ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 教育委員会 > 教育文化センター > 宇宙クラブ(令和3年度)

本文

宇宙クラブ(令和3年度)

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

市内小学5年生から中学3年生10名を対象に天体観測等宇宙に関する活動をするクラブです。

クラブ発表会を開催しました(3月27日)

これまでにクラブで活動してきたことについて、クラブ員がプラネタリウムで発表しました。

発表の様子

当日は、クラブ員が順番にプラネタリウムのコンソール(操作卓)に座り、機器を操作して発表しました。今年話題のシリウスBの観測(全天で一番明るい恒星であるシリウスは、AとBの連星であることが知られています。)について写真を用いた発表。国際宇宙ステーションの動きを何度もシミュレーションし、夜空に矢印を描いて説明する発表。月について調べたことを丁寧にまとめた発表。皆が学びの成果を会場の参加者に伝えることができました。プラネタリウムコンソール(操作卓)の写真

活動を振り返って

「星や宇宙に興味を持てたのは、このクラブのおかげでした。」

「みんなと星について話せて楽しかったです。」

等、全員が自分の学びの成果を発表して、クラブは解散となりました。令和4年度は、宇宙クラブで実施してきた内容をもとに、新たな事業を展開する予定です。

令和4年度の計画

令和3年度宇宙クラブでは、天体観測やプラネタリウム番組制作を実施してきました。子ども達が夢中になって取り組んだプラネタリウム番組制作は、令和4年度に「星空プログラミング」という名称で継続し、さらに学びたい方に向けて3日間の連続講座も開催します。(望遠鏡による天体観測も含めた講座です。自分で観測した体験をプラネタリウム番組に入れ込んで発表することもできます。)また、天体観測事業「星空散歩」については、市内天文サークル「スターウォッチングクラブ北斗」の協力を得て継続実施します。観望の時間は短くなりますが、受け入れ人数を大幅に増やす計画をしました。このほか、信州大学全学教育機構等と連携した天文分野の講座も計画しておりますので、ぜひご来館いただきますようご案内いたします。

科学について学んだり、体験したりするなら、教育文化センターへ!

 

第5回クラブを開催しました(1月15日)

プラネタリウム番組制作

「ステラドームスクール」という専用のソフトを使い、プラネタリウムの解説番組を制作しました。「オリオン座の紹介」と題した例では、星座の名前や星座線、星座絵などをプラネタリウムに投映するプログラムを組み、実際にプラネタリウムで映してみました。パソコンのマウスで簡単操作するだけのプログラミングで制作していきます。

「こんなに簡単にできるの?」

「本物のプラネタリウムが作れるんだね。」

「作ったのをドームに映してみたい。」

と話していました。

ある参加者は、「宇宙旅行」と題した解説番組を思いつき、太陽系の惑星を順番に巡るプログラムを完成させました。実際にプラネタリウムにデータを移して投映すると、本当に宇宙空間をフライトしているような感覚がありました。中でも面白かったのが土星。土星に着陸すると、頭上に大きく土星の環が見えました。

「土星人がいるとしたら、こんなふうに土星の環が見えるのかもしれないね。」

と話しました。プラネタリウム番組制作の様子

チャレンジタイム

後半は、参加者が自分の課題に取り組める時間も設定しました。月齢14の月が出ていたので、外へ出て望遠鏡で眺めて課題に挑戦する参加者、書籍やインターネット等を活用して惑星について調べる参加者もいました。

クラブの最終回は、発表会となります。制作した番組や調べたこと、クラブを通してチャレンジしたこと等を子ども達がプラネタリウムで投映して発表します。2月27日(日)午後4時からとなります。事前申し込み制、無料です。

第4回クラブを開催しました(12月18日)

満月の前夜、晴れて澄み渡る星空のもと、天体観望を行いました。

欠けた金星

金星は地球の内側を公転する内惑星のため、地球との位置関係によって満ち欠けをし、さらに見かけの大きさも変わります。12月4日に最大光度を迎えた金星を見るために、この日は実施時刻を早めました。

「月みたいに欠けるんだね。」

「望遠鏡で見ると、こんなにまばゆいんだね。」

倍率の違ういくつかの望遠鏡や双眼鏡で何度も望遠鏡をのぞき、欠けた金星の見え方の違いも確認しました。

月の観測

満月を翌日に控えた月を観測しました。天体観測ドームを開き、月明かりが入ってきた途端に子ども達から歓声があがりました。

「うわぁ、まぶしい!」

「月明かりで影ができているよ。月ってこんなに明るかったんだね。」

早速、望遠鏡にムーングラス(月明かりを適度に減光し、見やすくするフィルター)をつけて観測しました。また、CMOSカメラとパソコンによる観測もしました。モニターには、望遠鏡を通して得られた映像がリアルタイムで映ります。参加者の皆さんは、モニターに映る映像を指さして互いに話していました。

