本文
令和6年6月25日 市長定例記者会見
【資料1 6月29日から 山小屋として公益的役割を果たす 焼岳小屋 今シーズンの営業開始(1)】
【市長】
私からは2件ご報告します。
まず、焼岳についてです。現在、焼岳は山頂付近を震源とする火山性地震が増えていまして、今月(6月)7日以降は、気象庁が臨時の解説情報を継続して発表しています。この臨時の解説情報は、5つのレベルのうち、レベル1とレベル2の間の状況のときに出されるものです。火山活動が静穏な状況のレベル1から、火山周辺に影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想されるレベル2に移行するかしないという中間的な状況のときに出されるものです。レベル2に変更になりますと、火山周辺への入山が規制されます。
【資料2 6月29日から 山小屋として公益的役割を果たす 焼岳小屋 今シーズンの営業開始(2)】
6月7日以降、気象庁が臨時の解説情報を発表するということに伴い、松本市としては焼岳への登山を控えるよう呼びかけてきています。そうした中で、当初の予定では、今月(6月)18日に焼岳小屋の営業を開始することにしていましたが、臨時の解説情報を発表するという状態が続いていたこと、また、どのぐらいの方々が入山をしているのか把握をする必要があるという観点から、18日の営業開始は延期をしていました。そうした中で、初心者や外国人に人気があるこの焼岳には、この前の22日の土曜日には、午前中3時間でおよそ120名を超える方が入山されています。そして、焼岳小屋については、登山者への指導啓発や緊急時の登山者の受け入れといった公益的役割があることに鑑みまして、今後一層、夏山シーズンを前に登山者が増加することが見込まれることから、今週の29日から焼岳小屋の営業を開始することとしました。ただし、宿泊事業は行いません。そして、レベル2にならない限りは営業を継続しますが、レベル2になって入山規制ということになれば、焼岳小屋の営業も取りやめます。繰り返しになりますが、焼岳小屋の営業を開始するのは、公益的役割を果たすということが目的ですので、火山活動の活発化のリスクは、今ずっと臨時の解説情報を発表するレベルです。従いまして、一般の皆さんに対しましては、登山は控えてください、そして自己責任のもとに登山を行う際には、ヘルメットを着用するなど、十分な安全対策を取っていただくことをお願い申しあげます。
【資料3 海外姉妹都市の中高生とオンライン交流 6/28まで参加者募集(1)】
続きまして、昨年からスタートした海外の姉妹都市・友好都市とのオンライン交流についてお知らせします。コロナの時期、姉妹都市・友好都市と直接相互訪問をして交流することができなかった中で、昨年度から、若い世代の国際的視野を広げるということを目的に、オンライン交流を開始しました。1年目の昨年度は、アメリカのソルトレークシティ、そしてネパールのカトマンズ市の2つの都市とのオンライン交流を実施しました。2年目の今年は、スイスのグリンデルワルト村、中国の廊坊市の2つの都市の中高生と交流を行います。7月25日から3回に渡り事前学習を行った上で、8月の下旬にグリンデルワルト、廊坊の各都市についてのプレゼンテーションやフリートークを行います。定員は16名ですが、まだわずかに余裕があります。今週の28日まで参加者を募集していますので、ぜひ、中高校生の皆さんには応募していただければと思います。
【資料4 海外姉妹都市の中高生とオンライン交流 6/28まで参加者募集(2)】
ちなみに、昨年度は中学1年生から3年生合わせて17人に参加してもらいました。「海外の文化や食べ物など、知らなかったことを聞けて非常に興味を持った」「違う学校の同世代の人たちとコミュニケーションが取れて楽しかった」といった感想をいただいています。先ほどご紹介したように、今年は夏休みの時期に集中して日程を組みましたので、中学生だけでなく、高校生にも参加していただければと思っています。
今年は、海外姉妹都市との交流事業を2つ予定しています。アメリカのソルトレークシティは、昨年、姉妹都市提携65年で、私をはじめとした松本市の公式訪問団がソルトレークを訪れましたが、今年は10月の上旬に、メンデンホール氏をはじめとするソルトレークシティの公式訪問団が、松本を訪問する予定です。また、ネパール・カトマンズとは、姉妹都市提携35周年ということで、松本市から公式訪問団を派遣することになっています。11月前半の実施に向けて、8月から市民の訪問団員を募集させていただきます。
以上、私から2点報告させていただきました。
【記者】
焼岳小屋の営業開始の件でお伺いします。10日間の火山性地震の合計が大体70回から80回を前後していて、レベル2の引き上げというのは予断を許さない状態が続いているかと思います。今回宿泊事業を行わないというのは、市長がおっしゃっていた山小屋としての公益的役割を果たすという点で判断しているということですか。
【市長】
本来であれば宿泊事業も行うのが焼岳小屋の在り方ですが、先ほど申しあげましたように、臨時の解説情報を気象庁が発表するという段階で、登山を控えるように呼びかけているわけですので、そうした趣旨に鑑みて、宿泊事業については行わないということです。
【記者】
スタッフも常駐するかと思うのですが、宿泊に比べて人数が減るなどといったことはありますか。
【アルプスリゾート整備本部次長】
特にスタッフ数は減らしません。もともと2、3人という体制ですので変わりません。
【記者】
入山は控えてくださいとはいえ、予想される中での安全面の確保については、どのような対策を取りますか。
【市長】
先ほども申しあげましたが、まずこの状態の中で、やはりヘルメットをしっかり着用していただく必要があると思っています。あとは、我々の呼びかけは「控えてください」という中で登山をされますので、最終的にこれは自己の責任、自己の判断で安全を確保していただくということに尽きると思います。
