ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > ようこそ市長室へ > 市長記者会見 > 令和3年度 > 市長記者会見 令和4年(2022)3月10日

本文

市長記者会見 令和4年(2022)3月10日

更新日:2022年3月10日更新 印刷ページ表示

テキスト版

令和4年3月10日 市長定例記者会見

 

新規陽性者数の画像

【資料1 新型コロナ“第6波”の新規陽性者数】

【資料2 新型コロナウイルス感染症の陽性者発生状況等について】 [PDFファイル/409KB]

 

【市長】

まず、新型コロナウイルスの感染状況から申しあげます。

松本市において本日(3月10日)新規陽性者として確認された人数は22人です。このうち1件、集団感染事例が判明しました。市内の小学校において、症状があるなどとして、医療機関を受診したところ陽性が判明、あるいは小学校で調査をして判明という方で合わせて8人です。8人は職員が1人、児童が7人、いずれも同一クラスに属しています。このほか、22人の陽性者、年代別では10歳未満から40代です。内訳は、同居外での接触が3人、同居での接触が6人、県外滞在歴のある方が3人、感染経路不明が6人となっています。重症度は、軽症が18人、無症状の方が4人となっています。

 

新規陽性者数推移の画像

【資料2 新型コロナウイルス直近1週間の新規陽性者数の推移】

 

直近1週間の新規陽性者の合計は198人ということで、200人を割る状況となっています。一時期、少し下げ止まった傾向がありましたが、ここに来て、新規陽性者の数は下落傾向がはっきりしてきていると見て取れます。

 

実質病床利用率の画像

【資料3 コロナ病床の実質病床利用率】

 

また、コロナ病床の実質利用率ですが、昨日(3月9日)現在ですが、長野県全体で23.8%、松本圏域においても29.7%と20%台に下がっています。

 

予約率の画像

【資料4 新型コロナワクチン3回目接種 接種済と予約中の合計】

 

こうした中で、3回目の接種の促進をこれまでも申してきましたが、こちらに表したグラフは、接種券を送付させていただいた方、つまり今打てる段階にきている方、それはどういう方かといいますと、去年の9月30日までに65歳以上であれば2回目の接種を行った方、64歳以下であれば9月20日までに2回目の接種を行った方で、この方々にはすでに接種券を送付させていただいています。そして、その後、それぞれの年代ごとに、接種券を受け取った方々の中ですでに予約をして実際の接種まで済んだ方と、予約までたどり着いている方、この方々を合わせると、この接種券を送付した方を分母としたことに対してこれだけの比率の方が今日現在接種をしていただいているということです。

年代別にいきますと、65歳以上の高齢の方でいうと80%、60代、40代、30代がほぼ半分、そして50代、20代が40%弱というのが現状です。コロナの感染状況は落ち着きつつあるわけですが、この後の年度末の人の動き、さらには、さらなる変異もまだまだ予断を許さない状況ですので、ぜひともそれぞれ接種券を受け取った方は、松本市、さらには比較的余裕がある長野県の接種を受けていただくようお願いしたいと思っています。

 

小児接種の画像

【資料5 新型コロナワクチン小児ワクチン接種 一般小児(満5歳から11歳)への予約開始】

 

もう1点、ワクチンに関して、先週、満5歳から11歳、12歳未満の方への小児ワクチン接種についてお知らせしましたが、基礎疾患のある方をまず優先的にということで、事前申請をしていただいたところ、申請数はわれわれが見込んだよりも非常に少なくとどまっています。今日現在で60件という状況です。これはそれぞれ任意接種ですので、あくまでもご本人、ご家族の判断でということでやっていただいていますが、こういう状況ですので接種枠に余裕が出ています。当初は基礎疾患の希望者完了後に予約を始め、その予約も小学校6年生、5年生という形で、学年ごとに段階的に行っていくとご報告しましたが、今の状況であればこの春休み中にご希望になる方には、接種をしていただきやすい状況にした方が適当だろうと考え、予約については満5歳から11歳まで一斉に行っていただける形に変更させていただきます。

