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松本の郷土食
松本市は昔から城下町として栄え、地方から様々な特産品が運ばれたことから、東西の特徴が混在した食文化があります。また、湧水に恵まれ、日照時間が比較的長く気温の差も大きいことから、野菜や果物などの特産物の栽培が盛んで、地域の特徴を生かした食文化も育まれています。
現在では実施することが少なくなった行事もありますが、松本ならではの郷土食や行事食を紹介します。
郷土食・行事食
やしょうま
【時期・関連行事】
お釈迦さまが亡くなったとされる2月15日の涅槃会(ねはんえ)、もしくは月遅れの3月15日
【歴史・由来】
米粉を色付けして蒸した生地を棒状に伸ばし、組み合わせて模様を作り、輪切りにして作ります。お釈迦さまが亡くなったとされる2月15日の涅槃会(ねはんえ)に仏壇にお供えするために、家庭やお寺で作られます。固くなったら、焼いたりあぶったりして食べます。
山賊焼き
【時期・関連行事】
通年
3月9日は「松本山賊焼の日」
【歴史・由来】
鶏肉のもも肉や胸肉の1枚肉を、しょうがやにんにく等を入れたしょうゆベースのたれに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げたものが山賊焼きです。市内の飲食店で提供されている他、保育園・幼稚園等給食や、学校給食でも提供しています。
【リンク】
松本山賊焼き応援団ホームページ<外部リンク>
みそパン
【時期・関連行事】
通年
松本市の保育園・幼稚園等では、入学のお祝いメニューとして提供しています。
【歴史・由来】
なつかしい味!という方も多いみそパン。所説ありますが、江戸時代の終わりに軍の保存食として考案され、その後市民に広まり、元旦の登校日や運動会等で熨斗(のし)に包まれたみそパンが配られていました。現在でも、松本市のパン屋さんやスーパーではみそパンを販売している店舗がたくさんあります。保育園・幼稚園等では、4月になると入園のお祝いメニューとして提供しています。
【レシピ動画】
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【レシピ】
写真をクリック、もしくはタップすると、レシピが開きます♪
おてっか
【時期・関連行事】
7月~9月
【歴史・由来】
油で炒めたなすをみそ、砂糖等で甘辛く味付けしたものです。なすがたくさん採れる時期に食べられています。なすの他に、たまねぎやピーマン、とうがん、ズッキーニ、辛こしょう(青唐辛子)、大葉など家にある野菜や豚肉を入れたり、味付けも家庭により様々です。出来上がりに七味唐辛子を振って食べてもおいしい!
おてっかの他に、鉄火なす、鉄火みそと呼ぶ地域もあります。保育園・幼稚園等給食や、学校給食でも提供しています。
【レシピ動画】
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【レシピ】
切り昆布の煮物
【時期・関連行事】
お盆
【歴史・由来】
干し揚げと切り昆布、夏にとれる野菜で煮物を作り、お盆の時期に仏様に供えます。油揚げを干して作る「干し揚げ」は、この時期に販売される松本地域ならではの食品です。干すことで常温でも保存ができるため、夏の貴重なたんぱく源でした。
夏の郷土食として、保育園・幼稚園等給食や学校給食でも提供しています。
天ぷらまんじゅう
【時期・関連行事】
お盆
【歴史・由来】
お盆にお供えしたまんじゅうをおいしく食べるために生まれた天ぷらまんじゅう。野菜の天ぷらを作るのと同様に、まんじゅうに天ぷらの衣をつけて揚げます。
お盆になると、市内の食品売り場には天ぷらまんじゅう用のまんじゅうが並びます。
とうじそば
【時期・関連行事】
通年
新そばは9月頃
【歴史・由来】
信州そばは全国的にも有名ですが、奈川の郷土料理には「とうじそば」があります。鍋につゆと山菜やきのこなどを入れて煮立て、その中に竹籠に入れたそばを入れ、温めて食べます。
鍋に「投じる」ことから、とうじそばと呼ばれるようになったと言われています。
野沢菜漬け
【時期・関連行事】
11月
【歴史・由来】
11月頃になると、各家庭で野沢菜を洗い、桶に漬ける光景が見られます。野沢菜漬けは食事やお茶の時間に出され、おやきの具としても人気があります。家庭によって味が違うため、持ち寄って食べ比べをしたり、お茶の時間にも食べられます。
近年大きな桶で漬ける家庭は減っていますが、春先になると乳酸発酵が進み、酸味が出ます。酸味が出た野沢菜漬けは塩抜きをして炒めて食べることが多く、「野沢菜炒め」と呼びます。学校給食でも提供しています。
安曇地域では、伝統野菜である「稲核菜(いねこきな)」を漬けます。
かぼちゃだんご
【時期・関連行事】
冬至
【歴史・由来】
冬至にかぼちゃを食べると、風邪をひかないといわれています。かぼちゃを煮たところに水で練った小麦粉をおとし、煮た小豆を加えて作ります。冬至にかぼちゃを食べる地域は多いですが、団子が入るのは小麦の生産が盛んだった松本地域ならではです。
学校給食でも提供しています。
具だくさんみそ汁
【時期・関連行事】
通年
【歴史・由来】
季節の野菜やいも類、海藻類、肉、魚、大豆製品等をたっぷり入れて作るみそ汁を具だくさんみそ汁といいます。具だくさんにすることで、主菜と副菜を1杯でとることができます。
具をたくさん入れることで具材からうま味が出るため、みその量が少なくてもおいしく食べることができます。また、具をたくさん入れると汁の量が減り、調味に使うみそが少なくなるため減塩につながります。
松本市では平成30年から具だくさんみそ汁を市民に広める取組みを行っています。毎年具だくさんみそ汁コンテストを開催し、保育園・幼稚園等給食や学校給食では年間を通じて提供しています。
【リンク】
みそ作り
【時期・関連行事】
通年
【歴史・由来】
長野県はみその生産が盛んで、生産量の4割以上が長野県で作られています。中でも松本市は、清冽な雪解け水と澄んだ空気に恵まれ、みそをはじめとする様々な醸造の食品に適した土地柄です。消費量も全国一位で、市内には歴史あるみそ蔵が数多く存在します。松本市の多くの小学生は、農業体験の一環として大豆栽培をし、その後みそ作り体験をしています。