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市長記者会見 令和2年(2020)9月3日

更新日:2020年9月3日更新 印刷ページ表示

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令和2年9月3日 市長定例記者会見

【市長】
 まず、新型コロナウイルスの関連でありますが、こちらのグラフは長野県と松本圏域の、8月1日以降の感染者数の推移です。

資料1 県内の感染者と松本圏域の感染者の推移(8月1日以降)の画像
資料1 県内の感染者と松本圏域の感染者の推移(8月1日以降)

 8月は長野県内では、150人の感染者が確認されましたが、松本圏域では9人、松本市では4人と、感染者数は幸い松本周辺では抑えられた形になっています。また、直近1週間を見ても、長野県内で東信を中心にクラスターが発生して74人感染が確認されていますが、松本圏域では、1人という状況でございます。市民の皆さんには、ウィズコロナの社会生活と経済活動というものを引き続き、続けていただき、「できることはしっかりやっていくんだ」ということで、私たちもさまざまな取り組みを支えてまいりたいと思っています。
 また、先日お話ししました2カ所目のPCR検査センター、島内の防災物資ターミナルの敷地に設けるセンターについては、9月14日の月曜日から運用を開始する準備がほぼ整いましたので、お知らせさせていただきます。
 この新型コロナウイルスの関連は、先に安倍総理大臣の退陣の記者会見で、政府の検査方針に関する、感染症の法律上の分類についての見直しといった提起もございました。この後、どのようにそうしたものが推移していくのかは注意深く見守りながら、新型コロナウイルスと日常を共存させていくことについて、さまざまな角度から取り組んでまいりたいと思っています。
 私からは以上です。

【記者】
 昨日多事争論会が初開催され、市長の発言でいくつか新しい話が出てきたと思うのですが、そのなかで内環状北線に関しましては、4車線のうち2車線をにぎわいの空間にしていくと…。参加者の質問の中で、官民協働の必要性について指摘がありました。市長自身、枠組みをまた作っていく必要性というものを言及されていましたが、もう少し具体的にどういうことを考えているのかお伺いできますか。

【市長】
 この後、4車線整備が進んだ上で、2車線をどのように活用するかと。それは、時間帯、あるいはそもそも終日とするかとか、これからさまざまな検討、研究を進めなければいけないという前提の上に話をさせていただきますと、あれだけのシチュエーション、ロケーション、そして面積としてもかなり大きな空間ができるわけです。ですので、地元の大名町や周辺の町の方々はもちろん、かなり広く、市民の方々にどのように活用していただくのか、どのように参加をしていただくのかということを、幅広い枠組みで考え、最終的な活用を進めていくことが必要だと思っています。
 ですので、当然松本市が音頭を取りながらではありますが、公共空間を、市民、そして松本市を訪れていただく皆さんに最大限活用していただくための有効な方策というものを、幅広い方々に参加をいただく形で見いだしていきたいと思っています。具体的なことついては、まだもう少し先の話になると思います。

【記者】
 時期的なものも、まだ具体的にはないですか。

【市長】
 そうですね。供用開始が4年度で、まだ1年半以上先ということですので、直ちにこれを立ち上げるということではないと考えています。
 
【記者】
 考え方とすると、供用開始の前にそういう枠組みを作っていくということですか。

【市長】
 そうですね。そう思っております。

【記者】
 新市立博物館について、展示内容について問題視されておりました。今後、内容を点検していく場というものを提起していかなければいけないと。一方で、前市政の時代から、展示内容を積み上げて考えてきた経緯もあり、これに関しては見直すということに対して、逆に疑問視する声も一部から聞こえています。こういった声に対して、臥雲市長はどういうふうに答えますか。

