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管更生?耐震化?
松本市下水道課には管路担当の職員がいます。主な仕事は、管路やマンホールポンプ場の維持管理、老朽化した管きょに係る改築・耐震化工事の設計監理などです。
今回は、業務の中から「管更生」と「管路の耐震化」について、簡単に分かりやすくご紹介します!
管更生とは
管更生はどうして行うのでしょうか。
松本市の下水道管きょは昭和25年から整備されました。古いところでは70年以上を経過している場所もあり、管きょの老朽化は深刻な問題となっています。当然のことながら管きょは埋設されており、修繕や布設替には道路掘削や長期間にわたる通行止め等、多大な費用と時間を要します。
そこで登場したのが「管更生」。管更生は老朽化した管きょを、地面を掘削せずに内側から補強・修繕することで管路寿命を伸ばす画期的な施工方法です。
更生工事の流れ
1.管路清掃
水替え(汚水を土のう等で止水)を行い、管内の清掃を行います。
2.事前調査
TVカメラにて管内の状況を確認します。また、状況によってはせんこう機(さっこう機)を入れ、内部の飛び出た異物の除去を行います。
管内には木の根やクラックからの地下水の侵入、経年劣化によるモルタルの付着等が多くあります。これらは更生材料に影響を及ぼすため、きれいに除去する必要があります。
3.更生材料の搬入
更生材料を人力やウィンチを用いて管内へ引き込みます。
4.更生材料の拡径(円筒状に広げること)・硬化
更生材に水蒸気等で熱と圧力を供給して拡径し、硬化します(光硬化もあります)。管内温度は80度まで上がります。
5.仕上げ作業
新しい更生管内部にせんこう機(さっこう機)を入れ、内部の仕上げを行い工事が完了となります。
管路の耐震化って?
年々日本における自然災害は激甚化していますが、下水道管きょが被災した場合どうなるでしょうか。
トイレが使用できなくなることはもちろんのこと、お風呂やキッチン等の生活雑排水も流せなくなり…。市民生活への影響は計り知れません。そうならないため、下水道課では「松本市下水道総合地震対策計画」に基づき、マンホールと管の接続部分、重要施設(指定避難所、病院、医療救護施設など)周辺の管路を中心に耐震化を図っています。

耐震化で重要視される箇所(管、マンホール、マンホールと管の接合部)について、ご紹介します。
管路の耐震診断
管の耐震診断
松本市では管の耐震診断を業務委託で行っています。
テレビカメラで管内調査を実施し、管同士がズレていないか、抜けていないか、施工当時の書類と照らし合わせながら劣化状況を確認・診断します。
マンホールの耐震診断
マンホールの耐震診断も業務委託で行っています。
地震の影響により、液状化(マンホールが地面から浮き上がったり沈下したりする現象)する可能性がないか、周辺の地盤の評価等を確認・診断します。整備当初のマンホールは、当時入手のしやすかったレンガを用いた構造が主流でした。未だにレンガ製のマンホールが当時のまま残っている場所もあり、内部からの補強等により耐震化工事を実施しています。
マンホールと管の接続部における耐震診断
地震時に最も破損が集中する場所です。
マンホールと管の接続部においては、「可とう性」を有しているかがポイントになります。「可とう性」とは、地震などの外部の力に対して、接合部分が外れたりせずに柔軟に吸収できる性質のことです。耐震計算で得られた数値などから適正に管理しています。
以上の診断・調査を行い、耐震化が必要になった場所においては適切な施工方法で耐震補強を行います。
たゆまぬ努力で支える、見えない暮らしのインフラ
耐震化工事を始め、松本市で行う管路工事は酸素欠乏や硫化水素等の有毒ガス、マンホールからの落下等の危険を伴うため、安全には十分注意する必要があります。また、管きょは道路下の埋設が多く、交通の影響を考慮して夜間施工を行うことも少なくありません。今後も私たちは、「下水道が使えて当たり前」という安心を守り続けます。

