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千手のイチョウ

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

(読み方)せんぞのいちょう

  • 指定等区分 長野県天然記念物
  • 指定年月日 昭和40年(1965年)7月29日
  • 種別 植物
  • 所在地 松本市入山辺8548
  • 所有者 個人

神霊宿る巨木

このイチョウは、入山辺地区千手(せんぞ)地籍にあります。
松本市特別天然記念物の中村のカヤの上方にある、洞水寺とよばれる山中の地籍に生育している巨大なイチョウの木です。イチョウは中国原産で、日本では栽培種となっていることから、このイチョウもおそらく植栽されたものと思われます。一本の木が地上1mあたりで二本に分かれ大木になったもので、現在そのうちの一本は枯れたため途中で切られてしまいました。残りの一本も樹勢は衰え、枯れ枝が目だちます。落雷もあったといわれます。残っている幹の高さは30m、太さは2.5mと巨木であり、枯れたほかの幹の太さもそのくらいです。
このイチョウは、「千手の公孫樹」(公孫樹はイチョウの漢名)とよばれてきましたが、これはこのイチョウからふもとに少し下った山中の平地に千手観音のお堂があり、千手観音の信仰があったためです。
また、枝の途中から乳房のように気根(幹から出て空気中に露出している根)を垂らしていることから、乳の出ない女性が乳の出る祈願をする、いわゆる乳房イチョウとしても有名でした。明治・大正期にかけて参詣者が多く、当時は2棟の建物があったといわれます。現在は観音堂一宇とみたらしの池(井戸)が残り、樹の周囲には石仏が十数体奉安され、往時がしのばれます。
こうした周囲の環境も含めて地元の人々の管理が行き届いており、地元の人々によって保存のための腐朽防止工事もおこなわれました。市内で最大のイチョウの木として貴重であることはもちろんですが、古くから民間信仰の対象となってきたこと、そして現在もなお地元の人々により大切に守られていることは特筆すべきことです。このページのトップに戻る


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