原の将来ビジョンを、地域住民の方、民間事業者、観光協会、環境省、長野県、松本市などが一緒になって作ったものがあります。「のりくら高原ミライズ」、この将来ビジョンを踏まえて、環境省がゼロカーボンパーク第1号として、松本市の乗鞍高原を選定したということです。
 2番目の異周波数エリア間の電力融通、これは次のスライドでご説明します。
 3番目、仮想発電所(VPP)の導入。特に、太陽光発電をイメージしていただくと、非常に気候の影響を受けやすい発電形態です。夜は発電できませんし、曇りになると発電量が落ちます。そのようなものを電力系統に接続すると、電力系統の負荷が大きくなります。その負荷を軽減するためのものです。VPPは、バーチャルパワープラントの略で、住宅用と産業用の2つに分けていますが、例えば住宅用で言うと、もうすでに海外で実績がありますが、600個の家の屋根に太陽光パネルをつけて、同時に蓄電池も設定し、この600個をネットワークで結ぶと、自分が使っていないときは、その電力が他の人に売れるわけです。例えば、週末使わないときに、その時間帯に使う人もいます。電力をお互いに融通することによって、そこから電力系統につなぐ負荷を減らそうという話です。
 もう一つ、PPAモデルと書きましたが、これは、パワー・パーチェス・アグリーメントというもので、今いくつか実際に例が出てきていますし、沖縄県の宮古市などは、かなり大掛かりにやっているのですが、初期投資費用をかけずに、太陽光パネルや蓄電池を導入するということです。つまり企業が、「あなたの工場の屋根を貸してください。費用は私どもが持ちます」と。そこで作った電力をその工場に売るということで、工場あるいは個人とすれば、初期投資費用がかからない、こういう仕組みがあります。こういうものを総合的に導入することで、再生可能エネルギーの一つの課題となっている、電力系統への負荷の問題と、再生可能エネルギーという従来の発電形態に比べると、電力変動が著しいものをどうやって電力系統につなげていくのかという解になるという考えでいます。

資料6 先端的サービス 異周波数エリア間の電力融通の画像
資料6 先端的サービス 異周波数エリア間の電力融通

 松本市の一つの特徴は、全国的にも非常に珍しい、50ヘルツの周波数帯と60ヘルツの周波数帯が、両方とも同じ自治体の中に混在しているということです。50ヘルツの地域は、奈川渡ダムの上流の約千世帯を少し切るぐらいです。50ヘルツは、いわゆる東日本の周波数帯です。この辺りの60ヘルツの街側と、50ヘルツの山側は、同じ市内にもかかわらず、周波数が違うために、山で作ったグリーン電力を街側に供給できないという問題があります。そこで、ある会社から二つの方法があると提案がありました。
 一つは、その電力を電気バスに変えて街に持っていき、街の蓄電池に充電することによって、50ヘルツと60ヘルツの異周波数の電力融通を実現する方法です。
 もう一つは、蓄電池、パワーコンディショナーを利用して、50ヘルツから60ヘルツに変換するという方法です。
 これができれば、東日本大震災の時に起きた、東日本と西日本の電力融通問題の一つの解決になるというふうに考えています。

資料7 規制緩和・制度改革の内容の画像
資料7 規制緩和・制度改革の内容

 最後のポイントである、規制緩和・制度改革の内容ですが、政府に対して提出したものは、例えば学校保健安全法施行規則第何条などの書き方で書いたのですが、それでは少し難しいので、わかりやすい表現に変えました。
まず、生涯健康情報の電子データ化についてです。いくつかの健康情報については、保存年限が法律で決まっています。それをなくして欲しいということや、あるいは、健診結果を文書で通知しなければいけないというような、アナログ原則を見直してくださいという提案です。
 全体で25項目ほどの規制緩和を、今回、内閣府に対して提出しました。そのうちのいくつか重要なものだけを、ここに記載しています。
 「車両に医療機器を搭載し、車両自体を診療所化するための基準を整備する」という話ですが、そもそも、車両を診療所化するということは、今までになかった概念です。今までなかった概念なので、そもそも法律が存在しません。こういうことをやりたいので、基準を定めてくださいというのがこの内容です。
オンライン診療・服薬指導については、昨年、感染症拡大のときに、0410事務連絡というものが出て、今は時限的に許されていますが、それを恒久化して欲しいというような要望です。
 正規雇用でない派遣看護師も診療所や居宅などで診療サポートできるようにするというのは、労働者派遣法の緩和の話です。
 カーボンニュートラルについて言いますと、先ほど申しました、事故でないときには空き容量を使わせて欲しいという、N-1電制の話です。「電気自動車からの出力制限を緩和します」ということですが、現在は10キロワット未満に制限されています。自家用車であれば10キロワット未満でも大丈夫ですが、今回我々、電気バスといえば蓄電池の大きいものを使うものですから、この10キロワット未満という制限も、緩和してほしいということです。
 最大の規制緩和の一つであろうと思われるのは、蓄電池から売電できるようにするということです。従来の電力の考え方というのは、電気から一方通行、つまり、送電線から企業、住宅、蓄電池を入れても、その蓄電池の電気を売るという考え方は、これも、今までなかった概念です。
 ただ、我々はできれば日本企業と組みたいと思っていますが、アメリカのテスラやドイツのゾンネンというような会社のテクノロジーを使えば、蓄電池からの売電というものは、技術革新の進歩に伴って、不可能ではなくなってきています。ですから、そのような最新テクノロジーの進化の動きを踏まえて、法律についても、それに準じたものにしていく必要があるというふうに考えております。

