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市長臨時記者会見 令和2年(2020)12月2日

更新日:2020年12月2日更新 印刷ページ表示

市長記者会見資料(令和2年12月2日)[PDFファイル/913KB]

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

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【市長】
 お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。
 八十二銀行松本営業部ビル用地に関する取り組みについて、ご報告をさせていただきます。
 この八十二銀行松本営業部用地の取得に関しては、関係する公文書を、改めて松本市として精査をして、今までの取り組みのぜひと今後の対応を判断しましたのでご報告させていただくものです。
 まず、一連の公文書を通して確認したことです。一つは、松本城三の丸の入口にあたる大手門枡形周辺整備。このそもそもの発端は、平成22年12月に、議会に旧鶴林堂を含めた周辺の一体的整備の協議および「松本市歴史的風致維持向上計画」の報告をしたということにあるわけですが、この段階で、いずれも整備の範囲は旧鶴林堂および隣接する二つのビルの取得、解体による広場の整備ということにとどまっており、大手門枡形周辺の全体的な整備、あるいは、活用策といったことについては決定されていませんでした。
 その後、平成26年4月に松本市側と八十二銀行側の上層部の懇談により、八十二銀行の協力が得られそうな状態が生まれたことによって、交渉に着手をすることになったわけですが、その時点においても大手門枡形周辺整備の具体策、あるいは用地取得後の活用策といったことについては決定されていませんでした。
 そして平成27年の1月に、八十二銀行に対して、松本営業部の用地はまちづくりを進める上で欠くことのできない非常に重要な場所であるとして、松本営業部の用地、松本城大手門駐車場内の借用地、それと車両車庫の敷地の三つを譲渡することを検討してほしいという依頼文書を八十二銀行側に交付していました。
 さらに、平成28年6月に八十二銀行との間で、次のような覚書を締結していました。その内容は、八十二銀行側が博物館建設事業に全面的に協力すること。一方、松本市が八十二銀行松本営業部の新築移転に伴う、深志支店周辺用地の取得に全面的に協力すること。こうしたことを、覚書によって確認していました。
 そしてこうした覚書に基づいて、翌平成29年9月には、松本市土地開発公社が深志支店周辺用地を先行取得することを決定して、12月から着手していました。こうした一連の用地取得の取り組みについて議会に報告をしたのは、平成30年の8月、そして9月で、市民や議会への説明の前に用地取得に関する依頼文の交付や覚書の締結を行っていたわけです。
 この大手門枡形周辺整備。これを、松本城三の丸全体の整備の一環として位置付けていたわけではありますが、この二つの土地の価格と移転補償費を合わせますと19億円という、多大な公費を必要とする用地の取得になることが確認できました。そして、こうしたことが適切な時期での公表がなされないままに進められていたということが、一連の公文書を通して確認したことです。
 このことのぜひを、どう考えるかということです。松本城三の丸エリアの総合的な整備は、私の公約の一つでもあり、市民からも注目の高い、松本のまちづくりを進めていく上での重要な事業であると考えます。この事案について、平成22年に行われた旧鶴林堂および隣接する二つのビルの取得や解体による広場の整備のときに協議が行われていたような形で、本来であれば、着手の前に議会や市民の皆さんに取得の必要性や具体的な活用策を報告し、協議すべきであったと考えています。
 今回確認した事実から判断しますと、八十二銀行松本営業部ビル用地に関して、活用策や取得に対する庁内の意思決定を示す公文書がないこと。また、市民や議会への説明の前に依頼文の交付や覚書の締結をしていることから、行政の手続きや市民への説明責任の観点で、問題があったものと考えています。
 こうした認識を踏まえて、今後の対応としましては、八十二銀行松本営業部ビルの用地取得の取り組みは、以下の理由から凍結することといたします。理由の一つは、現在事務事業の棚卸しといった全体的な事業の見直しを進めている中で、またコロナ禍において、将来の財政状況が不透明で危惧される現時点において、およそ19億円と試算される新たな財政負担は市民の理解を得られないと判断をいたします。あわせて、先ほどもご説明したように、行政の手続きや説明責任の観点で問題があるということも、凍結の理由の一つです。
 そしてこの三の丸エリアの整備は、松本のまちづくりを進めていく上で重要な取り組みであり、大手門枡形の周辺整備も将来的な課題として、市民や議会の議論を経ながら方向性については改めて検討をしていくということです。

 松本営業部ビルの移転先として交渉させていただいた地権者の皆様には、ご迷惑、ご心配をおかけし、深くお詫び申しあげます。また、これまでご協力をいただいた八十二銀行に対しましては、感謝を申しあげるとともに、引き続き松本のまちづくりへのご協力をお願いしたいと思います。
 もう一つ、基幹博物館の整備については、すでに議会の議決を経て、着工済みとなっています上に、建設を中止するといった場合には、賠償金が発生することなどを総合的に勘案しまして、これまでご説明してきたように、見直しできる点は見直しを行いながら、計画を進めてまいりたいと考えています。
 以上、私からご報告させていただきました。ご質問があればお受けいたします。

【記者】
 まず、凍結という表現についてお伺いしたいのですが、今回新型コロナウイルスの影響で財政的に厳しさを増しているという状況等が理由の一つとなっています。これは、将来的に財政が改善したときに取得ということが可能性として、余地として残るというニュアンスなのか、あるいは今回の凍結をもって取得に向けては断念するという考え方なのか、その辺りいかがでしょうか。

【市長】
 先ほども申しあげましたように、将来的な課題だと認識しています。ですので、これが10年、20年先、そうしたことも含めて全く可能性がなくなったということではないと。いろいろな社会情勢や諸々の状況が変化することは、これから長い目で見ればあると思いますし、私としても、松本城三の丸エリアは総合的に整備をしていきたい。そして今、天守閣を中心として、まずは南西外堀の復元、そうしたことを進めていった暁にその可能性はゼロではないと考えています。

