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令和5年8月21日 市長定例記者会見
【市長】
まず私からは、今月(8月)1日に公表いたしました松本市立博物館の用地問題についてご報告いたします。博物館用地につきまして、本日8月21日付けで、従前の事業用定期借地権契約は今月(8月)31日をもって合意を解除し、そして来月(9月)1日から満30年間を契約期間とする借地借家法に基づく普通借地権の契約を締結する旨の合意書を、八十二銀行と株式会社長栄と取り交わしましたのでご報告いたします。これは先にも申しあげましたが、より安定的な形で博物館の運営を行っていくため、八十二銀行と株式会社長栄のご理解のもとに、新たな契約を締結するということでございます。30年の契約満了の後も、市が契約の更新を希望する場合は、期間満了の1年前までに書面で申し入れを行い、協議によってその期間などを定めて本契約を更新するものでございます。
【資料1 新松本市立病院 機能別病床数の見直し 回復期13床増】
【市長】
続きまして先週の市議会でも報告をさせていただきましたが、今年度中に基本設計の策定を進めております松本市立病院につきまして、機能別病床数を以下(資料1)のように見直す方針を決めました。病床数を減らすのは、感染症病床を除く急性期機能の病床について13床減らし、そして回復期リハビリ病床、地域包括ケア病床を合わせた回復期機能病床につきまして、13床増やすものでございます。これはコロナの5類移行後の6月をめどに、この市立病院の果たすべき役割、機能、経営状況などを病院局が鑑みたときに、今後も回復期機能病床の需要は見込まれる一方で、急性期機能病床の需要は現在の病床利用率60%台という状況に大きく変化は見られないだろうという見通しの上で、回復期機能病床の比重を高める、そして高い病床稼働率を維持して収益の確保をより確実なものにするという目的のもとでの方針でございます。先週の市立病院建設特別委員会で報告し、了承も得たところでございます。
【資料2 新松本市立病院 波田中央運動広場 移転候補地を選定】
【市長】
またこれと合わせまして、新病院建設に伴って移設する波田駅前の中央運動広場の場所を、地元の皆さまと選定のための協議を進めてまいりましたが、こちらについては、新病院建設用地から700メートルほど離れた波田保健福祉センター隣の一部未耕作地を含む農地を候補地として選定することを決めました。この新しいグラウンドは、令和7年度に建設工事を行って、令和8年4月から供用開始をする予定です。一方、今のグラウンドにつきましては、令和6年度末まで利用を可能にし、その間の1年間、グラウンドが使えない状況になる訳ですが、地元の皆さんの理解をいただくとともに、出来る限り他のグランドなどの代替利用を心がけ、呼びかけてまいりたいと考えております。
【資料3 新松本市立病院 波田駅周辺 道路整備計画】
【市長】
この市立病院の建設移転に合わせて、波田駅周辺については道路整備の計画を進めているところでございます。今のスケジュールで行きますと、新病院は令和9年度中に開設を目指したいと考えておりまして、新病院開設に向けて、今、波田駅周辺で進めている8つのプロジェクトをお示ししておりますが、市立病院へのアクセス道路あるいは駅前広場やコミュニティスペースの整備、さらには子どもの通学環境の向上ということで小学校の前の交差点や国道158号から中学校方面、駅から中学校方面への歩行空間の確保といった道路整備事業を総合的に進めてまいります。安全で便利、そして多世代でにぎわう西部地域の拠点という位置付けで、この波田駅周辺の整備計画を新病院建設とともに加速をしてまいりたいと考えております。
【資料4 松本駅の交通ターミナル機能を強化 路線バスをお城口広場に集約】
【市長】
