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令和5年3月22日 市長定例記者会見
【資料1 令和5年度 人事異動 松本のシンカを加速】
【市長】
私からは、4月1日に発令となります、令和5年度の人事異動についてご報告します。三ガク都松本の進化を加速するということで、予算編成も行ないました。また、今回の人事異動も、この総合計画を加速していくための人事を行いました。異動の規模は合わせて586人ということで、ほぼ例年並みの異動人数です。また、昇任する職員の数は、それぞれ役職ごとで見ますと、部局長の昇任者が多くなっています。これは、今年度3月末で退職する部局長が11人に上っているということによるものです。この退職に伴って、新たに部局長に昇任する者が10人います。
【資料2 令和5年度 人事異動 部局長 10人が昇任】
今、松本市の部局長のポストは18ですので、半数余りが新しい昇任の部局長となります。ポストを少し申しあげますと、来年度の令和5年度、最年長となります職員が3人いまして、その3人が総合戦略局長、そして住民自治局長、建設部長のポストに起用をします。また、今回新たに昇任します10人のうち5人については、その部内の課長ポストからの昇格という人事となっています。先程申しあげましたように、総合計画の加速、今まで進めてきたものをよりスピード感を持って、令和5年度当初から政策を推進していこう、そうした意図を含めたものです。
【資料3 令和5年度 人事異動 スポーツ本部長を新設】
また、本部長ポストは合わせて8ポストありますが、最年少は53歳で、アルプスリゾート整備本部長、そしてスポーツ本部長が53歳での起用です。また、それ以外の本部長ポストにつきましては、基本的に留任ということで、この政策推進の体制を意識したものです。
【資料4 令和5年度 人事異動 女性管理職 全体の25%】
松本市では、管理職に占める女性の割合が30パーセントを目指して取り組みを進めているところです。今回の人事異動によって、令和5年度から課長以上の管理職に女性が占める割合は、25パーセントとなります。私が就任した令和2年度当初は11パーセントでしたが、3年で25パーセントまで上昇しました。令和6年度には、30パーセントを何とか実現したいと思っていまして、そこに向けて、また令和5年度、さまざまな取り組みも進めていきたいと思っています。ちなみに参考までに、長野市と長野県は、令和4年度当初の数字ですが、それぞれ4.4パーセント、9.7パーセントとなっています。
【資料5 令和5年度 人事異動 若手の抜擢登用を促進】
また、若手の抜てき登用をできる限り進めていこうということで取り組んでいます。令和5年度の最年少の課長は満49歳で、2人、今回課長に昇任をします。
また、係長につきましては、令和4年度は最年少が44歳ということでした。令和5年度は2歳引き下げて、42歳で最年少の係長ということで、2人登用をしています。
【資料6 人事評価で昇任期間を短縮 “最短4年で中堅職員に”】
この人事に関しまして、令和5年度から新たに、人事評価で昇任期間を短縮しよう、職員になって数年の職員の昇任スピードを上げようという取り組みを始めさせていただきます。
これまでは、1年目は事務員ということでスタートしていただいて、そしてその後、主事については6年、これは基本的に全ての職員が6年間主事という立場を取っていました。この主事の在籍年数を、最短で3年に短縮することとしました。人事評価によって能力・実績が認められた職員については、この主事を3年で次のステップに上がれるという制度です。これは、採用年数の引き上げ、採用枠の多様化で、松本市役所の中で、大卒、新卒に比べて経験や知識に富んだ社会人経験者を採用するというケースが増加をしていまして、これを新卒の職員と同等に7年、この次の主任のステップまで必要だということになりますと、どうしても能力と職位や給与のギャップというものが顕著になっていました。この中途採用者が松本市役所においても増えている中で、できるだけやりがいを持って仕事をしてもらえる環境を整える期間です。最短で4年で中堅の職員になるという制度への改革です。