望遠鏡にさわるということ

今回は、希望する保護者の方にも、順番に天体観測ドームにお入りいただきました。ある方は、

「(ドームに入ることができて)夢が叶いました。望遠鏡に触ってもいいですか。」

とおっしゃいました。大きな望遠鏡にさわることが、一生の体験になりうるのです。当センターでの活動が、子ども達にとってかけがえのない体験となるよう、今後も運営に力を入れてまいります。

第3回クラブを開催しました(10月2日)

今回は昼間に太陽観測をしました。秋晴れの中、天体観測ドームで活動にのめり込む子ども達の姿が印象的でした。

太陽投影板

太陽黒点を投影し、位置を正確に記録しました。太陽の縁に近い部分では黒点が細長く伸びたようになっており、意見交換をしました。
「この黒点は細長いね。」
「どうしてだと思う?」
「太陽は丸いから、周りの方は歪んで見えるんだと思うな。」
「あぁ、そういうことかぁ。」

黒点観測をしている写真
黒点観測

太陽プロミネンス観測

CMOS(シーモス)カメラを望遠鏡につなぎ、PCを使った観測も行いました。残念ながら大きなプロミネンスを確認することはできませんでしたが、画面いっぱいに映しだされる太陽は迫力があり、子ども達は目を輝かせて見入っていました。

PCモニタで太陽観測をする写真
PCモニタで観測

昼間の月

当日の月齢は25.5。下弦を過ぎ、新月を4日後に控えた月は、午前10時の空高くにのぼっていました。天頂付近のそれに望遠鏡を向け、青空に浮かぶ欠けた月を捉えました。
「昼間の月を望遠鏡で見たのは初めてだなぁ。
「クレーターがはっきり見えるよ。」

一方、昼間の天体観測で最も恐ろしいのが、月を見ているのに誤って望遠鏡に太陽光が入ってしまうことです。その点、天体観測ドームにはスリット(開口部)があるため、比較的安全に観測ができます。今回、月の観測時にはドームを動かして太陽の光を遮り、万が一にも望遠鏡に太陽光が入らないように細心の注意を払いました。

昼間の月を観測する写真
昼間の月の観測

プラネタリウム番組制作

後半には、プラネタリウムソフト「ステラドームスクール」を使って、プラネタリウム番組を制作しました。まずはスタッフのデモンストレーション。
「これがうお座です。」
「うお座は、二匹の魚がリボンで繋がれたように星が並んでいます。」
「二匹の魚は、親子の星座です。」
画面に、星座の名前・星座線・星座絵を順番に出ては消える番組を見ました。
子ども達は、あっという間に操作のコツをつかみ、オリジナルの番組(星空解説)を制作しました。
「100年前の空と、200年前の空って違うのかな?」
「僕が生まれた日の星空の番組を作りたい。」
やがて室内は無言となり、子ども達は夢中になって取組みました。

ところで、小中学校では「プログラミング教育」が必修化されているところですが、プラネタリウムソフト「ステラドームスクール」を使った制作は、まさにプログラミングと言えます。自分の考えをよりよく表現するために試行錯誤する過程において、プログラミング的思考を駆使している姿が見られました。

自分の課題にチャレンジすること

ある子が、クラブノートを見せながら友達に向けて調べたことを発表しました。
「火星の探査機について調べたんだ。」
「NASAのパーサヴィアランスと、それから中国の…これは何て読むのかなぁ『祝融』っていう探査機と、他にもたくさんあることが分かりました。」(その後、皆で日本語読み「しゅくゆう」と確認しました)。
彼のノートには調べたことが丁寧にまとめられており、それを見た友達も刺激を受けました。クラブをとおして、学びに向かう力がすくすくと育まれていくように思います。
次回は12月。夜の天体観測を予定しています。

第2回クラブを開催しました(8月3日)

8月3日に観望会を実施しました。今回は自分で望遠鏡を扱えるようになることをゴールに据え、「一等星を自分で導入してみよう」という課題にチャレンジしました(目標の天体を望遠鏡で捉えることを「導入」と言います)。

星座早見盤

午後7時。参加者が集合しました。あたりはまだ明るく、星は見えません。明るいうちに星座早見盤を使って一等星の見える位置を確認しました。使い方は簡単。日付と時刻の目盛りを合わせ、見たい方角の空にかざすことで星や星座の名前が分かる仕組みです。

