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発掘された松本2012
13回目は、平成25年(2013年)2月16日に松本市時計博物館4階 本町ホールで開催され、86名の皆さんにご参加いただきました。
発掘された松本2012会場風景
報告その1 県町(あがたまち)遺跡の発掘調査
第17次調査が3月から7月にかけて行われ、弥生時代、古墳時代、奈良・平安時代の住居跡が多数発見されました。
写真は礫床木棺墓(れきしょう もっかん ぼ)という、底に小石を敷き詰めた上に木棺を納める形式のお墓で、弥生時代中期の千曲川・犀川水系で主に見つかる墓制です。3基のお墓が規則的に並んで造られていました。
県町遺跡で発見された礫床木棺墓
報告その2 海岸寺(かいがんじ)遺跡の試掘調査
海岸寺遺跡は平安時代に創建された海岸寺というお寺があった場所と推定されています。
遺跡の一帯に現在も残っているひな壇上の地形が、古代・中世に造成されたものであることを確認するために、9月から10月にかけて試掘調査を実施しました。
その結果、建物の基礎とみられる石列や池の跡などか発見され、平安時代や中世の土器などが出土しました。
海岸寺遺跡の試掘調査
報告その3 松本城大手門枡形(ますがた)跡の発掘調査
江戸時代の絵図面にも描かれている大手門枡形の残存状況などを探るために、7月から12月にかけて発掘調査を実施しました。
一帯には以前は大きなビルが建っていたのですが、地表下1.5メートルの深さから枡形の石垣とそれを巡る堀が発見されました。
堀の中からは大手門に使われていたと思われる屋根瓦が大量に出土しました。
松本城大手門枡形跡の発掘調査
講演会「松本城の調査とその意義・課題」
講師:松本城管理事務所 研究専門員 後藤 芳孝 先生
松本城管理事務所研究専門員の後藤芳孝先生に「松本城の調査とその意義・課題」と題して、講演をしていただきました。
これまでの松本城や城下町関連の考古学的調査の成果について文献研究の面から解説していただき、今後の調査の方向性や課題、文献と発掘の協調体制などについてのお話をうかがいました。
後藤 芳孝 先生