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木造阿弥陀如来坐像(廣田寺)

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)もくぞう あみだにょらい ざぞう

  • 指定等区分 松本市重要文化財
  • 指定年月日 平成18年3月27日
  • 種別      彫刻
  • 所在地   松本市会田566(廣田寺)
  • 所有者   廣田寺
  • 時代区分  室町時代

戦乱の世をくぐりぬけた仏様

会田地区の廣田寺にある阿弥陀如来坐像で、像高は68.8cmです。桧材を用いた寄木造で、内刳り(うちくり)を施しています。制作年代は室町時代後半と考えられますが、所々に後世の補修が見受けられます。
像容は通例の阿弥陀如来坐像で、左手を膝前に置き、右手はひじをまげて、第一・二指を念じる阿弥陀来迎印を結び、右足を上に、両足裏を裳裾にのぞかせ蓮華座に結跏趺座(けっかふざ)しています。頭部は椀を伏せたように肉髻(にっけい)部、地髪部の鉢は強く張り、螺髪(らほつ)を後頭部までていねいに刻んでいます。
なお、左側頭部、後頭部の螺髪の一部に焼けた痕が確認されています。これは寺伝によると天正11年(1583年)の戦乱の際の焼け痕と伝えられており、歴史の古さを物語っています。面相部は白毫相(びゃくごうそう)で、白毫は水晶で作られています。顔立ちは頬張が強く、両眼(玉眼)を見開き、端正で引き締まった凛々しい姿をしています。体部は胸が厚く奥行きがあるのに対し、膝前はやや薄目ですが、全体に整い、堂々とした風格のある像容を示しています。
体部の着衣は、浅く整い、写実を基本とした流れるような彫出しは破綻がみられません。現在では、肉身部には金粉蒔立(きんぷんまきたて)、着衣には漆箔(しっぱく)が施されていますが、いずれも後世に補修した形跡が残っています。
補修の年代は、現在の本堂が享和3年(1803年)に改築されているのでその頃と想定されます。
いずれにしても、このようにしっかりと作りこまれた姿から、仏像としては小像ながら、堂々とした大きさを感じさせられます。このページのトップに戻る


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