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市長記者会見 令和5年(2023)2月14日

更新日:2023年2月14日更新 印刷ページ表示

令和5年2月14日 市長定例記者会見

【資料1 新型コロナウイルス 1週間ごとの新規陽性者数/発生届者数の推移】

【資料1 新型コロナウイルス 1週間ごとの新規陽性者数/発生届者数の推移】

【資料2 新型コロナウイルス感染症の陽性者発生状況等について】 [PDFファイル/391KB]

 

【市長】

 まず、新型コロナウイルスの感染状況でありますが、本日確認された新規陽性者は97人、届け出が必要だった方は21人であります。

 直近1週間の新規陽性者は601人で、その前の週から10%減っております。

【資料3 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 5つの重点戦略】

【資料3 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 5つの重点戦略】

 

 それでは令和5年度の当初予算について、私の方から概要を説明させていただきます。

 今回の予算編成は、当初予算といたしましては、三ガク都のシンカを掲げた総合計画2年目となります。策定からは3年目でございますが、当初予算編成としては2回目の予算ということであります。

 時代が今大きな転換期にある、そして変革のスピードをさらに上げていく必要があるという認識のもとに、重点戦略を軸として、松本市が多世代から選ばれ、持続可能なまちであり続けるために必要な事業や政策を全面展開する、そうした予算に取り組みました。

 まず一般会計の総額は、1,021億円という規模でございます。前年度に比べますと1.2%の減少でありますが、3年続けて一般会計の総額が1,000億円を超えております。先ほど申しあげましたように、今回5つの重点戦略、これは総合計画を推進するために定めております5つの重点戦略で、この5つに関わる事業数は令和5年度合わせて120に上っております。今年度、令和4年度に比べますと、事業数で36事業、予算額では12億円あまりの増額となっております。

 この5つの重点戦略の主だった事業についてご紹介をいたします。

【資料4 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 人口定常化戦略(1)】

【資料4 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 人口定常化戦略(1)】

 

 まず女性や若者に選ばれ、結婚、出産の希望をかなえ、安心して子育てができるまちを目指す人口定常化、この取り組みとしてまず挙げさせていただいたのは、イオンタウン松本村井に、こどもプラザと福祉ひろば、この機能を併せ持つ新しい施設を整備いたします。

 そして、その次は母体の回復期にサポーターを派遣して、家事を支援する事業を新しく行います。

 そしてこれまでも、一時預かりなどで無料で利用をいただく、3歳未満児の家庭サポートクーポン、この対象範囲を休日保育、病児病後児保育、子育て支援ショートステイや育児ママヘルプサービス、さらには産後ママ家事支援サービスなど、7事業に拡充いたしまして、これまで2事業60時間分を提供していましたが、7事業210時間、さらにはショートステイの場合は1泊でありますので、210時間と3泊分ということに、大幅に3歳未満児をサポートする無料事業を拡充いたします。

 さらに人口定常化、少子化克服という意味では、できるだけ希望される方は、2人以上のお子さんを産んでいただくということが重要と考えておりまして、多子世帯、2人以上のお子さんを産み育てる世帯に対する支援を拡充いたします。一つはファミリーサポートセンター事業を対象として、就学前の子どもがいる多子世帯の方を位置づけまして、10時間分、利用を無料でしていただけるようにいたします。そしてもう一点は、保育園の保育料でございますが、現状第2子については、同時に第1子と第2子が保育園に通うケースは国が50%、市が20%で7割の軽減ということで、同時保育の場合はなっておりますが、単独保育の場合は、第2子について今までは軽減がございませんでした。これについて、同時保育のときの松本市の軽減分、2割を、単独の場合の第2子のお子さんについても適用するということで、単独で通園する第2子の保育料を20%軽減する、そういう措置をとりたいと考えております。ちなみに第3子については、現状において同時通園は国が100%無償化にしております。そして松本市が単独については20%軽減ということになっております。つまり第2子の部分が今まで空白の状態になっていた部分を、2割、20%軽減ということで、希望するご家庭が、できるだけ第2子の出産、子育てに臨んでいただけるようにという対応であります。