次に、これも先週の議会で報告させていただきましたが、松本駅周辺の交通ターミナル機能の強化、これは私が就任後、アルピコ交通そしてJR東日本長野支社と共に協議を進めてきているところでありますが、段階的な取り組みとして、まずお城口広場に松本市内の路線バスを可能な限り集約するということを取りまとめさせていただきました。現在、このお城口広場は、上の写真(資料4)のような形で駅から降りて真正面がタクシー乗り場、そして左右に分かれる形でバス乗り場が3カ所ございます。そして路線は7路線1系統、タウンスニーカーの3コースなどがここから発着をしていますが、再配置の案としましては、新たにバス乗り場を1つ増やして3カ所から4カ所にし、そしてこのバス乗り場が分割されない形で真正面と向かって右側がバス乗り場に、タクシー乗り場につきましては向かって左側に移設をするものでございます。これによって、乗降客の多い信大横田循環線や新浅間線など、また観光客などの利用の多い路線につきまして、駅から降りてすぐ乗っていただけるような状況をつくってまいります。路線バス全体に占めるお城口広場の便数割合が現在は35%で、半数以上は道路を渡って東側にありますターミナルビルから発着をしておりますが、これによりまして来年の4月からは、全体の8割近くがお城口広場からの発着になるということでございます。今後につきましても、JRやアルピコ交通などの交通事業者の皆さまとさらなる交通ハブ機能の強化、さらにはこの駅前の再活性につながるような総合的な整備という観点からも協議を続けてまいりたいと考えております。
【資料5 不登校児童・生徒を支援 「教育支援センター」を寿地区に開設】
【市長】
私からあと2点お知らせをさせていただきます。1つは、不登校の子どもたちが学校に通えないときに教員経験者などのもとで学校に再び復帰をしていくことを念頭に置いた中間教室につきまして、今年度7月から名称を教育支援センターと改めていますが、新たに旧中間教室、現在の教育支援センターを寿地区にも開設することといたしました。場所は寿豊丘教育住宅、こちら(資料5)が寿豊丘教育住宅の写真でありますが、その一部を改修して設置をいたします。原則として、学校の授業日の月曜日から金曜日の午前9時から午後3時まで開室をし、教員経験者など1、2名とボランティアの皆さんで子どもたちの対応をしていただきます。1日当たり20人程度を想定しております。現状では山辺そして鎌田、波田の3カ所に教育支援センターがありますが、空白地帯だった南部地域に新たに設置をいたします。
【資料6 不登校児童・生徒を支援 「教育支援センター」を寿地区に開設 松本市の不登校児童・生徒数、「中間教室」利用者、「はぐルッポ」利用者】
【市長】
今回、この4カ所目のセンター開設の背景にありますのは、松本市の不登校児童生徒の増加であります。上のグラフ(資料6)は、平成30年以降の小中学校合わせたそれぞれの年度末における不登校の児童生徒の数でありますが、5年間で450人程度から680人へと増えております。そして、それに合わせるように旧中間教室の利用者につきましても5年前の平成30年は44人でありましたが、昨年は116人と3倍近くに増えておりました。同時に、教育委員会が主体となって整備をする中間教室とは別に、なかなか不登校になった後に学校に戻ることが難しい、そういう子どもたちの受け皿となっております「はぐルッポ」という施設、松本市がそうした学校に馴染めない不登校の子どもたちの受け皿として委託をしている施設でありますが、そのはぐルッポは開設から10年が経ち、延べ人数の利用者が6倍あまりに増えている現状がございます。こうしたことを背景として、中間教室というネーミングだけではなく、必ずしも学校への復帰を促すということにこだわらずに、不登校の子どもたちに次のステージに進んでもらえるように教育支援センターという名称に改め、そして指導の在り方についても、それぞれの子どもの実態や希望により即した対応を行っていくために、4カ所目の教育支援センターの新設を寿地区へ行うことにしました。開設は今月(8月)31日からであります。
【資料7 新たな財源確保と企業PRの場 ネーミングライツ・パートナー募集】
【市長】
