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令和7年5月8日 市長定例記者会見
【資料1 大型連休の松本城観覧者 5/3~5 電子チケット(1800枚/日)完売】
まず、私から2点報告いたします。1つ目は、春の大型連休の松本城の観覧者の状況です。今年の大型連休は飛び石連休だったこともあり、連休の前半は松本城の観覧者数はそれほど伸びを見せませんでした。連休の後半の3日から5日は、4000人から5000人の皆さんに観覧していただきました。全国ニュースなどでも取り上げていただき、引き続き大勢の皆さんに松本城を楽しんでいただけたと思っています。とりわけ、外国人の観覧者数は前年に比べて1.5倍近く上っており、大幅な伸びを続けていると認識しています。
その中で、昨年から松本城のチケットに電子チケットを導入して、少しでも快適に観覧していただける状況を作ろうと取り組んできました。この電子チケットは、30分ごとに100枚の時間指定で販売しており、1日18枠あります。30分ごと100枚が18枠で、1800枚の単独観覧チケットを販売していますが、この1800枚の単独観覧分の電子チケットは完売という状況でした。単独観覧分以外に、旧開智学校校舎や博物館、美術館と共通の電子チケットが1日700枚あり、それを加えると、3日から5日で2000人を超える方々に、電子チケットを利用して松本城を観覧していただきました。こちらは、資料1の棒グラフのピンク色の部分にお示ししています。
この3日間は、電子チケットの利用率が40%以上で、特に5日はほぼ50%でした。電子チケットで時間指定をして入場していただくと、待ち時間を0にできる、あるいは0に近づけることができます。資料1にお示しした最大待ち時間の表のピンク色の部分が電子チケットの待ち時間で、この3日間を除くと入場の待ち時間はありませんでした。一方で、紙チケットの待ち時間は、紙チケットのみ販売していたときと比べて電子チケット分を優先的に入場させるため、この3日間は紙チケットの待ち時間が電子チケット導入以前より長くなりました。5月4日は天守に入場するのに、最大3時間待つ状況でした。これはある程度想定していましたが、今後、できるだけ偏りが無いようにするためにはどういう方法があるのか、引き続き検討していかなくてはならない課題だと認識しています。ちなみに、電子チケットでも3日から5日の3日間は20分という待ち時間になっていましたが、これは天守閣に200人近くが入ると満杯になるという状況の中で、出て行かれた方の分だけ入れる状態が混雑時に発生するからです。大体10分間で30人が出て行き、出て行った分だけ30人入れるというような状況が混雑時には起こります。10分単位で見たときに、この3日間は、おおむね10分間は時間指定の電子チケットの方に入場していただき、次の10分間も時間指定の電子チケットの方、そして次の10分は紙チケットの方に入っていただくというローテーションを30分ごとに続けました。その結果、紙チケットの方の列を優先するときには、電子チケットの方も待っていただくことになり、20分程度の待ち時間が発生しました。30分に1回10分の間隔だけ紙チケットの方に入ってもらう形になったので、最大180分待ちの時間帯もありました。お城の天守閣のキャパシティは物理的にありますので、安全で快適に観覧できる容量の限界がこの3日間などは起きています。これから、大勢の方々に安全で快適に観覧していただける方法については、引き続き現場の職員と検討していきたいと思っています。
【資料2 共に挑む 三ガク都のシンカ 令和7年度松本市職員採用資格試験】
二つ目は、令和7年度の松本市の職員採用試験についてです。昨年に引き続き、今年度も年に4回採用試験を予定していますが、メインの試験となる6月の試験の募集を今日から始めました。昨年度よりも1週間前倒しの日程となっています。応募期間は今日から28日までで、1次試験を1カ月後の6月8日に予定しています。
おおむね昨年度と同じ区分での試験ですが、できる限り大勢の人材を採用したいことと、さらには試験区分の追加と年齢の上限を引き上げることが今年の改善点です。昨年度の試験により、今年の4月から採用した職員は111人と過去最多でしたが、これに引き続いて、今年度の試験を踏まえた採用も100名を超える職員を予定しています。試験区分の追加としては、薬剤師という区分を新たに設けます。主に保健所で業務にあたっていただきますが、食品衛生などの分野で知識や経験のある人材を募集します。年齢の上限引き上げについては、獣医師と社会人経験のある保育士について、それぞれ59歳、40歳まで年齢の上限を引き上げて、多くの皆さんに受験していただけるようにしたいと考えています。試験の見直しはこの3点です。
【資料3 共に挑む 三ガク都のシンカ 令和7年度松本市職員採用資格試験】
もう1点、今年から昇格のあり方を改革します。松本市の職員は、行政職として採用されると1年目は事務員として仕事をしてもらい、2年目から主事という立場になります。その次の主任という立場は、給与・仕事の内容ともに、より責任のある立場です。これまでは8年目から主任に昇格するという仕組みで、これは基本的に新卒で職員になった人を念頭に置いたルールでしたが、中途採用職員の比率増加に伴い、職歴や実力に即した昇格・昇給のあり方を取り入れるべきではないかという中で、昨年度から人事評価を行い、上司の高い評価を得られれば5年目から主任に昇任できる仕組みを導入しました。 今年からは、さらにもう一歩踏み見込んで、1年前倒しして昇格試験を受けて合格すれば、4年目から主任に昇任できる仕組みを導入します。セカンドキャリアで市役所の職員を志望される方に、より積極的に応募していただける環境を作っていきたいという取り組みの一環です。積極的で柔軟な発想を持ち、市民の皆さんにプラスになるアイデアを提供できる人材を、積極的に求めていますので、大勢の皆さんに市役所の職員試験を受けていただきたいと思っております。