【記者】
 一連の公文書の調査をされているということですが、覚書と依頼の文書というものがありました。これは水面下で行われているものと認識しているのですが、例えば議会に対して事後的にも説明しなかったのはなぜなのでしょうか。

【市長】
 なぜかということについては、前の市長なり、前の副市長の判断であり、私が理由を今の段階でご説明できるには至っていません。しかし、先ほど申しあげたように、手続き、あるいは市民への説明責任という点で問題があったと私は認識しています。

【記者】
 市長の理由のところに記載のある部分ですが、大きな題目2の(3)のところで、「活用策や取得に対する庁内の意思決定を示す公文書がない」という記載があります。考え方として活用方法は確かに決まっていなかったのかなと認識するのですが、一方でその水面下ではあるのですが、覚書であったり、依頼文を送っている。ここには、ある種の組織的な、決定があったのかなと思うのですが、その辺りどのようにお考えでしょうか。

【市長】
 質問のご趣旨を少し絞っていただければと思います。

【記者】
 つまり、覚書を結ぶということは、取得を目指すということの法的な意思決定にはならないということでよろしいでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげましたように、具体的な活用策、何に使うのか。こういったこと、あるいはどのぐらい予算が必要なのかということ。こうしたことがなかなか明らかになっていないままに、こうした文書が交わされました。そして、そのことは議会にも、市民にも説明されることがありませんでした。これを総合的に考えたときに、今、19億円という費用を必要とするような事業ということになったときに、この覚書や譲渡依頼文書の在り方が適切ではなかったのでないか。こういうことが私の認識です。

【記者】
 中止ではなく、凍結ということは、一旦棚上げという意味でよろしいのでしょうか。それとも、また別の意味合いを持つのかお願いします。

【市長】
 先ほどご説明したことの繰り返しになると思います。この後、社会情勢の変化、そうした大きな状況の変化があり、10年、20年という長い期間を踏まえたときには、可能性としてゼロではないという意味です。そして、もう一つ加えるならば覚書については、双方がそれぞれ全面的に協力するということを交わしています。それに基づいて、一方でこの5項には「覚書に定めのない事項については、その都度協議して定める」となっていますので、まずはこのプロセスを止める。その上で、八十二銀行の皆様とは、広く松本のまちづくりについて、引き続き協力をしていくという中で、どのような協力の在り方があるのかということは今後も協議していきたいと思っています。ですが、松本営業部ビルを取得するために、その移転先の深志支店周辺の土地の取得、あるいは、その移転補償を進めるということについては、これで進めないということを一旦決めさせていただいたということです。

【記者】
 博物館の建設にどのような影響があるのかという部分ですが、これまでの議会の説明ですと、博物館用地の土地は今借地の扱いになっています。取得をするにあたっては、八十二銀行松本営業部ビルと一体的に取得するという方向で今まで取り組んできたかと思うのですが、博物館建設にどのような影響があると考えているのか。
 それから、今八十二銀行松本営業部ビルが建っているところは、今後どのようになっていくのか、今のままということなのか、あるいは別の形態に変わっていくのか、これは八十二銀行さんに聞くべきなのかもしれませんが、そこの部分。
 それから、今回の凍結が中心市街地のまちづくりを進めるにあたってどのような意味合いを持つのか。菅谷市政の時代から、ここは中心市街地の重要な場所であるという位置付けをしてありますが、今回のその方針転換が中心市街地のまちづくりにどのような影響を与えるのかということ。
 この3点についてお聞きしたいと思います。

【市長】
 まず1点目ですが、平成30年8月の段階で、当初博物館用地にあたる平面駐車場跡地については譲渡ということを松本市はずっと求めたわけですが、この段階で賃貸借ということで折り合いをつけて、譲渡ではなく賃貸借で博物館建設を進めるということに方向が変わりました。そのことを八十二銀行側と同意をして、今に至っています。ですので、今の賃貸借契約に基づいて、博物館の建設は進んでいきます。今、この賃貸借契約は10年です。賃貸借契約を更新することによって、博物館の建設については影響が出ないものと考えています。

資料4 八十二銀行松本営業部ビル用地に関する取組みについて 地図の画像
資料4 八十二銀行松本営業部ビル用地に関する取組みについて 地図

 2点目の、この中心市街地のまちづくり、あるいは松本城を中心としたまちづくり。なかなかご存じでない方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて少しご説明をさせていただきます。今、お手元の地図にもございますが、この大手門周辺の枡形広場。これは、大名町通りを中心として、東に旧鶴林堂ビル周辺。そして西に、八十二銀行松本営業部ビル。これが、三の丸の入口にあたるということです。これは、もちろんいろいろご意見あると思いますが、この入口にあたる部分が今の旧鶴林堂ビル跡地のような広場、空間、そういう状況に西側もするということが、今まで具体的な計画はないのですが、前の市政でイメージされていたことでした。
 私は、そのことが中心市街地のにぎわいや活性化、あるいは松本城を中心とした歴史観光エリア、まちづくりを進めていく上で決定的に大事な要素だとは考えていません。優先度があると思っています。この前の記者会見で、同心円的に整備を進めていきたいと申しあげました。天守閣は国宝の中でも一、二を争う。しかし、外堀は半分ない状態。これをまず復元しよう。そして、今ここに松本市役所が建っているこの場所を歴史観光のにぎわいの場づくりにしていこう。さらには、内環状北線の整備をにぎわいにつなげよう。大名町やその周辺をそのようにしよう。そういう中でいけば、ある意味、段階を経た上で、将来的な課題と申しあげましたが、枡形広場の扱いというのは考えていけばいいのではないかと思います。あるいは皆さん市民の皆さんにとっても、そのことが大事だとおっしゃる方もいるかと思いますが、今の状況で19億円近い費用をかけて、もう一つ西側に広場をつくることがどれだけ必要かということを考えての判断でもございます。
 八十二銀行の問題について私がコメントをするのは、適切ではないかなと思います。

