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令和6年3月6日 市長定例記者会見
【資料1 日没後も安心して通行可能に あがたの森公園 南側園路に街灯設置】
【市長】
私からは3点報告いたします。まず、あがたの森公園の南側園路に街灯を設置する件についてです。資料1の地図の右下にお示しした黄色い部分があがたの森公園の南側で、東に行くと松商学園高等学校があります。この道路に面した150メートルほどの園路は木々に囲まれていて、夕方から夜にかけて非常に暗い状態になります。この園路は通学路にも使われる場所で、部活などが終わった後に暗くなったところを帰っている状況や、年明け以降ここで不審者が出ているという情報があること、市の公園緑地課にも相談があったことから、このような対応を取る必要があると判断をしました。
資料1の青い円でお示ししているように、この園路の両端には街灯がありますが、新たに赤い円でお示しした部分3カ所に街灯を設置いたします。夕暮れから午後9時までこの街灯を点灯することによって、安全に通行してもらうことが目的です。工事は今週に始める予定でありまして、3月中に完了するように作業を進めることとしております。園路を照明することで安全に下校をしていただき、その後、安全な状況が確保されているかどうか、引き続き確認をしてまいりたいと思っております。
【資料2 エア・ウォーターアリーナ松本(総合体育館)メインアリーナ大規模改修を終え利用再開】
【市長】
2件目は松本市のエア・ウォーターアリーナ松本についてです。こちらは1年前から建物の老朽化に伴い大規模改修を行っておりました。当初は4月から再開する予定でしたが、少し前倒しで作業が進みまして、今月の15日から利用を再開できることとなりました。
今回の大規模改修の主なポイントですが、もともとは天井の耐震化やスプリンクラーと誘導灯を更新して、安全性の確保を高めることが一番の目的でしたが、それに合わせて照明のオールLED化をいたしました。これによって明るさが従来の1.5倍になるとともに、プロスポーツなどで光の演出をすることも可能になりました。また、床面につきましては磨き直しを行い、快適に競技をしていただける状況をつくりました。
15日からの利用再開にあたり、10日から体育館の予約を開始します。また、来月以降はバレーボールのSVリーグ、VC長野の公式戦などのイベントで使用するということです。市民の皆さんからプロスポーツまで幅広く、エア・ウォーターアリーナ松本を使っていただけるようなリニューアルが済んだところです。
【資料3 週末・祝日の公園通りが歩行者天国に 道路空間を活用したにぎわい創出に期待】
【市長】
3件目は、今日の市議会に報告をさせていただいた案件になります。松本駅前から花時計公園に向かう公園通りの、松本駅側からおよそ90メートルの区間を、今月29日から毎週土曜日、日曜日および休日につきまして、午前11時から深夜0時まで車両の通行を禁止することとなりました。こちらは、短い区間ではありますが路面を改修して、歩車道の区別をなくした区間です。資料3の右上の写真が通常時、右下の写真がイベント時の状況で、これまでも何回か地元の皆さんがイベントを開催しておりますが、今回は車両通行止めにして賑わいを生み出し、路面と道路の空間を賑わいの空間にしていくという試みであります。
この区間につきましては、夜の飲食店が増えた場所でありますので、これからは昼間の賑わいを生み出していきたいという中で、地元新伊勢町の町会と商興会の皆さんから要望を受けて、関係機関と協議を続けてきたところです。現在、松本市の中心市街地の再設計・再活性ということで、「ウォーカブルなまちづくり」、「歩いて楽しめるまちづくり」を検討会議でも大きなテーマの一つとして協議を行っていただいておりますが、そうした取り組みの先駆けとして、今月29日からスタートをさせていただきます。
私からは以上であります。
【記者】
特別職の人事案件についてお伺いします。5日に市長から市議会運営委員会に、市の教育長の伊佐治裕子さんを副市長に、県の教育次長の曽根原好彦さんを教育長に充てる人事案の提出を正式に示されましたが、改めてお二人の専任と任命の理由をお願いいたします。
【市長】
