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市長臨時記者会見 令和5年(2023)8月1日

更新日:2023年8月1日更新 印刷ページ表示

記者会見の内容

 

【市長】

 今日午前中の市議会の本会議でもご報告をさせていただきましたが、10月7日に開館を控えております、松本市立博物館の用地問題につきまして、土地所有者である株式会社八十二銀行および株式会社長栄との協議の結果、新たな賃貸借契約を締結する旨の同意を得ましたのでご報告をさせていただきます。新たな賃貸借契約は、契約期間を30年間とする普通借地権を設定するものであります。契約の更新に関しましては、借地借家法の規定が適用されます。賃料の額など、その他の契約内容につきましては、原則現在の契約と同様とすることで合意をしております。今後、具体的な契約事項に関して、速やかに調整を行い、契約の開始日を9月1日とする契約を、今月後半に締結する方向で調整を進めてまいります。

 

【記者】

 新しい契約の中身について、もう少し詳しく教えていただきたいのですが、まず前契約と同様といった部分で、賃料などについて、いくらぐらいになるのか、また、新しい契約書の内容で決めたポイントを説明していただければと思います。

 

【市長】

 賃料の額につきましては、八十二銀行と長栄への分を合わせて、年間およそ2,000万円を予定しております。30年の賃貸借契約ができますと、30年で合計6億円に上ります。契約の見直しにあたりましては、元の契約が事業用定期借地権設定契約、契約期間は令和12年の3月末までとなっておりました。契約期間後の取り扱いが不安定な状態にあることで、松本市としましては、できるだけ速やかに安定的な形で使用し続けられるようにする必要があるという観点から、どのような形態が取れるのかを協議してまいりました。土地購入、土地交換、そして新たな賃貸借契約はそれぞれにおいての市の考え方を提示しながら、協議を重ねてまいりました。そして、もともとこの用地につきましては、平面駐車場として賃貸をしてきていたわけでございますが、これを元の状態である賃貸借契約の形に戻すことが、できるだけ速やかに安定的な形で使用できる状態にするという問題解決には適切であると判断をいたしました。

 

【記者】

 今の話の続きですが、以前市長が、土地交換は経緯から難しいとおっしゃっておりましたが、購入ではなく賃貸借になった理由はどういった部分になるでしょうか。

 

【市長】

 今申し上げたことの繰り返しになりますけれども、これまでの経緯を考えた時に、これまでも八十二銀行からは、松本市のまちづくりにご協力いただいている経緯もございました。そうしたさまざまな観点を勘案して、新たな賃貸借契約が適切であると判断をいたしました。

 

【記者】

 契約期間について、お尋ねいたします。先ほど議員協議会で議員からも質問がありましたが、契約期間が30年の理由について、借地借家法の規定という話もありましたが、こちらは法律での最大値で30年が設定されたのでしょうか。

 

【市長】

 最大値ではなく、借地借家法第3条では借地権の存続期間は30年とする。ただし契約でこれより長い期間を定めたときはその期間とする。というのが条文であります。条文から鑑みれば、借地借家法でできるだけ契約期間を長くとる最低の長さが30年と解釈しております。

 

【記者】

 更新についても借地借家法が適用されるとのことですが、これは30年後に更新するとどのような形で更新されるのでしょうか。何事もなければ自動更新なのでしょうか。

 

【市長】

 今回八十二銀行側との協議の中では、今申し上げましたように、最初の契約期間を借地借家法の原則として規定をされている30年とする、合わせて契約期間満了後に市が更新を希望することも含めて説明をさせていただき、同意をいただいております。30年後、博物館を巡る状況がどのようになっているかは、今の段階では見通せない部分もございますので、具体的にどのような形になるかというのはその時点で検討・判断をすることになると思います。

 

【記者】

 30年間の猶予期間は、かなり伸びたと思いますが、今後30年間のうちに市が土地を購入していくといった長期的な方針はあるのでしょうか。

 

【市長】

 今回の、30年を契約期間とする新たな契約を結べたことによりまして、松本市としては安定的な用地の確保ができたと考えております。同様の事例として、市民芸術館の用地、中央図書館の用地、こうした松本市の公共施設は同じ契約内容でございますので、現段階では我々が目指していた安定的な形で使用し続けられるという状況が、今回の契約で実現できたというふうに思っております。そのため現段階で先の取り組みについて想定していることはございません。

 

【記者】

 これまでの契約だった事業用定期借地権について、一部の市民からは更新ができない契約だという指摘がされていましたが、その辺は上手く対応できたのでしょうか。

 

【市長】

 おそらく市民グループの皆さんが更新ができないとおっしゃっているのは、事業用定期借地権の契約期間が満了した際、その先にどのような形が取れるかといった時の指摘として、見解を述べられていたのだと思います。今回満了する前に、安定的な形で使用し続けられるよう新たな賃貸借契約を締結しましたので、ご指摘とは全く論点が違うのではないかなというふうに見ております。

