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令和6年10月8日 市長定例記者会見
【資料1 松本市文化芸術表彰受賞者決まる 11月3日市民芸術館で表彰式典】
【市長】
私からは2件報告いたします。まず毎年11月3日、文化の日に表彰式典を行っている、松本市文化芸術表彰の受賞者を発表いたします。大賞は松本市ゆかりの俳人、小澤實さんに決定いたしました。小澤さんは、信州の山々を詠んだ句も収められている、ご自身が主催する句会をタイトルとした句集「澤」で、第58回蛇笏賞を受賞されました。俳句界の芥川賞といわれている蛇笏賞は、俳句界の業績を称える最も権威のある賞とされております。11月3日の式典当日には句集「澤」からご本人が選んだ10句を解説していただき、小澤さんの俳句の世界を来場された方と共に堪能したいと思っております。
若手に与えられる奨励賞につきましては、空間デザイナーの金井亮さんに決定いたしました。松本市出身で、現在は里山辺にRaS DESIGN OFFICEを構えて仕事をされております。博報堂テクノロジーズのオフィスをデザインし、世界三大デザイン賞の一つとされている「iFデザインアワード2024」で最優秀デザインとして金賞を受賞されました。もう一つの功労賞につきましては、サーカスアーティストの金井ケイスケさんに決定いたしました。金井さんは現在松本市在住で、「空中キャバレー」に出演をされた他、東京2020パラリンピックの開会式でサーカスの振付を担当されております。
11月3日の表彰式典は、松本市民芸術館小ホールで開催させていただきます。明日から観覧の申し込みを開始いたしますので、大勢の市民の皆さんに会場へ足を運んでいただき、3人の受賞者をお祝いしたいと思っております。
【資料2 「デジタルシティ松本推進企業認定制度」創設2年目 今回新たに24社を認定】
【市長】
もう一点は、昨年からスタートした「デジタルシティ松本推進企業認定制度」についての報告でございます。こちらは松本市で積極的にDX・デジタル化を進めている企業を認定することで、地域が一体となってデジタル化に取り組む文化を醸成していこうという目的で制定をいたしました。三つ星から一つ星の3つのランクで松本市内に本店、支店、工場などがある会社や、団体、個人事業主などを表彰しております。第1回の昨年は合わせて16社を認定いたしました。認定を受けますと資料2の左側にある認定ロゴマークを使用していただき、市のホームページや市役所の行政情報モニターで取り組みを紹介する他、市が表彰を行うという制度であります。
今年は新たに24社と、一つ星から二つ星にランクアップした2社を合わせて、26社を認定しております。一番上のランクの三つ星につきましては、中冷倉庫株式会社、有限会社ラ・フェンネル、日穀製粉株式会社松本工場、有限会社ファニーズ、シナノカメラ工業株式会社の5社を認定しております。その上でこの24社とランクアップ2社の中から、最優秀賞、まつもとRe-DesignHub特別賞、デジベース松本奨励賞を受賞した3つの企業を表彰いたします。
【資料3 「デジタルシティ松本推進企業認定制度」創設2年目 今回新たに24社を認定】
【市長】
最優秀賞につきましては、三つ星の日穀製粉株式会社松本工場が受賞いたしました。日穀製粉株式会社は、貯蔵庫の中がどのような在庫状況かリアルタイムで計測できるレーダー計測機の導入をされました。資料3の左側に2つ並んでいる、左側の画像の上の黒い部分がレーダー計測器であります。これまではそれぞれの貯蔵庫に社員が足を運んで在庫データを確認していましたが、このレーダー計測器の導入によってパソコン上で全ての在庫データを把握できるようになり、1時間かかっていた在庫確認が即時にできるようになったということでございます。その他、工程内へタブレットを導入し、日報の入力や機械の操作に利用するといったことや、デジタルツールを最大限利用できるように、IT教育にも積極的に取り組まれているということが評価のポイントとなっております。
まつもとRe-DesignHub特別賞につきましては、二つ星の企業の中から株式外社北産業が選ばれております。さらにデジベース松本奨励賞につきましても、二つ星の企業から株式会社テヅカが選ばれております。表彰企業につきましては、10月18日に情報創造館で開催いたします「デジタルシティ松本フォーラム」の中で、各社の事例や松本市の取り組みを紹介しながら、表彰させていただくこととしております。
私からは以上であります。
【記者】
「デジタルシティ松本推進企業認定制度」についてお伺いします。新たに認定された企業が24社ということで、昨年の16社に比べるとかなり増えていますが、どのような要因で増えたのでしょうか。
