本文
西善寺の木造地蔵菩薩半跏像
更新日:2021年12月20日更新
印刷ページ表示
(読み方)さいぜんじ の もくぞう じぞうぼさつ はんかぞう
西善寺地蔵菩薩半跏像
- 指定等区分 松本市重要文化財
- 指定年月日 昭和55年(1980年)3月18日
- 種別 彫刻
- 所在地 松本市和田境1317
- 所有者 西善寺
- 時代区分 江戸時代
念来寺六世明阿上人の作、古式な様式をみせる
念来寺の本尊とともに、廃仏毀釈の際に西善寺へ移された仏像のひとつです。
像高は354cm(頭頂より左足裏)、坐高は205cmの、松本平にはまれな巨像です。檜(ひのき)材、寄木造、漆箔(しっぱく)、水晶を入れた白毫(びゃくごう)、玉眼嵌入(ぎょくがんかんにゅう)を施し、やや面長でふくよかな頬、ゆったりとした腹部、膝張を大きくするなど、おおらかな感じをよく出しています。右手は右膝上で錫杖(しゃくじょう)を執る形、左手は臂(ひじ)を屈して宝珠(ほうじゅ)を捧げています。腹部に裳(も)の結び紐をみせ、裳裾(もすそ)をかけて下ろした左足を、台座の前面に伸びた小さな蓮座の上にのせています(二重座つき)。衲衣(のうえ)の下半に描かれた金泥の唐草模様はまことに手が込む贅(ぜい)をつくした大仏です。
この地蔵菩薩半跏像については、「中興明阿(みょうあ)上人作」「正徳元年開眼法要」の記録があり、念来寺を中興した明阿上人によって、正徳元年(1711年)に制作されたと考えられます。本尊と同じく古式な様式をみせる優れた延命地蔵像です。