資料8 データ連携基盤構成図の画像
資料8 データ連携基盤構成図

 データ連携基盤のところですが、ここで重要なのは、APIという言葉がたくさん書いてあると思います。これは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略です。インターフェースとは、接する点、接点という意味なのですが、自分のアプリが、他の会社なり他の団体のサービスの機能を使いたいときに使えるようにするという意味で使っています。APIがたくさんあるのはどういうことかというと、データがあくまで分散型で管理されているということです。どこか一つの大きなプールの中に情報が載ってくるわけではなく、あくまでも、データは個々の狭い枠の中にとどまっているだけです。同意があった時だけ、そのデータを流通させることによって、データが芋づる式に流出するというような防ぐ最新の仕組みを導入しようというふうに考えております。

資料9 全体スケジュール(予定)の画像
資料9 全体スケジュール(予定)

 最後に、今後のスケジュールです。今日応募しましたが、これから各省庁からのヒアリング、及び、国家戦略特区ワーキンググループの先生方からのヒアリングなどを踏まえて、今年の6月から7月に、5団体ほどが採択されるというふうになっております。松本市が採択された場合には、その後、1年ほどかけて、今日私が申しました内容を、政府あるいは民間事業者の方々と、さらに現実的なものにブラッシュアップをしていき、最終的に、その構想案に対して住民の皆さんからの住民投票という形で合意をいただいて、それを進めていくというふうになっております。
 私からの説明は以上です。

【記者】
 以前、市長の会見で、60程度の自治体が手をあげるのではないかという話があったと思うのですが、先ほどの副市長のご説明だと30と、半分ぐらいになっているのはなぜでしょうか。

【市長】
 正確な数字を把握しているわけではないという前提で、お聞きしていただきたいのですが、先ほど副市長からもありましたように、150ページを超える文書の提出が求められるものでありました。松本市の場合は、59の連携事業者ということでご協力をいただきましたけれども、そうした連携事業者を、実際に60の自治体がそれぞれ集め、この期限の中で申請にこぎつけるということは、かなりハードルが高かったということであります。これまでの内閣府などと情報交換をさせていただく中で、先ほど副市長が申しあげたぐらいが申請を行うのではないかという見通しを、述べさせていただいたということです。

【記者】
 以前おっしゃっていたように、松本はどちらかというと遅れてスタートしたという話で、30の中には非常に強力なライバルがいると思うのですが、今現在市長として、採択の可能性はどれぐらいあるとお考えでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげたように、去年の10月から半年で取り組みました。もうすでに数年前から、スーパーシティ構想ということではありませんが、この社会のデジタル化ということを、民間事業者と連携して進めてきた自治体というのは、すでにいくつかあったわけであります。ですので、今、5つの自治体が選定されると言われていますが、そこに到達したという何らかの確証というのは、もちろんございません。ですから、この最後発からスタートをして、30ぐらいのかなり高いハードルの申請までこぎつけたということが、それ以上でもそれ以下でもないというのが、今の私たちの立ち位置であります。
 ただ、今回2つの柱で掲げさせていただいた、医療・介護分野、そして環境・再エネ分野というものは、今後の日本社会のデジタル化にとって、非常に大きな柱となる分野だと思っております。また、その分野をどこかの自治体なり、どこかのエリアで、実証・実装をしていこうと考えた場合に、松本が有している地域資源や地理的特性というものは、非常にアドバンテージがあると、私たちとしては考えております。そうしたところをどう評価をしていただけることになるかというのがポイントだと思っております。