この基礎疾患のない方々、満5歳から11歳までの方々は今月の17日から予約を一斉に開始させていただきます。予約をしていただいた後の接種スタートの日は、病院市内の医療機関であれば3月21日からということになっています。

まず、コロナとワクチンについてのご報告をさせていただきました。これに関してのご質問をまずお受けしたいと思います。

 

【記者】

3回目ワクチンの接種送付済みの方は全体で何人になるかわかりますか。

 

【ワクチン担当課長】

今、18歳以上の方が3回目の接種の対象者になっています。2回目まで接種を終了した方を合計すると215,900人ほどの人数になっています。

 

【市長】

その上でここにお示しをさせていただいたように、すでに接種券を送付した方がどのぐらいいるかはどうですか。

 

【ワクチン担当課長】

そのうち接種券を送付した人数は115,500人です。

 

【記者】

今、115,500人に接種券を送付して、計算したら大体47.83%で、トータルでいくと半分くらいの方が接種を受けているという状況を、市長としたら順調と見るのか、まだ遅いと見るのかというのはどうでしょうか。

 

【市長】

予約率は今日お示ししていませんが、先週もお示ししたように、ファイザー、モデルナ、それぞれ松本市の実施する接種についてはほぼ100%に近い予約をいただいて今進めてきています。全体の枠の中で県が運営主体になる枠も多いものですから、トータルで見ると今のような数字にもなっています。段階的に済ませていただいているとは思っていますので、今の段階の数字が高いか低いかという評価は控えさせていただきますが、トータルとして長野県の接種済みの方の割合も全国の中では進んでいる方になっていますし、松本市としてもそういう流れにはなってきていると思っています。私自身も、今週末に3回目のモデルナの接種を受ける予約を取らせていただきました。お仕事のご都合、そうしたものと見合いながら、先ほども申しましたが、この後、今は落ち着く傾向になっていますが、また再び変異などによっての感染拡大のときに、重症化リスクを抑えて、医療機関への負担や日常生活をできるだけ制限しなくてもいい状態を作るために、この機会に接種をしていただけるよう改めてお願いしたいと思います。

 

【記者】

市の予約状況は今100%を推移しているということですが、国からワクチンの供給が滞っているということはなく、順調に国から供給されているという中でうまく進んでいるのか、スケジュール通りなのかというのはどうでしょうか。

 

【市長】

スケジュールに従った接種が進んでいると思っています。

 

他に、コロナ、ワクチンの関係よろしいでしょうか。よろしければ次の報告をさせていただきます。

 

アルプス公園の展望広場について、一昨日(3月8日)から立ち入りを禁止する措置をとらせていただきました。

昨日市議会議会運営委員会などでも報告させていただいて、今回の当初予算に展望広場の整備に向けた耐震補強のための設計費、それと、それに隣接する場所に計画していたキャンプ場の整備費について減額し、当初予算を修正させていただいたところです。この展望広場の耐震補強事業について、私から現状と経過等を申しあげたいと思います。

この展望広場ですが、昭和49年にできた旧まきば山荘の建物を、市が平成27年に土地を取得するという契約を締結し、1階の土台部分は壊さずにそれを利用するということできたものです。平成30年の4月から展望広場として共用を行ってきました。これを耐震補強する事業を行おうということで、令和3年9月の補正予算に診断のための費用450万円を計上し、令和4年当初予算に耐震補強を行うための設計費として543万円を計上させていただきました。この耐震診断の結果が2月の末にまとまり、3月に入って報告を受けました。