 もう一点は、ヤングケアラーという問題がこの数年非常に深刻になっておりますが、そういう子どもたち、あるいは家庭を支援するために、訪問支援員を派遣する事業を来年度から始めたいと考えております。

【資料5 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 人口定常化戦略(2)】

【資料5 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 人口定常化戦略(2)】

 

 続きまして、インクルーシブセンターの設立ということで、これまで松本市において発達障害のお子さんたちに対しては、「あるぷキッズ」という名称で支援事業を行ってまいりました。

 この発達障害のお子さん、さらには医療的ケア児ということで、医療的サポートが必要なお子さん、そしてなかなか学校に通えていない不登校の子どもたち、そうした何らかの特別な支援を必要とする子どもたちに対しまして、一体的な支援体制を行っていこうという観点から、インクルーシブセンターという名称で、拠点を設置したいと考えております。具体的には専門職が早い段階で子どもたちの状態を評価し、そして診断をし、他機関と連携して対応していける、そうした人員体制、組織体制を整備するということであります。

 次の学校給食費負担軽減事業は、物価上昇に伴って、松本市においては、来年度から10円の給食費の値上がりという答申を受けておりますが、この10円分について、これは一般会計から補填をして実質的に給食費を据え置くという事業でございます。

 次のリーディングスクールMatsumotoサポート事業、これは松本市が掲げます、公教育の多様化という観点からの特色ある学校作りを進めるために、対象校8校を選定いたしまして、この8校については教員を加配する、あるいは学校においての研究費を助成するといった対応をとっていこうというものでございます。

 次のUIJターン就業移住支援事業、これは今年度まで東京圏などの移住者が地方に移住をして、中小企業で働いたりテレワークを行ったりする場合に、移住支援金を交付しております。子ども加算というものがございまして、子ども1人当たり、今年度は30万円が支給される、これは東京23区から地方に移住する場合は、国が2分の1、県が4分の1、市が4分の1という制度であります。これに関係する対象をもう少し広げようということで、1都3県、それと愛知県と大阪府から長野県に移住する人に対しては、県が2分の1、市が2分の1で支援を行っている枠組みであります。これを来年度から国が30万円の子ども加算を100万円に引き上げるという方針で当初予算に盛り込んでおります。そして県もこれと同じように歩調を合わせて1都3県プラス愛知、大阪について、県2分の1助成という枠組みで、子ども加算を100万円にするという予算計上をしております。松本市としては国、県と歩調を合わせて、東京23区並びに1都3県プラス愛知県、大阪府から松本に移住をしようというご家庭に対しては、お子さん1人当たり100万円、そのうちの市の負担分、東京23区で言えば4分の1、1都3県、愛知、大阪については2分の1を負担しようということの予算計上であります。

 その次の結婚新生活支援事業、これは結婚に伴う費用を新婚世帯に対して補助金を交付しようという制度でありまして、これまで世帯所得の上限を400万円未満としておりましたが、それを500万円未満まで引き上げて対象を拡充するものでございます。

【資料6 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 新交通戦略】

【資料6 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 新交通戦略】

 

 2番目の新交通戦略、時代に即した交通環境の充実を図るというものでございますが、松本市の弱点の一つがこの交通環境ということがございまして、やはり重点的にこれからこの交通問題に国、県とともに取り組んでいくということは非常に優先度の高い課題であります。これまでもご説明申しあげてきましたが、4月から路線バスについて、市が制度設計を行って、民間事業者がエリア一括で運営・運行する、公設民営バス、ぐるっとまつもとバスがスタートいたします。それに関わる負担金を2億7,000万円余り計上しております。

 これと併せまして、交通決済キャッシュレスサービス、現在実証実験を行っているところでありますが、これを10月から全ての路線にキャッシュレス決済を拡充する、そして全ての路線で使える決済サービスを、現在のチケットQRからキャッシュカードのタッチ方式まで拡充をして、できるだけ大勢の皆さんにバスを利用していただく、利用していただく際には、利便性を上げるためのキャッシュレス決済を拡充をしてまいります。