【記者】
 先ほどのファイナンスの展開のところで、まだ固まったものはないとおっしゃったと思ったのですが、実際問題これが採択されて動き出したときに、松本市の財政負担はどれぐらいになるのでしょうか。

【副市長】
 データ連携基盤に関しては、年間保守費を松本市が負担するというふうに、今回の答案では書きました。数千万円だというふうに考えています。

【記者】
 防災はどうなのでしょうか。

【副市長】
 防災は、特に今回見積もりは出していません。

【記者】
先ほど、会見15分程前に内閣府に提出したとおっしゃっていましたが、提出方法はどのような方法でしょうか。

【副市長】
 今この状況なので、直接提出は差し控えて欲しいということで、いわゆるデータによって送りました。

【記者】
 メールということでしょうか。

【副市長】
 はい。

【記者】
 医療介護の分野の名称についてお伺いしたいのですが、今まで、「松本版PHRでつなぐ」という言葉を使ってきたと思うのですが、「サステナブル」「持続可能な」という言葉を使った、ここに込めたのはどんな意味からでしょうか。

【副市長】
 先ほど申しました、「出かける医療機器」のところで若干ご説明させいただきましたが、これから、いわゆる山間部に住まれている方の医療をどうしていくのか、超高齢化が進む中で、持続可能な医療形態というのはどうあるべきかというのが、私どもの全体を貫くテーマになると考えたものですから、持続可能なという意味で、「サステナブルな医療・福祉・健康づくり」にしました。

【記者】
 松本版PHRは、例えばテレビ松本さんの中継の日に、前面的に説明が出ていたと思うのですが、イメージとしては、それもこの分野の一つという捉え方でしょうか。それとも、PHRのベースにある中で成り立つというイメージでしょうか。

【副市長】
 はい、そうです。

【記者】
 いわゆる個人情報の管理や扱いという部分で、検討段階から、かなりデリケートに慎重に検討しているというお言葉もあったのですが、具体的にどういったところを検討、配慮したのかを教えていただけますか。

【副市長】
 今回、過去数年間スーパーシティ構想に取り組んだ自治体の中には、個人情報保護法及び個人情報保護条例の緩和を求めているところもありました。最終的に今日どんな内容で提出されたのかは存じあげませんが、私ども過去20回、各市民との対話会を重ねる中で、個人情報保護法及び個人情報保護条例に対して緩和を求めていくのは、市民の賛同が得られないというふうに判断しましたので、今回の提案については、そのようなことは一切記載しておりません。これは議会でも申しましたし、市民との対話によって私が皮膚感覚で感じたことです。同時に、先ほど申しましたように、今回のデータ管理をしていますRESTという設計原則を使いますし、データ形式・様式はJSONというものを使うのですが、マイナポータルをご利用いただければお分かりになるように、かなり情報管理に関しては、最先端のものになると思っていますので、あまり心配はないというふうに思っています。

【市長】
 個人情報に関しましては、今副市長の説明を皆さんがお聞きになっても、私も含まれますが、かなり専門的な用語を使い、そして、そのリスクがどれだけ低減をされるのかということは、非常に一般の方々に広く理解をしていただくには時間が必要だと思っております。しかも、日本の場合は、今のマイナンバー制度もそうですが、非常に抑制的といいますか、データ化をすることについて非常に統制型の政府が、過去をすごくさかのぼれば日本にはあったというような記憶もあり、非常に市民の皆さんにとって、アレルギーといいますか、慎重な感覚というものは、社会全体に残っております。私は、だいぶそれが、このビッグデータや、携帯端末の普及によって緩和されてきたとはいえ、そうしたものが残っています。ですから、先ほどスケジュールで少し触れさせていただきましたが、採択をもしされれば、そこから1年間をかけて、新たな構想の取りまとめと、市民の皆さんへの、この個人情報の部分、これは一つの大きな柱になると思いますけれども、非常に専門的なものを、どう一般の方々に理解をしていただけるかということにも、心を砕いて説明を尽くすということが、必要になると思っています。