診断の結果ですが、耐震診断の指標にIs値という数値があり、この指標の数値は安全性について3段階に分かれています。0.6以上は危険性が低い、0.3以上0.6未満は危険性がある、0.3未満は危険性が高い。いずれも震度6強から7の大地震が発生した際に倒壊または崩壊する危険性ということです。0.6以上、危険性が低いということであれば特段の耐震補強は必要がないということ。そして、0.3以上0.6未満、危険性があるという状態であれば何らかの耐震補強が必要であることが一つの目安として捉えています。今回、耐震補強事業を行うにあたっては、担当部としてはこれまでの状態その他から一定の耐震補強が必要であろうという0.3以上0.6未満にあたる部分と想定し、できるだけ設計工事を速やかに進めていこうということで、昨年9月の補正予算、そして今回の当初予算ということで、診断費と設計費を計上させていただいたわけです。今回判明した0.15という数値は0.3未満を大きく下回り、著しく低い数値であったということで、解体を含めた対応策を検討する必要がある状況が明らかになりました。そして、たとえ解体にならないとしても、この数値をもとに設計、工事と進んでいくと、非常に工事そのものは多額に上る、解体新築と何らかの形で構造物を作る場合と比較しても金額的に遜色がないような状態も予想される状況になったわけです。

こうした状況を踏まえ、設計をこのまま行うことは取り止め、改めて0.15という数値を踏まえた今後の展望広場、あるいはその下の下部構造物についての検討が必要となりました。これを受けて昨日、先ほど申したように、予算を減額させていただいたわけです。診断結果が出る前の予算計上ということについては、耐震補強事業の枠の中での診断と設計を一つのくくりに置いて進めようということでしたが、0.3を大きく下回る事態まで想定に含めていなかったという点で、今回予算の減額、修正という状態を招いたことは重く受け止めなければならないと考えています。

そして、この展望広場について、先ほど申したように平成30年から今の状態で市民の皆さんや来訪者の皆さんが使っていただく状況でした。これについては、今のところ確認できた範囲では、平成29年の当初予算に整備工事費として1,661万円を計上していますが、当時、現地の目視によって耐震性には大きな問題はないだろう、そして耐震補強の必要はないという判断のもと予算計上し、予算成立の上で工事費を執行しました。結果として今立ち入りを禁止する措置を取る状態を続けていたことについては、市民の皆さん、そしてここをご利用いただいた皆さんに対してお詫びを申しあげなければならないと考えています。そして、これについては、その他にも同様のケースが無いのかどうかということについて、主要施設などの精査をしなければならないと思っています。

また、今回の展望広場の問題と共に、この展望広場に隣接するキャンプ場の計画、その整備事業費についても、改めて、仮に解体を含む根本的な展望広場の見直しとなると、キャンプ場を計画した場所にも、例えば作業ヤードがかかるといったことや、今の計画をそのまますることはできない状況になることから、あわせて予算を減額させていただきました。議会の皆さま、そして今回のキャンプ場については、反対、賛成、それぞれ請願をいただいたということで、関心を持っていただいた市民の皆さまにも、結果として計上した予算を取り下げるということになり、このことについてもお詫びを申しあげればならないと考えています。

 

以上、私からアルプス公園の関連についてご報告を申しあげました。ご質問をいただければと思います。

 

【記者】

今回、キャンプ場の予算についても取り下げということで、場所の活用については議会、市民と共に議論していかなければならないというお話もあったと思うのですが、今後について市長が今考えていること、キャンプ場の予算としてもう1回計上するというのもあり得るのかも含めて教えてください。

 

【市長】

先ほど申したように、平成27年に旧まきば山荘の建物の建っている場所、そしてその周辺を松本市が取得しました。1億円弱の予算で取得していますが、そのときに、残存した構造物をコンクリート張りにして、展望広場として活用してきたわけですが、今回、強度不足が判明する前から、展望広場の在り方については、市民の皆さんも改めてもっと状況を良くできないかというお話があり、キャンプ場の計画地についても、臨時駐車場ということではなく、景観を生かした活用ということでキャンプ場の検討が進められました。

先ほど申したように、危険性が高いというこの数値からすると、もしあの建物をそのまま残して補強工事をやるとすると、極めて多額の工事費が想定されます。従って、今建物がある場所、そして臨時駐車場であり、全部ではありませんがキャンプ場の用地でどうかということで進めたあの一帯を、もう一度根本から、活用の在り方を問い直したいと思っています。