昨日の議会でも答弁をいたしましたが、副市長の選任と教育長の任命という人事案件につきましては、議会の同意を得ることが必要でありますので、議会でこれまで説明をしたこと以上に、今日この場で申しあげることは差し控えます。17日に議会の同意を得るための審議が行われますので、詳細についてはそこで申し述べたいと思っております。
その上で、議会で説明させていただいたことを繰り返すことになりますが、私が2020年に就任をして、その10月から副市長2人体制がスタートしました。これには、コロナ禍という未曾有の危機に対処しながら、市役所がこれまで十分に取り組んでこなかった政策分野に挑戦する布陣を整えるという目的がございました。その中で、2人目の副市長として選任した宮之本副市長は、取り組みが遅れていたデジタル化の推進、路線バスの公設民営体制の確立、ゼロカーボン社会の実現という3つの新たな政策分野において、道なき道を切り開く役割を果たしてくれたと考えております。そして今回の副市長の人事は、新年度から人口定常化の鍵を握る「女性と若者に選ばれるまち」の実現に向けて、子ども、教育、文化観光、住民自治といった分野の政策の推進により力を入れていき、さらにはジェンダーバランスや働き方改革を推進していくことを念頭に置いた人事に置き換え、お示しさせていただきました。
【記者】
先日の議会でご説明いただいた以上は、この場では申しあげることはできないということは分かりました。その上で、市長がおっしゃられたように、議会の同意が前提ではありますが、これで議会の同意を得ることができれば女性副市長の公約を果たすことになると思います。気になるのは、宮之本副市長が再任されて半年しか務めていない点でして、市のDX、あるいはデジタル化はまだ道半ばだと思うのですが、この点をどのように受け止めておりますでしょうか。
【市長】
デジタル化、DXにつきましては、ゼロカーボンに関する施策とともに公民学連携の取り組みを通じて一定の軌道に乗せることができており、さらには庁内で精通した職員が着実に育ってきているということで、この点についてお答えすることはないと考えております。なお、詳細については改めて説明させていただきますが、議会に対して議案質疑なども予定されておりますので、そこで申し述べたいと思っております。
【記者】
今後の議会で説明するということで、お答えしていただけないかもしれませんが、今の件に関連して、宮之本副市長が再任されて半年というタイミングは、やはり期間としてあまりにも短いのではないかという意見が議会の中でも出ております。女性副市長が入るタイミングは読めなかったとは思うのですが、再任期間が短いという意見に関しては、9月に議会が同意して再任となっておりますので、その同意の重さをどう考えているのかというような意見もあります。そちらに関してはどのようにお考えでしょうか。
【市長】
そのことについても、おそらく17日にご質問があるのではないかと思っております。詳細については、そこで議会の皆さんに対して説明をさせていただき、議会の同意を得ることに努めてまいりたいと思っております。
【記者】
今日の総務委員協議会で、職員の自転車による酒気帯び運転と、5月に交通事故があった関係で懲戒処分が出たという報告がありましたが、それに関連して中野副市長から全職員に綱紀粛正の通達が出たと伺いました。飲酒した後に自転車に乗っていたところ、職務質問を受けて検挙されたということですが、職員の方の交通事故や道路交通法違反に関する事案が続いていることに関して、市長からコメントをいただけますでしょうか。
【市長】
去年の5月、公用車で移動中に、信号や標識のない交差点で、安全を確認しながら進行すべき注意義務を怠り、相手方の車両と衝突をして過料14日間のけがを負わせた事案がありました。もう1件は去年の11月、深夜に自分の自転車を運転中に、酒気帯び運転として検挙されたということで、この2件のことだと理解をしております。いずれも、道路交通法の違反並びに相手にけがを負わせる事故を起こしたということで、極めて遺憾な事案だと受け止めております。今回、中野副市長から指示を出したように、交通の安全は自らを律することが第一でありますが、これまで以上に組織としても、その意識をより強く持っていかなければならないと思っております。
とりわけ、自転車の酒気帯び運転につきましては言うまでもありませんが、道路交通法上の車両に位置づけられている自転車を、酒気帯び運転することは違法行為であると当然認識していなければなりませんので、こうしたことが二度とないように、職員には勤めて指示を徹底してまいりたいと思っております。