 もう一つのAIデマンドバスでありますが、路線バスを木の幹とした場合の枝葉に当たる部分、交通空白地の解消、地域内移動ということでのAIを活用したオンデマンドバスの実証実験、既に塩尻、安曇野で行われておりますが、これについて、松本においても寿、梓川の2つの地区で実証実験を始めさせていただきます。

 4番目の自転車のヘルメット着用促進事業、4月から18歳以上についても、全ての国民が自転車に乗る際にはヘルメットの着用が努力義務となります。ここに向けて、昨年の10月から松商学園をモデル校として取り組んできた、ヘルメットを購入する高校生に対しては、1人3,000円分補助を行う、これを松本市内の全ての高校を対象に、令和5年度から事業を本格実施いたします。

 5つ目の美ヶ原スカイライン、これまで林道美ヶ原線、非常に老朽化して路面の破損が著しい、東山の観光支援を活用する一番ネックとなっていた交通アクセスの部分、美ヶ原再生計画に基づいて舗装改修事業を実施いたします。

【資料7 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ ポストコロナ戦略】

【資料7 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ ポストコロナ戦略】

 

 3つ目のポストコロナ戦略でありますが、松本城三の丸エリアの整備事業、令和5年度から6つの界隈で実際に事業が始まります。これを支援してまいります。

 グリーンインフラ、街の中に緑を、これを景観や防災やさまざまな観点から進めていこうという公共事業、松本市も長野県と歩調を合わせて積極的に推進をしていきますが、その先導的な取り組みとして、松本駅前に緑陰スペースをつくる、また花時計公園に憩いスポットをつくるといった取り組みを行います。

 3つ目の新工業団地の整備、松本市内に工場を立地したいという市内外からの需要が増えておりまして、この新工業団地の候補地を選定して整備手法や建設計画を決定してまいりたいと思っております。

 また上高地については国の指定文化財でありますが、今まで上高地の保存、活用の主体というものが明確にならないことが課題となっておりました。松本市が文化庁から管理団体の指定を受けて、主体的、主導的に上高地の保存、活用に当たっていこう、そのための取り組みの第一歩を踏み出すものであります。

 最後のアルプス山岳郷組織体制強化、アルプス山岳郷は安曇地区、奈川   地区をエリアとするDMOでありますが、このDMOは松本市と一体となってアルプスエリアを世界水準の山岳リゾートに育てていこうという、そのための組織でありますので、総務省の地域力創造アドバイザー制度、さらには地域おこし協力隊制度を活用して、人員面、人材面で強化を図るものであります。

【資料8 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ ゼロカーボン戦略】

【資料8 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ ゼロカーボン戦略】

 

 ゼロカーボン戦略については、実効性の高い取り組みを着実に進める段階に入ったと考えておりまして、脱炭素先行地域、乗鞍高原では、省エネ・再エネ設備の導入の補助や設置を加速化させるための支援を進めてまいります。また松本市全域において太陽光発電の設備の導入の加速は、ゼロカーボン社会の実現のためには不可欠であります。事業者への導入補助、住宅用設備を導入、設置する際の補助対象の拡大、また、松本市が有する施設に太陽光発電をできる限り導入するための調査といったものを行います。

 また省エネという観点からのLED化を松本市の施設で進めるための調査も行います。

 一方、ゴミの削減ということもゼロカーボンには不可欠でありまして、現在町会の一斉清掃用のゴミ袋を、環境に配慮した材質に変更をしていくということで予算計上をいたしました。また既にご紹介、ご報告しておりますが、これまで可燃ゴミとして取り扱ってまいりました製品プラスチック、これを再資源化する、容器包装プラスチックと一括に回収をして、幅広いプラスチックを再資源化していく、そのことで二酸化炭素排出量を減らしていくという取り組みも来年度から進めてまいります。

【資料9 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ DX戦略】

【資料9 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ DX戦略】

 

 5つ目のDX戦略については、最大限あらゆる領域で活用をしていくことが不可欠であると考えておりまして、地元企業の活用や実装を支援していくこと、また産学官で構成する協議会を設立して、事業化の研究を進めていくこととしております。

 さらに松本市が目指すデジタル市役所の実現に向けて、ウェブ会議システムを利用して、地域拠点の施設と本庁舎や東庁舎をつなぐオンライン相談窓口を来年度、5カ所程度設置をしたいと考えております。

