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南栗遺跡 1985年(昭和60年)
古代の集落跡、円面硯、中世の墓跡が出土
島立地区の南栗遺跡は、昭和58年(1983)・昭和59年(1984)にほ場整備事業にともなう発掘調査が行われ、古代の大集落跡が発見されました。
その後、昭和60年(1985)にも、奈良井川と長野自動車道にはさまれた一帯で発掘調査が行われました。
この調査では、古墳時代から平安時代の住居跡20軒、掘立建物跡11軒、中世の墓跡とみられる土坑130基や柵・溝の跡が見つかりました。
遺物は土師器・須恵器・灰釉陶器などの器や、手斧・鉄鐸(てったく)などの金属製品、砥石・石臼などの石製品が出土しました。
なかでも注目すべき遺物として、第9号住居跡と土坑125からは、円面硯 (えんめんけん:古代の焼き物の円形すずり)の破片が発見されました。
松本市では初めての発見となった円面硯は、古代の行政機関で使用されていた記録用具であり、南栗の地にも文字を書くことを必要とした人物がいたのかもしれません。
カメラでパチリ!
円面硯(実測図)
第9号住居跡と遺物出土状況
石製品(護摩鉢または竪臼品)
発掘調査報告書
『松本市島立南栗遺跡 緊急発掘調査報告書』<外部リンク>
松本市文化財調査報告38
松本市教育委員会 1986年
※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2023年6月28日