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令和6年9月13日 市長定例記者会見
【資料1 「松本城三の丸エリアビジョン」策定3年目 これまでの取組みを振り返り 次の一歩へ】
【市長】
私から2点報告いたします。1点目は、策定から3年目を迎えております松本城三の丸エリアビジョンの取り組みについてであります。今月(9月)22日の日曜日に、松本城三の丸エリアビジョンの3年に及ぶ取り組みを振り返るイベントを開催いたします。場所は、まつもと市民芸術館3階のオープンスタジオで、第1部が三の丸エリアプラットフォームの取組紹介、第2部がトークセッションを予定しております。
【資料2 「松本城三の丸エリアビジョン」強化月間9~11月 三の丸トライアルMONTHをスタート】
【市長】
松本城三の丸エリアプラットフォームは、松本城周辺に10の界隈を設けまして、そこで公民連携のさまざまな取り組みを行ってきております。今年度は、新たに1団体が加入をし、10のうち7つの界隈で7つのプロジェクトが社会実験を行っております。今月から11月にかけては、強化月間「三の丸トライアルMONTH」と題して、取り組みを集中的に行うことになっております。
【資料3 「松本城三の丸エリアビジョン」強化月間9~11月 三の丸トライアルMONTHをスタート「みどり食堂」】
【市長】
7つのうち2つほど紹介をさせていただきますと、上土・緑町界隈におきましては、「街のフードコート」をコンセプトに、緑町の名店が集まる「みどり食堂」を昨年から実施しておりますが、今月21日の午後3時半から午後7時にかけて開催いたします。こちら(資料3)のように、今は小川の周りに木々が生えている辰巳の御庭にウッドデッキ、日除けなどを常設し社会実験を行っていますが、今月21日、そして来月の27日には「みどり食堂」ということで、周辺の15店舗の皆さんが料理や飲み物を辰巳の御庭にデリバリーいたします。
【資料4 「松本城三の丸エリアビジョン」強化月間9~11月 三の丸トライアルMONTHをスタート「トランジットモール」】
【市長】
もう1つは、松本城と旧開智学校をつなぐエリアであります鷹匠町・北馬場界隈に「タカノバ」という新たな地域拠点と、松本神社の間を路線バスのみ通行可能とする歩行者天国「トランジットモール」を9月21日午前11時から午後7時まで実施いたします。アウトドア・防災フェアの実施を予定しており、11月9日の旧開智学校のリニューアルオープンにも合わせた企画を検討しています。
【資料5 松本ローズカップ2024開催 高校女子硬式野球リーグNo.1決定戦】
【市長】
もう一点は、今月28、29日に信州グリーンローズスタジアム四賀で開催されます松本ローズカップのお知らせであります。昨年から開催をして2回目となりますが、高校女子硬式野球の全国7つのリーグの代表チームが松本に一堂に会して、リーグナンバーワンを決める大会であります。ここ5年ほどで女子野球の競技人口が2倍になっていることもあって、全国高校野球の春の選抜、夏の選手権の有力校に今回も参加をしてもらうことになりました。中でも兵庫県の神戸弘陵学園高等学校は春の選抜、夏の選手権ともに優勝をし、昨年に続いての2連覇が今回の大会の大きな注目点になります。地元の松本国際高等学校のほか、春夏の全国大会でベスト8に進出しました佐久長聖高等学校も参加することになっております。
【資料6 松本ローズカップ2024開催 試合速報、四賀地区応援団、優勝旗、コラボ商品】
【市長】
この試合の速報は、大会公式インスタグラムで発信をするとともに、29日の決勝戦につきましては、テレビ松本で生中継、YouTubeでも生配信をいたします。また昨年も四賀地区の地元の皆さんが、各チームの応援団となって大会を盛り上げていただきました。豚汁の振る舞いなど、地域と一体となった大会ということで、今年も盛り上げていただくことになっております。地元の会田共同養鶏組合の卵を使ったコラボ商品も今企画をしているところです。また昨年、横浜DeNAベイスターズの牧選手などから優勝旗を寄贈していただきまして、優勝チームにはこの優勝旗を渡させていただくことになっております。
私からは以上であります。
【記者】
今日いただいている話題とは別件ですが、副市長人事案件について伺います。11日の市議会の議会運営委員会で、宮之本伸副市長の再任案が示されましたが、改めて再任の理由についてお伺いします。
【市長】