 観光事業についても、松本城周辺のエリアについては、スマホアプリを活用したデジタルコンテンツを訪れた方に利用していただける、そうしたシステムを整えたいと思っております。

 最後の電力スマートメーターのフレイル検知事業、今年度およそ100人を対象に実証実験を行ってまいりましたが、一定の効果が認められたことから、来年度はおよそ2,000人の一人暮らしの高齢者を対象に家庭の電力スマートメーターの使用状況をAIが分析をして、フレイルに該当するかどうかを把握する、そして早期にフレイルの症状にある方を改善に結びつける取り組みをしていくということを行ってまいりたいと思っております。

 以上5つの重点戦略の主要事業を説明させていただきました。

【資料10 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 一般会計の推移】

【資料10 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 一般会計の推移】

【資料11 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 市債の残高】

【資料11 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 市債の残高】

 

 改めて全体像でございますが、先ほど申しあげましたように、一般会計、総額では前の年度に比べて1.2%の減少でございます。

 また借金にあたります市債の残高、これは過去10年では最低の水準ということで689億円あまりでございますが、これはハード事業のタイミングに左右されるものでありまして、また再来年度以降は再び上昇するということもあるものと認識をしております。

【資料12 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 財政調整基金の残高】

【資料12 令和5年度当初予算案 「三ガク都のシンカ」を加速 ~子どもの未来に希望を架けるために~ 財政調整基金の残高】

 

 最後に財政調整基金の残高、どのぐらい余裕を持たせておくかというものでございますが、今年度、令和4年度の残高見込みは135億円となっております。そこから当初予算の段階での財政調整基金の残高は111億円という金額であります。松本市は前年度の繰越金の2分の1相当を自動的に翌年度の財政調整基金に積み立てるというルールを続けておりまして、この135億円という令和4年度の残高も、繰越金を入れた金額でございます。でありますので、それとの比較ということで見る場合は、この2分の1相当額の積立額を加算して比較をするということが妥当と考えますので、これを令和4年度の繰越金が例年並みと見込みますと、令和5年、12億円が111億円に積み立てられ、合わせて123億円という令和5年度の財政調整基金残高の見込みと捉えております。

 財政調整基金の残高の目安、これは積み過ぎても本来必要な事業にあてていないということになりますし、また崩しすぎても財政上の問題となります。ではその目安をどこに置くかということ、これはそれぞれの自治体が標準財政規模に対して、10%程度でいいんじゃないか、あるいはもう少し高い方がいいんじゃないかということで一定のラインを設けておりますが、松本市としては標準財政規模の20%以内を目安として運用していこうという方針を打ち立てております。今回はこの123億円という数字、これは令和5年度の標準財政規模の20%ということでいきますと、118億円という数字がはじき出されますが、それに近い水準と考えております。

 以上私から令和5年度の当初予算案の概要をご報告いたしました。

 

【記者】

 予算について、全体のお話からお伺いしたいのですが、3年連続で1,000億円を超える規模ということで、博物館建設も完了したということから見ると積極的な編成を続けたのかなという印象を受けたのですが、改めて今回、積極的な編成をしたのかどうかというところと、もう一点、5つの軸で予算を組んでいると思うのですが、2023年度予算で一つ目に人口定常化を持ってきた理由を教えてください。

 

【市長】

 まず積極型、それに対する予算の場合の対義語は均衡型とか、あるいは緊縮型という言葉が使われますので、そういう大別で言えば、積極型という姿勢は続いているものだと認識をしています。

 もう少し違うワーディングを使えば、加速型あるいは全面展開型というのが、私としては先ほど冒頭で申しあげましたように、総合計画を実現していくために、いわば芽出し予算、計画段階で予算づけしたものを事業化する、そういうものが非常に増えてまいりましたので、これをこちらの重点戦略を軸として全面展開していこうということが、今回の予算編成の自分たちの中心軸であると考えております。

 その上で、この並びは、昨年は5、4、3、2、1の順番でした。それをひっくり返した形になりましたが、一つは今回、人口定常化の事業数が非常に多かったということ、金額でも人口定常化とか新交通の金額が大きくなったということもございます。

