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令和7年6月25日 市長定例記者会見
【資料1 ~2050年ゼロカーボンシティ実現にむけて~松本市地域エネルギー導入支援事業補助金創設】
【市長】
私からは1件報告させていただきます。松本市は2050年のゼロカーボンシティ実現を目指していますが、その中で太陽光などの再生可能エネルギーの普及促進が大きな柱となっています。令和5年度から太陽光発電に絞って、設備導入を後押しする補助金を実施してきましたが、来年度からは太陽光に限らず、太陽熱、風力、水力、バイオマス、地熱、温度差熱といった再生可能エネルギー全般を対象とした補助金を創設します。名称は「地域エネルギー導入支援事業補助金」です。太陽光以外の発電事業も対象として、設置容量が50kW以上からとなっていましたが、もう少し小さなものも対象とします。そして、固定価格買取制度を活用した設備も対象とすることとしました。また、これまで対象外だった熱供給事業も、3カ所以上の建築物で取り組みを行った場合に対象とします。このような再生可能エネルギー設備を利用する事業者に対して、固定資産税の課税相当額の一部または全額の補助を最長20年行うという内容です。
【資料2 ~2050年ゼロカーボンシティ実現にむけて~松本市地域エネルギー導入支援事業補助金創設】
【市長】
具体的に説明させていただきますと、補助割合は3つの補助類型で異なります。まず「地産地消型」は、松本市内で発電を行い、その6割以上を市内消費することを条件とします。市内事業者は補助割合55%、市外事業者は37%です。熱供給事業も同様の補助割合となっています。
「地域裨益型」は、発電した電力によって得た補助額の一定割合を地域の団体に還元するものです。固定価格買取制度を活用した場合は補助割合20%ですが、固定価格買取制度ではない発電の場合は「地産地消・地域裨益型」に分類をして、市内事業者は100%、市外事業者は67%の補助割合となります。
「地域裨益」とはどのようなことをすることか説明させていただくと、町会、NPO法人、任意団体等を含む、補助対象設備が所在する地域の団体に補助額の3割以上を還元していただくことが条件となっております。この3割以上の還元は、基本は金銭での還元ですが、金銭に相当する活動でも可能です。具体的な活動内容を見て「地域裨益」にあたるかどうか判断します。内容は複雑ですが、できるだけ再生可能エネルギー設備の導入を幅広くすすめていただき、そのことによって事業者の皆さんが、固定資産税相当額の補助金を得られるのであれば積極的にすすめよう、その代わりその内の3割以上を地域に還元するという仕組みです。
令和8年度からのスタートになりますので、今年度から設備導入を進めていただき、多くの事業者に制度を利用してもらえるようPRに努めていきたいと思っています。
私からは以上です。
【記者】
本日の案件ではないのですが、市立病院の関係でお伺いします。現在、市立病院建設特別委員会が開催されていますが、資料によると実施設計中で、建設工事費が130億7900万円ということで、総事業費も合わせると約153億円になります。基本設計から比べて28億円増加しており、基本計画の88億円からは2倍近く建設費が膨れ上がっています。資材高騰などさまざまな背景があると思いますが、市長の受け止めと今後の市の方針をお聞かせください。
【市長】
基本設計を完了したのが、1年半前の令和5年11月です。現在の1平方メートルあたりの建築単価を元に、ご指摘のあった建設工事費とそれを含めた総事業費の金額を、病院局から議会にお示ししました。基本設計時と実施設計時の概算額は、建築単価が約28%上昇しており、建設工事費もほぼ同等の上昇率となっております。これは病院だけでなく、公共施設、公共事業全般に言えることで、国や自治体が事業を行っていくに当たって、長く続いたデフレ時代からインフレへの経済状況の下での過渡期にあると思っています。事業費の上昇と今後の収入・収益との上昇の見合いで、どのように事業を進めていくかを、市立病院だけではなくてこれからいろいろなものが判断されていくことになると思います。いわば財政の物価スライドというものを、これから国レベルでも地方自治体レベルでも、どのように制度設計をして具体的な事業に取り組んでいくかが、問われることになると思っております