【記者】
 採択にならなかった場合に、この検討した提案の内容というものは、一部実現していくのか、どういうふうに生かされていくのか教えてください。

【市長】
 もともとこのスーパーシティ構想は、2030年の未来社会を先取りする、そうした自治体を全国から選んで、取り組みを集中的に進めていくというものです。つまり、2030年には、このスーパーシティ構想を通じて実現しようとするようなことが、日本全国で実現するよう目指していくということが、ベースにございます。私たちとしましても、この松本で提起するものは、少なくとも2030年の段階では、実現をしていくことを目指すものだと自負をしておりますし、この規制緩和がなければできないことということも、当然これは今回の場合含まれてはいるわけでありますが、それが該当しない部分については、できることを行っていきます。初期段階で、このスーパーシティ構想は、医療介護と環境再エネの2つの分野でありますが、それ以外にも、いわゆる3ガク都に連なるような、観光や、教育や、さまざまな分野についても、社会のデジタル化、DXということは進めていくことを掲げさせていただいております。ですので、この採択の如何にかかわらず、進めるべきことは進めていくと、これからの総合計画10年の中で大きな柱になってくる部分だと認識をしております。

【記者】
 市長にお伺いしたいのですが、今回指定されるポイントとして、広範かつ大胆な規制改革の提案と、先端的なサービスの実現に向けた地方公共団体や事業者の強いコミットメントが必要だということを聞いています。その辺りの松本の手応えはいかがでしょうか。自治体と事業者の強い結束といった部分の、手応えというのはいかがでしょうか。

【市長】
 それでいいますと、まず、先ほど申しあげた59の連携事業者の方々に、参加協力をしていただきました。直接のやりとりは、副市長がチームの7人とともに行ったわけですが、短時間でこの構想立案までたどり着いたことに、象徴されているように、非常に、地方公共団体と民間事業者の連携協力ということは、基盤ができたなと、報告を受けながら私は思いました。だからこそ、先ほど申しあげたように、採否にかかわらず、民間企業者とのつながりというものは今後に生かしていけるし、いかなければいけないと思います。また、とりわけ地方公共団体、つまり松本市のコミットメントといいますか、主導性というものについて申しあげますと、ともすれば、この申請の構想づくりは難易度がかなり高いものだという中で、かなり民間企業にこの構想作成を依存する自治体もあったというふうに伺っています。今回、もちろん連携協力をしっかりと進めた上でありますが、松本は、宮之本副市長を中心に、この市役所の職員を中心として、この2つの柱とする構想づくりを、かなり主導的に進められたというふうに、この部分については非常に私は手応えを感じているところであります。

【記者】
 以前、副市長が市民説明会の時に、PHRとカーボンニュートラルという、全く違う二つの分野が絡むようなことを想定しているのか、という質問があったときに、内閣府からはそのデータ連携というものを求められているので、当然それがないと魅力が薄くなってしまう。アイデアはあるが、今は応募の前だから詳細には言えない、ということがあったかと思うのですが、今日の説明の中ではそこら辺が見受けられなかったので、そのあたりのアイデアというものを、もしお話できるのであればお話いただきたいです。

【副市長】
 よく覚えてていただきまして。今日までなかなか皆さんに言えなかったことが2つありまして、1つは、データの連携をどうしていくかという話と、規制緩和項目については、この提案書に書くものですから、私どもの提案書の肝でした。なので、今日までお話できませんでしたが、今日はお話できます。先ほど、電力スマートメーターを、PHRとCNの両方に使うと申しました。ここがいわゆる、カーボンニュートラル・脱炭素・ゼロカーボンと健康データを結ぶものです。ウエラブル端末と同様に電力スマートメーターを使おうというのが、異なる二つの分野間の、情報流通の肝でした。それが種明かしです。

【記者】
 電力スマートメーターのあるお宅というのは、再エネで作られた電気を使っているお宅の電力スマートメーターですか。

【副市長】
 例えば、今でもほとんどの方は電力スマートメーターを使われていますが、その配電盤に電力センサーを入れると、先ほど私申しあげましたように、何時に冷蔵庫開けたとか、掃除機かけたとかが、もうすでに今、今日でも分かるのです。それを、健康づくりのためのデータとして使おうというのが今回の発想です。

【記者】
 そこの部分が、その二つの軸の接点になっているということでしょうか。

【副市長】
 そうです。

【記者】
 スケジュールに関してですが、今日、申請・応募して、結果はいつ頃分かるのでしょうか。

【副市長】
 6月から7月と言われています。

【記者】
 また、先ほど副市長が、市民の合意は最終的に住民投票でとおっしゃいましたが、このスケジュールでいうと、令和4年度の初めの頃に住民合意と書いてありますが、そこのところですか。

