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市長記者会見 令和2年(2020)10月7日

更新日:2020年10月7日更新 印刷ページ表示

記者会見で使われた資料をまとめたものです。

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令和2年10月7日 市長定例記者会見

【市長】
私からは、3点ご報告させていただきます。

県内の感染者と松本圏域の感染者の推移(8月1日以降)の画像
県内の感染者と松本圏域の感染者の推移(8月1日以降)

まず一つ目は、新型コロナウイルス感染症の関連ですが、9月の松本圏域における感染者の確認はゼロでした。また、10月に入って、埼玉県で感染した20代の女性1人が確認されておりますが、この方を除けばこの1カ月余り、松本圏域の感染者がゼロという状態が続いています。

お店も自分も感染予防、みんなで創ろう新しい乾杯。1の画像
お店も自分も感染予防、みんなで創ろう新しい乾杯。1

お店も自分も感染予防、みんなで創ろう新しい乾杯。2の画像
お店も自分も感染予防、みんなで創ろう新しい乾杯。2

 そうした中で、松本市内でも観光需要が上向き傾向にあり、宿泊や飲食店での消費は少しずつ戻ってきております。一方で、企業の公式な宴席、あるいは各種団体のまとまった人数の交流会については依然として自粛傾向にあり、ホテルなどの大型の宴会施設の利用については低迷が続いている状況です。多くの事業者の皆さんは、感染リスクを最小限に抑えるための消毒の徹底や、マスク、さらにはフェイスシールドの着用、また、間仕切りとしてのクリアパネルの設置を施し3密回避の徹底を図っています。松本市としましては、新型コロナウイルス感染症拡大が抑えられている今の状況を鑑みて、過度な自粛にならず、感染リスクに留意しながら市民、企業の皆さんに、そうした事業者を活用した新しい行動ルールによる会食や宴席の実施をお願いしたいと考えています。長野県内におきましても、「新型コロナ対策推進宣言の店」という宣言を実施しておりまして、松本地域では飲食店415店、宿泊事業者については108件の皆さんがここに登録しているという状況です。ぜひともこうした情報も活用していただき、感染予防を徹底した、新しい乾杯を市民の皆さんと一緒に創っていこうということを、呼びかけさせていただきたいと思っています。

空き家バンク I LIVE In 松本 体系図の画像
空き家バンク I LIVE In 松本 体系図

 続いて、松本市の空き家政策についてご説明させていただきます。松本市は、昨年の11月に「松本市空き家バンク」というサイトを開設しています。こちらにお示ししていますが、空き家の所有者と利用希望者をつなぐということでホームページを開設させていただいています。しかし、実はこの仕組みでは登録が非常に限定され、これまでの登録の累計件数がわずか14件、そのうちの10件が成約しまして、現段階でこのサイトに登録できている物件がわずか3件という状況です。こうした状況については、今松本市で移住を希望される方が徐々に増えている、さらにこれから加速していきたいという私たちの立場からすれば、この抜本的な空き家政策の見直しが必要だと考えてまいりました。
 そして、今回の9月補正で590万円の対策事業費を議会に承認をしていただき、新しい枠組みを作ることになりました。今回「I LIVE In松本」というキャッチフレーズとともに、この空き家バンクの新しい枠組みをご紹介させていただきたいと思います。
4点の取り組みを行います。1点目は、今松本市内に2,800件余りの空き家があることが確認をされていますが、全ての所有者の方々に対してアンケート調査を行い、空き家バンクの登録に向けた意向調査を行わせていただきます。2点目は、そうした方々に対して空き家物件の状況を説明したり、利活用の提案をさせていただく「空き家診断士」という方を松本市の方でお願いをし、コーディネート業務に当たっていただきます。具体的には、建築士会の方々から建築士を派遣していただくという形になります。3点目は、実際に空き家バンクに登録された物件について、実際の所有者と利用を希望する方のマッチングを積極的に進めるために、不動産業界の団体に依頼をし、専門家によるマッチング作業を行っていただきます。そして4点目は、今回の補正で対策として挙げせていただきました、実際に空き家を借りていただく状況にするために必要な家財などの処分費の補助、利活用される方にとってはリフォームの補助の予算額を、今回補正で計上させていただきましたので、この枠を活用していただき実際の空き家の利活用まで進めていきたいと思っています。全国的な水準から見れば、すでにこうした取り組みをしている自治体は多いですが、松本市としてもこれからより積極的な物件の情報収集と利活用を希望する方への情報提供、実際にマッチングをスムーズに行っていただくための空き家診断士、あるいは不動産専門家といった方々を巻き込んだ官民連携のスキームで、空き家対策、あるいはその先にある移住の促進につなげてまいりたいと思っています。

