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旧デリー(壱の蔵)
(読み方)きゅうでりー いちのくら
- 指定等区分 松本市登録文化財
- 登録年月日 令和元年9月26日
- 種別 建造物
- 所在地 松本市中央2丁目476-6
- 所有者 個人
- 時代区分 明治時代
カレー店デリーとして市民に親しまれてきた建物
本物件は、明治40年(1907年)に建築された木造2階の寄棟造りの建物で、松本城下町の中町通りの西側、中町通りと四柱神社へ向かう小路の交差点に位置しています。現在の建物は、当初の建物の南半分に相当する部分で、北半分は平成元年に解体されました。土蔵造りの建物で、外壁は黒漆喰の仕上げ、腰部はなまこ壁となっています。
1階の南側は現在窓が2カ所ありますが、当初窓は1カ所で、その横に1間程度の間口の入口が設けられていました。1階東壁は南寄りと北端に入口が、中ほどに窓が設けられています。2階は南側に1カ所、東側2カ所にそれぞれ窓が設けられています。これらは古写真から建築当初のものと推定されます。
この建物は古写真から「加嶋屋呉服店」として建築されたと推定され、その後、「清水煙草卸売捌所」などの店舗として用いられたことが古地図から判明しています。昭和45年(1970年)から平成29年(2017年)までは「カレー店デリー」として用いられ、市民にも特徴的な建造物として親しまれました。
本物件は中町通りの土蔵造の建造物のなかでも、黒漆喰塗の特色ある建造物であり、まちなみの歴史的景観の形成に寄与しており、市民にも親しまれている貴重な文化財です。城下町エリアの市近代遺産に認定された歴史的建造物を保存・活用するための制度である「松本市登録文化財制度」の第一号として登録されました。