【市長】
 もちろん、一定程度の必要なプロセスは踏んでここまで来たと思います。それは、いわゆる市民の声を拾い上げることも松本市として行って、今の計画に立ち至ったことは、現実的にそうだという認識を私も持っています。
 一方で、当初から総事業費80億円を超える建物を博物館という用途で、松本城のすぐ近くの場所に建て、全体のスペースのかなりの部分を収蔵庫が占めると。一方で、地元の方々からは、にぎわいの拠点となるよう工夫をしてほしいという要望が出る。そうした中で、今の形になっています。建物の建設工事が始まっていますし、展示制作のプロセスも始まろうとしておりますので、これからできること、できないことが当然あると思っています。ただ、松本城三の丸という立地にふさわしい、本当に人が集まるにぎわいの拠点に今のままの計画でなるのかどうかということに、私自身も、また、少なからず市民の皆さんも、疑問を持っているという状況ではないかと思います。ですので、そうした視点に立って、まずは庁内で多角的に検討をしっかり行いたいと思います。その上で、これからできることは何か、必要なことは何かというものを精査したいというのが、今の状況です。

【記者】
 今の博物館整備事業に関して伺いたのですが、市長の話だとハード面はもうすでに進み始めているので、検討や見直しできる範囲には非常に制限があるということで、ソフト面のことをイメージされてお話されていると思うのですが。今回の9月定例会の提出予定案件の議案の第17号で、展示造形物やケース等の制作費として10億円あまり見積もられていると思うのですが、このあたりの金額は当初の予定通り進める中で、整備する箱の中で何ができるかを今後考えていくという捉え方でいいでしょうか。

【市長】
 はい。この9月補正予算で計上していますのは、展示制作を委託する事業者に対しての予算です。基本的な内容について、こういう内容で行うという中でのこの予算計上ですので、今からそれを全く度外視して進めるということではありません。その枠内でということでありまして、より良いものにするために何が必要なのかという観点から、庁内的にまず検討をしてまいりたいと思っています。

【記者】
 今まで松本市の博物館は歴史と民俗に特化した、そこが一番強い博物館だったと思うのですが、今回の構想では、3階の常設展示が歴史、文化、自然という幅広いテーマを持たせると。一方で、里山辺での教育文化センターで、今構想されている科学館との整合性といいますか、そことの絡みの上で、例えば今の科学館で進めようとしている宇宙系の内容をもうちょっとこっち持って来ようとか。そこでリンクさせるようなお考えはありますか。

【市長】
 今ご指摘にあった点は、先ほどのこれから庁内で何ができるか、必要かという検討の一つのポイントだと思っています。いわば、同時期にといいますか、もちろん少し時間差はあるわけですが、基幹博物館、そして里山辺にある教育文化センターの大規模改修、さらにいえば、もう少し先になりますが中央図書館の大規模改修。教育、文化というくくりで考えたときには、松本市ではこの三つの大きなハード事業が計画をされています。今ご質問にもありましたように、この三つの教育や文化や博物館というものはミュージアムということでかなり多義的なものだと思っていますが、そうしたものが改めて、これからの次の世代の子供や若い人たちにとって、あるいはこれから生涯教育が重要になるという時代、さらにいえば情報通信分野の急速な技術革新といった、そうした観点から考えたときに、果たして従来型のこれまで考えてきたものだけでいいのだろうかという問題意識を持っています。そのあたりも総合的に考えるという視点で、現在進行形でも進んでいるものでもありますので、まずはそれをどのように整理をしていくのかということをしっかり考えながら進めてまいりたいと思っています。

【記者】
 今の質問の中で、今後の検討のポイントとして科学館との何らかの関わりも検討のポイントになってくるという点ですが、今博物館は博物館、科学館は科学館として独立して進んで計画されている事業が、極端な話、可能性としてやはり科学館は里山辺に置くのではなく、今あるものとか今後構想されるものもまちの中に持ってきて、もっと複合的な博物館の内容にするとか、そういう可能性もあるのですか。

【市長】
 大前提として、今の松本市の財政状況や今後の見通しを考えたときに、箱物をどんどんどんどん作って新たに作るということは現実的ではありませんし、また、市民の皆さんが求めているものではないと思います。この大規模改修、例えば教育文化センターは大規模改修でそれだけでも15億円ぐらい見積もられるようなものです。そうした新しい箱物は作らない、一方で大規模改修は必要という中で、そこで行われる新しい事業の姿が、ともすれば全く相関関係が整理されないままに、あるいはこれからの本当の必要性というものが吟味されないままに造られることではいけないと思っています。それは、私が選挙以来掲げてきた市役所の現地建て替え計画の見直しといったことにも、自分としては相通じるものだと思っていますが、松本市の公共施設を市民の皆さんにとってより意義のある、そしてこれから新たに税金を投入するのに値するものなのだとしっかりと納得をしていただけるような、そこがまだ十分納得していただけない面があるのなら、今からでもできることは最大限やる。そして、視点としてやはり有機的な繋がりを意識した、公共施設の整備、あるいは総合的な観点から重複や、あるいはあまりにも繋がりがないようにならないような、現在進行形ですのでなかなか難しい面を抱えながらではありますが、そうした観点での不断の見直し、検討をしていきたいということです。