 最後に、クールビズの期間が今月11日に終了する予定でしたが、松本市役所としては、今後も軽装による執務を継続していくことにさせていただきました。12日以降も、基本的にはクールビズのスタイルを年中通してしていただきながら、服装への在り方を見直してまいりたいと思っています。これは、もちろんネクタイの着用が必要なTPOもありますが、冬場においてもノーネクタイなどの軽装による執務は可能とすること。そして、そうした中で市民と接する機会の多い職場、業務については状況、TPOに応じてネクタイの着用を考えてもらう。議会、あるいは外部の主催する会議に出席する場合は、それぞれの求められるルールにのっとった対応、状況に応じて判断をしていくということです。これは、市民の皆さんが、市役所の職員に求めるドレスコードが、どういうものかということも引き続き留意しながら、これから市民の皆さんの声も反映しながら考えていきたいと思っています。

 私からは以上です。

【記者】
 今日の庁議資料の中に、スーパーシティ構想についてという案件があります。今後の取り組みの進め方のところで、スーパーシティの基本的な考え方の原案を整理しますとあります。来年2月の応募に向けて、10月1日に宮之本副市長が就任しプロジェクトチーム立ち上がったわけですが、これから原案を詰めていくにあたり市長はどのようなビジョンを描いてらっしゃるのか。プロジェクトチームに入った部署、それから9月議会での答弁を聞いていますと、例えば市長がよくおっしゃる行政のデジタル化、いわゆるスマート自治体といったような取り組み、中山間地域に自動運転の車を優先的に活用する、あるいは健康産業の推進といった面でヘルスラボのサンプル収集で、おそらくデジタルとか、そういうものをやっていくんじゃないかと私は捉えているのですが、実際に今挙げた3点のような取り組みは原案の中に含まれていくのか。その辺りの市長の考え方をお聞きかせください。

【市長】
 原案、あるいは素案を、10月中を目途にまず作り上げようと思っています。それを作っていくに当たり、まず市役所の中で二つのチャンネルといいますか、ルートで行っています。一つはプロジェクトチーム、宮之本副市長を入れれば7人でありますけれども、その中で市長公約の具体化をします。市長公約の中には今ご指摘があったさまざまな分野が入っています。市長公約を具体化することを念頭に置いた素案作りを7人のプロジェクトチームのメンバーには、それぞれアイディアを出してもらいながら、来週以降実際のディスカッションに入るスケジュールになっています。
 もう一方のチャンネルは、先ほども例示がありました交通、健康医療、教育、行政そのもののサービスの部分であるとか、そうしたものをそれぞれの部局から、今自分たちが抱えている問題をこういう方法によって、デジタル化によって、規制緩和によって実現をするんだという構想をあげてもらうようにしています。今のところ30件余り、そうしたアイディアがあがっている状況です。そうしたものを総合的に検討、勘案しながら10月いっぱいを目途に素案作りに取り組むということです。

【記者】
 二つ目のチャンネルは、市長公約に必ずしもとらわれないものでも構わないということですか。

【市長】
 そうですね。プロジェクトの方も、市長公約を念頭にということではありますが、そちらのチャンネルも絶対に市長公約に縛ってやってほしいというところまでは言っていません。一方で、私も60項目の市長公約の中に行政のデジタル化、社会のデジタル化を進めていく、そこと相当重なる部分があると思っておりますので、先ほど申しあげたような形で今それぞれ作業に入ってもらっています。