 またDXでいきますと、これはこれからの社会やまちづくりの土台、基盤、インフラプラットフォームということで、行政としての取り組みは熟してきたということがございます。ゼロカーボンについても2030年、あるいは2050年には、都市レベル、国レベル、世界レベルで実現させていくという共通認識になってきましたので、これも着実に進めていくということの認識であります。ポストコロナについては、文字通りコロナに終止符を打って、これからコロナから自由になっていこうということでありますので、さまざまな観光や、あるいはライフスタイルの変更に基づいた事業展開をしていこうということであります。交通については、この4月から公設民営バスのスタートということで、非常に令和5年度が節目となるタイミングということで、この金額や、あえて言えば順番も2番目というところに位置づけさせていただきました。その上で人口定常化ということを1番目に掲げさせていただいた思いといたしましては、このコロナの3年で、日本全体で少子化の加速が一段と進んだ、これは松本においても出生数の落ち込みといったことに表れております。今の政府が少子化対策、子育て支援、これを最優先課題と位置づけて取り組もうとしていることは、松本市の状況認識とも非常に重なるものであります。一方で、3年のコロナによってライフスタイルや働き方が大きく変わるか変わらないかというところも、今、正念場を私は迎えていると思っておりまして、先の人口動態の統計で、47都道府県の中で11都府県が社会増になった、長野県は何とかその社会増の側に踏みとどまっている。その中で松本市は市町村の中では最も多い社会増を実現することもできた。この出生数の落ち込み、そして今せめぎ合っている東京をはじめとした大都会と地方の都市、どちらに住み、働き、家庭を築いていくかという状況の中で、松本市が地方都市として、トップランナーとして、人口の定常化を実現していく、その今大切な時期にあるということが私にとっての人口定常化を一番に持ってきている理由ということになります。

 

【記者】

 人口定常化の関係で、市長としては先の人口動態の関係で、自然減と社会増はある程度社会増で自然減を賄っているという感じで、その差を埋めるための今回の予算措置かなと思うのですが、出生を減らすのを抑えるのか、それとも移住者を増やすのか、両輪なのか、そのあたりの考えはいかがでしょうか。

 

【市長】

 それは両輪であります。少なくとも現状よりは出生数を増やしていく、これは政策事業だけで実現できることではありませんが、市民の皆さんにもそうした呼びかけを続けていきたいと思いますし、また社会増についても、間違いなくこれまで何回か地方の時代と言われたことがございました。田中角栄元総理大臣のときの列島改造論、これはハードの公共事業を大胆にやって、東京一極集中を是正するというタイミングがありました。また2000年前後には首都機能移転といった政治テーマや、あるいは地方分権一括法ということで、地方に権限をおろしていくという法的枠組みを作って、今度こそはと言われましたが、やはり東京一極集中は是正されなかった。

 しかし今回コロナとDXとそしてゼロカーボンという、社会の根底を揺るがす部分での、これから若い世代の人たちがどこで暮らして、どこで働いて、そしてどこで家庭を築いてということの選択は、私は非常に大きく今広がろうとしていると思っておりまして、ですのでこの社会増の部分も出生数を増やしていくことと併せて、まだこれから広げていける、あるいは広げていかなければいけないと考えております。

 

【記者】

 今回の中で多子世帯という単語が出てきて、一般的に多子世帯というと子どもが3人以上という中で、市があえて第2子以上を多子世帯と言う、その意味合いというのを少し説明いただければと思います。

 

【市長】

 現実に今出生率は1.1倍の前半にとどまっておりまして、子どもを3人以上産み育てるということは非常に例外的な現状になっております。もちろんその方々へのサポートはこれまでと同様に必要だと思っておりますが、人口を定常化、つまり持続可能で減らない状況を、少なくとも死亡と出生である程度釣り合いをとっていこうとすれば、それは国単位でもまち単位でも、希望する方がカップルとなって家庭を築いたときに、2人のお子さんを希望していれば育てていただける状況、これが当面非常にポイントになると考えております。でありますので、多子世帯の「多い子ども」という言葉が必ずしも適切かどうかわかりませんが、今まで3人以上と線を引いていたものが、2人以上に線の引き方を引き下げることの意味合いは、持続可能な社会、あるいは人口定常化ということでは重要だと考えて、このようにしたということであります。