【記者】
 今日の午前中、森記念財団が日本の都市ランキング、都市特性評価2020年版を発表されまして、松本市は2年連続で10位という評価だったのですが、率直にこれについてどう思われますか。

【市長】
 ここ数年類似の調査でも、そうした評価を得てきていると思いますが、前市長の菅谷市長が健康政策をしっかりと旗を掲げて、松本がもともと持っている医療資源の豊富さや、自然環境の素晴らしさ、さらには松本城はじめとした歴史や、セイジ・オザワ松本フェスティバルをはじめとした芸術文化、さまざまな要素から非常にバランスのとれた、これからの時代働くとともに住むことが重視される国民の皆さんの評価の一つの表れではないかと認識しています。
 さらにランキングを上げることが、目的ではないと思っていますが、今申しあげたような観点から、評価をされている側面をさらに研いで、磨きをかけていく。そのことによって脱東京一極集中、これから地方が、東京とは違う価値感やライフスタイルで選ばれていく。そうした時代を、私はぜひ、松本市民の皆さんと一緒に作っていきたいと思うのですが、そういう時代を牽引していく都市が松本だと言われるように、進めてまいりたいと思います。その時、やはり鍵になるのは、ベースとしてのデジタル化と、情報通信技術のさまざまな領域への適用、活用によって、松本がもともと備えている、医療や芸術文化、そして自然環境といったポテンシャルを、より充実したものにしていくことが、当面優先して取り組まなければいけないことだと思っています。

【記者】
 今おっしゃったように、評価を見ると、環境、経済、文化等の指標で、文化、環境は評価が高いのですが、一方で、交通関係、いわゆる交通利便性、ビジネスの活力は依然としてやはり評価が低いのですが、この辺りはどのように評価されますか。

【市長】
 非常に率直に受けとめなければいけないと思います。おそらく、市民の皆さんも同じような認識を持っておられるのではないでしょうか。だからこそ、その分野に、2020年から私たちが取り組む軸足もしっかり力点を置き、先ほど申しあげたデジタル化、あるいは交通インフラをもとにした幅広い事業者や新規就労者に、松本を選んでもらえるような、そうしたさまざまな環境整備、取り組みを積極的に進めていかなければ、今の評価、あるいは自然環境や芸術文化、資源が十分に生かされないことになってしまうと思います。
 ですので、弱みをしっかり認識して、市政としては重点的に取り組んでまいりたいと思います。

【記者】
 一昨日の多事争論会の話に戻るのですが、新庁舎の建設、お堀の復元、内環状北線の整備、博物館の整備、それぞれの事業での菅谷市政との違い、手法の違いはよくわかったのですが根幹となるお城周辺のまちづくりビジョンというものについては、先ほど市長申しあげた「人が集まるにぎわいの拠点」だとか、あるいは「歩いて楽しめるまち」とか、前市政もそのようなことをおっしゃっていました。あるいは、「松本城を中心としたまちづくり」を行うことを掲げていましたが、大本のグランドデザインというか、コンセプトというものは菅谷市政とどういったところが違うのでしょうか。それとも、基本的には継承しているという形なのでしょうか。