今回、キャンプ場の話が一つの契機ではありましたが、改めてこのアルプス公園の市民の皆さんにとっての価値、また松本市が自然環境に極めて恵まれ、街中から遠くないあの場所にあれだけの公園があるということの意味を広く市民の皆さんに関心を持っていただき、議論もしていただいたと思っています。ですので、このアルプス公園のいわば表玄関、ゲートウェイにあたる旧まきば山荘跡地周辺について、ぜひ市民の議論を巻き起こすと言いますか、いろいろなご提案をいただけるような形を新年度に入って以降考えたいと思います。そしてその中には、改めてキャンプ場の整備の仕方も市民の皆さんの中から選択肢の一つとして出ることはあるのではないかとも考えています。

 

【記者】

市長の中では選択肢として残っているかどうかについてはいかがですか。

 

【市長】

私としては選択肢としてはあると思っています。ただ、今申しましたように、今度のこの案というかプランを作るにあたっては、市でこういう案にしましたとコンクリートして出すことが適当なのかどうかという気持ちは、この1年あまり、これはキャンプ場の話ではありますがやってきて結果として賛否が分かれる状況でしたので、今度この話を進めていくにあたってはどのように合意形成をしていくかという視点が非常に大事になると考えていますので、さまざまな角度からご意見をいただいて、大勢の皆様に納得していただける案を作っていきたいと思っています。

 

【記者】

例えば市民会議的なものを作って、そこで議論してもらってみたいなそういうものもあり得るということですか。

 

【市長】

いろいろな方法があるかなと思っていますので、まだそこまで考えは至っていませんが、幅広く意見を聞く、そして前に進めていける方法を探っていきたいと思っています。

 

【記者】

先ほど市長にご説明いただいた中に、平成29年に現地で目視の調査をされたということですが、直近の調査が平成29年ということでよろしいでしょうか。

 

【市長】

はい。調査と言いますか、今の活用の上にコンクリートを張って展望広場にするという予算を計上したのが平成29年の2月の議会です。ですので、その前に担当部局として事業を設計する、計画を立てる、その段階でやったことが現地に行って確認をすることです。これなら問題ないだろうということを確認して、今の使い方が始まったというわけです。供用開始から今4年弱ということですが、特に問題がないという認識のままここまできたということです。

 

【記者】

目視されたというのは専門家の方が目視されたのでしょうか。それとも、部局の職員の方がされたのでしょうか。

 

【市長】

今確認できている範囲では市役所の担当職員ということです。

 

【記者】

何か専門の方の調査が必要だというのは特に、こういう場合はないのですか。

 

【市長】

先ほど申したように、平成27年にこの土地を取得するときに、すべて更地にして取得するということが基本になるわけですが、当時の記録など、今確認できる範囲では、すべて更地にすることはせず1階の下部構造物は残して、何らかの倉庫の用途だったり、展望の用途だったりにしたらどうだということを相手側と協議して、そういう契約で土地取得を1億円弱でしたという経緯があります。そのときから、松本市役所の担当部局としてはこの状況であれば壊さなくていい、壊さなくていいということはこのまま使えるだろうと、このまま使えるという使い方も、そこに人が建物の中にいる状態で、いわゆる建築物に当たるようなものではないということ、そして、今使うような展望スペースの使い方をしても大丈夫だろうという見通しのもとにやっていたということです。

そのことが適切だったかどうかについては、これはもう結果が出ており、0.15という極めて低い数値が出ています。4年の経過でそれが一定程度進むことはあっても、極端に4年で悪化するということは考えにくいという報告も受けていますので、そうすると、当時ここまでではなかったかもしれませんが、耐震強度という面でやはり何らかの対応をとっておく必要があったのではないかと、今の時点に立てば私自身も考えるところです。

 

【記者】

おそらくその際は耐震的にも大丈夫だったのだという判断だったというのがよくわかりました。専門家が調査したのは、土地取得してから今回が初めてということでしょうか。

 