【記者】
 今回の方針ですが、事前に八十二銀行さんにはお伝えになっているのですか。

【市長】
 今週、私から八十二銀行側に出向いて説明をさせていただきました。

【記者】
 それは本店に。

【市長】
 そうです。

【記者】
 相手方の反応はいかがでしたか。

【市長】
 財政上の問題もということであれば、市の方針は理解をするというお話でした。

【記者】
 博物館建設用地はずっと借地のままでいくというお考えなのですか。

【市長】
 将来的なことは、この後、八十二銀行さんとも、松本のまちづくりという観点で協力はしていこうということですので、これから10年経った時にどのような状況になるかと。先ほども申しあげましたが、基本は賃貸借の更新ということの上に立って、また譲渡取得という道が別の方法で開けてくるかどうかということは、今後の話だと思います。

【記者】
 では、少なくとも10年間は借地のままということですか。

【市長】
 そうなると考えています。

【記者】
 土地代は年間おいくらぐらいですか。

【市長】
 1,200万円程度です。

【記者】
 博物館がずっと何十年も利用されると思うのですが、それをずっと借地のままでいいのかどうかという議論もあると思うのですが…

【市長】
 あると思います。一つは、30年ぐらいで、取得の金額と近くなってくる。一方で借地の場合は、固定資産税が入ってくる。こういう部分もございまして、単純な比較にはならないところですが、その辺りも今後念頭に置いていくことだなと思っています。

【記者】
 深志支店周辺の用地買収が難航しているというお話だったのですが、どんな状況なのですか。もう、全く見通しが立たない状況ですか。

【市長】
 具体的な地権者の数や特定するようなことは答弁を控えさせていただきますが、非常に、納得して進んでいた方は少数にとどまっていたというのが現状です。

【記者】
 もう現状では見通しが立たない状況だと。

【市長】
 そう考えていただいて結構です。

【記者】
 今まで用地交渉を進めてきたと思うのですが、どれぐらいの、税金が入っているのでしょうか。

【市長】
 市が直接土地を買うという方法ではなく、まず土地開発公社が先行取得するという形で進めようとしていました。土地開発公社がこの問題に着手をした平成29年から支払った金額は、用地測量の業務委託におよそ200万円。不動産鑑定で、およそ40万円。移転補償算定で、およそ1,100万円。合わせて1,300万円です。私が市長に就任して以降の支出になりますと、この不動産鑑定の時点の修正費を令和2年度に入って支出しまして、これは4万4,000円です。これらは、いずれ一般会計から清算するための予算を、適切な時期に計上させていただく予定です。

【記者】
 公費が入って交渉を進めていた現状ではあると思うのですが、それでも、大きなことを考えて凍結という判断をしたということですか。

【市長】
 先ほど申しあげた理由でそうさせていただきました。先ほど申し上げた1300万円が公費投入に最終的になるわけですが、土地取得の契約を結ぶという段階にはまだ1件も至っていないという段階であることや、最終的にこの19億円という多額の予算を支出して行う事業、その費用対効果ということを考えたときに、これは止めるべきであると判断させていただきました。

【記者】
 19億円の内訳をもう一度確認させてください。

【市長】
 八十二銀行の松本営業部ビルと博物館用地を合わせて取得ということで話が進んでいましたので、この土地価格は路線価から5億円程度を見込まれています。それと、深志支店周辺の土地価格。こちらは、不動産鑑定から、やはり5億円程度と見込んでいます。それに、深志支店周辺の移転補償費。これは交渉している相手方の状況から試算をしますと、9億円程度見込んでおりまして、これを合計すると19億円ということです。

【記者】
 土地をこれから賃貸借で進めていくことに関して市長は影響ないということをおっしゃっていたのですが、以前の会見で賃貸借より取得の方が安定性が増すということもおっしゃっていました。そのあたり、影響は本当にないのでしょうか。

【市長】
 先ほど影響がないとお答えしたのは、まちづくりのことかなと思います。

【記者】
 では、博物館建設に対してということで。

【市長】
 その部分については、現状、とにかく賃貸借でということで10年間(契約を)を結びました。その前提のもとで、八十二銀行の皆さんとのお互い松本のまちづくりをしっかり進めていこうという関係をしっかり維持しながら、本来であれば安定性という観点からすれば、自分たちの土地になるということですが、不安定な状態にならないためには、八十二銀行の皆様方との関係をしっかりしたものとして進めていくことで、その不安、懸念をできるだけ払拭するということです。また、今回の問題についてはストップをするということになりましたが、今後、八十二銀行側と協議を続けていく中でどのような推移になっていくかについては、引き続きさまざまな選択肢を考えていきたいと思っています。

【記者】
 今回、19億円という多額の金額を使わないという選択をされ、市民としては、不透明というわけではないですが、手続きに不明な点があった予算が使われずに済むということで安心する市民もいると思います。今回の経緯を見ていて、率直に、なぜ突然覚書だけでこういったことが進んだのかということであったり、急に「非常に重要な場所である」というような記述が出てきたり、なぜこのようになったのかと。先ほどの質問でも、市長は前市政のことなので把握されてない部分があるということだったのですが、率直に少し疑問が残るなと感じました。これ以上の調査を進める予定はあるのか、関わった方々に対して、どうしてこのような経緯になったのかを今後調査することがあるのかということをお聞きしたいです。