【市長】
一つは全体として、我々も主導して進めてきた社会のデジタル化という取り組みの中で、松本市のいろいろな民間企業の皆さんにデジタル化による効率化や業務改善を進めていただく認識が、今年は昨年よりも進んでいることの表れではないかと捉えております。同時に認定制度につきましても、先ほど紹介させていただきましたが、ロゴマークの使用や、市のホームページなどでの紹介を通じて、企業の皆さんへの認知が進んでいることが上げられると思います。基本的にこの制度は、申請をしていただくことになっておりますので、自ら手を挙げていただくことがスタートになる認定制度でございます。
【記者】
4つ挙げられているメリットは昨年と同じ数ですが、創設から回を重ねることで、今後いろいろなメリットを増やしていこうという考えはあるのでしょうか。
【市長】
先ほどご指摘もありましたように、今年は認定企業を去年よりも増やしていますので、現時点では直ちに増やすことは考えておりません。一番の目的はこうした企業の表彰や紹介を通じて他の松本市内の企業に、こういう取り組みをすれば自分たちの企業活動にもプラスの影響が出てくるということを知っていただき、取り組んでいただくことであります。
認定されることのメリットももちろんですが、認定制度を通じて松本市内の企業に情報の共有をしてもらうことが一番大きな狙いでありますので、今日は一つの企業の取り組みを紹介させていただきましたが、どのような取り組みを行い、どのような成果が出ているのかを広く周知していくことが重要ではないかと考えております。
【記者】
そうした中で2社ランクアップということですが、こちらはどのような要件を満たすとランクが上がるのでしょうか。
【市長】
具体的な要件がどのようなものかは、担当の職員から説明してもらいます。
【DX推進本部次長】
この認定制度は50項目の自己評価がございます。その中で今回の2社は、それぞれの企業が自己評価と取り組みを昨年よりも向上させていただいたことが、まず一つあるかなといったところです。特に株式会社北産業は、ウェブでテレビ会議の設備を入れて充実させるなどの取り組みが評価されております。
【記者】
文化芸術表彰の件でお伺いします。大賞の小澤實さんは長野市の出身ということですが、松本市とのゆかりは具体的にどのようなものがありますでしょうか。
【市長】
文化振興課長どうでしょうか。
【文化振興課長】
松本深志高校を出られ、信州大学人文学部を卒業して、一時期を松本で過ごされております。
【市長】
お生まれは長野市ですが、学生時代を松本市で暮らされたということです。
【記者】
だから松本市としても表彰するということでしょうか。
【市長】
そうです。
【記者】
今日の会見の内容とは異なりますが、文化振興課長もいらっしゃるのでまつもと市民芸術館の取材の対応について、市長に申し入れたいことがあります。
先週末の5日と6日に、芸術監督団長の木ノ下裕一さん主催の木ノ下歌舞伎の公演が芸術館でありました。弊社の記者が5日に取材ができるかを確認したところ、急には無理だということで断られました。確かに事前に取材の申請や相談をしなかったことにこちらの落ち度があると反省しているのですが、翌日の取材が可能かと相談したところそれも無理だと断られまして、制作側に撮影許可を取っていないのでどの報道機関も入れないということでした。
その一方で、その前の週に公演のあった歌舞伎ナビについては、事前のものについては公演前に取材の案内や、芸術館側からの取材依頼もあったのですが、当日の公演については特に報道機関向けの案内がなかったのも事実でした。
また、これも少しさかのぼりますが、6月にあった同じく芸術監督団の倉田翠さんの初めてのダンス公演も事前に取材の相談をしたのですが、当日メディアを入れることは想定してないという理由で断られたことがありました。
今年芸術監督に就任したばかりですが、芸術監督団の3人が目指している「開いていく芸術館」という方向性とは少し違うのではないかと感じておりまして、オープンな芸術館にしていこうという意思が感じられないところがあります。芸能的なところで難しい面もあるのかもしれませんが、例えば速やかに提供写真をいただくとか、ゲネプロの取材をさせていただくなどの方法もあるのではないかと思いますので、ご検討を願いたいところであります。
【市長】
今のご質問で答えられる部分がありましたら、文化振興課長お願いします。
【文化振興課長】
芸術文化振興財団の方で許可を出していると思うので、現在お答えできることはありませんが、こちらで事実を確認させていただいて、改善できる点は改善するように進めていけたらと思います。
