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馬場家住宅

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)ばばけ じゅうたく

  • 指定等区分 重要文化財
  • 指定年月日 平成8年12月10日
  • 種別 建造物
  • 所在地 松本市内田357-6ほか
  • 所有者 松本市・個人
  • 時代区分 江戸時代

隆盛を誇った民家の風格

内田に馬場屋敷あり

内田にある馬場家住宅は「馬場屋敷」と呼ばれていました。広く知られるようになったのは、昭和50年代以降のことです。馬場家は、武田家の家臣の縁戚にあたり、天正9年(1581年)に没した馬場亮政(すけまさ)を初代として、後に主家の滅亡とともに内田の地に移り住み、江戸時代には広大な田畑を持ち、高島城主と親密な関係を保った特別な地位を有していたといわれます。

平成4年(1992年)、当主の馬場太郎氏から屋敷地の主要部(西半分とそこに所在する建物)が松本市に寄附され、市は修理事業に着手しました。市が民家の保存事業を行うのは初めてのことで、専門家の指導と助言のもと慎重に進められ、平成8年度に完了しました。幸いなことに工事中、明治28年(1895年)作成の屋敷家相図が発見され、修理の時代設定を明治28年前後にすることができました。

ひとつの小宇宙を形づくる

馬場家住宅は、標高約690m、眼下に松本平が広がり、北アルプス連峰を遠望できる立地にあります。

江戸時代末期、嘉永4年(1851年)築の主屋をはじめ、安政6年(1859年)築の豪壮な構えの表門及び左右長屋、同時期建築の高島城主専用といわれる中門、そのほか文庫蔵・奥蔵(おくぐら)・隠居屋・茶室など、いずれも家の格の高さを示す建物がそっくり残っています。内部は随所に優美な匠の技を見ることができ、150年近くにわたって馬場家がここで暮らした息吹を感じとることができます。

馬場家住宅の魅力は建物ばかりではありません。建物を守るように屋敷地の北面と東面に築かれた土塁と鬱蒼(うっそう)とした屋敷林、先祖代々の墓石が並ぶ墓地、かつて水車が回っていた坪庭、大ケヤキを背後に控えた祝殿(いわいでん)など、近世の屋敷開発と豊かな自然環境が良く保たれています。いわば、建物と自然があいまってひとつの小宇宙を形づくっています。

主屋は、長野県西南部に分布する「本棟造(ほんむねづくり)」の中でも比較的大規模で整った意匠を持つ代表的な建物です。さらに、屋敷構えが往時の姿をとどめている点も価値があり、江戸時代末期のこの地方を代表する民家建築として極めて貴重な遺構です。

文化財の保存と活用

保存修理工事が完了した馬場家住宅は、平成9年4月から松本市の博物館として一般に公開されています。文化財の民家が博物館として公開されるのは市域では初めてのことでした。文化財の保存と活用を主眼に、見学のほか体験学習や地域の民俗、建築史の学習講座や講演会など、多彩で積極的な活用がなされています。
 
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