【市長】
 今回関係する公文書は非常に大量なもので、私としても時間をかけて一つ一つ目を通させていただきました。今申しあげたことは、確認できたことを申しあげました。いわば、推察する範囲とか、蓋然性(がいぜんせい)は高いなということは幾つかあります。ただ、確認できてない部分、不透明な部分もあるので、ご説明の仕方を非常にきちんと、丁寧にしないと事実と違うことを申しあげることにもなると思います。そうした前提の上で、私が平成26年前後から続いた経緯を見たときに、当時の上層部が、枡形広場を何とかして復元したいといいますか、あるいは手にしたいという気持ちが非常に強かったことは伺えます。それが、結果的には、本来の手続き、あるいは市民への説明ということよりも上回って、何とか取得への道筋をつけたいということだったのだろうと推察されます。その結果、先ほどもご質問にありましたが、実は、移転先の交渉は非常に暗礁に乗り上げるような、うまくいかない状況になりました。しかし、先ほどの覚書にもありますように、このことは松本市が全面的に協力して行うのだということを約束して進められましたので、松本市がその責任ということで進んでいくことになりました。ですので、松本市が周辺の土地をどうしても確保したいという思いが、結果としては19億円の支出に結びつくような形で、なおかつ、私としては果たしてそこまでの必要性がある土地なのかどうかを再検討させていただき、私の判断は違うなということで今回の凍結をさせていただきました。

【記者】
 営業部のビルは何階建てですか。また、取得するには解体をする必要があったわけですが、解体費の見積もりと、先ほどの移転先の市の全面協力の中身を教えてください。

【市長】
 まず、全面協力というのは、先ほどの覚書を改めて確認させていただきますが、覚書の第3項において、松本市は八十二銀行の松本営業部の移転新築に関わる、深志支店周辺用地の取得に全面的に協力する。これが、中身です。このことに伴って、平成29年から土地開発公社が深志支店周辺用地の先行取得の交渉を行ったということです。取得の交渉においては、先ほど申しあげた1,300万円の公費が、最終的に今止めると支出されることに使われたということになります。その上で、八十二銀行の建物については説明をお願いします。

【都市政策課長】
 八十二銀行の現在のビルは、構造については鉄筋コンクリートということで把握しています。階数については、資料持ち合わせなくて申し訳ないのですが、7階建てと記憶しています。八十二銀行の解体費等については、私どもは補償算定をしていません。そういったものについては、現在持ち合わせている資料はないですが、延べ床面積というものはありますので、それに通常の金額を掛けた金額を推定しているところです。

【記者】
 解体費は、どちらが負担する見通しだったのですか。

【都市政策課長】
 八十二銀行との協議の中で、今後どうしていくかということだと思っていました。その中で、特に市が解体費を払うとか、そういうことではなかったと思います。

【記者】
 市が解体費を払うことはなかったわけですか。

【都市政策課長】
 それについても、今後、協議をしていくということでした。

【記者】
 19億円というのは、最低でも19億円と考えていいのでしょうか。それとも最高なのでしょうか。

【市長】
 最低というのは、それよりもさらに青天井みたいなイメージではないと思っていますが、もうこれ以上増えないということではありました。

【記者】
 細かいですが、用地交渉を行った職員の方は、土地開発公社の職員の方なのでしょうか。それとも市の正規職員の方なのでしょうか。

【都市政策課長】
 土地開発公社に依頼をしていますので、土地開発公社の職員と共に市の職員も一緒に行っている場面がありました。

【市長】
 先ほどのご質問で、博物館用地の賃貸借料を1,200万円とお答えしたかと思いますが、誤っていましたので訂正させていただきます。2,000万円の誤りでした。失礼いたしました。

【記者】
 今週に入って、八十二銀行の頭取とお話になったのですか。

【市長】
 その点については、お答えを控えさせていただきます。

【記者】
 今までの交渉の中で、博物館用地を先に市が取得できるようにという交渉はなかったのでしょうか。

【市長】
 質問の趣旨をもう一度お願いします。

【記者】
 要は、覚書を結んで代替地の取得交渉に入り、すんなりいけば良かったのでしょうが、行き詰まったわけですよね。
 その段階で、移転とは切り離して博物館用地だけを売ってくれないかというような交渉はあったのでしょうか。

【市長】
 平成30年8月の段階で、博物館用地の問題については賃貸借によって一応合意を得るのですが、その間ずっと、当時の前市政は何とか譲渡してくれないかという話を八十二銀行側としていました。覚書2項にもありますように、八十二銀行側は博物館 建設事業に全面的に協力すると。そして、覚書3項で博物館の建設事業と並行して行うのだと。お互いが一体的だという認識でいましたので、こちらだけ切り離して譲渡してくれないかということを前市政は要請、交渉はしていたわけですが実現しなかったということです。

【記者】
 八十二銀行が断ったということになると思うのですが、今週市長が八十二銀行に行かれて、すんなり納得してもらったというのが、どういうことなのか教えてください。

【市長】
 今の部分、つまり譲渡では納得していただくことができず、賃貸借になっているということです。賃貸借の10年間が今、始まっているところです。この状態を変えるというようなことは、考えていないということです。

【記者】
 お話の中で、松本営業部のビルを移転するという話が当然あって、それがご破算になります。そうすると八十二銀行としても何らかの条件を出して、今回の主体については了承したという話になると思うのですが、何か条件みたいなものがあったのでしょうか。

【市長】
 「話になると思う」というのは、想像ということですか。

【記者】
 今回の市の土地取得を凍結するということを、八十二銀行さんは了承されているわけです。それについて、条件は付いているのですか。

【市長】
 条件は付いていません。八十二銀行側の認識としては、前の市政のときに松本市側から持ちかけられた話です。そういう意味では、八十二銀行側が自ら移転を望んだわけではないお立場だと認識しています。ですので、今回松本市側の事情で、それをやめるということであれば仕方ないですねということでご理解をいただきました。一方で、今博物館の用地については賃貸借の契約がありますので、これに基づいた対応をお願いし、松本のまちづくりを共に進めていくことについては、引き続き協議しながら行っていきましょうということでした。