以上、令和5年度の人事異動並びに人事制度の見直しについて申しあげました。
【記者】
人事異動の関係ですが、市長の今のご説明に尽きるのかもしれませんが、今回の人事で最も心を砕いた点はどんな点なのかということと、筆頭部長である総合戦略局長に、小西敏章文化観光部長を立てたその理由についてもお伺いします。
【市長】
先程申しあげましたように、11人が部局長で退職となるということで、新たに10人が部局長になるというタイミングでした。これは今まで経験値の高かった方が抜けるという側面と、相対的に年次が若返って、新たなチャレンジにつながるという両面があると思いますが、その後者の側面を大きく伸ばせるようにということで、適材適所の人事配置を目指したものです。
総合戦略局長につきましては、2年前に組織改編で設けた総合戦略局、横串を指す、あるいは市長の特命事項を実行していくという部局です。小西局長については、文化観光部長、その前に危機管理部長、また課長時代も商工課長、政策課長などを歴任していまして、幅広く市政課題を捉えて職にあたってもらえると考えています。
あともう1点、力を入れた点、先程これも説明をさせていただきましたが、女性管理職の割合を引き上げること、これは私自身の公約でもありますが、このジェンダーギャップ、日本社会の負の側面として、なかなかまだ政治や経済の分野で大きな進展が見られていません。松本においても、ジェンダー平等社会の実現に向けて、ジェンダーギャップの解消、私は、大きな役割としての女性管理職の割合を30パーセントにということを、ぜひ早期に実現したいと思っていまして、今回この25パーセント、3年目で25パーセントまで引き上げられましたので、この令和6年度の30パーセント達成というところに、もう少しで手が届くところまでは来たかなと思っています。これは単に数字合わせではなくて、今までは十分女性の職員の人材・能力を活用できていなかったという側面を、私は非常に市役所に入ってから感じています。また、これまでに登用した女性管理職の仕事ぶりを見ていまして、新しいことにチャレンジをするという意味でいけば、これは性別にとらわれる必要がありませんが、女性の職員がいろいろな形で成果を出してもらっていますので、今回これについては適材適所で課長以上の役職に就いてもらいました。
【記者】
松本市議会議員選挙の告示まで1カ月を切りました。先日、立候補手続き説明会がありましたが、39人が出席して、立候補予定だということで、顔ぶれ、年齢、あるいは肩書きなどをご覧になっての市長の受け止めと、これから本格的に選挙モードに入っていくわけですが、どんな論戦に期待をしているかといった部分をお聞かせください。
【市長】
前回、4年前が42人の立候補者がいらっしゃいましたので、数だけでいいますと、それより3人少ないということです。それぞれの立候補予定者の皆さんの世代、あるいは経歴を拝見しますと、なかなか今、地方の議員選挙でその定数を越えて活発な選挙になることが難しい自治体が多い中で、非常に世代、経歴は多彩で、多様な人材が立候補を目指しておられると受け止めています。ぜひ、表現としてぴったり来るか分かりませんが、楽しい選挙になればな、面白い選挙になればなあと思っています。ともすれば、選挙に出るというのは非常に日本社会の場合、敷居が高くて、なかなか仕事あるいは家庭との関係で、立候補するということは、女性や若い世代にとって難しいということは、これまで続いてきていると思います。私はできるだけその間口が広がって、そして、選挙そのものも当然、費用やあるいは時間もかかりますが、それを立候補する方、あるいは応援する方そのものが、政治に関わることを楽しむということにもつながるような選挙になれば、結果的に有権者の皆さんから見て、これは面白そうだと、自分の1票を行使する、そういう意欲が湧いてくる選挙になることを期待しています。松本市には、さまざまな政治課題、行政課題がありますので、それぞれ有権者の皆さんにとっての切実な課題を、目を向けていただいて、この選挙に向き合っていただければと思います。その結果として、投票率が上がり、そして松本の活力が高まる。そして、周りの自治体から見ても、松本というまちは賑わいもあるし、また経済も活発だし、政治や行政を巡っても多彩な人材がチャレンジをしている、これは非常に望ましい姿ではないかと考えています。
