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桜ヶ丘古墳と妙義山古墳群 1955年・1956年(昭和30年・昭和31年)
本郷村の村章になった金銅製天冠
本郷村の村章
ヤマアリの巣の観察から
桜ヶ丘古墳は、松本市浅間温泉(旧東筑摩郡本郷村)にある古墳です。
ここから発見された金銅製天冠は松本を代表する考古資料の一つで、長野県宝に指定されています。また、天冠は本郷村の村章に図案化されていました。
昭和29年(1954)に女鳥羽中学校の生徒がヤマアリの巣の観察をしていたところ偶然発見されたというエピソードがある古墳です。この発見を機に本郷村は、国学院大学の大場磐雄博士の指導の下で昭和30・31年の2回、発掘調査を行いました。その結果、桜ヶ丘古墳からは、金銅製天冠や武器・武具・装身具等の副葬品が出土し、古墳時代中期に築造された古円墳であることがわかりました。
また、同時に調査された同村大村の妙義山古墳群は大小3基の円墳からなることが分かり、そのうち古墳時代後期に築かれた1基の円墳からはも見事な装身具などの副葬品が出土しました。
発掘直前の桜ヶ丘古墳
天冠と鉄剣の出土状態
三笠宮殿下が視察に
発掘の後、昭和32年6月に三笠宮崇仁殿下(昭和天皇の弟君)が大場博士の案内で尖石遺跡や平出遺跡、中山考古館(現松本市立考古博物館)など長野県内の遺跡や出土品を見学した際、桜ヶ丘古墳の墳丘と両古墳の出土品もご覧になりました。これは戦後の松本で遺跡と考古資料が脚光をあびた初の出来事と言えるでしょう。
桜ヶ丘古墳の副葬品は、まず昭和44年に金銅製天冠が、その後平成22年(2010)にその他副葬品63点もあわせて長野県宝に指定され、松本市立考古博物館で常設展示されています。
桜ヶ丘古墳を視察される三笠宮殿下
桜ヶ丘古墳出土品は考古博物館で展示しています!
発掘調査報告書
『信濃浅間古墳』 本郷村教育委員会 1966年<外部リンク>
クリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
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「長野県宝 桜ヶ丘古墳出土品」をもっと詳しく
クリックすると「松本のたから」の「桜ヶ丘古墳出土品」のページにリンクします。
Facebook掲載
2022年10月12日