【市長】

なぜ今回診断を行うことにしたかですが、まず一つは、あの場所についてキャンプ場の整備が最初にスタートとしてあって、そのときにあの建物の構造を改めて確認を目視ですが行った、そして今後何か活用を考えるのであれば、耐震補強を前提とした耐震診断をやる必要があるのではないかと考えたわけです。さらに今年に入り、展望広場については、パラソルを設置したり、キッチンカーの乗り入れもできれば整備をしていきたいということで、それをにらんだ耐震補強をやはりやる必要がある。そのときに、先ほど冒頭で申しましたが、今回までの厳しい結果だというところまで至っていなかったわけですが、一定程度は耐震補強が必要だという前提で専門家の診断を受けて耐震補強の設計までやろうと予算計上したということで、ご質問の答えは初めてということになります。

 

【記者】

予算取り下げの理由ですが、展望広場を解体したときの例えば作業ヤードが園路や近くの管理棟といった部分に影響することが理由だということで今ご説明があったのですが、だとするならば、例えば計画の中身を微修正するとか実施時期を遅らせる理由にはなっても、今回市長がおっしゃったようなゼロベースに立ち返りと言いますか、そこまでの理由にはならないような気がするのですが、キャンプ場の話で改めてゼロベースまで立ち返る理由に、先ほど市長からご説明のあった賛否両論あることが影響したことはないのでしょうか。

 

【市長】

取り下げとの直接なつながりという意味では、今回この展望広場の強度がここまで低い、つまり展望広場の予算を取り下げることは必須だということがあります。で、この展望広場の予算を取り下げる。そして、本来キャンプ場は、今回予算計上させていただいた理由は、今まで議論を議会あるいは市民の皆さんに意見をさまざまいただきながら、最終的にはこの2月議会で委員会での審査、そこでの請願の審査、そして予算特別委員会での審議というプロセスを経て、議会の議決によって結論が出ることを想定して取り組んできたわけです。

そうした中で、今回、展望広場の解体も含めた抜本的な見直しが必要な状況が明らかになったことで、そうなれば、この展望広場の整備の在り方との兼ね合いが非常に大きく問われる。仮にキャンプ場を整備するとしても、いわば一体的にどのようにエリアを整備するかということにもつながってくると考えました。そのつながりを考えたときに合わせて二つの予算を取り下げることがトータルで言えば良いのではないかという判断に至りました。ですので、ご質問の趣旨で言えば、キャンプ場の問題について賛否が分かれている現状や、そうしたことが今回取り下げの要因の一部になっているということはあります。

 

【記者】

あるということですね。今市長はいろいろな提案をいただけるような形を新年度に入って行いたいということで、大分キャンプ場整備に対する、昨年は新年度当初予算には盛りたいというような熱意というか意気込みを感じたのですけど、大分それからすると少しトーンダウンしたというか、慎重に聞こえたのですが、その方針転換の理由というか、背景を教えていただけますか。

 

【市長】

昨年の予算の提起は、なんと言いますか、細部にわたってきちんと詰められていないではないかというご指摘を受けるような予算の提案の仕方でした。また、まずは園路と芝生のテントを張るスペースだけを整備をしようということもありましたので、昨年の段階では、これをもう一度しっかり同じフィールドでプランを練り上げることが、次やるべきことだなと考えました。ですので、それをできるだけ早く市民の皆さんとの意見交換をしながらということで、1年後のこの今回の当初予算も視野にと思って、進めてきたつもりです。

今回、今ご指摘のような対応に見えるとすれば、一つは先ほど申したように前提が大きく変わる可能性が高いということです。旧まきば山荘の建物を解体してまでもう1回全体を整備し直そうということになるのであれば、かなり本格的な再整備ということに、それはいろいろな用途が考えられると思いますが、なると思います。それは時間が必要、あるいはより市民総意の進め方が求められると思います。それと、この1年さまざまな角度で議論をさせていただいて、さまざまな立場や世代の方々で意見が大きく分かれている。そしてなかなかそれが接点を見いだせないという状態がこの問題についてはあるなということを、この段階に至っても感じるところです。ですので、先ほど申したような形をどうやって作るかということから始めなければいけないのではないかと思っているところです。

 