【市長】
 部分部分を取りあげると、非常に共通しているところは多いと思います。
 少なくとも、まずは「お城を中心としたまちづくり」というワーディングは、それ自体否定すべきものではもちろんありませんし、それを世界水準にしていくんだ、あるいは歴史観光エリアにしていくんだ、そのためにここに集中型の市役所を建てることが、お城を中心としたまちづくりについてどう考えるのか、多分そこのあたりから方法論や認識の差が出てくるのだと思います。
 そうしたことで、もちろん共通するところもあれば違うところもあるということで、私が継承すべきは継承し、変革すべきは大胆に変革する。あるいは静から動へということで、市民の皆さんも「ここは共通するな」、「ここは臥雲は変わるのかな」と思っていると思います。そのことを、しっかりと形にしてお見せする。これが、今年度中にまとめて、来年度からの10年計画、基本構想2030だと自分としては認識をしています。そこに向けて、今、事務事業の棚卸しを進めております。あるいはデジタル化、分散化をはじめ、市役所のあり方を具体的に青写真を描くためのプロセスを進めております。
 直ちに今、ここでお示しできてないとご指摘を受けるかもしれませんが、私としては、今、一つ一つのプロセスを踏みながら、ご質問への答えは、来年のきちんと総体的にまとめる10年構想で、市民の皆さんにお示しすることになると考えています。

【記者】
 少し質問がかぶるかもしれませんが、手法の違いはあっても、目指すべきところは、かなり多くの部分は共通しているという認識でよろしいでしょうか。

【市長】
 いくつか違いをご指摘させていただければ、例えば私から見ると、これまでの16年、健康政策が全面に掲げられたことの成果は、先ほどの申しあげたように十分あった。一方で、経済や観光への力の置き方は不十分だった、そういう認識を持っております。あるいは、松本城を中心としたまちづくりも、一つ一つの事業が一話完結型と言いますか。部内的な検討も博物館であれば教育部、文化振興系の人たちが計画を立てる。本来であれば、松本城の場所に造るのであれば、観光やにぎわいという観点と総合して計画を立てる必要があっただろう。あるいは先ほど申しあげたように、教育文化センター、中央図書館、これがそう遠くない時期に大規模改修を抱えている。類似の施設がかなり同時進行的に計画段階に入っている。これがやはり一つ一つがバラバラという認識を私は持っていて、もっと総合的にプロジェクトを考えていくべきだと。そうしたことが、1例2例で言えば間違いかなというふうに思っております。そうしたことを総合すれば、どういうことなんだという旗印であり、ビジョンであり、キャッチフレーズであり、先ほど申しあげたように、2030基本構想に込めていくということになると思います。

【記者】
 市庁舎の建設の見直しの話なのですが、分散型の庁舎を造っていくと。多事争論会で質問に上がってましたが、「用件によって、あっち行ったりこっち行ったりしなければいけないのではないか」というような質問が出たときに、市長は、「そういったことも楽観しているわけではないが、目指す方向としては、できるだけマイナス面を少なくしていきたい」というお話がありました。これを解決する鍵が、市長のよくおっしゃっている行政のデジタル化、デジタルトランスフォーメーションという考え方によって解決に導けるということなのでしょうか。

【市長】
 これが間違いなく大きな柱であることは、おっしゃる通りです。特に松本市役所は、行政全般そうではありますが、この部分が遅れてる。ほとんどそうした意識で取り組んでこなかったと認識をしてます。国策も、遅ればせながら行政手続きのデジタル化ということを1丁目1番地だと言っています。市単体でできない、どこまでできるかということがありますが、国も動き始めました。市役所の仕事とか行政手続きというものは、5年の単位で見れば、非常に大きく変わるだろうと思います。はんこ文化、紙で全てやっていく、それをやっていたところは時代から取り残され、ある意味時代の先頭に立つことはできないと思っておりますので、そのことが先ほどもおっしゃられたことの大きな鍵であることは一つであります。もう一つが、これは意識の問題とか人の問題とかということになりますが、中央で決めたことを上意下達でそれぞれの組織に行く。デジタルトランスフォーメーションをはじめとした技術革新、そして集まりすぎることは効率よりも非効率という、今の社会の意識の端境期にある中で、自民党総裁選に出ているお三方全て、地方分権をもっと進めるんだ、あるいは地方こそがこれから国政の中心課題だとおっしゃっているように、中央集権から地方分権、それは松本市に例えても、本庁周辺集権から支所分権的なものに技術革新と合わせてなっていくことが、住民の皆さんの利便性も、あるいは住民の皆さんが主体的自主的に地区の問題に取り組めるという住民自治の観点からも、より望ましいと思います。100点にならないかもしれませんが、できるだけ本庁集権から支所分権的なものにしていく。建物も職員の配置も、そして一定の予算や権限でそうしていくことが、住民の皆さんにとって便利で主体的な自分たちのまちづくりをやれる取り組みになるんだ。それが今まではできなかったんです。分権していくと非効率になってしまうから。しかし分散分権しても効率よくできるような技術革新が今進みつつあります。まだ途上ですが。今できると問われたらなかなか難しいということ、不便さも出てしまうであろうということ、今はそうです。しかし、到達点は、目指すところは、今申しあげたような分散型市役所が、市民住民の皆さんにとっての幸福感を上げていくことに繋がるというふうに思っております。この前のご質問にもありましたように、その過程の中で、「不便になるじゃないか」ということは、全く起きないわけがないです。それは最小限に抑えるように、どのように段階的にそれに向かっていくのか。技術革新や、本庁におけるIT技術の整備のタイミング、そうしたものと合わせて、集権から分権へのプロセスというものを考えていきたいと思っています。