【記者】
今日開催された「松本若者ブレスト」についてお伺いいたします。第1回ということで市長の手応えや、どんな感想をお持ちになられたのかお聞かせください。
【市長】
今日は、信州大学の学生の皆さんとのニュースポーツの普及についての意見交換と、要望を受けての懇談でありました。非常に目的のはっきりした取り組みをされていましたので、私も具体的に市として何ができるかということを、率直に意見交換できたと思っております。
この4月から組織改正で若者参画課という部署を立ち上げますが、学生をはじめとした若い世代の人たちと、行政あるいは政治の距離を縮めていくことは、このまちに大勢の若い世代の人たちが住み続ける、働き続ける、家庭を築くという点で非常に意味があります。また、今までそこが足りなかったとも考えていますので、「松本若者ブレスト」はそうしたことを克服していくための小さな試みではありますが、積み重ねていきたいと考えております。そして、今日も申しあげましたが、要望をいただくことが、行政として壁になっているものを取り除いたり、行政が必要な橋渡し役をやったり、そうしたサポートを充実させていくことと併せて、若い世代の人たちに活動の主体となってもうために必要なことだと考えております。そして、その地域や年配の方と同じサークルの主人公になっていただくことにつなげていけることが、今回の取り組みの一番重要なポイントだと今日の懇談を通じて感じたところです。
【記者】
あがたの森の南側園路の街灯設置の件についてお伺いいたします。以前、この件で取材させていただいたのですが、そのときに改善策として街灯の設置だけでなく、樹木の間引も検討材料に上がっていると担当課にお聞きしました。今回は、樹木の間引きではなく街灯の設置をされたということで、どのような判断で設置することになったのか教えてください。
【市長】
この件が私のところに上がってきたときには、対策として街灯の設置をすることになっておりました。樹木の話を比較考量することは私のレベルではしておりませんので、現場の判断だと思います。樹木を伐採するとマイナスの影響もあると思いますので、目的である夕暮れから夜間にかけての通行の安全を確保することが、照明の設置で達することができれば十分ではないかと思っております。3月に工事を完了して、実際に運用が始まりその結果を見てから、今ご指摘の点を検討する必要があるかどうかということではないかと思っております。
【記者】
先月末にパルコが閉店して、閉店時には1500人ほどが集まりましたが、まちが変わっていくという思いを抱いた方もたくさんいると思います。その中で、先ほどご説明のあった先行的な歩行者天国という取り組みも始まっており、改めてまちづくりをどのように進めていくのかお伺いします。
【市長】
先週の金曜日のパルコの閉店にあたりましては、およそ1500人の方がお集まりになり、40年間のパルコの思い出をかみしめながら閉店のときを過ごされたということで、皆さんのパルコに対する思いの大きさや、幅広い年代の方がそれぞれに感じていることがたくさんあると、私も現場に居て思ったところであります。そのパルコという大きな灯が一旦消えて、少なからぬ影響が松本市の中心市街地にも起きるわけでありますが、一方でパルコの後利用についても、長期にわたって何も動かない状態ではない流れになっております。今回のパルコの閉店にあたってさまざまな人が、周辺のまちづくりについての取り組みに思いを巡らしたと思いますので、後利用が正式に決まったときに、地元の伊勢町や本町の方をはじめとしたさまざまな皆さんの今までの取り組みが、この後のポストパルコにも生かされるような展開を期待しております。
そして、松本駅から松本城までの中心市街地、中核エリアには、我々が行うさまざまな公共投資と、今ちょうど入れ替わりが進む民間の施設や資本の動きが連動して相乗効果を生み出す形で、まちづくりが進められることが必要だと考えております。今月中に、市街地再設計検討会議からの提言をいただく予定ですので、それを踏まえて、公共投資と民間投資が歩調を合わせて積極的な公民連携のまちづくりを進めていけるように、市民の皆さんとともにさまざまな知恵を出し合い、取り組みを活性化していきたいと思っております。
【記者】
パルコの後利用の話が出ましたが、前回の会見のときに市長から、詰めの調整をする段階だと認識しているというお話がありました。その後、東京のコンサルタント会社が、劇場型のショッピングセンターを考えているという報道もありましたが、それについて市長はどのように捉えていますでしょうか。