【記者】

キャンプ場の方の予算を取り下げた理由は承知したのですが、キャンプ場の計画自体を引っ込めてゼロに戻すということの理由がちょっとまだわからなくて、広場と一体的に考えていたとしても、1年半ですかね、積み上げてきたキャンプ場の計画をゼロにしてしまうまで戻すというのは、やはり賛否が分かれている状況を重く受け止めた、それが大きな理由なのかなと私は受け止めるのですが、市長とすればそうではないということですか。

 

【市長】

比率の問題かとは考えていないものですから、先ほど申したように、そのことも含まれているということです。

 

【記者】

賛成、反対の方々それぞれ熱心に活動されてきて、それは現行の取り下げた計画についてされてきたわけですから、その方たちに対しての説明の機会というか、その方達への説明も新たに作る協議の場、話し合いの場でフォローしていかれるイメージでしょうか。

 

【市長】

実際に、請願あるいは署名というような活動をされた方々ももちろんこの問題に関心を高く持った市民の方々ですし、新聞への投書やさまざまな形で問題に対してのご意見をあげていただいたと思います。かなり、松本において事業規模などに比すと、異例なそれぞれの立場からの意見の表明があり、私は一つの民主主義のプロセスだと感じておりました。ですので、先ほど申したのは、濃淡はあるかもしれませんが、よりこの問題についての関心、裾野が広がった状況をしっかりとくみ取る、そして、先ほど申したようにキャンプ場は選択肢の一つになると思っていますが、そこにすべてが収れんするわけではないのだと。今は北側拡張部という部分での在り方の見直しをやっていますが、あれだけ広大で魅力のある都市公園を、できるだけ世代や立場が異なる方々が考えを持ち寄って練り上げていけるような方法をとっていくことが、それぞれ賛成反対で一番熱心に取り組まれた方々への取るべき対応になるのではないかと思っています。

 

【記者】

展望広場についての過去の対応ですが、当時、どういう判断であれを改修して今の形で使おうとしたかの詳細な調査はまだ続けるのかということと、同様に収容施設は大丈夫かというお話がありましたが、それは担当部とかにすでに調査を命じたのか、これからするのかを確認させてください。

 

【市長】

まず、この1日、2日で確認ができたことですので、改めてまだ私自身もどうしてこういう形で進んだかが十分把握できてないところはあると思っていますので、改めて当時記録が残っているもの、今のところはなかなか無いのですが、どのような経緯だったのかは確認をしなければならないと思っています。また今回、今の展望広場の立ち入りを禁止するという措置をとった根拠は、松本市が作っている国土強靱化地域計画というものがあり、ここで起きてはならない最悪の事態ということでいくつかの項目があります。その項目の中に、不特定多数が集まる施設の倒壊による多数の死傷者の発生が起きてはならない事態ということで、今回の強度不足で、この展望広場は建築物には当たらないものではあるのですが、やはり不特定多数の方々がそこに集まってきて、震度6強から7の地震が発生すれば、is0.15という数字では直ちに倒壊してしまうということですので、この措置をとらせていただきました。そうした観点から、この他に耐震診断を行う必要があるのに行っていない施設ということで今日の段階で報告を受けたものが8施設ありました。これはもうすでに休館になっているもの、あるいは利用はされていても、先ほど申した不特定多数の人が集まる状況ではなく、ある程度決まった方々が避難訓練なども行えるような状態にあるなどとして、利用されているものもあるということで報告を受けています。こうしたものについて今の利用状況を確認し、今後の予定についてはそれぞれ、除却するようなことも予定でそれぞれの建物ごとにあるわけですが、今回の問題を受けて、改めてこうした市有施設の対応について新たに確認し、取るべき対応を取るようにということを指示しています。

 

【記者】

確認する8施設のうち立ち入り禁止にしたところは無いということですか。

 

【市長】

現段階ではありません。

 

他に、この関係でありますか。なければ他の問題でありますか。

 

【記者】

スーパーシティについてですが、今日政府が会議を開き、つくば市と大阪市を正式に決めると話が出ていますが、現段階において松本市が選ばれていないことについて市長の受け止めと今後の見通しについてお聞きします。

 