【副市長】
 そうです。1年後ですね。

【記者】
 それは、例えば、なにか条例に基づいた投票をするのですか。

【副市長】
 採択された場合にはそのような条例を作ります。

【市長】
 方法まで定められているのか。

【副市長】
 まだそこまで定められていません。ただ、住民投票をするとなると、条例の制定が必要になってきます。

【市長】
 住民投票でというふうに定められているのか。

【副市長】
 今の段階では、住民投票でというふうに内閣府から聞いています。

【記者】
 そのようなことをやりなさいということが、ガイドラインとして示されているからやるということでしょうか。

【副市長】
 はい。ただ具体的に、どういう方法でやりなさいというところまでは、まだ内閣府も考えてないです。

【市長】
 つまり、住民投票という言葉は、条例に基づいた市民全員参加の投票というところまで、コンクリートとして今、内閣側から示されているわけではないという理解です。ただそのようなものが想定をされているだろうということです。

【副市長】
 正確に申しますと、「住民合意(住民投票等)」という形です。

【市長】
 なので、本当の要件が、いわゆる条例を作って、市民が投票によって決めるものなのかどうかということは、私たちが決めるということではなく、これをやりなさいということが出てくるはずですが、これをやりなさいの「やりなさい」に、まだ表現ぶりとしては若干幅がある状態だということです。

【副市長】
 と申しますのは、先ほど、審査員の方が選択する理由は三つあって、一つが市民目線だというお話だったのですが、今までの戦略特区には、住民合意というものは必要条件になっていません。今回、日本で初めての取り組みのスーパーシティ型国家戦略特区において、初めて内閣府が出した考え方で、それはデータ連携をするので、きちっと住民の合意が取れていますかというものです。

【記者】
 スケジュールについて追加で伺いたいのですが、6月か7月に区域指定がされた場合に、改めて基本構想という形で中身をつくって、このスケジュール表にある住民説明会で、その基本構想を用いて説明会を開いていくということでしょうか。

【市長】
 そうです。

【記者】
 順番は住民合意が先で、基本構想が後ではなかったでしょうか。

【副市長】
 最終的には、基本構想を作りながら最終的に住民合意を得るということです。

【記者】
 住民投票なり何なり、住民合意を得る時には基本構想はできているのですか。

【副市長】
 基本構想はできています。

【記者】
 基本構想を示した上で、住民から合意を得るという理解でよろしいでしょうか

【副市長】
 実際には、さっき市長から申したように、住民合意のためには、時間をかけて説明する必要があります。そのプロセスの中で、基本構想を作成してくわけです。なので、ある住民の方には基本構想の2割の段階でご説明しなければいけない場面も出てくるでしょうし、ということです。

【市長】
 大きく言えば、合意の前に作成プロセスがあるということですが、その作成プロセスと説明のプロセスは重なって並行的に進む部分もあるということ、そして最終的には、出口の段階では構想がしっかりイメージがされて、今の内閣が示しているもので言えば、「住民合意(住民投票等)」という、この出口の手続きが必要ということであります。

【記者】
 スーパーシティというのは期間があるものなのでしょうか。支援を受ける、もしくは規制緩和のある期間というのは決まっているのでしょうか。

【副市長】
 規制緩和の期間ですか、

【市長】
 採択後、何年間など…

【副市長】
 ありません。

【記者】
 1回認められれば、基本的に規制緩和はずっと続くということでしょうか。

【副市長】
 国家戦略特区である限りは、ということです。

【記者】
 山側、街側の電力の融通について、山側の医療過疎を移動診療車で、というのは分かるのですが、街側の人たちのメリットは何でしょうか。

【副市長】
 街側は太陽光発電。先ほどのVPPとか、PPAと申しましたけれども、山は、小水力地熱がメインで、街は太陽光。太陽光発電を、屋根の上で、あるいは工場の上でやるときに、初期費用がかからないシステムであったり、あるいは企業の方が、再エネを調達しやすいように、非化石証書の発行であったり、あるいは、電力会社を通さず直接販売するなどです。

【記者】
 売電代が入ったり、電力代が節約できたりすることだけでしょうか。

【市長】
 私の認識としては、もう少しマクロの視点といいますか、今もう2050年はゼロカーボンを国としても目指すと、また世界でも、社会的にも産業面でも目指すとなっています。ですので、このゼロカーボンの状態を、不可逆的に、世界レベルでも国内レベルも進んでいくとすれば、それを早く実現できたところは、先行利得がいろんな面で起きてくるという認識です。企業立地や、あるいは町のブランドイメージや、そうしたことが、さまざまな付加価値として出てくる。ですので、直接的に、市民が電力のエネルギーを利用するところで何がメリットかという側面は、この山側・街側と二つに分けたときに弱い部分もありますが、松本全体がゼロカーボンシティになるということが、企業立地や、雇用の創出や、そしてそのような街にこれから現役世代が住まいを見出してくる、そのようなさまざまな波及効果を見込んで、トータルとしてはこの街も山も、というのが、私のこの構想へのとらえ方です。