【記者】
 今日の市長日程の中にも、令和2年度実施計画二役ヒアリングが入っていますが、これから来年度の予算編成に向けた取り組みが本格的に始まってくると思います。総務省では地方税収が3.6兆円ぐらい減るのではないかという見通しも出されていて、当然どこの自治体もそうだと思いますが、松本の税収も相当落ちるのではないかという予想がされる中で、限られた財源の中でどう予算配分していくかをこれから考えていかなきゃいけないと思います。実際、今まで以上に取捨選択の絞り込みをやっていかなきゃいけないとは思いますが、市長としては来年度の予算、来年度の取り組みを見据えて何を最優先課題として取り組んでいくつもりなのか、その辺りの考え方を教えてください。

【市長】
 来年度の当初予算の編成方針は、今月の中旬にはまとめて、庁内に周知をし具体的な編成作業に入ってもらう土台を作らなければいけないと思っています。今ご指摘にあったように、新型コロナウイルス感染症により企業業績が落ちて税収が減り、歳入が減るということは来年度避けられません。さらに、それは来年度限りかという見通しも立たない状況ですので、もともと市長交代による節目として事務事業の棚卸しをし、本当に必要なところへの予算配分をということを申しあげてきましたが、これをよりしっかりやらなければいけないという状況であるという認識を持っています。政策的経費はもちろんですが、経常的経費とされてきた、これまで基本的に自動的に認められてきた予算計上についても、本当に来年度以降も計上するのかどうかといったところの視点はこれまでも併せ持ってきたつもりですが、圧縮できるものはより圧縮する。例えば、今年度の新型コロナウイルス感染症の状況下で見送りになったり、中止にしたものについては、これはもちろん中止せざるをえなかった側面もありますが、これをしなかったことで特に不都合がなかったとか、あるいは代替の方法があるじゃないかといったことも、いろいろな形で体験したことが多々あると思います。そうしたことについては、来年以降やらなくていいと判断していくものが出てくると思っています。
もう一方は、もちろん歳入が減るから歳出を減らさなきゃいけないという、今、来年、あるいはそれからの状況でもありますが、来年以降今まで以上に歳入を増やす、税収を増やす、固定資産税を増やすということについては、今まで以上に目を向けていかなければならないと思っています。松本市の稼ぐ力を底上げする、これがなければ教育や社会保障、そうしたところへのより大きな切り込みをしなければいけなくなるということですので、相矛盾した言い方になるかもしれませんが、当面税収の減少が見込まれる一方で、税収を増やしていく、歳入を増やしていくことにつながる政策もしていかなければならないと思っています。
 ですので、何を最重点課題にということで、私があげるのかは分野ということでは特にありません。今の当面の歳出を、市民の皆さん一人一人の豊かさを底支えしながらしっかりと見直すこと。一方で、これから中期的に松本の稼ぐ力を底上げしていくための政策の重点化を図っていくこと。後者の部分の柱は、一言で言えばデジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタル化の基盤の部分で稼ぐ力を、これから松本市がしっかりと付けていくこと。そして、歳出を抑えながら、市民の皆さんのサービスの水準を保っていくために不可欠なものだと考えています。

【記者】
 DXと税収の増加がうまくつながらないのですが、どういった考え方なのでしょうか。

【市長】
 いわゆる成長戦略という言葉を使うのであれば、日本は本来は2000年から力を入れて生産性を上げ、国民1人あたり、あるいは国民全体でも経済力を上げていくプロセスを、これから2020年もう一度やり直すことになると思うんです。今まで人手がかかりすぎてコストに跳ね返り、利益につながらなかった部分を、ミクロで言えば生み出していくということですし、こうしたことにこれから企業がいろいろ取り組もうと競争していく環境になれば、それをどこでやるのか、東京でやるのか、松本でやるのかということになってきます。そうした成長につながる企業活動をできるだけ松本に誘因することは、ますます市民の皆さんの収入、所得の向上、税収の増、歳入の増につながってくると思います。