 

【記者】

 今の事業用定期借地権設定の契約を途中で切り替えるということが今回の話であると思うのですが、今おっしゃったように10年間が満了すると更地にして原状回復で戻さなければいけないため、回避するために途中で契約を切り替えるということでしょうか。

 

【市長】

 今のご指摘のように、10年間満了したときに更地で返さなければならない可能性があるということであります。私たちの事業用定期借地権契約の場合は、ただ可能性であるので、ただちにそうなるかと言うとそうでないケースもあり得たと思います。ただそうした可能性もある状態を放置しておくことは、市民の皆さん、そして博物館を利用される皆さん、いずれの立場にとっても好ましいことではなく、できれば10月に博物館が開館するまでにこうした不透明な状況を解消することが私たちの責務と考えて取り組みを進めてまいりました。今回来月の9月1日を30年の契約期間開始日とする普通借地権の賃貸借契約を結べたことで、さまざまな懸念はこれで取り払うことができたと考えております。

 

【記者】

 現契約の公正証書があると思うのですが、公正証書は効力の強いものだという認識をしているのですが、一度解除して、新たな契約に切り替えること自体は問題のない行為でしょうか。

 

【市長】

 顧問弁護士とその点は確認をしておりまして、障害にならないという認識を持っております。

 

【記者】

 10月から博物館が利用できるということで、市民や観光客にはどのように利用していただきたいですか。

 

【市長】

 松本市立博物館の新設は私が就任する前から計画され、着工から今に至るまで、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て10月の開館を迎えようとしております。契約の形態を巡って、私も含めて刑事告発という極めてイレギュラーな事態も起きたことで、必ずしも正確に市民の皆さんに把握をされないまま不安を助長することが現実にはあったのではないかと考えます。だからこそ、開館の前に決着が出来たことの意義は大きいと思っております。10月にスタートする新博物館のアソシエイトプロデューサーに就任いただくおおうちおさむさんとも、短時間ではありましたが懇談をいたしました。従来の博物館の枠を超えた歴史文化の拠点でもありながら、松本城周辺の回遊の起点にもなる市民に愛され、国内外の来訪者に楽しんでいただける新しい博物館像というものを市民の皆さんと共につくっていきたいと思っております。

 

【記者】

 合意によって、安定的な用地の確保ができたと考えているという発言があったと思いますが、普通借地権契約をすることで基本的には更新をし続けていけば建物が存在する限り永久的に使用できるといった意味で、永久的、安定的な利用が可能になるという意味合いでの発言というふうに捉えて間違いないでしょうか。

 

【市長】

 基本的にそうであります。30年は極めて長期のものだと思っております。これから30年後、まちの姿も変わり、建物の在り方も変わる上で、あの場所に博物館を維持し発展させていこうという選択を我々がしようとすればもちろん出来ますし、更新できる状況を今回30年の普通借地権の賃貸借契約という形で担保ができたというふうに考えております。

 

【記者】

 先ほど質問もありましたが、市民グループの方では解約ができないといった発言があったかと思いますが、おそらく定期借地権契約だと一方的に中途で解約ができないということをおっしゃっていたと思うのですが、これは双方の合意によって、解除ができることで、乗り越えられるという理解で間違いないでしょうか。

 

【市長】

 これは当然だと思います。一方的な話ではなく、今回は私たちと土地所有者である、八十二銀行・長栄さんと同意をして、お互いの了解のもとに新たな賃貸借契約を結ぶわけでありますので、刑事告発をした皆さんの指摘には当たらないと思います。

 

【記者】

 定期借地権から普通借地権に変わることで、そこに対してもなにか違約金のようなものが追加で発生することはあるのでしょうか。

 

【市長】

 ありません。

 

【記者】

 先ほど紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、一つ問題が解消したという状態だったわけですが、ここに至るまでになった原因を、現在の立場からでも構いませんが、どうお考えかお聞かせください。

 