【記者】
 医療・介護分野での、街側のメリットは何でしょうか。

【市長】
 医療・介護分野も、先ほどの出かけるうんぬんという部分の説明が、副市長の中でかなりの分量を占めて、それはあくまでこの過疎地域の話でした。ですがその前の、PHRの個人の健康情報を、これもそれぞれしっかりと共有・連携していくことで、街に住んでいる方々にとっても、一人一人の予防や検診などの在り方が、これまでのぶつ切りの医療サービスを受けるものより、数段水準の高いものになると私たちは考えております。

【副市長】
 例えば、マイナンバーカードで病歴や薬歴の情報連携することができれば、病院で問診票を書く必要がなくなります。複数の病院で同じことを記載したり、複数の介護施設で同じことを聞かれたり、ということがなくなりますし、お薬手帳の電子データ化であるとか、母子健康手帳の電子データ化によって、予防接種履歴がなくなってしまったり、わからなくなってしまったりすることもなくなる。これは全市民にとってのメリットだと考えます。

【市長】
 これも非常にミクロの部分で、一体それがどれほどの便益かという議論は、一つあるかもしれません。マクロに見れば、医療費の削減抑制、あるいは社会保障費の抑制といったことが、日本にとって大きなこれからの課題であることは間違いありませんので、そうしたマクロの医療政策、社会保障政策という観点からすれば、これもいずれこうしたデータをしっかり活用した方式に、日本全体が、今移行を目指しています。それを、一気にできない中で、先ほど申しあげたように、医療機関の連携や、少なくともPHRという概念を、この地域で検討したことのある松本だからこそ、先行的にそうした取り組みができます。ですから、市民の皆さんに直ちに享受していただける部分は、今副市長が説明したようなミクロな部分の積み重ねかもしれませんが、マクロに捉えれば、いずれ日本が、この少子高齢化社会の中で、医療費や社会保障費の抑制をしていかなければならない、根幹的なシステムを、松本が先駆け的に国家戦略特区のもとに行っていく、これも先ほど申しあげたサイドの部分と重なりますが、やはり都市イメージの向上であり、そのことによって医療・健康産業が立地をしていくというような、さまざまな波及効果があるというふうに考えております。

【記者】
 PHRとカーボンニュートラルのデータ共有化ですが、具体的にどんなことが想定されるのでしょうか。いつ掃除機をいれました、というようなことは具体的にどのようなメリットなのでしょうか。

【副市長】
 疫学研究のある分野になると思うのですが、例えば、学校健診情報の話しをしましょう。学校健診情報でどういうことが分かるのかというと、例えば、保護者の方が喫煙していると、子供の虫歯が2倍になるとか、あるいは、学校健診情報を元に、特定の地域の小学校の肥満率が高ければ、それを医療政策に反映するということができるわけです。同じように、電力メーターのバイタル情報によって、医療政策にも反映することができるし、先ほど市長が申しましたような、社会保障費の適正化や医療費削減ということにもつなげることができるというふうに考えています。

【記者】
 マイナンバーの登録が必要不可欠になるのでしょうか。

【副市長】
 あくまでも本人の同意に基づいて、同意した場合はそのマイナンバーカードを用いる仕組みを作るのが、一番自然ではないかと考えています。

【記者】
 いろいろ紐づくマイナンバーカードを処理しなければならないということですか。そういうようにするには。

【副市長】
 データの分散型の管理の時代において、紐づくという言葉は正しくないというふうに認識しているのですが、マイナンバーカードを使ったデータ流通をすることによって、より利便性が高まるというふうに考えています。

【記者】
 どうしてもマイナンバーカードが必要になるということですか。

【副市長】
 使うこともこのパーツの一つに入っています。

【秘書広報室】
 以上で市長定例記者会見を終わります。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。このページのトップに戻る

皆さまのご意見をお聞かせください

お求めの情報が充分掲載されてましたでしょうか?
ページの構成や内容、表現は分りやすかったでしょうか?
この情報をすぐに見つけられましたか?
Adobe Reader<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

松本市AIチャットボット