最後にネーミングライツのパートナー募集についてご報告いたします。今日(8月21日)から10月27日を募集期間として、6カ所の施設についてネーミングライツの募集をさせていただきます。今回、新たに募集いたしますのは、松本市かりがねサッカー場、そして今井にあります松本市サッカー場、さらに松本市浅間温泉庭球公園、松本市美鈴湖自転車競技場の4つの施設であります。星印でそれぞれ「かりがね」「サッカー」「浅間、テニス」「美鈴湖」と書き記してありますのは、今回募集するにあたって、この字句を盛り込んだ形でネーミングをお願いしたいというものであります。また、これまでも募集をして応募がなかった松本市総合体育館と芳川公園につきましても、改めて募集させていただきます。松本市総合体育館につきましては、希望金額をこれまでの880万円から470万円に下げて今回は募集をさせていただきます。
【市長】
今年から導入した施設は3施設ありますが、そのうちの信州グリーンローズスタジアム(四賀野球場)につきましては、トップレベルの女子の公式野球チームが集う全国大会を初めて9月30日から第1回松本ローズカップとして開催する予定でありまして、それに合わせて女子選手に配慮したトイレの改修を、今月末をめどに実施いたします。1、3塁側のロッカールームの中に、女子専用の洋式トイレを増設いたします。ネーミングライツは企業と共に地域の施設、あるいは活動をより全国にPRしていく手段にもなると考えておりますので、ぜひ大勢の方からの募集、応募をお待ちしております。
以上、私からご報告いたしました。質問があればお願いいたします。
【記者】
教育支援センターについて質問します。松本市では不登校の児童や生徒数が平成30年以降増えているとのことですが、市長はどのようなことが背景にあるとお考えでしょうか。
【市長】
発達障がいという言葉が世に出てから随分時間も経つわけでありますが、全国的に何らかの学習、学びをしていく上で、通常の学校、学級で対応が難しい子どもたちというのは増加傾向にあります。さらに、やはりコロナを経験したことで、子どもたちが学校から1回離れる期間を持つことになりました。そのことが、学校に戻るということに十分つながってない現状もあると報告を受けております。もちろん学校が子どもたちの学びの中心であることは、これからも変わらない、あるいは変わらないようにしなければいけないと思っておりますが、現状の学校になかなか馴染めない、そうしたお子さんをどうしても学校に戻すんだということに、今までは特に学校現場の先生方を中心になりがちでした。そこはもう少し柔軟に、そして幅を持ってそれぞれの子どもたちの環境に合わせた対応が必要だと考えておりまして、この発達障がいをはじめとしたことを原因として学校に行きにくくなった、学校に戻れない子どもたちに対しては、学校そして学校の外、あるいはその中間的な施設のあり方、これをそれぞれ子どもたちにどの場所が最適なのかというのを学校、家庭、そして行政がしっかりとスクラムを組んで取り組んでいく必要があると考えております。
【記者】
これまで市長は、特別支援学校についても新たに設置するという方針を表明されておりますが、この教育支援センターも含めて個別最適な学びといいますか、子どもたちの特性一人ひとりに合わせた教育をどのように松本市内で環境として整えていくのか、市長としての今後の方針や意思をお聞かせいただけますか。
【市長】
今申しあげましたように、通常の学校で学ぶことが難しい子どもたち、あるいは本来通常の学校では対応しない、別の場所や方法を考える必要がある子どもたちが、確実に松本市内でも増えていると受け止めています。そうなった時に、できるだけ学びの選択肢を増やしていく。どうしても公立の学校の枠で考えますと、柔軟性あるいはそれぞれの子どもたちに応じた対応ということには限界があります。また、これもたびたび申しあげていますが、教育政策は、小中学校年代は市立の学校と言いながら教員の予算や人事権というものは県教育委員会にあるという、ねじれの形にもなっております。特別支援学校については、これまでも、より市の関与が難しい分野でもありました。ですので、松本市も何らかの障がいを持っていたり、なかなか通常の公立の学校に行きにくい子どもたちに対して、多様な選択肢を県と共に提供していくこと、それと学校だけに任せることにならないように家庭への関与、そしてまたその家庭の親御さん、保護者の皆さんを支えるための医療や保健、そうした広い分野の支援体制をどのように総合的につくっていくかというところに松本市行政の責務があると考えております。そうした観点から、来年度から設立を目指しておりますインクルーシブセンター、あるいは市立の特別支援学校の設置を目指す取り組みも積極的に進めてまいりたいと考えています。