【記者】
市長は以前、市役所の在り方についても、今回の選挙で争点の一つになるとご発言されていましたが、改めてそのことについても、やはり大きな論点と考えていますでしょうか。
【市長】
今も「争点」という言葉と「論点」という言葉が使われています。私は「焦点」という言葉を使っていますが、子ども、子育て、教育の話や交通の話、あるいは高齢化に対応する医療・介護の話や、はたまた文化・芸術、さまざまあると思います。そのうちの1つとして、市役所の新庁舎の話も、私たちとしては、分散型市役所の姿はずっとホームページにも掲載し続けさせていただいていますし、市民の皆さんに関心を持って考えていただければと思っています。実際、市議会議員選挙でどれだけの方がこの問題に触れてお答えされるかということは未知数ですが、できる限り市民の皆さんにも考えていただく契機になればと思います。
【記者】
市長の任期が27日でちょうど丸3年になります。残り1年となる市政運営の決意と、少し早いかもしれませんが、去就についての考え方、現時点での考え方についてお聞きかせください。
【市長】
予算の提出の時に同様の質問を頂いたと思います。自分の任期が3年経過するということになりますので、気負うことなく、取り組むべき課題の改善、解決を図っていきたいと思っています。それにあたっては、これまで以上に職員との信頼関係を確固たるものにして、今回原案通り成立をさせていただきました予算を着実に執行して、市民一人一人が豊かさと幸せを実感できるまちづくりの取り組みを進めていきたいと思っています。
【記者】
それについての現時点での考え方とかありますか。
【市長】
まず自分のやるべきことを取り組みたいと思います。
【記者】
女性管理職のことですが、今回で25パーセントになるということで、令和6年度の30パーセントという目標が見えてきたかなと思うのですが、それ以降の30パーセントを維持するのか、もっと増やしていくのか、望ましい割合についてはどのようにお考えでしょうか。
【市長】
まず現実問題としましては、現状においては課長の登用の年齢で、今回も先ほどご説明しましたように49歳です。これを若干さらに若返らせることは、念頭には置いていますが、一気にということにはならないと思っていますので、そうすると、その近くの年齢層の女性の割合といったこととの兼ね合いがありますが、今のところ私は30パーセントに達成ができれば、それをおおむね維持していくということが、当面の課題だと考えています。一方で、職員の採用、行政職に限りましても、採用の男女比率はほぼ5割5割という状況でして、これからこのジェンダー平等社会が全国的に、そしてこの松本でも広がっていって、男性も、女性と同様に家事や育児を分かち合うということになる、つまり家事や育児でキャリアが中断されるタイミングとか期間、これが男性と女性で
あまり変わらなくなる社会になっていけば、この男女の比率というのは、究極はこの5割5割と管理職比率ということも、それはあり得る姿だと思っています。
【記者】
おっしゃるとおり、5割が究極的に目指す姿だと思うのですが、市長就任以来、かなり急激に、管理職以上の女性の割合という数字が伸びてきているのですが、新たに課長級以上になられる当事者の女性の方、あるいは男性で課長級以上になられない方も含めて、組織的なそういった部分のマネジメントケアというのはどのようにされているのでしょうか。
【市長】