【市長】
それに加えてお答えさせていただきます。松本市が直接メディア対応の許可を与える立場にないことは前提となるのですが、ご質問にありましたように大きな意味で言えば、今の芸術監督団が目指している公演のやり方や、市民あるいは大勢の方々に芸術を堪能していただくという方向性からすれば、それをマスメディアの報道を通じてより広めていくことは芸術監督団の皆さんとも共有できるものではないかと推察いたします。一方で芸術公演を実際に見ていただくために、取材の一定の制限をするという意識も制作に当たられた方々の中にはあるかもしれませんので、そのあたりを今日いただいた要望を改めて伝えながら、いい方向に持っていきたいと思っております。
その上で申しあげると、私も木ノ下歌舞伎の「三人吉三廓初買」を拝見しましたが、公演は5時間にわたる長丁場で、まだいろいろな意味で知名度が低く、有名な俳優が出ているというわけではありませんでしたので、ホールが満員になるほどの状況ではありませんでした。ただ、私もそう思いましたが、見に行かれた方は非常に満足度とクオリティの高い、歌舞伎という伝統芸能と現代の視点を複眼的に音楽も交えて表現する木ノ下歌舞伎の大きな魅力を感じる公演で、よりマスメディアの報道なども通じて、大勢の方々に知っていただきたいという気持ちも持っておりましたので、先ほどご説明したような形でどのような対応を取れるか考えていきたいと思います。
【記者】
今日の会見の内容ではないのですが、投票率の向上に向けてお伺いします。先日、高校生と大学生が期日前投票の場所を増やしてほしいという要望書の提出をしたことや、今日、市民団体が公開討論会を開くとのことですが、市として投票率向上に向けてどのような取り組みをされるのか教えてください。
【市長】
松本市が投票の環境の向上で今回できることで、前回からの上積みは基本的にありません。やはり急な解散総選挙だということもありますので、これまでと同じ取り組みをしていくことになります。今回の選挙は解散に至るプロセスが、自民党の裏金問題に端を発して、新しい政権の下で解散になるということですので、投票環境の向上はもちろんですが、報道を通じて若い世代から年配の方々まで、今の日本やこれからの日本の行く末を考えていただくには、極めて興味・関心を持っていただける状況での選挙ではないかなと感じております。ぜひマスメディアの報道も通じて、今回の選挙で一体自分は何を問いたいのかということを、市民一人一人胸に問うて投票に足を運んでいただきたいと思います。
【記者】
先日、姉妹都市ソルトレークシティからエリン・メンデンホール市長が訪問されて、清水中学校で講演されましたが大変いい講演だったと思います。市長、間近で聴かれていてどのような感想をお持ちだったのか教えてください。
【市長】
やはり素晴らしいスピーチだったと思います。去年の夏に、私がソルトレークシティを訪れたときにメンデホール市長とは初めてお会いをして、公式・非公式に意見交換をさせていただきました。そしてこの秋に訪問していただく際に、ぜひ日本の若い世代に直接メッセージを送ってほしいということを私の方からお願いをして、清水中学校での講演を行いました。
ご自身も40代前半の女性市長ということと、かつてはモルモン教の総本山で宗教都市であったソルトレークシティが、今や第2のシリコンバレーと言われるようなダイバーシティを重視する都市になり、ジェンダー平等や性自認の問題の面でもアメリカの中でも極めてリベラルな町になっているということで、メンデホール市長のメッセージをぜひ松本市の中学生、高校生に届けたいという思いで、講演をセッティングさせていただきました。
まず、ご自身が何の社会問題に興味を持っているかということと、個人のエピソードとして、自分のお子さんを今のような環境の下で育てていけるのかということから政治活動に入られて、かつては女性進出が非常に狭かった道で議員を始められて市長になり、自分が中学生の頃には想像もしなかったような立場で仕事をしていることを率直に語っていただき、中学生に対して自分たちの気づきや可能性を最大限肯定的に受け止めて、チャレンジをしてほしいというメッセージを送っていただきました。
講演が終わった後、中学生は昼休みに入る直前でしたが、メンデンホール市長にまだ質問があるということで、英語で質問をするなどして親交を深めていましたので、もちろん限られた人たちではありましたが、これから松本市が目指す街の姿の一端を示してくれたのではないかなと思っております。
【秘書広報室】
以上をもちまして、市長定例記者会見を終了します。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。