病院に関して言えば、国が診療報酬改定をどのように行っていくのか、また、公共事業における建築単価の見直しが、どのように進んでいくのかを見極める必要があります。それと関連しながら、一般会計からの繰り入れをどう考えていくのかは、今回の建設工事費や総事業費の上昇を踏まえ、病院局が事業収支計画の見直しを検討していくことになると考えています。
【記者】
市役所の建設事業費も約199億ということで、以前より30億近く増えています。市はこのような大型事業を2つ抱えておりますが、財政への影響はどのように考えていますでしょうか。
【市長】
これは繰り返しになりますが、これから資材費も人件費も上がり、一方で国レベルでも自治体レベルでも税収が上がります。この税収の上振れをどこに振り向けていくのかを、国民や市民の皆さんとともに国や自治体が考えていくことになると思います。このインフレ傾向の経済状況が安定してきたときに、事業費の増大が財政への圧迫に直結するのかどうかは違った見方ができると思いますので、そういったことも視野に入れて財政運営に当たっていきたいです。
【記者】
昨日、長野県自然保護連盟から、美ケ原再生計画について要請がありました。その中で、ロープウェイの建設や、グリーンスローモビリティに対して、自然保護や景観破壊になる可能性があるということで、研究段階ではあるものの、明確に反対したいという要請がありました。その要請を受けての市長の受け止めと、これから研究が始まるということですが、どのように研究していくのか考えをお聞かせください。
【市長】
まず、要請の具体的な報告は受けておらず、報道で目にしたというレベルです。その上で申しあげれば、市民の皆さんにもさまざまなご意見、見方があると思いますので、その内の1つとして受け止めたいと思います。
また、美ケ原高原再生計画は、ご指摘の部分も含めて、専門家の皆さんに検討してもらいたいと思っています。その上で、事業化の方向性が進むのであれば、議会や市民の皆さんの意見を幅広く聞きながら、判断していく問題だと思っております。
【記者】
今日市長が胸にしている黄色い羽は、これは臓器移植の推進事業のものでしょうか。
【市長】
こちらは法務省が行っている「社会を明るくする運動」のシンボルです。
【記者】
募金すると、そちらを身につけるということでしょうか。
【市長】
今日、社会を明るくする運動の松本市の実行委員会がありまして、会長という立場から付けています。基本的に、赤い羽の募金などとは仕組みは違います。
【市長】
それでは、私から一点よろしいでしょうか。今月の4日に、松本城公園のメタセコイアという外来の木に関する市民タイムスの記事が掲載されました。この記事を踏まえて、市民の一部の方から松本城管理課や松本城関連の部局に意見や質問をいただいています。松本市の立場は説明して、ご理解をいただけるだろうと思っていますが、改めて少し私の方からも触れさせていただきます。
この記事は「天守見やすく伐採視野」という見出しで、反応された市民の皆さんは一番ここにどうなっているのかということで、ご意見をいただいています。経緯を説明させていただきますと、昨年の3月に策定した史跡松本城整備基本計画第1期の中に植栽の計画という項目があり、そこには「植栽の伐採等の検討に当たっては、往時には存在しなかった外来のメタセコイアや、樹勢の衰えている樹木等、景観・環境形成等や維持管理の観点から支障となる樹木等の伐採等を検討します。」と記されています。この文言を元に、記事も書かれたと思われますし、そしてこの文言を元に、天守を見やすくするよう松本市が、伐採を視野に入れているということで、一部の市民の方が問い合わせに来ております。松本市の今の立場は、令和5年度から令和14年度までの10年間の計画期間中に伐採するかしないかを検討するというものです。また、この計画の伐採等を検討するとこういうことの意味も、伐採するかしないかを検討するということですので、誤解のないようにしていただければと思っております。つまり、現在の立場はどちらとも決めていないということですので、その前提で市民の皆さんにはご理解いただきたいです。令和14年までの計画期間中に、南・西外掘の復元事業も進捗しますので、その進捗を見ながら検討していくことになります。
