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百瀬家庭園
(読み方)ももせけ ていえん
百瀬家庭園
- 指定等区分 市特別名勝
- 指定年月日 平成26年7月25日
- 種別 庭園
- 所在地 松本市平田西1-277
- 所有者 個人
- 時代区分 江戸時代
力強さを感じさせる庭園
百瀬家庭園は、多くの石を立てて作られている非常に珍しい庭園です。庭園の規模は小さいものの、枯滝(雄滝)を二つも配しており、見る人に力強い印象を与えます。
明治20年代(1887年~1896年)に撮影されたとみられる写真には、うっそうとした庭園が写っており、遅くとも江戸時代後期には作られたと推定されます。また、貞享年間(1684年~1688年)頃に作られたとされる出川の中田氏庭園(県名勝)と比較すると、石の産地や使い方が異なっていることから、百瀬家庭園はそれよりも遅い江戸時代中期以降に作られたとみられ、江戸時代の文献から漏れていることからすれば、江戸時代末期に作られた可能性が高いと考えられます。
大正4年(1915年)に行われた大規模な改修が、昭和44年(1969年)に作庭家・重森三玲の指導で元の姿に戻され、書籍等に紹介されたことから広く知られるようになりました。
この庭園に使われている石は、安山岩、グリーンタフ、ホルンフェルス、花崗閃緑岩で、花崗閃緑岩を除けばいずれも松本付近の石と見られます。最も多い六角形に割れる柱状節理をもつ安山岩は、アルプス公園から島内平瀬地区にかけてと岡田伊深地区に見られ、鉱物組成・組織・粒度の点では伊深地区で産出する伊深石の可能性が高いと考えられます。