【記者】
 同じような確認になってしまうかもしれないのですが、市側から持ちかけられた話ということで、八十二銀行さんに聞いた方がいいかもしいいれませんが、緊急に移転をしないといけないというような状況ではないということになりますよね。

【市長】
 そういう認識です。

【記者】
 先ほどした質問にも重なりますが、「当時の上層部の方がどうしても取得したい思いがあって、そのような道筋を立てた」というご発言が市長の方からあったと思います。緊急を要するような移転ではないけれども、そこを取得したい。移転というのが、ちょうどいいと言うとあれかもしれないですが、至り来る土地取得の条件となると推察されているということですか。

【市長】
 すいません。ご質問の趣旨がわかりません。

【記者】
 移転は急を要するものではないが、移転という理由があれば、そこの土地を取得に対して動き出せるという当時の事情があったということになるのでしょうか。

【市長】
 今のご質問にお答えすることにつながると思いますが、配布させていただいている、平成27年1月の前市長から八十二銀行側への松本営業部用地の譲渡についての依頼文書があります。「松本営業部用地は、まちづくりを考えるうえで、欠くことのできない非常に貴重な場所であります。官民協働による将来につなげる魅力あるまちづくりに資するため、(松本営業部用地と現在の博物館用地である)北側の松本城大手門駐車場内借用地、及び車両車庫の敷地(というのは、そこに付随する部分ですので)と合わせ、市への譲渡をご検討いただきますよう、ご依頼申しあげます」と最後のパラグラフにあります。これを前市長から八十二銀行側に出しているということで、八十二銀行側としては、市がそこまで求めるのであればまちづくりに資するということで進めましょうということになっていきました。その後の覚書でも明確になっていますが、その時に市が依頼をして、松本営業部ビルの用地を必要とするのなら、移転先は市が責任を持って用地交渉をして提供する、ある意味その義務を負って行うことになると言ったわけです。その結果が、現段階では1,300万円、もろもろの費用を使っています。お約束をしたのですが、現実は深志支店周辺跡地の用地交渉は事実上暗礁に乗り上げる結果になった。平成27年の依頼文書、その後の平成28年の覚書、用地取得の必要性、そして代替地取得の見通し、最終的な市民負担がどのぐらいになるか。そういう部分に対する、当時の市の上層部の判断と手続き、そして市民への説明、議会への説明を指摘させていただきました。

【記者】
 今後のまちづくりのことでお伺いします。大手門枡形周辺整備は将来的な課題として改めて方向性を検討していくということですが、今までの営みは一旦チャラと言いますか、白紙化した上でまっさらな状態から検討していくという意味合いでよろしいでしょうか。

【市長】
 今までの営みという部分は、どのような活用をしていくかについては、現段階では具体的な計画、案というものはありません。今までは、とにかく松本営業部ビル用地を取得しよう、取得したらそこからどのように、基本的に昔の枡形広場と言われた場所の一部分ですので、この枡形広場というものを、あるいはその周辺の移行をどう復元するかとか、活用するかとか。ご存じのように、旧鶴林堂ビルの跡地は広場になっています。基本的には、普通に考えると、あのような状態になるということです。それ以上のものを何か、私が引き継ぐまでの市政や、あるいは私が引き継いでからも検討しているわけではありません。基本的には、まっさらかどうかというのも、そもそも今がかなりまっさらに近い状態だと考えていただけたらと思います。

【記者】
 まっさらに近いとか、具体性はないにしても、三の丸地区の整備基本方針ではざっくりとしたものではありますが、そこは重要な場所なのだ、ここは何かしらの周辺整備を検討していく場所だということは、この基本方針でうたわれています。この基本方針も、将来的な課題として方向性を検討していくということになると、その方針そのものを見直していくということになるのでしょうか。

【市長】
 私が、三の丸全体の総合整備と言っていることと、齟齬(そご)はそうないと思います。

【記者】
 そうすると、見直しまでは考えてはいないということですか。

【市長】
 そもそも、見直す内容があると私はあまり認識していないです。とにかく、用地を取得することが先行しすぎて進んでしまったことなので、用地を取得するということを止めれば、もう少し落ち着いて三の丸全体を総合整備すると言っている。あるいは、今までの基本方針として、そもそもあの場所が昔の枡形広場と言われたような場所であることについての認識は、当然ですが共有しています。何か別の違うものを持ってくるとか、そういうことは考えていません。

【記者】
 今回の公文書の精査ですが、11月10日に市民団体から公開質問状が出たことを巡って記者から質問があり、市長がその時に、今までの経過をしっかり精査する必要があるということをお答えしています。公開質問状の提出をきっかけに精査した結果、こういうことが明らかになり、それをもとに今回こういう意思決定をしたという理解でよろしいでしょうか。

【市長】
 私としては、情報公開請求が大きく、請求された文書について、私自身も三の丸の総合整備、あるいは博物館の在り方については大きな関心を持ってきていた問題です。そのことを、情報公開請求を受けて精査しなければいけない。それは、市民団体だけではなく、メディアからもありました。ですので、このことに対してメディアを通じて市民の皆さんに、あるいは議会の皆さんに、発端からすれば10年、あるいは私から見ると平成の26年ぐらいから大きく動きながら積み重ねられてきた問題でしたので、しっかり捉え直す必要があるだろうということで取り組ませていただきました。

【記者】
 公開質問状の提出がきっかけではなかったということですか。

【市長】
 公開質問状と情報公開請求は、相前後はしていましたが、どちらかと言えば情報公開請求です。それで、私たちも膨大な文章に目を通し、確認する必要があると。もう一つあえて付け加えれば、ずっと申しあげてきた事務事業の棚卸しという部分の締め切りが迫ったわけですが、改めてこの問題について、単年度の問題ではないですが見直しをする必要があると考えました。

