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円城寺の木造観音菩薩立像

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)えんじょうじ の もくぞう かんのんぼさつ りゅうぞう

  • 指定等区分 松本市重要文化財
  • 指定年月日 平成29年3月29日
  • 種別          彫刻
  • 所在地       松本市内田2573(牛伏寺)
  • 所有者       円城寺
  • 時代区分    平安時代後期

温和でゆったりとした造形の地方仏

本像は、真言宗智積院末隆光山円城寺の本尊として祀られています。像高は72.35センチメートルで、左手はひじを曲げて胸の高さでつぼみの蓮華(れんげ)を持ち、右手は垂れ下げて蓮の花の上(蓮華座)に立っています。現状では髻(もとどり 頭上に束ねた髪)を欠失しています。鼻先、両手ひじから先、両足先、金銅製の透かし彫り宝冠、胸飾、光背、台座、前面裙裾(すそ)、左側部裙裾は後補とみられますが、それ以外は比較的保存状態の良好な像といえます。ヒノキ材などの針葉樹材を用いており、頭と身体は両ひじまでを含んで一材から彫り出しています。現状では彩色を施さない素地仕上げで、髪は黒く墨を塗っていますが、目鼻口の彩色ははっきりとしません。後補である宝冠が本体の頭上を隠しており、観音菩薩の標識である阿弥陀仏の化仏(けぶつ 頭上の小さな仏像)や、髪型の時代の流行は確認できません。また、聖観音か十一面観音かといった観音菩薩の特定もできない状態です。温和でゆったりとした造形感覚に満ちあふれた表現は、平安時代後期の特徴を示しています。表現の上では、穏やかな感性が徹底していること、浅い彫り口がやや形式化していること、体の動きがおとなしいことなどに注目でき、これらの特色は地方仏としての特性を示すと考えられます。
保存状態も全体的には良好で、小品ではあるものの、文化財指定されている牛伏寺の平安時代の仏像と遜色ない歴史的意義のある貴重な仏像です。このページのトップに戻る


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