私が就任して半年後の2020年10月に、宮之本副市長には2人目の副市長として就任をしてもらいました。当時の最大のミッションは、松本市役所でほとんど手をつけて来られなかった行政のデジタル化、そして社会のデジタル化に向けた取り組みを加速してもらうことでありました。当時、菅内閣のもとでスーパーシティ構想の募集がありましたので、これに応募をしながら行政、社会のデジタル化を加速する、DXを推進することを第一に取り組んでもらい、さまざまな面で成果は出ており、今いろいろな自治体と比べてもDXの取り組みは、かなり上位の評価を得られるところまで来たと思っております。また脱炭素の取り組みにつきましても、重点戦略の1つに位置づけて、宮之本副市長に推進をしてもらいました。さらに路線バスの公設民営、そして観光コンベンション改革といった取り組みも今継続しておりますが、前に進めてもらったと思っております。市役所のこれまでの慣例や常識、また民間の違う目を市役所に取り入れて政策を推進するということで、この4年、私の右腕として仕事をしてもらったと思っております。引き続き役を担ってもらうことといたしました。
【記者】
3月の市長選では、女性副市長(起用)の公約を掲げておりますが、今回1つの選任のタイミングであったのかなと思います。宮之本副市長が再任ということですが、女性副市長の起用についてはどのようになっていますか。
【市長】
私の2期目の公約の1つが、副市長の1人に女性を起用するということであります。これは、私の4年の任期中に必ず実現するということで掲げた公約でありますし、これからの私の任期中に女性の副市長を起用する考えに変わりはありません。
【記者】
女性(副市長)の登用ということですが、なぜ女性にこだわるのでしょうか。
【市長】
一昨日の議会の一般質問でも出たかと思いますが、私のさまざまな重点政策の1つにジェンダーギャップの解消、ジェンダー平等の実現がございます。これは世界的に見ても日本が極めて遅れていて、男女の人権という観点でも、あるいは新たなイノベーションを生み出す多様性という観点でも、早く世界レベルにジェンダーギャップの解消が進むことが、私は極めて優先順位の高い政治課題だと思っております。そして国内に目を向けた際も、東京をはじめとした大都市圏と松本のような地方都市との間にはさらにギャップがあり、このギャップが人材を流出させています。女性と若者を中心とした人口減少局面にあっても、持続可能なまちづくりを進めていくためには、できるだけそれぞれの地に残って暮らしていく必要がありますが、このジェンダーギャップの問題で損なわれていることが私の大きな問題意識としてございます。それを是正、解消していくことを、まずは市役所が先頭に立って行おうということで、今までさまざまな制約から頭を抑えられる形になっていた女性職員の登用を短期間に進めるために、管理職比率の30%を女性にする取り組みを進めてきました。同じ文脈で、今松本市には2人の副市長がおりますが、2人のうち1人が女性であることで、職員の中での意思決定に男女が同じように関わっていきます。そして男女ほぼ同じ比率の市民がいらっしゃる中で、より望ましい市民サービスの提供を実現することが目的であります。この段階を過ぎた先、ギャップが相当程度解消してくれば、男性、女性にこだわらず登用できるかなと思いますが、現段階ではアファーマティブ・アクションを積極的に進めていくことが必要であり、副市長についても私はそう考えて今目指しているところであります。
【記者】
地方自治法では副市長の任期が4年であり、さらに首長は任期中に解職できる規定になっています。通常、副市長の任期である4年お勤めになる方が多いと思いますが、市長の任期中の実現を目指すということは、今回、中野副市長が4月からお勤めになり、10月から宮之本副市長となると、市長の任期は3月から4年ですので、宮之本副市長または中野副市長が途中でお辞めになることも想定されているのでしょうか。
【市長】
人事に関することでありますが、今のご指摘も含めていろいろな選択肢、形があると思っております。
【記者】
女性副市長の件でもう少しお聞きします。宮之本副市長はDXの専門家ということで、その時にあったスーパーシティ構想を専任で進めるために登用されたと思います。今の市長のお話のとおり、ジェンダーギャップの解消はとても重要だと思いますし、地方では都会よりもそれが激しくて、若い女性がなかなか帰ってこないことは事実ですので、そういう意味で女性が意思決定の場に入ることはそれだけで意味があると思います。宮之本副市長のような専門性、例えばジェンダーギャップの解消に関して専門的な知識や経験を持っている女性を登用したいというお考えでしょうか。
【市長】
