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槻井泉神社の湧泉とケヤキ
(読み方)つきいずみじんじゃ の ゆうせん と けやき
槻井泉神社の湧泉とケヤキ
- 指定等区分 松本市特別史跡及び特別天然記念物
- 指定年月日 昭和42年2月1日
- 種別 井泉、植物
- 所在地 松本市清水1-2ほか
- 所有者 個人
- 時代区分
清水の地名これに起これり
槻井泉神社と湧泉
この湧泉は古代以来のもので、この地域の地名「清水」もこれに由来します。江戸時代この地域には、湧泉の水を利用した染色、製紙の生業もおこりました。
現在、美津波廼女命(みずはのめのみこと)、御井神(みいのかみ)、鳴雷神(なるいかづちのかみ)を祭神とする槻井泉神社がまつられていますが、この神社については江戸時代以来、『三代実録』の記載にある元慶5年(881年)12月従五位下に叙せられた延喜式外の槻井泉神社との伝承があります。しかし、県内には槻井泉神社を称するものが数社あり、確証は得られていません。
明治12年(1879年)の長野県市町村誌編さん時の資料には、
「社地は東西二間、南北五間、面積十坪税地、(中略) 社前に清水湧き出て、暑寒に涸(か)れず、槻(けやき)の老大樹二株、榧(かや)、梅の樹あり。人平常井戸神の宮と伝」 とあります。
近年の自然環境の変化によって湧水量が減ってきたのと全体の修景のため、平成2年に改修工事がおこなわれました。
ケヤキの老木
高さは25m程度で、目通りの太さは1.6mほどある大木です。近隣の住宅をおおうほどに枝ぶりもよく、旺盛な生育をしています。水分条件もよく、神社の御神木として、また湧泉とともに地域の憩いの場として大切にされています。
神社入口の道祖神
槻井泉神社の入口には、文政3年(1820年)に清水村の人々によって建立された双体道祖神があります。この像は、松本地方に多い祝言跪座(しゅうげんきざ)像の最初の例とされています。また、槻井泉神社の中にも、紀年銘のない小さな双体道祖神碑があります。