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アロデスムス頭骨の化石
(読み方)あろですむす とうこつ の かせき
アロデスムス頭骨の化石
- 指定等区分 市特別天然記念物
- 指定年月日 平成28年(2016年)3月23日
- 種別 地質鉱物
- 所在地 松本市七嵐85-1 四賀化石館
- 所有者 松本市
- 時代区分 新生代新第三紀中新世
巨大な目をした哺乳類
アロデスムスは約1500~1000万年前の新生代第三紀中新世中期頃に太平洋で活動していた哺乳類で、アシカやセイウチと共通の祖先から進化した鰭脚類(ききゃくるい=脚がヒレのようになっている哺乳類)です。約1200万年前頃から始まった気候の寒冷化により数が減りはじめ、約1000万年前に絶滅したとされます。
アロデスムスの化石は、国内では北海道の白糠丘陵や島根県東部から出土し、近年では石川県珠洲市の珪藻土から、ほぼ全身の骨格化石が見つかっています。
このアロデスムスの頭骨の化石は、昭和36年(1961年)に南安曇郡豊科町柏沢(現在の安曇野市豊科)で発見され、その後、京都大学に保管されていましたが、平成2年に四賀化石館の所有となりました。
これより早く、大正9年(1920年)頃に柏沢の北に当たる麻生で発見された「シナノトド化石」(昭和60年に長野県天然記念物に指定)もアロデスムスの化石です。いずれも頭部のみの化石ですが、巨大な目や単純化した歯といったアロデスムスの特徴が見られます。
また、松本市特別天然記念物「大型鰭脚類の陰茎骨化石」も近くの堂平で発掘されており、いずれの化石も約1000万年前の出土地一帯の環境を考える上で貴重な資料といえます。