【記者】
 先ほどの、土地開発公社から支出されている1,300万円の資金について確認です。そのうちの1,100万円が移転の補償費ということなのですが。

【市長】
 補償算定です。どのぐらいかかるかを調べる経費です。

【記者】
 これは、払って戻ってくる、そういう趣旨のものではないということですか。

【市長】
 要は、地権者に払っているものではありません。調べてもらう方に支払っているものです。

【記者】
 19億の金額についてですが、八十二銀行の松本営業部ビル、それから博物館の用地が約5億円、深志支店周辺が約5億円。市の方で一時的に支出をして深志支店の周辺を買い取るということの後に、もちろん八十二銀行がそこを購入するということになると思うのですが。

【市長】
 深志支店周辺の5億は、歳入として入ってくる5億です。ですので、19億のうちの5億は、もしこの取得が進んで、私たちが八十二銀行の代わりに深志支店周辺の土地を購入していますので、今度はこれを八十二銀行に買ってもらうということで、5億は返ってくるということです。

【記者】
 そうすると、一時的に確かに19億の支出があるのですが、純粋な負担というと14億ということでしょうか。

【市長】
 14億ということです。

【記者】
 深志支店周辺の5億というのは、深志支店そのものの土地の価格を除いた周辺についてということでしょうか。

【市長】
 深志支店の土地は、八十二銀行が所有している土地ですので、それ以外ということです。

【記者】
 市長に見解をお伺いしたいです。先ほどの質問にありましたが、11月に市民グループからの公開質問状がありました。前後する形で情報公開請求もあったということで、一部の声とすると、一部の市民の訴えにより松枯れであったり、それから防犯カメラであったり、象徴的な市政の転換を行い、また一つ前市政の営みというものを臥雲市政として転換したと。転換のやり方が、一部の市民の声に寄っていないかというような声も聞きます。おそらく、市長の見解は「そうではない」ということではあると思うのですが、その辺りを市長はどのようにお考えでしょうか。

【市長】
 何が引き金になったかということよりも、今回の問題をこれまでのプロセスでそのまま続けることの方が正しいか、それとも今回私たちが取った方針の方がよりベターかということを、ぜひメディアの皆様にも、市民の皆様にもご理解いただくようにご説明をしていかなければいけないと思います。私自身もさまざまな市政課題を抱えている中で、この8カ月余り、新型コロナウイルスの感染対策への取り組みを最優先だと言って続けてきました。あるいは、市役所の組織やデジタル化といったことも大きく進めていかなければいけないということで、取り組んでいます。そうした中で、メディアの報道や市民団体の皆様の動き、そうしたものをしっかりと受け止めさせていただきながら物事を進めるということも、政治のプロセスとしては、ある意味当然だなとも考えています。この問題については、本来であればもっと早い段階で、市役所の現地建て替えの凍結や市立病院の新たな病院づくりといったもの、そうしたものとともに取り組むこともあり得たかなと思いますが、結果的には優先順位や取り組むタイミングがぎりぎりになったかなと思います。

【記者】
 菅谷前市長の覚書を見た限り、やはり博物館のあった用地を市に譲渡してほしいという思いもすごく読み取れる文書だなと思います。ただ、賃貸借のまま進んでいるということで、八十二銀行松本営業部の位置がこのままだと、今後八十二銀行さんも譲渡へと動きにくくなってくるのかなというのが予想されるのですが、博物館の部分が賃貸借のまま続くことについて、何か影響などはありますか。

【市長】
 先ほど申しあげたこととも重なりますが、松本市役所の中でも財政部局は、実はあまり土地を所有しないほうが良いと。これは博物館に限らないですが、財政部局としては、賃貸借で固定資産税を支払っていただき、そこの地権者との関係が安定していればそちらの方が良いと。そういう見解も市役所内に存在します。一方で、そうは言っても、賃貸借は自らの所有に比べれば、何かあったときにはどうなるのだというリスクはゼロではありません。公共施設を造る時に土地を所有するという在り方も、これもまた一つの大きな柱としてあります。特に今回の場合、相手方が八十二銀行という県内を代表する金融機関ということで言えば、賃貸による不安定さという部分のリスクは非常に小さい状況なので、その中で続けて行くように努力をしていかなければいけないと思います。今回の形ではありませんが、八十二銀行の皆さんと共に、松本のまちづくりを続けていけるようにしなければいけないと考えています。

【記者】
 細かい数字で申し訳ないのですが、今の基幹博物館の用地の面積は全部でどれくらいあって、八十二銀行がどれぐらい持っていて、長栄さんがどれぐらい持っているのか。また長栄の契約形態、賃料をお願いします。

【市長】
 すいません。後ほどご報告させていただきます。

【記者】
 今回凍結に至った理由の中に、「コロナ禍による将来の財政状況が危惧される」とここに記載されています。タラレバの質問で申し訳ないのですが、もしこれがコロナ禍ではなく、通常の世の中の状況であったとした場合、これは情報公開請求があったにしろ、市長の中でどこかで我々に開示するようなご予定があったのか。凍結するという判断に同じように至ったのかを聞かせていただければと思います。

【市長】
 19億円、5億円はこの土地取得になるので、あるいは14億円。私は非常に大きな金額だと思いました。特に、現状の枡形広場周辺整備では、あの一角を平地にしている状況にとどまっています。それを広げるために10数億円かけるということです。私としては、新型コロナウイルスによって、よりそこがフレームアップしましたけれども、これからも松本城周辺整備を優先度の高いものから行っていこうという中で、今回の枡形広場を西側にもということのために行っていることとしては、そこまで必要だったかなと。仮定の状況の中での質問に対するお答えで、少し中途半端になるところがありますが、そういう気持ちです。

【記者】
 資料の八十二銀行松本営業部ビル用地に関する取組について、市民や議会に説明がされる前にこういった話が進んでいたということが問題だと書かれています。どのような点が問題で、どうしたら防げるのか、どうお考えか教えてください。

