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白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石
(読み方)しらほねおんせん の ふんとうきゅう と きゅうじょうせっかいせき
噴湯丘
- 指定等区分 特別天然記念物
- 指定年月日 昭和27年3月29日
- 追加指定年月日 令和2年3月10日
- 種別 地質鉱物
- 所在地 松本市安曇4190-ハほか
- 所有者 松本市ほか
温泉成分が作り上げた丘
球状石灰石
安曇地区の名湯・白骨温泉に、特別天然記念物「白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石」があります。大正11年(1922年)3月8日に天然記念物(当時は「天然紀念物」と表記)に指定され、その後、昭和27年(1952年)に特別天然記念物となりました。
白骨のような泉質のところでは、温泉の湧き出し口のまわりに炭酸カルシウム(石灰華)が沈殿します。噴湯丘は、石灰華の沈殿が続くうちにしだいに高くなり、丘のようになった地形です。白骨には百以上の噴湯丘があるとされています。
いっぽう、球状石灰石は湧き出し口付近の湯だまりにでき、直径1~10mm、ときには4cmにもなります。白骨では、たくさんの粒が密着したタイプの標本がよく見られます。
白骨には数多くの源泉がありますが、いまも活動を続けている噴湯丘はなく、多くはやぶにおおわれています。また、球状石灰石を現地で見つけることも困難です。
北アルプス山麓には、白骨温泉と同様に、温泉に由来する沈殿物の作り出す景観を見られるところがいくつかあります。
安曇野市の中房川上流では「中房温泉の膠状珪酸および珪華」が天然記念物に指定されています。また、大町市の高瀬川上流の湯俣には、現在もさかんに活動している噴湯丘があります。
白骨温泉は中部山岳国立公園の中にあり、環境省指定の国民保養温泉地でもあります。また、隧通し(ついとうし)と呼ばれる湯川の天然トンネルや、竜神の滝、中里介山文学碑など、見どころも多彩です。
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