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発掘された松本2016

更新日:2021年12月21日更新 印刷ページ表示

17回目を迎えた「発掘された松本2016」は、平成29年(2017年)2月18日(土曜日)にМウイング6階ホールで開催され、254名の皆さんにご参加いただきました。

報告その1 岡田田中遺跡(松本市大字岡田下岡田)

縄文時代から中世までの遺物が出土しました。
中世の遺物が多く見られたことから、調査地付近には中世の遺構があった可能性があります。
また、輸入品である青磁片、白磁片が多数出土し、中には陽刻双魚文(ようこくそうぎょもん)が施された青磁盤(威信財)も見つかったことから、調査地付近には有力者がいた可能性があると考えられます。

岡田田中遺跡で発見された青磁の碗、盤の写真
岡田田中遺跡で発見された青磁の碗、盤

報告その2 松本城三の丸跡土居尻(松本市大手)

松本城三の丸には中級上級武士の屋敷がありました。
これまでの調査では、高級陶器や輸入磁器、刀装具などが出土しています。
第9次調査では絵図に描かれている水路と考えられる東西につづく石列が出土しました。

松本城三の丸跡土居尻で発見された石列の写真
松本城三の丸土居尻で発見された石列

報告その3 横田遺跡(松本市横田)

住居址等は確認できませんでした。
古代の遺物が遺構外から出土していることから、周辺に集落が存在する可能性が高いといえます。
洪水の跡がみられるため、災害の多かった場所だと考えられます。

横田遺跡で発掘された洪水による地面の流失と堆積の写真
横田遺跡で発掘された洪水による地面の流失と堆積

報告その4 松本城下町跡本町(松本市中央)

戦国時代末から江戸時代の造成工事の跡が発見されました。
また、屋敷割の変遷から城下町が成立し、その後発展していった様子がわかります。
城下町成立期の地層からは杭列を伴う謎の溝を発見しました。
その他、水道施設跡も発見されました。
隣地境界跡からは町人屋敷数件分を調査することができました。
高級食材や焼塩壺、茶器なども発見され、絵図に描かれている御使者宿の推定位置である可能性が高いと思われます。

松本城下町跡本町の18世紀後半から19世紀初頭の建物基礎の写真
松本城下町跡本町の18世紀後半から19世紀初頭の建物基礎

報告その5 殿村遺跡と虚蔵山城跡の発掘調査

殿村遺跡には、300メートル四方に及ぶ範囲に宗教施設とみられる平場跡が広がっていたと考えられます。
平場の縁などに築かれた石垣は15世紀のもので、武家の館や城にはまだほとんど見られなかった時代のものです。
平場跡からは、礎石建物とともにかわらけや輸入品を含む茶道具が多数見つかったことから、有力な寺院が存在していた可能性があります。
あわせて調査を実施した虚空蔵山城の平場跡群も、古段階の地面から礎石建物やかわらけ、中国産の青磁・白磁、瀬戸産の天目茶碗や茶壺など、殿村遺跡と変わらない高級品や茶道具が見つかり、お寺があったとみられます。
その後、空堀や土塁で防御された新段階には、山城の中心的な施設になっていったようです。

殿村遺跡の平成28年調査地全景の写真
殿村遺跡の平成28年調査地全景

特別報告 小笠原氏城跡の史跡指定と歴史文化基本構想

平成29年2月9日に小笠原氏城跡(林大城・井川城跡)が史跡指定されました。
その報告とともに「地域発 元気づくり支援金」を活用し、遊歩道の整備や文化財散策マップの製作を行っている、林古城会の活動を紹介しました。
林古城会のように、地域の特徴を示す文化財を、指定・未指定に関わらず広く把握し、これらの文化財を群として捉え直し、住民を主体としたまちづくりに活かしていくことを目指します。

林城跡(大城・小城)全景の写真
林城跡(大城・小城)全景

井川城跡全景の写真
井川城跡全景

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