私からは以上です。
【記者】
松本城の観覧者の基本データについてお伺いします。昨年は1日当たり4455人で、そのうち外国人が411人という発表を去年の今頃受けていますが、今年はどうだったのでしょうか。
【市長】
松本城の大型連休の全体の観覧者は、1日当たり3809人でした。これは前年と比べるとマイナス15%です。このうち外国人の入場者数は1日当たり615人で、入場者数に占める外国人の割合は16.1%です。そして、外国人の前年比は150%と、1.5倍になっています。ただし、この1.5倍という数字につきましては、松本市の市制施行記念日の5月1日が、去年までは外国人も含めて入場料無料だったため、去年までは5月1日は有料観覧者数に外国人は含まれていませんでした。今年は外国人の方は有料になりましたので、その分も含めて1.5倍ということになっています。
【記者】
特殊要因もあり1日あたり15%減で、外国人は1.5倍ということですが、全体の入場者数が15%減になった原因はどこにあるとお考えでしょうか。
【市長】
先ほど申しあげたように、1番は連休の日取り、続き具合だと思います。
【記者】
カレンダーの関係ということでしょうか。
【市長】
そうです。
【記者】
5月3日はかなり雨降っていましたが、天候は関係ありますでしょうか。
【市長】
5月6日も雨が降っていましたので、天候も影響していると思います。
【記者】
外国人が1.5倍になった要因はどこにあるとお考えでしょうか。
【市長】
こちらは、春の大型連休に限らず、昨年、今年と外国人の旅行者が前年、前々年に比べて大勢来ているという実態があり、統計上や体感上もそうですし、飲食業や宿泊業に携わっている皆さんのお話を聞いても共通しています。一言で言えば、松本市の知名度やブランド力、あるいは松本城や上高地を初めとした観光資源が、世界の人々に認知されるようになったということがあると思います。一つ、目に見える変化として、松本城に団体客として外国人の方が来る姿をよく見かけるようになりました。観光関係者の皆さんにお聞きすると、外国のエージェントが日本国内のツアーを組むに当たって、信州や松本をコースに組み入れるという状況が一般的になってきたことの表れだとお話しされていますが、そういったことが定着しつつあるということだと思います。
【記者】
松本城観覧者数について確認させていただきたいのですが、この大型連休の3809人というのは、昨年よりは減少したということでしたが、統計を取り始めて何番目の数になっているか教えていただけますか。
【市長】
後で確認してお知らせいたします。
【記者】
松本城の入場料が値上げになって初めての大型連休になると思いますが、その影響は出ているのでしょうか。
【市長】
担当課によりますと、4月の統計で前年よりは若干減少している数字ということでした。この若干の減少というのは、4月の最後が大型連休に入るかどうかというところで、その影響が若干の減少ではないかというのが担当課の分析ですので、ほぼ値上げの影響はないというのが現状においての受け止めです。
【記者】
職員採用資格試験の件でお伺いします。薬剤師の区分を追加されたということですが、今まで薬剤師の方は市の職員としていなかったということでしょうか。
【市長】
薬剤師という採用区分ではありませんが、薬剤師の資格を持った方はいます。薬剤師という区分を作り、採用試験を行い、募集をするということが新たな取り組みです。
【記者】
薬剤師について、食品衛生等の分野で知識や経験がある人材を募集というのは、薬剤師でなければできない業務があるということでしょうか。
【市長】
人事課長から説明させていただきます。
【人事課長】
できれば獣医師を採用したいところですが、獣医師の確保が難しい中で、食品衛生の検査に関わる業務は薬剤師であれば対応ができるということで、今回新たに薬剤師の区分を設けたところです。
【記者】
本来獣医師の方がやる仕事を、薬剤師の方でもできるということですか。
【人事課長】
そういうことです。
【記者】
令和6年度の試験で採用された方は111名で、70人ぐらいが転職された方ということですが、年齢上限の引き上げや試験区分の追加などがされる中で、今後は転職の方の採用に力を入れていくということでしょうか。
【市長】
