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民間信仰資料コレクション

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)みんかんしんこうしりょうこれくしょん

  • 指定等区分 重要有形民俗文化財
  • 登録年月日 昭和34年5月6日
  • 種別    信仰に用いられるもの
  • 所在地   松本市丸の内4-1
  • 所有者   松本市(松本市立博物館)
  • 時代区分 

祈りの心意を形に現わす

収集範囲はほぼ県内全域

このコレクションは、松本地方を中心に長野県内の民間信仰に関連する資料を収集したもので、総件数は111件、総点数は293点です。地域的にみると松本地方の91件をはじめ、木曽地方2件、下高井地方11件、下水内地方1件、小県地方4件、下伊那地方2件で、ほぼ県内全域から特徴ある資料を収集したことがわかります。
コレクションの資料内容をみると、道祖神信仰関係95点、田の神信仰関係76点、山の神信仰関係9点、そのほかの信仰関係が113点です。ここからもわかるように、小正月の祭り(火祭り)に祀る道祖神木像、神祠、神札の版木などの道祖神信仰資料がこのコレクションの中核になり、特徴を示しています。

頭屋で持ち回る道祖神木像

道祖神木像は、北信地方や北安曇地方に多くみられるサクラやヤナギなどを用いた丸木状のものや枝を利用した原初的な形態のもの、松本地方に多くみられる男神・女神の両神が一対となっているものなど木像の形態をとっているものに分類ができます。松本地方の道祖神木像は、北信地方などで用いられる一年限りのものとは異なり、100年以上の歳月にわたり頭屋を持ち回って祀られたもので、好対照の感が強いです。現在でも松本市域では、未指定ではありますが、頭屋で持ち回ったり公民館などで保管し、小正月の火祭り・三九郎や道祖神祭りに道祖神木像や神祠、神札の版木を祀っている町会がいくつかあります。
田の神・山の神関係では、山の神へ供える弓と矢、田の水口に立てる竹でできた田の神などがあり、ほかに小正月や節分に厄除けのために用いる十二書、歳神棚に供えたお神酒徳利にさす竹で作ったおみきの口、かつて疫病と恐れられた疱瘡の治癒を祈る疱瘡の流し神棚などがあげられます。おみきの口は現在でもその製作技術が伝承され、年末には縄手の露店で売られますが、ほかの資料は暮らしの中から姿を消してしまっているものがほとんどです。

今後の研究に期待

松本地方はもとより、長野県が石像(造)道祖神碑地帯であることはよく知られています。かつて松本の城下町では石像道祖神碑が建立されることはなく、城下町の親町や枝町では道祖神木像を祀る道祖神の祭りが盛んにおこなわれています。また、松本地方の道祖神木像の分布をみると、城下町から伸びる主要な街道沿いの町や村にも分布していることがわかります。しかし、なぜ多くの石像道祖神碑と混在して道祖神木像が祀られたかは、まだよくわからない点が多いです。
コレクションの価値をより一層高めるためにも、今後の研究が待たれます。このページのトップに戻る


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