【記者】
 服装のあり方の見直しについてですが、軽装執務を継続するメリット、あるいは狙いがどのような点になるのかを教えてください。

【市長】
 一つは、人によってそれぞれ感じ方が違うかと思いますが、ネクタイを常にしなければいけない状況よりはリラックスした服装で働くことが、疲れやストレスという部分を減らせるだろうと。あるいは、仕事をしていくときの心持ちの自由さにもつながっていくのではないかということです。もう一点、市役所でいえば市民の皆さん、企業でいえば顧客の皆さんになると思いますが、服装に求められるものは変化してきてるのではないかと思っておりまして、先ほど申しあげたような、それぞれの個人の自由にある程度任せる部分を増やしても社会的な不都合は少ないのではないかという判断です。

【記者】
 今のお話を伺うと、特に前者の働く上でのリラックスや疲れ、ストレスの軽減という、ある意味で働き方改革の一種と受け止めたのですが、今回のこの方針は市長としての方針なのか、あるいは現場から上がってきた声なのでしょうか。

【市長】
 どちらかといえば、ボトムアップです。私から、こうしようと最初に指示を出した話ではありません。私としては全く違和感がなく、そうしましょうということでした。

【記者】
 先ほどお話にあった特にTPOの関係や、どの時にどの服装を取るのが妥当かという線引が難しくなると思うのですが、その辺りで何かガイドラインなどを示すのか、あるいは主体性に任せるのか、どちらでしょうか。

【市長】
 それは、後者です。今日(10月7日)もその部分は庁議で少し議論がありました。現場としては、こういう状況ではこうだと言ってもらった方がやりやすいと部長の意見として上がってきたところもありました。例として適切かどうか分かりませんが、私としては中学校の校則とか制服の校則ですら、できるだけ自由な方向に振ることの必要性は感じているものですから、今、私たち一人一人がどういう服装をすることが望ましいのかについては、ここに示させていただいたぐらいの表現にとどめて、個人個人で判断をしていただく。今日はこういう会があるとか、今日はこういうお客様が来るとか、それに対して事前に自分がどう向き合うかを考えることによって、服装というよりも、実際に対話をしたり、議論をしたり、サービスを提供させていただいたりすることの中身を考えることにもつながるのではないかと思います。ですので、私はしっかりネクタイをして市民の皆さんと向き合うんだという方がいて当然良いわけですし、そうではない人もいて良いと私は思います。その上で今後市民の皆さんから、一定の反響やご指摘も受けると思いますが、そうしたらそのことを引き受けながら考えていけばいいのかなと思っています。

【記者】
軽装についてですが、ノーネクタイは非常にわかりやすいのですが、軽装というのは何をイメージしているのでしょうか。

【市長】
確かにネクタイは象徴的ですね。あとは、例えばジャケットを着るか着ないかというのはあるかなと思います。代表的なのはその二つかなと思っています。

【記者】
臥雲市長は今回の軽装の取り組み、例えばネクタイを着ける、着けない、そのあたりの判断はどうですか。

【市長】
 私のところに来客の方がいらっしゃる。その来客にも年齢や団体の性格というのもありますので、それに応じてネクタイをしたりしなかったりということを自分としてはやることになるなと思います。庁内で職員の皆さんと日常的に接する中で言えば、できるだけネクタイをしない方が楽で、長時間議論するにはそちらの方がいいなと思います。また、当然ですが暑さ寒さもあります。ネクタイをすることによって寒さ対策になるというところもあると思っていますので、そうしたことも自分なりに考えて、文字どおりTPOに応じた服装をと思っています。

【記者】
 スーパーシティ構想の庁議資料の中で、今後の取り組みがいくつか示されております。先ほど原案を作成するのは10月中を目途にということでした。そのあと協力事業者を選定、事業者とともに具体的な検討をして、併せてパブリックコメントを実施する。この締め切りが2月ごろとされていますが、スケジュール感はそれぞれ何月くらいを狙っているのでしょうか。