【市長】

現時点では、今月(3月)4日に開催された専門調査会の議事が公表されていませんので、なかなか詳細、どういう経緯でこの決定がされ、また表現として落選ではない、熟度がまだ十分足りてなかったということなど、不明な点もありますので、そうしたことが明らかになってから今後の対応を決めていかなければいけないと思っています。ただ、昨年4月に私たちが提案を行ってから結論が出るまで11カ月かかりました。そして規制緩和、規制改革により積極的だった菅政権から政権交代し、スーパーシティ構想の位置付けも、若干不明確になったのではないかという受け止めをしていました。今の岸田政権においては、デジタル田園国家構想を掲げ、それぞれの省庁での新たなスマートシティ的な政策メニューであり、さらには、ゼロカーボンというもう一つの大きな旗印のもとで、事実上の特区的な脱炭素先行地域といった枠組みもできて、松本市もそこに申請させていただいています。現実問題としても、令和4年度当初予算にも、DX戦略の部分でも15事業、11億円程度の予算計上をしたり、私たちの提案の中でも提起していたオンライン診療といった規制緩和要望、これも全国的に実現をしているという状況もあります。つまり、1年前と比べ日進月歩でデジタル、DX(デジタルトランスフォーメーション)の状況が変わって、日本全国にも広がっているということで、政策のアプローチはスーパーシティ構想が主軸ではなくなるのかなというのが現時点での認識です。今後も適切な国家プロジェクトにはできるだけ挑戦をして、今回は選定されませんでしたが、さまざまな分野、そしてデジタル、DX(デジタルトランスフォーメーション)の分野についても、必要と感じるものがあれば手を挙げてまいりたいと思います。

 

【記者】

先ほどおっしゃった熟度とかいう意味で、国から1回追加もやりましたが、さらにもっと詰めてくれみたいな話があったときに今後もそういう指定を目指していくのか、今市長がおっしゃったように、かなり変わってきたのであれば別の手段もあるのでとなるのか、そこら辺はどうでしょう。

 

【市長】

基本的には後者と考えています。といいますのも、今回、当初5地区程度と言われていたのが、スーパーシティ構想では二つ、しかもこの二つは、つくば市、大阪市という、つくばは人口規模はそれほどではありませんが、いわば科学技術先端研究を国を挙げて行うような場でもあります。選ばれた内容もパッケージ型と言いますか、包括型の提案内容です。当初、どちらかといえばそういうものもあれば、分野をいくつか特徴を持ったものを選ぶという情報といいますか、やりとりをしていたものですから、私たちが掲げた医療と再エネという問題は、熟度というよりも、大きな構えや方向性の問題としてフィットしていないのかなと思っていますので、最終的には、先ほど申したような詳細の状況を把握した上で結論を出したいと思っています。

 

【記者】

基幹博物館について伺います。先日の一般質問で用地の安定的な形を目指す時期として、来年の10月と考えを示されました。一方で土地の所有者とのやりとりは昨年5月以降で2回にとどまり、あまり大きな進捗はない状況かと思うのですが、今回の一般質問で時期を区切ることができた理由なり根拠なりがあったのならば教えてください。

 

【市長】

相手方があることですので、交渉過程を詳しく申しあげることは控えなければならないと思っています。その前提でお答えすれば、トップとしての意思をお伝えすることや、これまで私が就任する前の経緯、そして私が就任して以降の政策転換の経緯をいろいろな機会を通じてお伝えし、意見を交わすことは積み重ねてきたつもりです。あくまでも、絶対的な期限は、現在の事業用定期借地権10年の契約期間が満了する令和12年です。このことをしっかり明確にした上で、一方でわれわれとしての希望を相手側にも伝え、その上で、今まだ現在進行形ですし、まだまだ議会の皆様とも協議を進めていかなければいけませんが、松本城三の丸エリアの整備の将来像も今お示しをしてきているところです。場所が三の丸エリアの一角にあるものですので、そうしたことをお示しをしていくことで、協議の土壌と言いますか、環境の醸成ということにつながっていくと感じるところですので、そうした中から、私として、あくまでも市側の希望として申しあげれば現時点の目途としたいということで、令和5年10月を挙げさせていただきました。

