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中山36号古墳出土品

更新日:2023年5月11日更新 印刷ページ表示

(読み方)なかやま さんじゅうろくごう こふん しゅつどひん

  • 指定等区分 松本市重要文化財
  • 指定年月日 昭和62年4月14日
  • 種別  考古資料
  • 所在地 松本市中山3738-1(松本市立考古博物館)
  • 所有者 松本市
  • 時代区分 古墳時代

弘法山古墳と同じ中国製の鏡が出土

古墳時代前期の古墳

中山36号古墳(仁能田山(にのうだやま)古墳)は、現在の開成中学校の敷地内にあった古墳で、丘陵上に立地し、昭和47年(1972年)に発掘調査が行われました。この際に銅鏡1点と壺型土器が出土したことにより古墳時代前期にさかのぼる古式の古墳であることが判明しました。その後、平成5年(1993年)に再び発掘調査の機会に恵まれ、わずかに残存していた周溝の形状から、従来考えられていた円墳ではなく方墳または前方後方墳の可能性が高くなりました。前期古墳は谷を挟んだ西側の丘陵上に残る弘法山古墳(国史跡)と本古墳の2基しか確認されていません。

半三角縁六獣文鏡

出土した銅鏡は「半三角縁六獣文鏡(はんさんかくぶちろくじゅうもんきょう)」または「斜縁式獣文鏡(しゃえんしきじゅうもんきょう)」とよばれる縁の断面が低い三角状になったもので舶載鏡(はくさいきょう:中国製の鏡で、日本に伝えられたもの)と考えられています。
直径13cm、厚さは中央部が1cm、外縁部が4mm、最も薄いところで1mmを測り、材質は白銅製ですが表裏面ともに黒光りしています。裏面の文様は、内区内側が獣帯で6個の乳の間に六頭の霊鳥獣を配し、外側の銘帯には「宜□□上方作竟自有紀」の文字が鋳出されています。外区は内側が櫛歯(くしば)文、外側が二重の鋸歯(きょし)文で一部に朱の付着が残っています。

東海系の壺型土器

土器は二重口縁をもつ壺型土器で、大きさは高さ23cm、口径16cmを測ります。頸部から上方へいったん開いた口縁部がさらに大きく広がる二重口縁または複合口縁とよばれる形態を示しており、松本地方で出土したものとしては最古の形式です。文様は口縁部上段に櫛描波状文(くしがきはじょうもん)をめぐらせたうえに3本の棒状浮文と円形浮文を三単位で配し、胴部上半には櫛描の直線文と波状文を交互2段に横走させています。この土器は器形や文様が東海地方の影響を強く受けていることが指摘されており、松本の古墳出現期における文化の交流を物語っています。このページのトップに戻る


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