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牛伏寺観音堂宮殿
(読み方)ごふくじかんのんどうくうでん
- 指定等区分 市重要文化財
- 指定年月日 平成27年(2015年)7月7日
- 種別 建造物
- 所在地 松本市内田2573
- 所有者 牛伏寺
- 時代区分 江戸時代
かつて本尊のおわしましたところ
宮殿(くうでん)とは
宮殿とは、厨子(ずし)と同じく、仏像を収めるために造られた建築物のことです。
牛伏寺の観音堂(本堂)に安置されている宮殿は、本尊・木造十一面観音立像(重要文化財)を収めるためのものです。間口4尺×奥行3尺5寸の方一間(1間四方)の入母屋造(背面は切妻造)・こけら葺で、軒に唐破風を付けた総高10尺の建築物で、全体に彩色が施されています。
なお、現在、本尊の木造十一面観音立像は、釈迦如来像等の指定文化財とともに奥殿(収蔵庫)に安置されています。
牛伏寺最古の建築物
建築年代に関する史料は見つかっていませんが、蟇股(かえるまた)・頭貫木鼻・台輪の繰形などは、江戸時代前期の特徴が見られます。寺伝によれば、観音堂が慶長17年(1612年)に焼失し、元和8年(1622年)に再建されたとあり、再建の際に宮殿も造られたと考えられます。
また、「宝永六年己丑牛伏寺観音堂建立覚帳」によると、宝永6年(1709年)に新しい観音堂の建築工事が着工され、宝永8年に古い堂が取り払われ、正徳2年(1712年)4月に上棟式が行われています。このことから、元和8年頃に造られた宮殿が、正徳2年に上棟された観音堂に再び安置され、観音堂とともに現在に至っていると推測されます。