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牛伏寺堂平

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)ごふくじ どうだいら

  • 指定等区分 松本市特別史跡
  • 指定年月日 平成27年7月7日
  • 種別 遺跡(寺社跡)
  • 所在地 松本市内田2574-1
  • 所有者 牛伏寺
  • 時代区分 平安時代

鉢伏山中腹の建物跡

堂平とは

牛伏寺境内と鉢伏山頂の中間、標高1100~1200mのあたりに「堂平」と呼ばれる一帯があります。昔、鉢伏山中腹の平坦地に牛伏寺の堂塔が建てられていたと伝わる場所ですが、正確な位置は分かっていません。
平成22年度から23年度にかけて実施した発掘調査によると、この堂平のあたりで人間の活動がみられはじめるのは、9世紀後半からです。いくつかの平坦面で利用された跡がありますが、全ての平坦面で同時期に人々が活動した様子は確認できず、出土した遺物の時期と平坦面の配置を重ねると、標高が低い場所から高い場所へと移動しているように見えます。

堂塔の実態を探る

堂平発掘調査地点の画像
堂平発掘調査地点

宗教的な可能性のある施設としては、標高の低い平坦面で、方形に組まれた3m四方の石組みが確認されました。さらに、その周囲に礎石が発見され、石組みを覆う建物の存在も考えられます。この平坦面は、石組みや礎石以外には竪穴建物などの遺構が見られないことや、遺物の出土量が少ないことから特殊な空間と言え、堂平という宗教空間の中心的な施設であったのかもしれません。
周囲の他の平坦面では、9世紀後半から11世紀までの竪穴建物の跡が確認され、煮炊具として使われた土器が多数出土しています。これに対し標高の高い場所では、煮炊具の出土が少ないため生活色が薄い一方、油煙が付着した燈明皿は多く出土しており、宗教色が濃く感じられます。
標高の高い北東の平坦面が最後まで使われた面で、燈明皿とともに銅伏鉦(松本市重要文化財)が出土しています。活動時期は国重要文化財の本尊十一面観音や県宝の蔵王権現の制作時期と一致しており、牛伏寺の歴史を考えるうえで堂平は貴重な史跡です。このページのトップに戻る


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