 

【記者】

その時期は相手方には伝えてあるのでしょうか。

 

【市長】

はい。お伝えしています。あくまでわれわれの希望としてはということでお伝えをしてあります。

 

【記者】

相手方からのリアクションとすると、どうだったのでしょうか。

 

【市長】

大変申し訳ありませんが、これも交渉過程に関わることとして控えさせていただきます。

 

【記者】

基幹博物館では、建設費だけではなく、昨年の12月には、資料収納棚の取得費用なんかも予算計上しています。今後も、関連予算の計上はあるのかもしれませんが、令和12年以降の用地の担保がないままの予算計上は、市長は適正だとお考えでしょうか。その辺の見解を伺えればと思います。

 

【市長】

今おっしゃられた事業用定期借地権の10年の期限の先が明確に担保されてないということは事実です。ここが明確に担保されていないのであれば、建設を中止すべきという立場のご意見もあります。私としては、そうしたご意見とは一線を引かせていただいて、先ほど申したような期限、あるいはめどもしっかりと掲げながら、令和12年以降の用地が安定的なものになるということと、市民の皆さんとともに進めてきた、議会の皆さんとともに進めてきた博物館の建設を進めていくということを並行して行っていきたいと思います。

 

【記者】

今の用地の所有者ですが、もともと交渉は代替地との交換が念頭にあったかと思うのですが、今、こうやって少し交渉が行き詰まる中で、何か市側で新たに代替地を確保して提示する可能性、ケースは考えられるのかどうか、そこら辺の見解をお願いします。

 

【市長】

これは議会での発言ですかね、取得を基本とするということを申しあげ、これは、一つの基本的な考え方としては持っていますが、今後、交渉をより詰めていく過程の中で、どのような形で博物館用地を安定的な状態、安定的なものにするかという方は、いくつか選択肢があると思っています。行き詰まっているという表現ですが、行き詰まるのではなくこれから詳細を進めていこうということは重ねて申しあげさせていただきたいと思います。

 

【記者】

市長が昨年12月に八十二銀行に訪れた際に、先方からは今後の市の発展や松本のまちづくりに協力していく姿勢に変わりはないというような旨の回答をいただいたということでしたが、同じような回答がその凍結を決断したときにも、八十二銀行からあったと思います。そのときと比べて同じ回答をいただいているわけですが、市長の受け止めは、凍結を決めたときの受け止めと、昨年12月に訪れた時に同じ趣旨の回答を受けたときの受け止め方に何か違いというか、感じ方に何か違いみたいなものがあるでしょうか。

 

【市長】

先ほどの文章表現は、対外的に説明する、われわれ自身もそうですが、銀行側も今の状況を緩やかに伝える時の言葉の使い方かなとは思いますが、その上で申しあげれば、やはり、一番はこの先松本城周辺がどうなっていくのだろうということ。博物館もそうです。あるいは外堀の復元もそうですが、そうしたことの進み具合とか、見通しみたいなものに対して、相手方の関心といいますかがあって、それはわれわれとしては前に進めている。そのことは、プラスの方向に、少しずつだと思いますが、進んでいくと私たちとしては考えています。

 

【記者】

今おっしゃるのは、三の丸エリアビジョンの話と通じるのかなと思いますが、だとすれば凍結の時よりは、市長とすれば、比較的楽観的と言ったらいいのかわからないですが、少し安心感というかそういったものは持っているのでしょうか。

 

【市長】

これはあくまで相手方との話ですので、相手方がどう思っているかということを私が何か物を言う立場にはございません。しかも、やはり非常に大きな問題だとは思っていますので、議会でも申しましたが、非常に重大な責任を負っているのだという気持ちで、この問題には取り組んでいきたいと思っています。

 

【秘書広報室】

以上で市長定例会見を終わります。

 

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

皆さまのご意見をお聞かせください

お求めの情報が充分掲載されてましたでしょうか?
ページの構成や内容、表現は分りやすかったでしょうか?
この情報をすぐに見つけられましたか?
Adobe Reader<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

松本市AIチャットボット