大学や短大を卒業する方々の、募集を絞っていこうという考えは特にありません。新卒一括採用、終身雇用という日本のこれまでの雇用慣行が大きく変化していて、転職ということに社会全体や個人としても抵抗感がなくなってきています。松本市役所の職員である公務員も例外ではなくなってきているのを、市長になって採用試験などを実際に行うに当たって感じてきました。一つは、そうした志向に採用試験も合わせていこうということです。せっかく入っていただいた後に、しばらくしてまた転職をされるという例も残念ながらございます。終身雇用ではなくなるとすれば、雇用の流動化ということをある程度前提とした仕組みを、我々も考えなければならないと思っています。そうした中でのいろいろな取り組みですが、先ほどもご紹介させていただいた主任への昇格までの期間については、20代前半で入った職員と30代になってから入った職員で同じであることが、中途採用の職員にとってはマイナス要因ではないかと感じるようになりました。組織全体としても、このキャリアパスを短くしていきチャンスを広げるということが、少なくともプラスになるということで進めています。恐らくこれから先、セカンドキャリアの人たちの松本市役所全体に占める割合は、大きく減ることはないだろうと思っています。そして、松本市が目指す人口の定常化、あるいは社会増を考えたときに、大学卒業の段階で松本の地を選んで働いたり、家族を築いたりするという選択をしない人の中にも、しばらく働いてから、あるいは家族ができてから松本の地を選んで働こうという方々が増えていくような状況が、東京一極集中が進んでいる事を踏まえれば、我々が目指していく一つの道であると考えておりまして、松本市役所の中でも移住を目的に松本市を選んで、職場として市役所を考えていただく方も少なくない状況です。
【記者】
先日の松本マラソンについて議員協議会が行われましたが、議会の方から第三者組織の設置を求める意見がありました。市長も協議会の中で第三者の関与が必要だという考えを示されていましたが、第三者委員会のような組織の設置は、今の時点で考えているのでしょうか。
【市長】
先日の議員協議会の集約として、累積赤字分4380万円については、実行委員会に負担金を支払って、その上で受託者に未払いの運営業務委託費を支払うこと、そして2025大会を中止にすることをお認めいただきました。一方で、職員の処分や私自身の減給措置については、第三者による検証を行い議会に報告した上で、決定をすべきという集約をいただきましたので、私としてもそれに従った対応を速やかにしていきたいと思っています。具体的に第三者による検証につきましては、法律あるいは会計の専門家の数人のメンバーで構成する組織を念頭に置いています。できるだけ早く人選を進めて設置して、検証作業を行っていただきたいと思っています。
【記者】
その組織というのは完全に独立した組織で、市の職員の方は全く入らない組織ということでしょうか。
【市長】
独立が何を意味するのか受け止め方もいろいろあると思いますが、運営や事務的な取り扱いには松本市の職員が関わらないと運営していけないと思います。私としてはメンバーに、法律あるいは会計の専門家の皆さんに入っていただき、その代表は松本市以外の方になっていただいて進めていくことを念頭に置いています。人選は、松本市がやることになると考えています。
【記者】
先ほどなるべく早く設置するとおっしゃっていましたが、議会からも第三者委員会の検証の結果が出てから、職員の方の処分と市長の減給についても処分するようにと要望がある中で、時期はいつ頃をお考えでしょうか。
【市長】
とにかく早く人選を進めて、できるだけ早く組織を立ち上げて、この議論を進めてもらいたいと思っています。そして、前提になっている事実関係については、2月7日に私が報告を受けて以後、受託者や職員に聞き取りを行い、この前の議員協議会でも、私としては詳細に渡って説明をさせていただいたと考えておりますので、それを元に、法律や会計の観点から今回の件をどう評価するかということと、今後に向けての課題を指摘いただくことが主な内容になると思います。それほど時間がかかることではありませんし、市民の皆さんと議会の皆さんも、早くこの問題についての見通しをしっかりと立てるべきだと考えていると思いますので、それに従った対応をお願いしていきたいと考えております。
【記者】
確認なのですが、第三者委員会のメンバーには市の職員は関与しないということでしょうか。
【市長】
関与はします。メンバーの代表は外部の方になりますが、松本市の然るべき人間も入り、共に議論をするということです。
【記者】
委員会のメンバーに入るということでしょうか。
【市長】
そうです。委員会という名称ではありませんが、検証組織の中に入るということです。
【記者】
今の件で確認させていただきます。法律、会計の専門家に加えて、代表に市議会の方も入るとおっしゃいましたか。
【市長】
いいえ。民間の方の中から代表になっていただくということです。その中には松本市の然るべき人間も入るという2点を申し述べました。
【記者】
分かりました。付け加えて、第三者組織とは別に実行委員会形式を見直して庁内組織をつくるというお話でしたが、そちらは立ち上がっていますでしょうか。
【市長】
こちらにつきましては、毎年テーマを決めて総務部を中心に行政改革を行なっています。今回こうした問題が出ましたので、その中に埋没しないようにしながら、私の方から中野副市長をトップにして、実行委員会方式の監査のあり方や、事務局や官民連携のあり方を幅広く洗い出して今後のあるべき方向性を示すことを、令和7年度の行政改革の大きな柱にしてほしいと中野副市長に指示しました。従って、基本的に組織を新たに立ち上げるという形では無いと思っておりますが、実行委員会方式も大小さまざまなものがありますので、そうしたものを包括的に検証して、来年以降、正すべきことは正していきたいと思っております。
【秘書広報室】
以上をもちまして、市長定例記者会見を終了します。
※AIにより文字おこしを行い、編集したものです。実際の発言とは異なる部分があります。