【市長】
前回申しあげた段階以上の情報は、今のところ私は把握しておりません。
【記者】
宿泊税の導入の関係でお伺いします。昨日、松本市が設置した検討委員会から取りまとめた提言書が提出されて、定額制で1泊150円を負担して、最初の3年間は100円という方針が示されました。9月の市議会で、市長から条例案を提出するお考えもあるとのことですので、改めて宿泊税に関する今後の流れと、観光面に関して新たな財源を宿泊税から生み出すことに対しての、市としてのお考えを聞かせていただけますでしょうか。
【市長】
松本市として宿泊税を検討するプロセスを簡単に振り返りますと、松本市の観光コンベンション協会から宿泊税の導入の必要性についての提言、要望をお受けして、それを踏まえて有識者を含めた委員会で、独自課税の必要性を検討していこうということがほぼ1年前のことでございました。そして、それと歩調を合わせるように、長野県も観光振興税、あるいは宿泊税の検討をしているということで、これが並行して進む形になりました。
松本市は国際文化観光都市を標榜しておりますので、文化観光産業が持続的に発展していくための事業を継続的に展開するためには、やはり新たな財源の確保が必要だと考えております。そして、長野県の宿泊税と歩調を合わせながら、一方で独自に自分たちの財源を手に入れて、必要とする施策に振り分けられる独自課税も実現すべきだということで検討を進めてきておりまして、委員会でもその方針で今回提言をいただくことができました。定額制というのも、基本的には長野県と歩調を合わせるという前提の中で、納税義務者である宿泊客の皆さん、あるいは特別徴収義務者である宿泊事業者の皆さんにとって分かりやすく煩雑な手続きにならないように、定額制で一律300円という提言案となりました。
長野県側の宿泊税については、3年間は暫定的に300円を200円にすることになりましたので、独自課税の部分も150円を100円にし、3分の2にするという提言となっております。松本市としてはこの提言を最大限尊重して、来年6月の県のスタートと歩調を合わせて導入を目指していきたいと思っております。ただ、導入に向けては、今回の検討委員会の提言の中にもありますように、より丁寧に宿泊事業者の皆さんに説明をして、ご意見をいろいろな部分で出していただき、最終的に松本市としての方針を取りまとめるよう求められております。従って、速やかにそうした取り組みを文化観光部に行ってもらい、来月、4月中には松本市としての最終的な案を固めたいと思っております。その後、パブリックコメントなどの手続きを踏んだ上で、今の我々の腹積もりとしては、9月の市議会に条例案を提出したいと考えております。
【記者】
速やかに宿泊事業者の皆さんに説明をというのは、4月に方針を固める前のこの1カ月の間にということでしょうか。
【市長】
そうです。これまでも検討委員の皆さんと事務局側で、宿泊事業者の皆さんの意見聴取をしながら進んできてはおりますが、最終的に委員会の提言案が先ほど説明したような内容になりましたので、改めてそのプロセスを丁寧に踏んでいくということであります。
【記者】
先ほどパルコの後利用についてお話がありましたが、この後利用について、市として今後の期待感などありましたらお願いします。
【市長】
一番は、パルコの閉店から正式に次の営業の形が決まって、実際に営業が再開されるまでの期間があまり長くならないことが、地元の商店街や周りの皆さんにとって影響が少なくとどまるということでありますので、まずはそのような方向で物事が進んでいくことを期待しております。
もともとパルコという商業施設は、ファッションはもちろん、もう少し広い意味でカルチャーというものを、若者中心に松本の場所に根付かせた存在だったと思います。今後も、パルコが40年間積み重ねて存在感を発揮された若者向けのカルチャーや、そのブランドを何らかの形で引き継ぐことができれば、それは望ましいことだと思います。しかし、あくまでそれは民間の事業者の皆さんの中で決めていくことだと思っておりますので、それをしっかりと見守っていきたいと考えております。
【秘書広報室】
以上をもちまして、市長定例記者会見を終了します。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。