まず、女性側で私なりに現状を見ますと、女性のある年齢以上の方にとっては、もともと管理職になることを前提としたキャリアパスになっていなかった中で、すでに50代半ば以降に達するような状況になっている女性の中には、そもそも管理職を目指すつもりはないという方が、一定程度いらっしゃいます。また、それよりも若い世代の女性の中にも、まだまだこれは日本全体がそうですが、あるいは松本市なり松本市役所だけ見ても、女性の割合が極めて少数だとすれば、どうしてもその組織の中で、少数であることのプレッシャーとか、軋轢(あつれき)といったものが生じかねない、そうであるならば、そこに積極的に手を挙げたいとは思わないという女性もいらっしゃいます。これは先程見ていただいたように11パーセントで、例えば令和3年度に人事を行ったとき、そして令和4年度に20パーセントまで上げたとき、私は今申しあげたような負の側面、あるいは女性にとっての抵抗感、これは女性の比率が上がっていくことで、解消とはいかないまでも、相当程度緩和していくものだと思っています。
例えば、10人いる会議に女性が1人しかいない、そこで発言をすることのハードルの高さと、10人いる会議に女性が3人いて、そこで発言をしていく、あるいは決定に対して主体的な関与ができる比率自体が、ジェンダーギャップによってもたらされるマイナス面を解消していく、そういう効果があると思っていまして、今回25パーセントで、女性の課長以上の管理職が増えます。そういう中で、この部分はより良い方向に向かっていくと思っています。ただ、その女性が今度は家庭において、家事育児の分担が、仕事の量を増やすだけの余裕がないというバックグラウンドも一定程度ありますので、より本質的な改善につなげていくためには、会社なりあるいは役所の問題だけではない、社会全体、家庭においての男女の役割分担の見直しということとセットで行かなければ、本質的な解決までは至らないだろうと考えています。
翻って、男性側も、今までのキャリアパスで行けば、この次何年かのうちに、自分が思い描いていたポストに行く可能性が一定程度狭まりますので、そのことに対する抵抗感というものは、当然一定程度は存在すると思います。これも先ほど申しあげたように、日本全体がこのジェンダーギャップの大きさということが非常にマイナスなのだということの認識が広がることによって、このそれぞれの組織においての男性の受け止めというものも変わっていくものだと思っています。それを今、松本市役所は先頭切ってやろうとしていますので、どうしても男性側の抵抗感というのも強めに出ている可能性はあると思っています。
【記者】
野球のWBCですが、松本関連の牧秀悟選手も、今日は出なかったですが、何試合か出場して活躍されていました。市長もし見ていらっしゃれば感想を一言教えて下さい。
【市長】
昨日(3月21日)の準決勝は見ていました。今日の決勝の結果も含めて、非常に野球をずっとやってきた者にとっては、日本の優勝も非常に嬉しいことですが、野球というスポーツが色々なしがらみを取り払うことにつながる大会だったなと思います。そのしがらみは、一つはアメリカのMLBというメジャーリーグの機構が、国別対抗戦に対して必ずしも積極的ではないという状況が続いてきましたが、今回アメリカではマイク・トラウトが、日本では大谷翔平が、そして中南米諸国でもみんなが、この国別対抗戦は、通常のチームクラブのリーグ戦とは違うんだということで、積極的に出場をした。そのことでそれぞれの国民が大きな支持を、熱狂を与えたということで、野球が持っているワールドワイドに展開していくことのしがらみの一つが取れたなと思っています。もう一つは、大谷翔平選手の振る舞いが象徴されるように、本来持っている野球の楽しさ、野球は楽しくなければならないというぐらいに、喜びを、感情をストレートに出して、グラウンド内でもベンチの中でも、皆が喜怒哀楽を表情に表すプレーぶりは、非常に私は、今までともすればあれをやってはいけない、これをやってはいけないという拘束が、スポーツの中でも野球は非常に強かったものですから、私自身もプレーヤーとして経験してきましたが、それが今回、私は大きく打ち上げられることになるのではないかなと期待をしています。そういうことで言いますと、すでにニュースに出ていますが、甲子園でのペッパーミルの喜び方を高校野球連盟がとがめるといった在り方は、やはり今の時代や本来のスポーツの楽しさという観点からずれているな、もう少しこの古色蒼然としたものから変わって欲しいなと思いました。
【秘書広報室】
以上で市長定例会見を終わります。
※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。