【市長】

 3つほどポイントがあると思っております。まず1つは、2020年の12月、私が就任をして8カ月ほど経った時に、もともとの計画は、松本市が博物館の用地と現在の八十二銀行松本営業部ビルのある土地を両方取得し、八十二銀行松本営業部ビルの土地は大手門の跡地として利用すると。そして八十二銀行松本営業部ビルの移転先は、現在すでになくなりましたが、かつての八十二銀行深志支店の用地を、松本市が取得して土地交換をするという、極めて複雑といいますか、私から見ると無理のあるスキームで前の市政が進めようとしていたものでした。そして現実には、松本市が八十二銀行の移転先として用意しますよと言っていた、深志支店周辺の土地の取得が極めて難航しており、取得の目処が立たないというのが、私が就任して確認をしたことでございました。単に博物館の用地にとどまらない組み合わせの前市政のスキームに無理があるということで、私は松本営業部ビルの取得を白紙に戻し、あくまで博物館用地の問題に絞って安定的な形で使用し続けられるための方策を探ったことが一番大きな紆余曲折(うよきょくせつ)とも言えると思います。もう一つは、私自身も市長選挙で訴えたことの中に、今回の博物館は、大きすぎる規模で計画が立案され、進められようとしており、見直しができないかと選挙で訴えておりました。現実には、私が就任した2020年の3月末には、着工の契約が済んでおり、その時点で計画の大きな見直しは困難で、ましてやその時にはコロナの感染拡大という社会状況でございましたので、大きな方向転換は難しいという中で、1階部分については先ほど申し上げたような回遊の起点になり、松本城周辺のゲートウェイになるような仕様にもう一度見直そうというアプローチをさせていただきました。これが2つ目の紆余曲折(うよきょくせつ)。そして3つ目は、前の市長の下で結んでいた事業用定期借地権契約のままで行くと、令和12年の3月末の先が極めて不透明で、市民の皆さんも不安や懸念を抱えながらになってしまうので、開館前に払拭(ふっしょく)し、決着をつける必要があることに、今回は達することができたと思っております。こうした経緯を辿ってきた博物館でありますので、一部の方が博物館の建設中止を求め、なおかつ今回私や前の市長・副市長が刑事告発というような形まで取られたことが、本来の博物館のありようや、展望と違う角度から見られる側面が出てきてしまったというのは、非常に残念なことでありました。ようやくこれからは、そうした懸念を持たずに市民の皆さんと一緒になって新しい博物館をつくり上げていくことをお伝えできると思っております。

 

【記者】

 現在のお気持ちとしましては、ほっとしたという感じでしょうか。

 

【市長】

 大きな責務だと思っておりました。前の市政から、積み残された課題というのはいくつかあるわけですが、その中でもこの問題に決着をつけることは、私にとっての大きな責務の1つと思っていたことが実現できたので、市民の皆さんに安心感を与えることができ、ほっとしているという今のご指摘も外れてはいないかなと思っております。

 

【記者】

 今お話にあった、以前に取得の選択肢があった現在の松本営業部ビルについてですが、長野銀行さんと営業統合の話があるという意味で、ビルの所有についても銀行さんとまた考える時間があると思うのですが、前に目指した営業部ビルの移動の今後については現時点で全く考えていないのでしょうか。

 

【市長】

 2020年の12月に白紙に戻しました。大手門周辺を公共用地として取得して整備をすることは、当面必要ないということでの白紙です。現段階でもその気持ちは変わっておりません。

 

【記者】

 賃貸借ではなく購入の選択肢について、賃貸借は年間2,000万円×30年ということですが、購入する場合はだいたいこれぐらいの費用だという試算は市の方でして、相手方に示したのでしょうか。

 

【市長】

 具体的な金額を示して交渉するというようなことはございませんでした。繰り返しになりますけれども、土地交換・土地取得・新たな賃貸借契約という選択肢の中からさまざまな観点から勘案して、我々としてできるだけ速やかに安定的な形で使用できる最も適切な方法ということでの今回の判断でございます。

 

【記者】

 素人考えですが、どこかの時点で購入した方が、何十年か借りながら運営するよりは、何年かして安上がりになるときがくると思うのですが、そういった観点で、交渉の中で検討はあったのでしょうか。

 

【市長】

 それぞれの観点のメリット、デメリットというのは、当然我々としては検討いたしました。そしてそれぞれのメリット、デメリットの中の、取得のメリットという意味では、今ご指摘の点はメリットだと思いますが、今回我々としてはできるだけ速やかに安定した形で使用し続けられるようにすることが最大のテーマというふうに考えて臨んでおりました。それは市民の皆さんにとっても、最も適切な選択になるため、今回のような判断に至ったということであります。

 

【記者】

 30年後のことを見通すのもあれかもしれませんが、今回の借地契約は30年で、おそらく博物館の建物は減価償却30年もきかないと思うので、その後も続けるとなり、年数を考えると、臥雲市長がその時期まで続けているとは思えないのですが、30年後、博物館をあの場所で維持するとなった場合は、その時の市政を担っている方が改めて契約を更新し直すことを望むということなのでしょうか。

 

【市長】

 今ご指摘のように、当然、新しく別の方が市長になり、市政運営の大きな柱の一つに博物館の用地問題も出てくると思いますので、基本は用地をさらに継続して使用しながら博物館がより発展していくことを私としても未来の姿としては想像ができるというふうに思っています。いずれにしても、その時点でまちや博物館がどのような状態になっているかによって、市民の選択、市長の判断がそれに適した形でなされるものと考えております。

 

【秘書広報室】

 以上で市長臨時記者会見を終わります。

 

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