【市長】
 逆算をすれば2月に申請しなければいけませんので、10月に素案をまとめた上で、これを一緒になって行う企業や団体の皆さんを募る作業が11月から始まります。もちろん、すでに松本がスーパーシティ構想という旗を掲げさせていただきましたので、まだ具体化はこれからですが、どのような考え方かというようなことを企業の代表の方と宮之本副市長が接点を持たせていただき、意見交換をするということは始まっています。それが本格化するのは、当然ですがこの素案がまとまって、こういうものです、これを一緒にやっていただくところはありますかと募るのは11月からのプロセスになります。それから年末までに、企業・団体、どういう方とコンソーシアムを組むかを固め、素案をさらに肉付けをしてということが、年内一つの目途かなと思っています。2月までに住民の皆さんに説明するパブリックコメントを行うことが当然プロセスとして必要ですので、申請までにそれを行うというのが今のスケジュール感です。

【記者】
 今2つのチャンネルで、プロジェクトチームの各部局でそれぞれ検討が始まっており、部局から出た30件余りの課題をデジタル化で解決するということでしたが、この中で例えばどういう内容で上がってきているのでしょうか。

【市長】
 基本的には宮之本副市長に任せていますので、今の段階では具体的な報告に目を通していません。市長公約に関わることや、市長公約にも入っている交通や健康医療、教育、エネルギー、そうしたものが私としては念頭にありますので、含まれているのではないかと思います。

【記者】
 プロジェクトチームで公約の具体化を検討しているということですが、臥雲市長の公約の中の行政のデジタル化ももちろんそうですし、お年寄りのICT教育、小中学校へのICT化の推進、テレワーク、環境整備などさまざま載っていると思うのですが、市長がプロジェクトチームの中で具体化をしていくにあたって、念頭にある公約というのは例えばどういうことになるのでしょうか。

【市長】
 今挙げていただいたものは基本的に全部入っています。スーパーシティ構想の一つの特徴、在り方は、丸ごとだということです。ある分野を特定に絞ってこの分野だけを規制緩和するという話ではなくエリアです。これは松本市全体であるかもしれませんし、あるいは松本市のある1区域かもしれません。どちらでも応募可能になっています。そのあるエリアについては、10項目上げた5項目以上ということは、ほとんど丸ごとです。交通分野も健康医療も丸ごとデジタル化していく構想提案をしてくださいとなっています。今のご質問で言えば、私の公約にかなり丸ごと通ずる部分は入っていると思います。包括的、総合的な提案になっていくと思います。

【記者】
 空き家バンクの説明が先ほどありました。これまでの取り組みの中で見直しが必要な部分があるということで、四つの新しい取り組みが挙げられています。従来の取り組みに足りなかった部分というのはどんなところだとお考えでしょうか。

【市長】
 基本的には全てといいますか、形だけホームページを作ったことに留まっていたというのが従来だと思っています。空き家の登録物件を増やすためのアプローチがほとんどなかったということもそうですし、その利用を希望する人たちからすれば、登録物件が非常に貧弱であれば、そもそもアクセスもしてこないというようなことになってしまう。ですので、まずは登録物件を増やす。今2,800件以上空き家があるということが松本市でも確認できていながら、この1年近く、先ほど申しあげたように14件しか登録をしていただけなかったというのが現実でした。できるだけ多く登録していただくためには、建築士の資格を持った空き家診断士という方に市の予算で動いていただくようにして、アンケート調査をやって意向調査を確認した上で診断士の方に出向いていただき、何か登録に対しての心配事があるのであればこうやって解消できますよとか、あるいは登録にあたってはお手伝いをさせていただきますよということで、登録物件をまずとにかく増やすこと。実際に増えてくれば、利用希望者の方々にもアクセスをしていただくことになります。今度は、所有者と利用希望者の両者をつないでいく役を誰かにしっかりやってもらう必要があります。民間の不動産業者が空き家の物件を取り扱う場合、空き家は商品価値がどうしてもそれほど高くないので、民間の不動産業者の方々が放っておいてもしていただけるかというとそうはなりません。市が要請をし、一定の予算付けをしながら、マッチング作業というのを活性化させていく。それが進むのと併せて、実際の所有者の方が貸してもいいよと思っても、まだ処分しなければいけない家財道具がたくさんあり、処分するお金を自分で負担するのは難しい場合、これを市が助成する。あるいは、借り受けた方が空き家をしっかりリフォームして使えれば良いが、そのお金が助成されるのだったらより積極的に空き家を使おう、住もうというものを、今回スキームとしてまとまって提示をさせていただいたということであります。とりあえず現状では、まず動かし始めることは大事だと思っています。もし希望者が増えてくれば、家財処分の助成額とか、あるいはリフォームのための助成額は、枠としてこれでは足りないという状況になる可能性は当然あり、これがもっと上積みできるぐらいに空き家を使いたい、あるいは人に貸したいと思っていただくことが目指すところです。