おそらく今のご質問でいうと、女性を登用すること自体がある意味ジェンダーギャップの解消につながると私自身は思っております。そして男性、女性に関わらずですが、当然その話だけで誰に副市長になってもらおうかと考えるわけではありません。3年半余りある任期の中で、より力を入れていこう、そしてそれに必要な人材だという観点で最終的には登用したいと思っております。
【記者】
宮之本副市長が民間でDXに携わって来られたように、民間で専門的な分野に明るい女性を登用するというよりは、女性を入れることによって、ジェンダーギャップの解消になるという意味合いの方が強いということでしょうか。
【市長】
まず1つはそういうことを申しあげました。そしてもう1つは、男性であろうが女性であろうが、その人材がこれまでの経験や今持っている知見でこういう分野に明るいな、力があるな、自分がこれから力を入れてく右腕としてふさわしいな、ということも合わせてあると思っておりますので、幅広い選択肢の中から検討、決定していきたいと思っております。
【記者】
今の時点で、何か特定の分野に明るい人という想定はないのでしょうか。
【市長】
念頭にはありますが、ここで申しあげるのは控えたいと思います。
【記者】
先日の市議会における松本パルコの後利用について、現在新たな形で商業施設になる計画が進んでいると答弁されました。民間同士の取引がなされている中、市長が議会でそういった経緯を説明した理由はどんなところにあるのでしょうか。
【市長】
一番の理由は、阿部議員からの一般質問でこのことが取り上げられたことであります。すでに阿部議員も触れておられましたが、周辺の皆さんの中に真偽がいろいろ入り混じっていたようであります。情報が流れて、それが議会といった公の場で取り上げられ質問がある中で、我々としてどこまで情報を把握していて、そしてどこまで今お伝えできるのかということを関係者と調整し、先日のような答弁をさせていただきました。
【記者】
真偽の情報が市民の中に流れているのは分かりますが、まさに民間同士の取引がなされている中でグレーな情報といいますか、一部の情報だけが出てくると、さらにいろいろな噂や情報が行き交う状況にもなりかねないと思います。それについてはどうお考えでしょうか。
【市長】
今のご質問の意味が若干分かりかねますが、この前も説明したように私たちはパルコ側と情報共有をしておりました。そして、その相手方の企業とも同じように情報共有をし、先ほど説明したように現段階でどこまでの進捗があって、そしてそれがお互いにマイナスのことがないかを双方と確認した上で、事実だけを伝えさせていただきました。変な憶測が出ないようにするために、あえて私は何も触れないよりは伝えることに意味があると思いました。
【記者】
新たな商業施設ができるという話が進んでいる中で、例えば商業施設の中に以前お話があったような市がテナントとして入ることは考えられるのでしょうか。
【市長】
今の質問で(新たな商業施設が)できるとの言葉の使い方をされましたが、できると決まっていないということは繰り返し申しあげております。正式に決まったことはないと、議会でもそのように表現をさせていただきました。そして今、民間と民間で商業施設の検討をされていて、我々に対してそのような要請はございません。
【記者】
パルコは来年2月末で閉店をしますが、今の民間対民間の交渉は来年の2月末までにまとまるものなのか、それとも3月、4月、5月と2月以降になる可能性もあるのでしょうか。
【市長】
先日の議会答弁をお聞きいただきましたか。そうであれば全くの繰り返しになりますが、現段階で私が申しあげられることは、パルコの関係者からは後利用の検討を進めていたところ、現在の建物を活用して複合商業施設を運営する提案を受け、前向きに検討しているという情報を共有させていただきました。その上で先日、提案をされている企業の代表と私自身がお会いする機会があって、新たな賑わいと楽しさを生み出せる施設を作りたいという話を伺いました。これはあくまで民間企業同士の経営交渉に関することであります。地権者をはじめ、さまざまな関係者がいる中で、詳細を申しあげる立場にはございませんと申しあげました。そして現時点では調整中の事案であり、正式に決まっていることはないということですが、パルコからはできるだけ早期に一定の結論を出せるよう調整を進めているとお聞きしております。ということでありまして、それ以上でも以下でもありません。
【記者】
2月より前になるのか後になるか明言できるような状態ではないということですか。
【市長】
我々が決めることではありません。