私の方から1点ご説明させていただきました。
【記者】
先日、市民の方を交えてメタセコイアの前で市の関係課の皆さんとお話したときに、伐採することを検討もしていないと…
【市長】
今申しあげましたように、これから検討していくことになるということです。
【記者】
今はしていないということでしょうか。
【市長】
そうです。この記事に「担当課長は、市はメタセコイアの扱いについて検討をし続けてきた」とありますが、担当課長からは検討をし続けてきたという表現はしていないと説明を受けています。市としてはこれから検討していくことになるということです。
【記者】
今時点では検討していませんが、計画期間中には伐採するかしないかを検討していくことになるということでしょうか。
【市長】
正確に言うとそうなります。
【記者】
一部の市民の方は、検討することすらも許さない勢いですが。
【市長】
言論や報道の自由、また、行政に当てはまらないかもしれませんが政治活動でもそうですが、それはいくら何でもおかしいと思います。それは同意していただけますでしょうか。
【記者】
はい。今現在はしていないということでしょうか。
【市長】
そういうことです。
【記者】
当時存在しなかったメタセコイアの他にも、いろいろな植物が松本城公園内にはあると思うのですが、復元というところを考えたときに当時の姿に戻すのでしょうか。その辺りはどうお考えでしょうか。
【市長】
それで言うと、大きく幕末期の姿の具現化というのを考えています。ただし、原則は基本的な姿勢ということでありますので、当然、その例外と言いますか、例えばこの記事にもありますが、植栽はほとんどが昭和の大修理の頃に行われているもので、それを全部取り除かなければならないという考え方に松本市は至っておりません。埋橋の修復の件についても我々の基本姿勢としては、必ずしも幕末期の姿ではなくても、その後年月を重ねて松本城公園に定着しているものを、どのように保存や改善をしていくかということについては、さまざまな観点から検討していくことになると考えております。あくまで原則的な立場、基本的な姿勢というのが幕末期の姿の具現化だと捉えております。
【記者】
計画期間内に伐採を検討することはお考えでしょうか。
【市長】
このメタセコイアと景観上関連してくるのが、一番は南西外堀であると考えていまして、復元事業はこれから本格化するので、おそらく検討することになるのは、相当先だろうと私は思っています。
【記者】
計画期間の中でも、先の方になるということでしょうか。
【市長】
そうです。
【記者】
市長には今は幕末期の姿を具現化するという大きな目標が、基本的な原則としてあるということですが、メタセコイアは幕末期にはなかったもので、昭和30年の大修理の際に一帯に木が植えられたものではあるのですが、全部切ってしまうのかという極論になってしまうこともあると思うのですがどうでしょうか。
【市長】
全部切った方がいいとうのはどなたが主張されているのでしょうか。切った方がいいという方もいらっしゃるのでしょうか。
【記者】
そういうことをするのかと、強い口調でおっしゃっている方もいます。
【市長】
この「天守見やすく伐採視野」という見出しが刺激をしたのではないでしょうか。切ることで見やすくするのかと思われたのではないでしょうか。
【記者】
そうですね。ですが、市長はメタセコイアの木が、例えば昭和30年に、松などいろいろ植えた木があると思いますが、国宝である松本城に外来のメタセコイアの木が存在するということに関して、お城にこの木がふさわしいかということに関しては、どうお考えでしょうか。お答えできる範囲でお願いします。
【市長】
繰り返しになりますが、これから復元事業を進めて、景観の問題やあるいは逆の原則的な立場をどこまで大事にするか、総合的に考えたときにどうするのかを、令和14年までの計画期間中のいずれかの段階から、皆さんに考えていただくとことになると思っています。
【秘書広報室】
以上をもちまして、市長定例記者会見を終了します。
※AIにより文字おこしを行い、編集したものです。実際の発言とは異なる部分があります。