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旧松本区裁判所庁舎

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)きゅう まつもとく さいばんしょ ちょうしゃ

  • 指定等区分 重要文化財
  • 指定年月日 平成29年11月28日
  • 種別 建造物
  • 所在地 島立2196-1(松本市歴史の里)
  • 所有者 松本市
  • 時代区分 明治時代

名建築は二度生きる、博物館として生まれ変わる

伝統的和風建築の裁判所

松本区裁判所(長野地方裁判所松本支部を併設)庁舎は、明治41年 (1908年)、松本城二の丸御殿跡に建てられました。同じ明治時代に建築された公共の建造物として、松本市内には旧開智学校・旧山辺学校が残っていますが、両者ともいわゆる擬洋風(ぎようふう)建築の代表例であるのに対し、本庁舎は伝統的な和風の建築様式に基づいた建造物です。全国的に見ても、大審院・控訴院や大都市の地方裁判所は洋風建築で建てられましたが、各地の地方裁判所は和風の建築様式を基本とすることが多かったようです。

本庁舎は、木造平屋瓦葺で、平面形は横長のH形をしており、その中央正面が突き出た形になっています。合計5個の突出部がありますが、それぞれの屋根に入母屋破風(いりもやはふ)をつけ、また正面の屋根に2個、左右側面の屋根に各3個の千鳥破風をつけています。

間取りは、中央部分に中廊下をはさんで判事室・書記室・検事室等を設け、左右の翼屋部には正面に向かって左側に支部訟廷及び書記室等を、向かって右側には区訟廷・予審廷を設けています。訟廷には裁判官席として高い段が設けられています。
本庁舎は、和風の建築様式による裁判所建築の典型例ですが、その中でも完成度が高い建造物です。またほぼ完全な形で保存されている例としては全国でも唯一のものであり、建築史上極めて価値の高いものです。

保存運動によって守られた旧庁舎

昭和52年(1977年)に松本地方裁判所が現在の位置に新築され、翌年には旧裁判所庁舎が解体されることとなりました。このとき「松本市の文化財を守る市民の会」が結成され、旧裁判所庁舎の保存運動が活発におこなわれました。市民の会は財団法人日本司法博物館を設立し、旧庁舎を移転して公開展示をしたいと、市へ申し入れを行い、また法人設立のための寄付金の募集などもおこなわれました。この熱心な保存運動の結果、市は旧庁舎復元を考慮して解体をおこない、この解体された庁舎は市民の会へ無償貸与されました。そして昭和57年(1982年)、島立小柴に移築復元がおこなわれ、日本司法博物館として開館、保存・活用が図られてきました。

平成14年には、松本市が運営を引き継ぎ、現在は松本市歴史の里として、この建物のほか、木下尚江生家、工女宿宝来屋、旧昭和興業製糸場、旧松本少年刑務所独居舎房といった建造物を展示した「たてもの野外博物館」として活用されています。

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