 

【記者】

 確認ですが、2人目の子どもを出生した家庭の支援を手厚くするという意味合いでもよろしいということでしょうか。

 

【市長】

 結構です。

 

【記者】

 来年度は市長にとっての任期の最終年になります。いわば総決算の年だと思うのですが、今回の予算に盛り込んだ事業を含めると、4年前に掲げた選挙公約60項目にわたりますが、およそどれぐらいまで達成できたと考えていらっしゃいますでしょうか。達成できたと思う事業、あるいは積み残しになるだろうというような事業、具体的なものも含めてお話いただければと思います。

 

【市長】

 まだ予算を提出するという段階ですので、成立、さらにはそれを実施、少し今のご質問は半年以上早いかなとは思います。その上でお答えをできる範囲でするとすれば、まず私が60項目掲げた政策は、4年間でこの60項目を完了します、ということではないということはお断りをしておきます。表現の幅もそれぞれつけておりますが、まず自分の力で短長をつけなきゃいけないといったものや、それを少なくとも、計画推進のところまでは持っていこうというものや、もちろん予算として実施して完了するというところまでいくものや、そういうものが組み合わさっておりますので、まずはその前提で、いずれ市長としての仕事をどの程度やったかという有権者の皆さんの判断もしていただけるものと考えております。

 その上で今、任期4年のうち3年が経とうとしているわけでありますが、新型コロナの感染拡大と私の市長就任はほぼ同時、そして3年というのは、新型コロナの山をようやく乗り越えたというタイミングでもあります。そこまでにやらなければならないこと、本来やらなければならなかったのにできなかったこと。私は大きな意味で言うと、市役所の新庁舎の問題は届いてないかなと思っております。それ以外はほぼ、コロナと並行をする中で事業の進捗、あるいは政策の変更ということは進めてこられたという手ごたえを持っております。

 ただこれはもちろん十分ということではありませんし、もっともっと取り組んでいくための、そして先ほど申しあげましたが、加速していかなければいけない状況だと思っていますので、今回の予算編成を成立、そして実行段階に持っていって、コロナの山を乗り越えて、コロナから自由になって、今、社会全体が前に進もうとしているこの波にしっかり乗っていく、そういう政策運営をしていきたいと思っております。

 

【記者】

 もう一点、人口定常化の話に戻りますが、今回予算の表にも出ています、増額の濃淡からいくと、やっぱり人口定常化に大きくシフトしていると思います。これまでの当初予算を見てみますと、令和3年度は環境、DXというタイトルを掲げていましたし、4年度は初めて5つの重点戦略を盛り込んだ中で、DXとゼロカーボンというのはやっぱり最初に見てきました。第11次基本計画の中でも重点戦略というのは、DX、ゼロカーボンという2本柱があって、そういうところからすると今回人口定常化に政策の優先度を変えたのかなというような印象を受けるのですが、市長とすると、先ほどDX、ゼロカーボンの根底を揺るがすのが少子化というご認識を示されましたが、現実の少子化が一段と深刻な状況である現時点では、DXあるいはゼロカーボンよりも人口定常化の方を本腰を入れて取り組むべきという、優先度が高い課題だと捉えていらっしゃるのでしょうか。

 

【市長】

 少し私の説明が不十分だったのか、真意が伝わってないなと、今のご質問を伺いながら感じましたので、改めて申し述べたいと思っております。

 それとまた、前提として金額というのは、実は振り分け方というのも今の段階で両方にかかるような話だなというのもあります。今の話で言いますと、一番金額の張るものでいきますと、学校のICT活用の部分を、前回はDX戦略に盛っていた部分を、今回は人口定常戦略に入れています。ですのでここまでの金額の開きはないとも言えます。その上で今のご質問にお答えすれば、先ほど申しあげましたが、DXというものがとにかく大きく旗を振って、そして日本全国でもそうですが、ましてや松本市においては、まだなかなか市役所内の意識も、そして取り組みもゼロに近い状況、このときは市長が陣頭指揮を執る、そして予算の目立つところに置く。そしてまず起用していく。これが必要でした。ですので目立つところに置きました。ようやく私は他の自治体と比べても遅れは取り戻せたかなと思っています。まだまだこれを引き上げていかなければいけませんが。そしてベースとなる社会インフラとして、市役所の部分も、あるいは外の部分も進めていくという、そういういわば巡航速度の段階に入ってくる、これが今のDXという認識であります。