【記者】
今回新たに開設される寿地区の教育支援センターは8月31日からですが、不登校というと若干偏見とかもあり、もしかしたら通わせるのに少しためらいがあるような親御さんもいるかもしれません。そういった市民の方に対して、センターをどのように活用してほしいか何かメッセージがありましたらお願いします。
【市長】
今回新たに4カ所目のセンターを増やす、またそれに先立って名称を中間教室から教育支援センターに改めることは、先ほどから申しておりますような、なかなか今の学校に馴染めないお子さんに対して多様な選択肢、アプローチを進めていくための手段の一つでありますので、ぜひ学校あるいは松本市の教育委員会に積極的なアプローチをしていただいて、必ずしも学校に戻すということではない、緩やかなと言いますか、それぞれの実情に合った取り組みを進めてまいりたいと思っております。施設の見学あるいは情報の提供ということについても、きめ細かく対応をしてまいりたいと思っておりますので、何らかの形で今学校に行きにくい状況になっているお子さん、ご家庭についてはお気軽にご相談いただければと思っております。
【記者】
博物館用地の賃貸借契約について、改めて大きな節目だと思います。臨時記者会見でもお話しされていますが、改めてこれまでの経緯を振り返っての受け止めをお聞かせください。
【市長】
8月1日の記者会見でも申しあげましたが、紆余曲折を経て安定的な運営の環境を整えることが名実ともに今日の契約の締結によってできたと考えております。10月7日に新しい博物館の開館を予定しております。従来の博物館の枠にとらわれない、回遊の起点、松本市の歴史文化の拠点となるように、教育委員会の学芸員が中心にはなりますが、できるだけ幅広い文化・観光のセクターも関わり、そして地域や民間の人も多くの運営、そして取り組みに関わるような市民に愛される新しい博物館にしていきたいと思っております。
【記者】
契約更新の中身を見ますと、初回更新は20年間、2回目以降が10年間ということで、新しくできる博物館の耐用年数を考えると今の博物館のある間は借地で、土地を取得する選択肢は当面の間はないという認識でよろしいでしょうか。
【市長】
30年という長期の普通借地権の締結ができましたので、基本的にはそうだと考えております。
【記者】
市立病院の周辺整備について全部で8つのプロジェクトがあり、先ほど市長は総合的に進めるとおっしゃられましたが、この中でも優先度高く進めたいと思っているプロジェクトはどれでしょうか。
【市長】
時期的な優先順位は、今の段階で明確にはなっておりません。県が関わる事業もありますし、大きな方向性としては先ほど申しあげましたように令和9年度中に新病院の開設を目指しておりますので、新病院開設にできるだけ沿った取り組みにしたいと思っております。例えばプロジェクトの5番目というのは、病院へのアクセスを改善する道路でありますし、駅前広場とか駅前コミュニティというものは、やはり病院とセットで交通、医療さらには買い物などの取り組みになりますので、出来るだけ病院の開設にはマストの事業になるかなと思っております。また病院、駅そして波田支所へ上高地線の下をアンダーパスで結ぶプロジェクト8は、アルピコ交通のご協力を得て進める、この中では非常に大きなプロジェクトになりますが、これは波田支所つまり行政機能やさらには小学校、中学校まで含め波田駅周辺全体の安全で便利、そしてにぎわいを考えたときに非常に核となる事業であると思っておりますので、今回ここの関連予算を先行して計上しお認めいただきましたが、できるだけ早く実現することが望ましいと思っております。またもう1つ、国道158号線の変則5差路は病院と少し離れますが、波田駅周辺の道路事情の中では、かねてから非常に事故の危険性もあるし、そして梓川地区とのアクセスという意味でも改良が求められてた部分であります。これは県の取り組みをお願いしながら進めるということでありますが、こうしたこともできるだけ迅速に進んでいければと思っております。
【記者】
