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発掘された松本2014
15回目となる「発掘された松本2014」は、平成27年(2015年)2月7日(土曜日)に開催され、130名を超える皆さんにお越しいただきました。
発掘された松本2014会場風景
報告その1 三間沢川左岸(みまざわがわさがん)遺跡(松本市和田)
三間沢川左岸遺跡はこれまでに7度の発掘調査が行われています。
平安時代前期(9世紀中頃)に成立したかなり有力な大集落でした。
集落に井戸はなく、自然流路や溝などによる導水に頼っていました。
昨年度からの調査により、大規模な水路は後に使用されなくなり、小規模な水路が生活の中心になったということがわかりました。
写真は水路の底から伏せられた状態で見つかった土師器(はじき)の食器です。
三間沢川左岸(みまざわがわさがん)で発見された土師器(はじき)
報告その2 和田太子堂(わだたいしどう)遺跡(松本市和田)
9世紀後半の竪穴式住居跡などがみつかり、報告その1の三間沢川左岸遺跡とほぼ同時期の集落があったとわかりました。
写真は多量の土器が出土した竪穴住居跡です。
和田太子堂で発見された竪穴住居跡
報告その2 エリ穴遺跡-縄文時代のまつりの場-(松本市内田)
エリ穴遺跡は平成7年度に発掘調査を行いました。
配石や祭祀に関連する遺物・耳飾が集中する廃棄場(まつりの場)がありました。
縄文時代中期から晩期(約5000年前~約2500年前)にあった集落です。
整理作業は平成29年度まで続き、報告書も発行される予定です。
エリ穴遺跡報告風景
報告その3 松本城三の丸跡土井尻(松本市大手)
調査地の西半分から総掘の一部が確認され、その内側に沿って杭列が出土しました。
また、調査地の東半分からは家臣の武家屋敷内の遺構が多数発見されました。
写真はごみ穴から出土した漆椀と下駄です。
松本城三の丸跡土井尻で発見された漆椀と下駄
報告その4 井川城跡(松本市井川城)
信濃守護小笠原貞宗(1292年-1347年)が伊那郡松尾(現在の飯田市)から居館を移した「井河の城(館)」と推定される遺跡です。
遺跡の保存について検討するため昨年から引き続き2年間発掘調査を実施しました。
井川城跡