 ゼロカーボンは、それよりもまだ現状において、これから動かしていかないといけないことはたくさんありますが、これもまず枠組みを作るとか、モデル地域を作ってそこを立ち上げるとか、あるいは制度設計するとか、こういうことは令和4年度にかなり精力的に取り組みましたので、ではそれを市民の皆さんに、事業者の皆さんに、社会全体に普遍していくという、そういう段階に入ってきていると思います。そしてこれは息の長い取り組みです。2030年、さらには2050年に向けて、息を長くやっていく取り組みということであります。そういう中で、いわば目立つところに何を置くかということで、今回一番目立つところに、DXではなく人口定常化ということにしたというわけであります。目立つところに置くということは、今ご質問にあったように、優先度が変わったかということとは少し意味合いが違うと自分としては認識をしております。息の長い取り組みとしてのゼロカーボンは、いわば骨太さで言えば一番骨太の部分でもあります。今回人口定常化の事業数の多さ、あるいは先ほど10項目提起させていただきましたが、文字通りさまざまな政策を組み合わせて、そして多面的にアプローチして、何とか成果に結びつけていこうというものであります。

 子育てだけでも出産、保育、そして就学という、そういう幅広い段階をきめ細かく対応していく必要がありますし、また当然、仕事や収入や住まいや出会いや賑わいといったものまでが総合的、包括的に進んだときに、出生数が増え、あるいは社会増が大きくなり、松本の人口が減らない状態、そして相対的に若い世代の人たちが増えていく状態、そういうものが作れると思っています。そのときに令和5年度というのが、先ほど申しましたが政府も最重要課題に位置づけたり、あるいはこども家庭庁が発足をしたりということでありますので、旗の振り方でいけば、今一番旗を大きく振るのがこの人口定常化かなということであります。

 

【記者】

 優先度で言うと同じということですか。

 

【市長】

 そうです。

 

【記者】

 先ほど質問の中で市役所の新庁舎の話が出たかと思いますが、当初予算で関連事業というのが基金の積み立てぐらいだと思います。春には市議選もありますが、これからのスケジュール感というのは、今のところどのようにお考えでしょうか。

 

【市長】

 これは昨年末に議員協議会で分散型市役所の姿を示させていただいて、そのときにも議会あるいは会見で申しあげてきた通りであります。

 今度の市議選で、分散型市役所の姿というものも、いくつかある政策領域の一つとして、立候補される皆さんも、また有権者の皆さんもさまざまな判断をされると思います。その結果として、新たな議会が5月からスタートいたしますので、その新たな議会のもとで、改めて分散型市役所の姿をどのように受け止めていただけるのかというところが起点となりますので、そのスタートがどう切れるかということによって、このスケジュールは決まってくると思っております。

 

【記者】

 先ほど質問がありましたが、多子世帯の区分の考え方についてですが、これまでは多子世帯は一般的にも3人以上子どもがいる家庭と定義付けされていたわけですが、改めて市として2人以上というふうに区分を変えるといいますか、そのように改めるという認識でいいのかということが1点と、今回のゼロカーボン戦略に関してなんですが、先ほどご説明の中で、実効性の高い事業を進める段階に入ったとご発言なさいました。これまで来年度の当初予算に盛った事業と、これまで取り組んできた事業の性格の違いというものも教えていただけますか。

 

【市長】

 まず前者の質問は、何か定義付けを松本市がするとか、変えるとかという認識はありません。予算でよく我々が説明をしていくときに、第2子、第3子と分けて言葉を発していくことが、煩わしいというか分かりにくい、まとめた方がいいだろう、まとめるときに今まで「多子」という言葉を、第3子以上で使っていたもの、それを準用するという意識であります。それ以上の深い意味はありません。もしいろいろこの後、政策展開をしていて、逆に多子という言葉があまりそぐわないんじゃないかということになるなら、またそれはその場で考えていけばいいかなという程度の問題であります。