ネーミングライツの関係ですが、募集している6カ所は特定型ということですか。
【市長】
そうです。
【記者】
提案型についてはどうでしょうか。
【市長】
これは随時で募集している状況になります。
【記者】
希望期間が来年4月から5年間ということですが、以前の話だと3年以上というくくりなので、もし企業が希望すれば3年、5年に限らないことも可能でしょうか。
【契約管財課長】
資料にも書いてありますが、希望期間ということで5年としてありますので、提案により出していただければと思います。
【記者】
信州グリーンローズスタジアムとセキスイハイム松本スタジアムも合わせて計算すると全部で1,800万円くらいであり、施設の維持管理に充てられると思いますが、サッカー場にしても芝の管理などの財源は市としてもかなり大きいのでしょうか。
【市長】
できるだけ良い状況でスポーツの環境を整えていくには、やはり資金、予算が潤沢にあればあるほど望ましいということであります。もちろん公費を充てる部分と民間の企業から広告宣伝をセットで資金提供いただいて有効活用する手法については、できるだけ積極的に幅広く取り入れていければと考えています。
【記者】
信州グリーンローズスタジアムの女子トイレの改修は、ネーミングライツの費用が充てられるイメージでよろしいですか。
【市長】
すでにトイレの改修は今年度予算化をいたしましたので、直接的には公費を入れての問題であります。
【記者】
市立博物館の用地について8月1日の会見で聞いてはいますが、どこかの段階では購入よりも借り続けることの方が用地の費用的にはかかることにもなりますから、今回このような形の契約にした理由、利点を改めて教えてください。
【市長】
お答えが8月1日と一緒になりますが、これまでも八十二銀行、株式会社長栄には駐車場の時代からご協力をいただいて賃貸借契約を結んできました。そして、今後できるだけ速やかに不安定な状況を解消し、安定的な形で博物館の運営を進めていく。まだ定期借地権契約の契約期間は数年ありますが、とりわけ10月7日に開館を予定していますので、開館までに市民の皆さんの潜在的な不安を解消することを優先する。そうしたことを総合的に考えた時に、今回の30年の契約期間の普通借地権での合意契約締結に至ったということであります。
【記者】
松本駅お城口への路線バスの集約について、駅周辺の今後を見据えての第一歩なのかなと思いますが、現時点で駅ビルあるいはアルピコのバスターミナル、JRが所有している周辺の土地、開発していく上では候補になるような場所や施設がいくつかあると思います。現時点でどういった施設、場所にどのような機能をというイメージや大きな構想という意味での駅前の在り方を教えてください。
【市長】
大きな構想と言いますか、目指すべき姿として鉄道とバス、さらには自転車、こうした交通機関ができるだけスムーズに乗り換えができて、そして自家用車で街中に入るのと利便性でさほど差がない状態にしていくのが、交通政策から考えた時の松本駅周辺整備の目指す姿であります。そしてもう1つ、交通政策とは別の観点で松本市にとって松本駅周辺、とりわけお城口広場側は、松本城周辺と並んで街のにぎわいの核にこれまでもなってきた場所で、今だいぶ様相が十分でないところはありますが、この先をにらんだ時も交通政策上のハブ機能の強化が進めば、それと合わせて街のにぎわい、市街地活性という観点から松本駅お城口広場側は非常に重要なエリアだと考えております。しかも、アルピコ交通のバスターミナルビルの老朽化に伴う何らかの対応、あるいはJR東日本についても、このコロナによって、どうもいろいろと方針の軌道修正が行なわれているようでありますが、駅ビル、MIDORIの何らかの改修といったことが念頭に置かれているタイミングでもございます。そして松本市にとりましても、市庁舎の建て替えに伴う何らかの市役所機能や、公共施設の再配置の対象として松本駅周辺は念頭に置いているところでありまして、そうした3者の取り組みの接合点を現在、これからも探りながら、言わば今回第一弾として行った他路線バスのお城口広場への集約を、次なるステップにどのようにつなげていくかを現段階では考えているところであります。
【記者】