【記者】
 スーパーシティ構想の件で、原案を今月中に整理したあと事業者を選定するということです。この事業者というのは、先ほど副市長とすでに会われているというお話だったのですが、分野ごとの交通とか健康とかに関する企業などということなのでしょうか。先ほど市長がおっしゃったように、丸ごとという特徴を捉えて、行政全体のコンサルティングなどをしてる業者といったイメージなのでしょうか。

【市長】
 具体的な企業名は差し控えさせていただきますが、現段階では両面あります。全体を取りまとめるというような意味での企業が必要になってくるかどうか。あるいは、情報通信関連の企業がそうした役割を担って行うのかどうか。あるいは、先ほどコンソーシアムという言葉を使わせていただきましたが、一つの企業がどんとやるという形ではなく、いろいろな企業団体に参画していただいて総合的にということなのか。今はまださまざまな可能性を探っている段階ですので、ご質問にあったようなどちらかの絞込みはまだ進んでおりません。

【記者】
 これから多分全国のいろいろな自治体が構想を練る段階で、既にたくさん動いていると思います。そういった中で、次世代の交通や医療の分野は競争になってくると思います。松本市として申請に通るために、今すでに遅れているということも市長はおっしゃっていますが、どういったことが必要だと感じていらっしゃいますか。

【市長】
 デジタル化の整備という意味で遅れているということを申しあげてきています。そのことをしっかり実施すれば、地域や自治体はこれだけ大きく変わりますということが、本質的には求められていると思います。遅れ自体が一定のデメリットであることは間違いありませんが、決定的なデメリットではないと考えています。なぜ国家戦略特区という方式をとるか。それは、日本全体で一気に政策展開をするには現状を考えると難しい、どこかをモデル的に選んで、そこで成功事例をしっかり作って全国に普遍していく、展開していくというのが目的です。ですので、モデルにふさわしいアイディア・構想を示せるかどうか。最終的に選ぶ側の国がどういうものをモデルとして求めてくるかは、こちらもしっかりと情報収集をしながら、決定権はこちらにあるわけでありませんので、モデルにふさわしい条件は何かをしっかりと情報収集し、見極めていきたいと思います。もちろん福岡とか名古屋とか、日本のいくつかの東京に代わる拠点となる都市も、これからの脱東京一局集中といったとき、当然国策としてそこをどうするかが重要だと思います。もう一つは、間違いなく20、30万人の都市、県庁所在地あるいは県庁所在地に準ずるような都市が、これから人口減少、高齢化の中で持続可能になっていくためのデジタル化ということは、国家戦略の柱にあると思います。松本が20、30万人の都市のモデル、代表になっていくことは、スーパーシティ構想がなかったとしても市民の皆さんもそう思っておられるでしょうし、都市ランキングなどの評価にも現れているように、まだ十分に活用されていない潜在力が、自然環境や医療資源やさまざまな部分にある街だということはしっかりと自覚して取り組んでいきたいなと思っています。