 そして2つ目の質問のゼロカーボンについては、令和4年度にあたって4つの課題がありました。一つは市民の皆さんと共に大きな認識の共通を図るための条例を制定するということ。そして条例に基づいて、ゼロカーボンを実現するための総合的、包括的な計画をつくるということ。そして条例や計画に基づいて企業あるいは大学、そして行政が何らかの取り組みをこれから進めていく、その母体を作るということ、これはコンソーシアムです。4つ目は、やはり事業を展開していくには、一気に全面展開できませんので、モデル地域を決め、そして動かし始めるということ、これが国レベルで言う脱炭素先行地域であります。この4つを令和4年度に立ち上げ、動かし、スタートさせるということを行いました。この4つの、例えば脱炭素先行地域で言えば、5年で成果を上げろという制度枠組みでありますので、1年目に申請をして採択をされ、またこういうことをやっていきますよということでの準備を進めました。令和5年度はそれに基づいて、実際に小水力発電所をどう建設していくかという具体的な設計が始まったり、あるいは二次交通も含めた拠点となる乗鞍の今の観光センター、これをゼロカーボン仕様に変えていくといった取り組みも、これも来年度からスタートいたします。あとは、実行段階ということで言えば、先ほどの条例に基づいて、あるいは計画に基づいて再エネ導入を事業者、市民、具体的に太陽光発電を導入していただくための取り組みの補助制度をもっと拡充したり、実際まだ何に投資をしていいかわからないという方々への支援をやっていく。またやはり省エネやごみ削減とゼロカーボンはセットですので、省エネやごみ削減のセットとなる取り組みについてのLED化や再資源化といったこと、これを現実に動かしていく、それがご質問の令和5年度が事業段階に入っていくということの私の認識であります。

 

【記者】

 全体的なところで、先ほどの順番を昨年度と逆転させたというお話ありましたが、その順番については、優先順位はみんな同じだということですが、もう一度順番を変えて付けているところについてお聞き願えますでしょうか。どういう意味合いでつけているのでしょうか。

 

【市長】

 あまり深い意味はないということが答えといえば答えです。そうは言っても、実は事務方と、どうしますかという話がありました。そういう意味で言うと、私は皆さんと同じメディアの仕事をしていましたから、やっぱり物事を伝える伝え方というのは、少し荒っぽい言い方をすれば、何を目立たせるかというのはあります。比重を変えたとか、優先順位を変えたとか、あるいは優先順位をつけたとか、私からは言ってないんですが、でも受け止める人たちが全部同じように扱うかと言ったらそうじゃないことはあるだろうなと。そこは意識をして、どこが目立つかというか、旗として5本振っているんだけど、でもなんか一番高いところに旗があるなとか、今日は勢いある振り方をしているのはどこだ、みたいなことは、違いが少しは出てくる、そういうぐらいの違いとして、今回この5つというものを、松本市としてどういう見せ方をするかということが、ご質問に対する答えでしょうか。

 

【記者】

 社会の動向を見ながら、市政としての思いを順番にしたということでしょうか。

 

【市長】

 それと、先程と説明が重なりますが、それぞれの事業にでこぼこ、まずここで立ち上げて、実際その事業が動き始める。それは時間差があるというか、段階を踏んでいくときに一斉に同じように進まないということは、別にこの5分野だけではないですが、あらゆる政策上であるなと思っています。なので、実際先ほど申しあげたようにもう少しプラスをすれば、令和5年度にいろいろなものが動くタイミングに当たっている部分が比較的多いのが、この人口定常化であり、交通の部分であるということかなと思います。

 

【記者】

 今回取材するにあたって、午後2時からということで、これから細かい取材をしなければいけないので、もし来年度以降、予算の取材を記者会見と別か、もしくは午前中にやってもらえると助かるというのを、要望だけさせていただきます。

 

【市長】

 リクエストを承りました。

 

【秘書広報室】

 以上で市長定例会見を終わります。

 

※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

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