【市長】
 今回の覚書の内容によると、松本市役所が、八十二銀行の移転先の用地取得までを引き受けて枡形広場の用地を手に入れようとした。それは、先ほど申しあげたように、19億円ないしは14億円という多額の費用をかけてやろうとしたことだった。結果的に、この移転先の用地交渉も暗礁に乗り上げた。事業規模、かかる費用についての説明は、市民にも議会にも行われていなかった。その中で、もしこの状況に方向転換がなければ、年末から年明けにかけての用地取得の契約という段階に、これから進んでいった。そして、一部の地権者との間で契約をするところまで進んでいって、その先が果たしてどうなっただろう。今の状況だと、用地取得そのものがやはり暗礁に乗り上げる可能性が高く、あるいはそういうことになっていった段階で、「実はお金は19億円ぐらいかかるんです」あるいは「14億円かかるんです」「それは聞いてないよ」と。そこまでしてやる事業だったのですかと、私は思いました。私はこの話を改めて今回精査していった時に、話の問題を進めていく順番、前後の在り方がどうだったのかと。その事業がそれほど大きな規模でなければともかく、規模感を含めてこれだけの金額をかけてやることが、市民や議会に伝えられないまま進められていって、後戻りできないところまで行くか行かないかの瀬戸際だったなと私は思っています。二つ目の質問、どうするのですかということでありますが、やはり何をするためにこれだけの規模の事業をやるのかということを、しっかりと段階段階で、市民、議会を通じてご報告し、同意を得て進めていくということだと思います。

【記者】
 素朴な疑問ですが、八十二銀行に対して市長から譲渡の依頼文書が出たということは、これについて銀行側から、可否に関してあるいは条件などが付された回答書、公印付き文書などがあっても不思議ではないと思いますが、その文書は存在しないのでしょうか。

【市長】
 私の認識としては、その結果が平成28年の覚書ということになっているのだと思います。

【記者】
 そうしますと市長としては、これの回答に関するような文章は目を通されていないというか、存在していないという認識ですか。

【市長】
 回答といいますか、公文書を見る限りは、これに対する本当の意味でのアンサーという公文書は存在しなかったです。

【記者】
 譲渡の依頼文書の次が1年5カ月後の覚書ということで、その間の文書はないということですか。

【市長】
 もちろん事務レベルでのやりとりはあって、膨大な公文書の中にはいくつかそういうやりとりがございます。今回、私としてお示しをさせていただいたのは、そういう細かなやりとりを踏まえての市長名、頭取名で出されているものであります。次なるアクションとしてあったのがこの平成28年の覚書です。それまでの間やりとりはもちろんありますが、トップレベルの公文書というものは存在しなかったということです。

【記者】
 経緯の確認です。八十二銀行松本営業部ビル用地に関する取組みについての1の(6)の議会への報告なのですが、用地取得の取り組みについて議会が報告したのが平成30年8月及び9月とありますが、何を報告したのでしょうか。これは要するに、この一連の全てのことを報告したのでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげたように、平成30年の8月まで当初博物館用地を譲渡ということで進んでいたものが、代替地の取得がうまくいっていない中で、賃貸借に切り替わりました。基幹博物館の特別委員会の場だったものですから、テーマとして基幹博物館の用地が譲渡ではなく賃貸借によって合意ができたという報告をするタイミングで、松本営業部の用地の取得が前提として進められているということが、議会の場で、当時の担当課長によって発言されています。それまでは、この松本営業部の用地の取得という話が、議会の場で報告をされたり協議をされたりしていることはありませんでした。この博物館の用地の譲渡、最終的には賃貸借になるわけですが、そのことが前提とか一体とかいうことが報告をされていないということです。

【記者】
 営業部用地も含めて一体取得を目指していますということを初めて市側が議会に明かしたのが、平成30年の8月ということですか。

【市長】
 そういうことです。

【記者】
 その場で議会が追認をしたのですか。

【市長】
 当時の議会の議事録を見ますと、質問と答弁が少し行われています。協議会の場での発言として「それではあまりにも今までとは違うのではないですか」というような発言もあるのですが、議事録上は何となくそのまま「そういうことですか」みたいな感じになっています。

【記者】
 市長の受け止めとしては、議会が追認していたという受け止めなのか、曖昧だったという受け止めなのか。

【市長】
 今議事録を見ると、説明も曖昧だったと思います。そういう意味でいうと、曖昧な感じで何となく話を出しているものですから、それに対する反応も「そういう感じですか」みたいな感じのやりとりでした。

【記者】
 結果的に、議会のチェック機能がなかったということですね。

【市長】
 こちらにも説明の責任を果たしていなかった部分があり、それとの見合いのようなことになっていたのかと思います。

【記者】
 今の関連でお願いします。平成30年の8月、9月の段階で、依頼文とか覚書の存在というのは説明しているのですか。

【市長】
 説明していないです。

【記者】
 それを抜きに、移転先の確保が一体化したということですか。

【市長】
 形は賃貸借になりましたということを説明しています。覚書とか、譲渡依頼文書の存在は、当然庁内の中で一定の決裁を受けて存在はしていましたが、30年8月の段階でも、非常に曖昧模糊(あいまいもこ)とした感じで行政側も少し提起をし、それに対して、そういうリアクションの中で何となく話が進んで行ったと、経緯をみるとそうみてとれます。

【記者】
 そうすると肝心の文書の存在すら説明しないままということなのですが、そういう当時の市の姿勢について今どう考えますか。

【市長】
 先ほど申しあげましたが、行政の手続きや市民への説明責任という観点で、問題があったと認識しています。

【記者】
 何度も同じような質問で恐縮なのですが、依頼文と覚書というのは、今日(12月2日)に初めて公開、公表しているという理解でよろしいですか。

【市長】
 そうです。

【記者】
 市長は先ほどの答弁の中で、市役所や市立病院の問題を優先的にやってこられて、ギリギリのタイミングだったとおっしゃっていました。その後の別の質問では、年末から土地の用地の取得に動き出そうとしていたと。ギリギリだったというのは、年末になれば土地取得に動き出さざるを得なかったからギリギリのタイミングだったということですか。