【記者】
焼岳小屋は、老朽化で建て替え計画があって、噴石対策を施した施設にするという計画が資材高騰などもあって凍結のような状態になり、その後、宿泊営業の廃止も含めて建て替え計画を見直すことになっていたと認識していますが、その後の進捗はいかがでしょうか。
【市長】
まだ最終方針を決定するに至っておりません。庁内の議論としては、焼岳小屋については、シェルターへの移行ということが基本的な方向性ではないかとこれまで議論を続けてきていますが、関係者との調整、その他まだ最終決定には至っておりません。
【記者】
宿泊事業が再開されるのはいつになるのでしょうか。再開される基準はどこにあるのでしょうか。
【市長】
一つは、先ほどの繰り返しになりますが、今レベル1とレベル2の間の臨時の解説情報の状況ですので、臨時の解説情報が行われなくなる状況、レベル1の、火山活動が静穏であることが気象庁の方針として明確になる状況のときだと考えています。
【記者】
宿泊事業がないとなると、主な営業というのはどうなるのでしょうか。トイレの利用だとか、どういったことで利用できるのか教えてください。
【市長】
今おっしゃられたように、トイレの提供、飲料水の提供、何よりも登山者への指導・啓発、受け入れということでその場を開けておくということ、そこに管理者が常駐しているということが、営業の主たる中身になります。
【記者】
例えば緊急時に下山できなくなった場合に例外で泊めるということは、当然山小屋なのであるのでしょうか。
【記者】
2014年の御嶽山噴火以降、活火山法改正で、避難促進施設に焼岳小屋が指定されている中で、先ほど市長は、基本的な方向性としてシェルターへの移行を考えているということですが、早期に整備する必要性についてどのようにお考えですか。
【市長】
焼岳小屋を閉じてしまってシェルターも開設されないという状況が問題だと思っていますので、最終的な方針を決めるまでは焼岳小屋が営業していますし、そこからの移行を速やかに行うことが、一番重要なポイントではないかと考えています。
【記者】
今のところ、焼岳小屋は廃止してシェルターに置き換えるという方針ということでしょうか。
【市長】
相当老朽化も進んでいますので、シェルターにするとなれば、今の建物を壊してシェルターにするということです。
【記者】
その場合、宿泊事業は伴わないということですか。
【市長】
そうです。
【記者】
松本サリン事件の関係でお伺いします。6月27日で30年になるというのに併せて、改めて市長から、当時の事件についてどのように思われているのか、また、何を後世に残していくことが必要なのかお伺いしたいです。
【市長】
松本サリン事件は、大きく二つの側面があると思っています。一つは、反社会的な宗教団体によるテロ事件としての側面、そしてもう一つは、報道被害事件、冤罪未遂事件という側面の二つの側面から、松本サリン事件は市民の皆さんの記憶に深く刻まれていると思っています。この反社会的な宗教団体によるテロ事件という側面については、この30年間、まだ最終的にオウム真理教の後継団体が消滅したわけではありませんが、警察、市民社会のある意味統制のもとで、今活動が犯罪に結びつくような状況にはない状況だと認識しています。オウム真理教のような反社会的な宗教団体が、またいずれこの活動を活発化するようにならないようにということが、警察をはじめ私たち一人一人も常に心に留めておくということが、この30年を節目に改めて考えるべきことではないかと思います。
もう一点の報道被害事件、冤罪未遂事件につきましては、私も報道機関に在籍していました。当局発表を無批判に報道する、あるいは真偽の確認を十分せずに他社の報道に追従することは、マスメディアの性格上、恐らく今後も一定程度そのリスクをはらみながら報道がなされ、国民、市民としては、その報道を受け止めていくということだと思いますが、松本サリン事件における河野義行さんに対しての関わり方が極めて異常な形で行われたことは、これからも一人一人が胸に刻み続けなければならないことだと思っています。
【記者】
特に前半の部分に関して、地元自治体としてというところをお伺いします。今年、田町、新田町町会で、合同で献花台を設けるという話が動いています。今後、松本サリン事件を風化させないために市として何か考えていることはありますか。
【市長】
基本的には検討していません。地元の皆さんが30年の節目に献花台を設けるということを、報道を通じて耳にしましたが、そうした取り組みを尊重したいと思います。
【記者】
昨日(6月24日)の市議会議員協議会で新庁舎建設の話が出ました。令和2年策定の新庁舎建設基本計画の見直しが了承されましたが、今度は特別委員会に議論の場が戻るということで、4年を経てようやく議論が前進する感もあるのですが、市長の受け止めと今後の展望についてお聞かせください。
【市長】
私たちが掲げる「市民に身近な市役所づくり」に対しまして、大筋で了承いただいた、そして、そこに向けて一歩前に進むことができたと思っています。特別委員会では、それを具体化していく議論を議会の皆さんと着実に進めていくということが、市民の皆さんの要望に答え、また、単に市役所の建物の問題だけではなく、市民の皆さんへのサービスの在り方をより良い方向に持っていくことや、今、中心市街地をはじめとして大きく動こうとしているまちづくりにも連動させながら、松本をより良い方向に持っていくことにつなげなければいけないと思っています。
【記者】
特別委員会の招集依頼ですが、いつ頃出される予定でしょうか。
【市長】
具体的な時期が今の段階で確定しているわけではありませんが、特別委員会の委員長とも十分に協議、意見交換をして、できるだけ速やかに特別委員会の議論に入っていければと思っています。
【秘書広報室】
以上で市長定例会見を終わります。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。