【記者】
 会見資料の2枚目に、「お店も自分も感染予防、みんなで創ろう新しい乾杯。」とあります。自粛の傾向は、まだ市民に根強い中で、自治体の長がそういうことを促していくことは重要だと思うのですが、会見の場以外でこれを市民に対して述べる場や方法などは考えていらっしゃるのでしょうか。

【市長】
 基本的には、本日(10月7日)、こういう形で伝えさせていただき、メディアの皆さんにも取り上げていただければという気持ちでお伝えさせていただきました。実は昨日(10月6日)、市長会の方でも同様の問題意識を持っているということで、近日中にこうした方向性のメッセージを市長会として出す方向で検討が進められています。自分としてももちろんその一員ですので、同じ方向を向いています。

【記者】
 今市長会でも同じ問題意識があるというお話しでしたが、松本市としてこういう書類を出したのは、専門者会議といった情報を吸い取る場などで、食材・酒類・リネンの関連産業の影響が出ているという声をお聞きになったからなのでしょうか。

【市長】
 専門者会議を開いてということではありませんが、そこに連なる関連の事業者の皆さんの声が、現場からいくつか寄せられているということがありました。一方で私自身が街で遭遇する場面で、現状の感染状況を考えたときに、何らかのタイミングを捉えて、市民の皆さんにこうしたお願いができればとずっと考えてきたところであります。10月の感染者は、先ほど1人埼玉の方に出ましたが、9月は0人で、その方を除けば事実上まだ感染が広がっていないという今の状況です。これから年末に向けてさまざまな宴席の在り方も予定されているでしょうから、メッセージとして出させていただきました。一方で、冬に向けてまた感染状況が逆戻りするという懸念は、当然私も含めて多くの皆さんが持っておられると思います。そのことに対しては、機敏に、適宜適切に対応を考えられるように心がけていきたいと思います。

【記者】
 今、国で菅首相が、日本学術会議の推薦を受けた会員の任命を拒否したという問題がクローズアップされています。これに関しては前政権時代からそうした兆候があったということが報道で出ております。こういった国の問題を臥雲市長はどのように受け止めていらっしゃいますか。

【市長】
 日本学術会議という存在が、学術会議法によって、会議が推薦した者を総理大臣が任命すると規定されていています。この推薦と任命の在り方が、今回、菅総理大臣が6人の方をそのまま任命しないことによってクローズアップされたということであります。私自身は、この6人の方のうち、加藤洋子(かとうようこ)さんと宇野重規(うのしげき)さんについては著書を読んでいて、直接ではないですが存じあげています。学者で、比較的穏健でリベラルな考え方の方だなと思っていました。ですので、6人の名前を見たときに、こういう方が外されるのかと感じたのが正直な感想であります。その上で、今回この選択を取るのであれば、国民として一番求めたいことは、やはり理由の説明だと思います。今のところ、総合的、俯瞰的に判断したという説明にとどまっています。これは、この6人の方が外れた理由の説明としては十分でないのではないかと思います。この後、国会でそうしたことのやりとりが行われると思います。なぜこの6人の方が外れたのかについて、できるだけ踏み込んだ説明をしていただきたいなと思います。今回の政権の判断を、国民が総合的に了とするかしないかということも、そこに絞られるのではないかなと思います。

【記者】
 この問題をめぐっては、学問の自由といった部分の侵害ではないかということになっています。臥雲市長はこの任命の問題を巡って、学問の自由を巡る問題への考え方はどうでしょうか。

【市長】
 学問の自由が最大限尊重されるべきだということは、私もその立場であります。その上で今回の学術会議の委員の任命は、それを損なうものなのかどうかということであります。それは先ほど申しあげたように、なぜこの方々だったのかということをしっかりと説明をしていただいて、国民一人一人がそのことに対して納得感を持つか持たないのかということで判断されることではないかと思います。

【広報課長】
 以上で市長定例記者会見を終わります。

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。このページのトップに戻る

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