【記者】
 その件で関連なのですが、先日の多事争論会でも、「市役所の中に保健所機能を持たせること、お城の隣に保健所機能を持つことに対しては否定的」と市長は質問に答えていらっしゃいました。分散した場所に置くということをおっしゃっていたと思うのですが、本庁以外というと、どういう可能性を考えていらっしゃるのでしょうか。

【市長】
 先ほど申しあげたように、来年の4月今年度中に市役所のグランドデザインも示していくということですので、現段階で私が申しあげることが、そうしたことに向かっていく、まとめていくプロセスの段階だということは、大前提としてお話をさせていただきたいと思います。その上で言えば、従来保健所を市役所の中に設けると言っていたのは、ここに今よりも2割大きなスペースを確保する市役所を造る、その時にその保健所をここに入れるということでの現計画でありました。そのときですら、保健所を本当に入れられるのか、スペース的に大丈夫なのかという指摘は、庁内でも出ておりました。私は、先ほどから申しあげているように、大きな意味で言うと分散分権を進めていく。そして、本庁は物理的にも機能的にもスリム化する。そうしたときに、新たに、今ですらない保健所というものをスリム化していく中に入れることは想像しにくいなと思いました。現実的ではないと思いました。松本城の東隣のスペースは、松本城三の丸の一角として、にぎわいや市民の憩いの場にできるだけ活用していくので、行政機能というものはできるだけスリムにしていくというのが私の一番の大方針です。保健所というものは、現実的にはここにこないだろうなと思っております。その上で保健所はどうするのかということは、現段階では、そこから先の構想を固めているところではございません。
長野市はご存じのように、中核市になって、市役所とは全く別のところに独自の保健所を設けております。一方で、なぜ今回ここに至るまでに、松本市が中核市になってコストがかかってまでも保健所を独自で持つかということを前の市政のもとで進めてきたかは、これは健康という政策をさらに充実していくための一つの手段だと位置付けておられたからです。健康政策を充実させていくのに、新たに単独で保健所を持つことをどう活かしていけばいいかということは、しっかり考えなければいけないと思います。その過程の中では、保健所と今ある健康福祉部のかなりの部課については、一体的に政策を運用展開する必要があるだろうという指摘もあります。そうなると、保健所単独ということではない考え方ということも出てくると思います。それは分散型の市役所ということを考えれば、いろいろな選択肢が出てくると思っております。今申しあげられるのはここまでで、全体構想の中でどう保健所の問題も考えていくのかということは重要なポイントでありますので、検討をしっかりと進めたいと思います。

【記者】
 先ほどの博物館の質問に戻ってしまって恐縮なのですが、まずは展示内容について庁内で多角的に議論していく必要があるというふうにおっしゃっていました。市民の声を拾いあげる重要性も市長は感じてらっしゃると思うのですが、例えば庁内でどうするか決まった段階で、ワークショップなのか今回のような多事争論会のようなものなのか、市民の意見を聞く場を設ける気持ちはあるのでしょうか。