3者の接合点を見出す時期というのは、どれくらいまでにというイメージでしょうか。
【市長】
あまり、いつまでに何を実現するという考え方に立っていないところはありますが、やれることを積み重ねていくということかなと思っています。来年4月からお城口に路線バスの集約が進むと、バスターミナルは高速バスにプラスアルファといった機能に縮減することにもなりますし、またコロナによって交通需要の回復、それによるそれぞれの会社の企業業績といったものも、松本駅周辺に何らかの投資を行っていこうということに影響する話だと思っております。私が掲げている分散型市役所についても、現段階で明確なスケジュールを打ち立てるとこまでは行っておりませんので、それぞれの不確定な要素を少しずつ確定と言いますか、少しずつ方向性を明らかにできる状況にして、それぞれが合致できるプラン、構想というものを進めていきたいと思っております。
【記者】
教育支援センターについて、かなりの割合で不登校のお子さんが増えていますが、一連の整備とインクルーシブセンターの整備も含めて、教育環境の整備はこれで一段落ということでしょうか。まだ拡充していく余地はあるのでしょうか。
【市長】
まずインクルーシブセンターの来年4月のスタートにつきまして、より外部の方々にも関わっていただき、どれだけの人たちと取り組みを進めていくかというものも、極めて段階的な取り組みになると思っています。医療の専門家や保健師、そうした方々が日常の診療行為あるいは大学などでの研究活動に合わせる形で参加、協力をいただくものでありますし、言わばスタートしながらより充実させていくものだと思っています。また市立の特別支援学校についても本当に具体化していくのはこれからでありますので、おそらくこれで全てのパッケージがそろったということでは必ずしもないのかなと思っておりますが、多様な選択やアプローチを子どもたちや保護者の皆さんに提供していく取り組みが、本格的にスタートしていく段階かと認識をしております。
【記者】
先ほど分散型市役所について、まだ明確なスケジュールを打ち立てる段階には至ってないというお話でしたが、執行部側からの依頼で特別委員会が設置されてからまだ一度も開かれていません。市としての考え方を改めて提示する時期というのはいつ頃になるでしょうか。
【市長】
ご存知のように、議会の皆さんとの合意形成が入り口の段階で、この3年はなかなか動かない状況でありました。そうした中、より市民の皆さんにとって優先度の高い切実な政策課題への取り組みを私としては進めていく。できることを積み重ねていくことで、そうした取り組みの先に、この市役所の建て替え問題の着地点もあるのかなと思いながら進めているところであります。そういう中で、私の任期もあと半年少しという段階でありますので、これが任期中にどこまでお示しをできるのか、あるいはそれをただ示してもなかなか合意点が見出せないということであれば意味がないと思いますので、その合意点が見いだせるような内容や環境が整うかどうかが残された任期の中でこの問題の何らかの形を示すポイントだと思っております。そして、その中身とか環境に連なってくる部分が、先ほど申しあげた松本駅前の民間企業の動きでもあり、もともと私は、ただ市役所を200億円近くで建て替えることは、令和の時代の前に発想したことで将来に禍根を残すと申しあげてきましたし、今その思いはより強くなっております。これだけの公共投資をやるのであれば、民間投資と連動する形で単に職員の働く場をどうするかということを超えた市役所建て替え事業にしていきたいと思っておりますので、民間の動きを注視しながら進めていきたいと思っております。
【記者】
任期中に市としての考え方を示せるかどうかは現時点で未定ということでしょうか。
【市長】
一方で、私の4年の中で掲げたことが一体どうなったのだということでは、市民の皆さんへ説明責任を果たせないと思っておりますので、何らかの形ではお示しをしたいと思います。それがご質問の趣旨と同じかどうか。私の中では色々な形があるかもしれないなと思っているところであります。
【秘書広報室】
以上で市長定例会見を終わります。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。