【記者】
昨日、自民党総裁選が告示され、最多の9人が立候補しました。もともと岸田政権が政治と金の派閥裏金問題で退陣せざるを得ない中で、政治と金の問題の透明化や経済対策、あるいは地方政策などいろいろな論戦が考えられますが、市長の期待する論戦があれば教えてください。
【市長】
自民党の総裁選挙と立憲民主党の代表選挙が同じタイミングで行われていて、自民党総裁選挙で立候補されている方々の言動からすれば、新しい総裁が決まればできるだけ早期に衆議院を解散し、信を問う総選挙が行われる展開になると思っております。10月から11月にかけて衆議院選挙が行われ、私も含め国民が1票を投じ新しい総理大臣を選ぶタイミングが、この秋に来る可能性が極めて高くなっていると思っております。ですので、さまざまな難局また転換の時でもある日本の舵取り役に誰がふさわしいのかを自民党総裁選、立憲民主党の代表選を通じて、できるだけ国民にさまざまな情報が伝えられ、衆議院選挙で私たちが1票を投じることに資する総裁選、代表選になることを期待したいと思います。1つ市長という立場から期待したいことは、大きな人口減少局面に入っている中で、東京一極集中という明治以来の国の在り方がそのままでいいのか、それとも自律分散型の社会や東京だけに人・物・金が集まりすぎるような仕組みの是正が日本全体の成長、繁栄につながり、人口の偏在を是正することで極端な人口減少に歯止めをかけるのか、そうした方向性を私は期待したいところであり、どのような候補の皆さんが集権、分権について論戦を戦わせていただけるのかということには注目をしております。
【記者】
三の丸エリアビジョンについて、今年3年目ということで今回特に力を入れているところ、見どころ、楽しみ方を教えてください。
【市長】
7つの界隈でそれぞれ民間の皆さんが、まずは小さな催しを起こしながら、これを継続していこうとさまざまな取り組みが続いています。今年が3年目ということで、合わせて1000万円程度の補助金が提供されていますが、4年目以降はできるだけ自走をし、自分たちで資金面も含めて次のステージに入っていくことが当初の想定であります。そこまで全ていけるかというところで、今それぞれが取り組んでいます。少しずつですが、この女鳥羽川界隈や六九界隈では、今まで松本市内になかったにぎわいを生み出していたり、あるいは文化とにぎわいを結びつけた新しい試みがなされています。ぜひともこの7つの界隈で9月から11月に行われるイベントに市民の皆さん、あるいは県民の皆さん、一度足を運んでいただいて、その良さを堪能していただければと思っております。
【記者】
先ほどのパルコのお話で、市長の説明や見守るしかない立場というのもよく分かります。お話の中にあった新たなにぎわい施設を作るというところでいうと、今まで市長も動きになられた図書館の計画もありましたが、みんなが目指すべきところかなと思います。2月で閉店ということで、宇都宮パルコの跡地ではだいぶ苦戦されていたりとか、まちづくりには大きな影響を与えると思いますが、そういった点での市長の受け止め、言える範囲で今後の期待というのはいかがでしょうか。
【市長】
一昨年の2月にパルコの閉店が公表されたときに、一番は中心市街地を空洞化させてはいけないという思いでパルコ側とどのような形でそれを回避できるかを模索し、そして公民連携の複合型の施設をともに作る、松本市は一定のスペースを賃貸借するということで議会の皆さんとも協議を進めてきました。最終的にこれが白紙に戻り、やはり一番危惧するのは空洞化が長く続いてしまうことであります。ですので、先ほど申しあげたような形で、民間企業同士がまた異なる後利用を模索されていることは静かに見守りたいと思っております。今日の報道で、長野市でも東急関連の商業施設が閉店といった話もありました。いろいろな意味で曲がり角であることは間違いありません。従来のものが続くことだけがプラスだとは思っておりませんし、人や資本の入れ替えといったことは、プラスの方向に進んでいければ十分に市民の皆さんにとっての豊かさと幸せにつながると思っております。松本市としては、松本駅から伊勢町、本町も踏まえてお城までの中心市街地、中核エリアの再設計ということで取り組みをスタートしていますので、そうした民間企業同士の動きもしっかりとアンテナを張り、情報入手をしながら全体の再活性に向けた取り組みを進めていきたいと思っております。
【秘書広報室】
以上を持ちまして、市長定例記者会見を終了します。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。