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木造釈迦如来及両脇侍像(牛伏寺)
更新日:2021年12月20日更新
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(読み方)もくぞうしゃかにょらいおよびりょうきょうじぞう
中尊 木造釈迦如来坐像・普賢菩薩騎象像 (脇侍)・文殊菩薩騎獅子像 (脇侍)
- 指定等区分 重要文化財
- 指定年月日 大正3年8月25日
- 種別 彫刻
- 所在地 松本市内田2573
- 所有者 牛伏寺
- 時代区分 平安時代
参道近くに「しやかんどばら(釈迦堂原)」の地名が残る
中尊の釈迦如来は、像高138センチメートルの堂々たる坐像で、檜(ひのき)材の寄木(よせぎ)造、全身漆箔(しっぱく)が施されています。細かくよく整えて刻まれた螺髪(らほつ)、すっきりと一文字の髪際、描いたような眉と切れ長な目、前かがみにやや俯瞰(ふかん)して、半眼に下向きなので、拝む者を優しく見下ろしているようです。頬の輪郭のあたたかい円味、なだらかな両肩の張り、肩から下腹、膝前にかけて流れるような薄い衣文(えもん)の線など、藤原時代の流麗で豊かな彫刻の特徴が現れています。まさに円満具足の如来像です。
両脇侍は共に檜材の寄木造で、彩色されています。中尊左側の文殊菩薩騎獅子像は、獅子の動的な形にふさわしい両手の形や静寂な面相など藤原時代の特徴が表されています。中尊右側の普賢菩薩騎象像は、象の平板な鼻とそこから出る牙など、象を想像上の動物として造形したと思われます。穏やかな象の上に円味の肩、静かに合掌する姿が藤原仏らしい巧みな調和があります。