【市長】
 動き出さざるを得ないかどうかというのは、この事業をどう進めるかということです。動き出さざるを得なかったのではなくて、現実として私が現場サイドから、それを進めますという判断を求められたということです。それは少し待ってくれというふうに、私の方で留めたということです。

【記者】
 現場からの判断を仰ぐタイミングというのは、情報公開請求等で市長が公文書に触れるのと、どのような前後関係があるのでしょうか。

【市長】
 少し前でした。何がきっかけだったかというところは、もともと問題意識としてありましたので、相前後しているところがあります。実際に、博物館のいろいろな建設のスケジュールには、前の体制の時にもうすでに決裁が済んでいたもの、それを前提に私が決裁をしなければいけなかったものがありました。直接この事案ではありませんが、別の事案でもそういう経験をしてきました。そういう中で、今回の深志支店周辺の用地交渉の決裁といいますか判断を、私が行うタイミングが来ました。そこで改めてこれは全体を自分の中でもう1回把握したいから少し待ってくれと申しあげ、それから相前後をして、情報公開請求やそうしたものがありました。

【記者】
 そういう意味で用地交渉の決裁を求められたのは10月なのか9月なのか、細かなタイミングは覚えていますか。

【市長】
 月までは明確ではありませんが、10月だったと思います。

【記者】
 情報公開請求は翌月の11月ですか。

【市長】
 11月です。

【記者】
 そういう意味では、市長として今回の問題に本腰を入れて向き合ったのは、10月からということですか。

【市長】
 そうです。先ほど申しあげたように、就任半年、新型コロナウイルスや庁内のいろいろな問題に向き合い、そして2人目の副市長を専任し、2人目の副市長にデジタル化を任せて、今、事務事業の棚卸しも佳境に入ってきている。そういう中で、気になっていた案件の一つでした。気になっていた案件が、このプロセスなのかというところからでした。

【記者】
 当時気になっていたというのは、もちろん公開質問状が来る前から何らかの問題意識をお持ちだったということだと思うのですが、市長はどういうところが気になっていたのですか。

【市長】
 八十二銀行の移転先について、松本市が、用地取得のいろいろな交渉に向けた取り組みをしている。そもそもの営業部ビルの用地の取得ということが、一体何のためにそこまでしてやるものだったのかということも確認をしなければいけないということもありました。プロセスをさかのぼって、あるいは部局もまたいで、いろいろなところで話を聞かなければいけないなと思っていたところに情報公開請求ということでした。そういう中で、本来精査すべきプロセスをやることになったということです。

【記者】
 そもそも前市政で、大手門の周辺に枡形広場を想定したということですが、これは地図を見てもよく分かりませんが、八十二銀行の松本営業部ビルを巻き込んで、ここにかつての大手門があったということで枡形広場を復元したいという、復元なのかあるいはその跡地を示すのか、そういうような考え方が前市政にあったということなのでしょうか。

【市長】
 今のご質問に対しては、あったということだと思います。門を造るというところまであったかというと、少なくともそこまでの計画がありませんので、それは想像に過ぎなくなります。少なくとも広場周辺の文化財の遺構として、そうしたものを大切にするとか確認するとかいうことを通じて、玄関口の三の丸、あるいは松本城の玄関口に当たる部分を貴重な場所として取り組もうということは、当然前の上層部の中にはあったと確認されています。

【記者】
 文書を見ると、そこを中心的に何とかしたいという思いはかなり伝わってきます。いずれにしても前市政は、そこを何らかの形で、復元あるいは遺構を示すということも含めて、そこを何とかしたいと重視していたということだと思います。臥雲市長としては、優先度からいうとそんなに高くはないという判断なのですか。

【市長】
 物事は、突き詰めれば、費用対効果だとか実現可能性ということを抜きにこれが欲しいとか必要だとかということは、政治や行政の現場では違うのではないかと私は思います。結局移転先となった深志支店周辺の用地取得は、今ほとんど暗礁に乗り上げるような状態になっていますが、そのことをこれからも市の職員あるいは土地開発公社の職員が、非常に厳しいことを続けながら、3年なのか、5年なのか、10年なのかやっていって、もしそれがちゃんと確保できたときに初めて、今の営業部跡地の取得がかなうわけです。しかもその費用は14億円あるいは19億円。やはりそのまま続けていくことは、松本城を中心としたまちづくりにおいても、あるいはもっと広く松本全体のまちづくりにおいても、続けていくべき選択肢ではないなと判断したということでご理解いただけますでしょうか。

【記者】
 基本的なことを忘れていました。営業部用地の面積と、深志支店周辺用地の取得予定の面積を教えてください。

【行政管理課担当者】
 私の方からお答えさせていただきます。営業部用地の面積についてはあれですけれども、深志支店周辺用地については、相手方がどの程度の規模で移転をしたかったかということになりまして、相手方の営業上の情報になるものですから、今こちらでお答えすることはできません。申し訳ございません。

【都市政策課長】
 松本営業部の面積は、およそ1,350平方メートルです。

【総務部長】
 先ほどいただいたご質問についてです。博物館用地の土地は、市の分とお借りする分を含めまして4,114.86平方メートル。長栄さんが300.00平方メートル。八十二銀行さんが、1807.57平方メートル。博物館の床面積ですが、7,774.86平方メートルです。よろしいでしょうか。

【市長】
 その他にございますか。よろしいでしょうか。長時間ありがとうございました。これで会見を終わらせていただきます。

【広報課長】
 以上で市長臨時記者会見を終わります。ありがとうございました。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理したうえで作成しています。このページのトップに戻る

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