【市長】
 先ほども申しあげましたが、今の博物館を造るにあたっても、一定のそうしたプロセスは踏んできており、その上で今の形があるわけであります。今私が一番整理しなければいけないのは、この段階でも何がどこまで軌道修正可能なのかということをしっかり整理をすることです。全く一から何かを造るわけではありませんので、そのことをまず庁内的に整理をしたいと思っております。どういうポイントがこの立地にふさわしいか、ミュージアムとして必要なのかということを、論点をきちんと整理をした上で市民の皆さんに改めてプラスアルファで、残された期間の中でできることを問うていくということは、しっかりやらなければいけないことだと思っております。

【記者】
 基本計画を作る前の段階で市民とのワークショップは何度か開催されてきて、その中で今一番欠けている視点だと思われるにぎわいづくりの観点についても、話し合いがなされてきたと思います。どういったプロセスや視点が欠けていたとお考えなのか。また、その欠けていた点を、庁内でもう一回検討するということなのか。

【市長】
 庁内的に見れば先ほど申しあげたように、全庁的な議論にあまりなっていなかったと。博物館を造る部署が、博物館という視点で考えてきたというところが、私がもう一度多角的にと思っている部分であります。松本市のどこか郊外に造るのであれば話は別ですが、松本城のすぐ真ん前に80億円をかけて造るもの。その時、地元の方々から当時出た議論も、にぎわいの場とか交流のスペースとか、あるいは歩いて市民や旅行者の皆さんが楽しめるものというのがたくさん出ました。しかし現実には、博物館というのは収蔵庫もそこにあります。もし基幹博物館として集めて収蔵庫のスペースが非常に大きな設計になると、地元の皆さんが当初をイメージしたものとは大きく違ったと感じる部分になります。それがここまで進んだ段階でどこまでということは限界があることは承知の上でありますが、ぜひ、先ほども申しあげましたけれども、ぎりぎりまでできることは何なのかということを模索していきたいと思います。前の市政から継続した市役所の問題、市立病院の問題とは基本的には異なります。何が異なるかといえば、白紙からはできないということであります。市立病院、市役所の問題は、白紙から今やっております。しかし博物館については、建物も立地も制作展示についての大枠についてもある程度進んでおりますので、その中でできることということでの提起であります。

【記者】
 市長が現在進められています事業の棚卸しですが、大体どれぐらいの財源が捻出できそうなのか。削られた事業について、関連する市民からの疑問や反発もある気もしますが、その辺についてはどう考えてらっしゃるのか。

【市長】
 最初のご質問の数字的なもので、何億円、何十億円といったものを今はお示しできる段階ではございません。一番大きなものというのは市役所や病院のことで、そうしたものは既にいろいろな形で検討もしながら進行もしながらということがございます。事務事業一つ一つをめくりながらやっている中で、完全に廃止するものというものがどこまであるかということについては、今の作業をしている中では、かなり自分の中でも限定されるかなと。方法論としてもう時代にそぐわなかった方法論が続けられているとか、あるいは、このやり方でこれだけのお金をかけているが、コストが縮減できるような別のやり方に切り替わらないのかということで、一つ一つ見ております。「この事業がなくなった」ということで市民の皆さんの反発が出る部分はゼロではありませんが、どこまで出るかということについては、作業を完了した段階でお示しをさせていただいて、ご理解をそれぞれいただくということかなと思っております。

【記者】
 スケジュール的にはどんなふうに考えてらっしゃいますか。

【市長】
 先週も申しあげましたが、来年度予算の計上に入る前の中長期的な見直しという位置付けでやっておりますので、11月までにはと思っております。

【記者】
 当選の時は9月までと。

【市長】
 就任後半年と申しあげたと思います。

【記者】
 11月というのは少し時期がずれると思うのですが。

【市長】
 そうです。自分が今庁内の予算の査定や事業の査定のプロセスを実際に入ってみて、どういうふうに進めているかある程度わかった部分、それと新型コロナ対策の部分があり、その遅れということでご理解をいただければと思います。

【記者】
 それはリスト化して示す形になりますか。

【市長】
 どういう形が好ましいか。拝見していただければよいのですが、事業名を並べてもほとんど意味が分からないというようなことにもなります。網羅的なものをお示しするのか、ある程度整理をしたものとしてお示しするのか、その辺りも検討させていただきたいと思います。

【広報課長】
 以上で市長定例記者会見を終わります。このページのトップに戻る

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