望遠鏡

参加者が持参したものに加え、当センターで所有しているものやスタッフの私物等、合計11台が並びました。まずは一番星の金星を導入してみました。ファインダーをのぞき、両目を開いたまま金星を捉えることにチャレンジしました。ファインダーののぞき方や鏡筒の微調整等、極めて感覚的な「コツ」をつかむべく、子供達は繰り返しチャレンジしました。
架台には大きく2種類があります。「経緯台」は架台が上下左右に動くので子供達にとって感覚的に操作しやすかったようですが、「赤道儀」の動き方には戸惑っているようでした。地球の自転に合わせて設計されたそれが、何のためにあるのかということも、子供達にチャレンジしてほしい課題の一つです。

一等星

天頂付近にベガ、西にアルクトゥールス、南の低い位置にアンタレス。子供達は自分で狙いを定めて導入にチャレンジしました。

夜空の一等星を望遠鏡でのぞいても大きく拡大することはできません。あまりに遠いからです。しかし、夜空で一様に輝く星の一つ一つを望遠鏡で取り分けるようにのぞくと、そのまばゆい光にはそれぞれの色があって、明るさも含めた星の表情を感じることができました。

「アンタレスってこんなに赤いんだね。」

「アルタイルは白いんだ。きれいだなぁ。」

また、望遠鏡を自分で操作して初めて分かることもあったようです。

「頭の上の星を望遠鏡で見るときは、変な姿勢にならないといけないんだ。」

「ベガは(真上にあるから)きついよ!望遠鏡をのぞく姿勢がつらすぎる!」

「(高度が)低いところの星は導入しやすいなぁ。アンタレスがいいわ。」

土星

時間が経つにつれ、南東の空に土星が現れました。一等星を導入できるようになってきた子供達がチャレンジしました。あちこちで声があがります。
「見えた~!環みたいに見えるよ。」
「すごく小さいけど、細長く見えているよ。これが環なんだ。」
視野の中で、真っ暗な宇宙空間にちょこんと浮かぶ土星を捉えることができました。

ミザールとアルコル

北斗七星の柄の方から2番目。肉眼でもわずかに2つに分離できるそれを望遠鏡で捉えることにもチャレンジしました。ある参加者の望遠鏡では、ミザールとアルコルを同一視野に捉え、かつ、ミザールを2つに分離(二重星)して見ることができました。これにはスタッフも興奮してしまい、「どこのアイピース(接眼レンズ)ですか?」
「型番を教えてください」
と会話が弾みました。

アルビレオ

はくちょう座の二重星。青とオレンジの2色が美しく、「天井の宝石」とも例えられるうっとりするほど美しい星です。しかし、導入は困難を極めました。明るさが3等星とこれまでより暗いことに加え、天の川に位置するためにファインダー内に紛らわしいけれども美しい星々がたくさん入りこんでくるのです。両目を見開き、実際の星空とファインダー内の十字マークを重ねるようにしてチャレンジを重ね、何人かが導入に成功しました。
「入った…」
大声をあげるのではなく、静かに自分の偉業を讃えるかのようにつぶやく子供の姿が印象的でした。代わる代わる望遠鏡をのぞき、「きれい」「2色だ」と感動を分かち合いました。

国際宇宙ステーション

「今日、ISSが通過するんだよ!見えるかなぁ?」
ある子が教えてくれました。時間と方角を確認し、当日8時11分頃に国際宇宙ステーションを確認することができました。
「速いんだね。」
「明るいんだね。」

天気

当日の夕方は雲が多く、望遠鏡を出そうかどうか迷うほどの空模様でした。しかし観測スタートとともにだんだんと雲がなくなり、ここ最近で一番と思えるほどの満天の星空が広がりました。クラブ終了後、館長がつぶやきました。
「あんなに曇っていたのに、子供達のおかげとしか思えないわね。」
次回は9月。昼間の太陽観測等を中心に活動する予定です。

第1回クラブを開催しました(7月23日)

クラブノート・黒点記録用紙・名札の写真
クラブノート等

太陽黒点観測

太陽投影板を使い、黒点を記録しました。鉛筆を持ち、記録用紙に触れないように黒点の位置を正確に記録。記録が終了したら、赤道儀のモーターを切って太陽像(黒点)が動いていく方向を確認しました。黒点が動いていく方角が西ということになります。
みるみるうちに太陽が記録用紙から外れていく様子に子供達は「おぉ!速い!」と声をあげていました。
写真は、途中曇ってしまって観測ができなくなってしまったときです。観測中、時折記録用紙上に雲が流れるのもまた美しく、鳥が横切ることもありました。

自分の課題にチャレンジすること

子供達に、興味のあることやチャレンジしてみたいこと等を聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました。
「地球の歴史と宇宙の歴史を照らし合わせて調べてみたい」
「探査機について調べてみたい」
「静かの海など、月のいろんな場所を望遠鏡で見てみたい」
「望遠鏡操作の技術を高めたい」
当クラブでは、子供達のチャレンジしたい意欲を大切に考えて運営していきます。次回は夜間の天体観測を計画しています。​


松本市AIチャットボット